瓔珞の音

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zoom RSS 一年の計は元旦にあるんでしょうか・・・?

<<   作成日時 : 2008/01/02 20:26   >>

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みなさま、

明けましておめでとうございます!

今年もどうぞよろしくお願いいたしますv

のっけからテンション高いですね(笑)。
元旦から突発事項で予定より5時間早く仕事に行き、
断続3時間睡眠で今日のお昼までお仕事してました。
・・・今年も働くことになりそうです(笑)。
帰宅してTVをつけたら、のだめの再放送、しかもSオケの初舞台の回をやっておりまして、
思わず観てしまったのですが、その後さすがに沈没しました(笑)。
初夢も観ず4時間熟睡し、やっとごそごそと起き出したところです。
それでテンション高いのかも(え)。

でも、のだめのドラマはやっぱり面白いですねー。
この回なんて、2〜3回は見直したはずなのに、
オケシーンではやっぱり泣いてしまいました。
週末の特番もめちゃくちゃ楽しみです。
何気にベッキーのターニャに期待してるんですけど・・・イメージ合いますよね?
新年会その他でリアルタイムには観れないので、忘れずに録画しないと!!


さて、では今年最初の観劇記録(でも観たのは去年/笑)に突入したいと思います。


「THE BEAUTY QUEEN OF LEENANE」

2007.12.29 マチネ PARCO劇場 L列上手側
出演:大竹しのぶ、白石加代子、田中哲司、長塚圭史


暗いグレーの濃淡の中で、手をつないで立つ二人の女。
二人の目は全く違うものを見ている風なのに、
常に互いを意識していることがありありとわかる一枚の写真。
薄っぺらなチラシの写真からも伝わる緊張感に、見た瞬間に心惹かれました。
この二人の間にあるものは何なのか。
この二人が辿る道の先に光はあるのか。
この二人の女優が紡ぎだす世界はどんな色合いをしているのか。
期待と、不安と、ちょっとの恐れと・・・そんな複雑な気持ちで、劇場へ向かいました。


物語の舞台は、アイルランド西部の小さな町、リナーン。
そのはずれの丘の上に建つ小さな家で、
モーリーン(大竹しのぶ)は年老いた母マグ(白石加代子)と二人で暮らしていました。
妹たちはとうに嫁ぎ、
母と二人の閉鎖的な生活を20年も続けてきたモーリーン。
病身を盾にとって、依頼心の強いマグの我侭に振り回されながら、
時に辛辣な言葉で、時に小さな意地悪でやりあいながら、
殺伐としつつも安定した生活をしてきた二人。
そんなある日、近所に住むレイ(長塚圭史)が、
アメリカに帰るおじの送別パーティーへの誘いを持ってやってきます。
出かけている娘には私から知らせると言いながら、しらをきるマグ。
しかし、モーリーンは外で帰り際のレイに会い、
パーティーのことを知ってしまいます。
マグの反対などものともせず、新しい黒のドレスでパーティーに参加したモーリーンは、
イングランドで働いていたレイの兄パト(田中哲司)と再会、
意気投合して彼を家へと連れ帰り、穏やかで情熱的な一夜を過ごします。
翌朝、そのことを知り激怒したマグは、
パトに、以前モーリーンが精神病院に入っていたことを暴露します。
若いころロンドンで働いていたモーリーンは、
人種差別といじめから心を病んだ期間があったのです。
狼狽し混乱したモーリーンは、そんなことはたいしたことではない、というパトの言葉に耳を傾けず、
険悪な雰囲気のままパトはロンドンへ帰ってしまいます。
夢のような一夜は夢のままに、母との殺伐とした生活に戻ったモーリーン。
しかし、パトは遠いロンドンから彼女を理解しようと努力し、
共にアメリカに渡ろうという内容の手紙を書いて、弟に託していたのです。
けれど、その手紙はマグの狡猾さとレイの浅はかさからマグの手に渡り、
ストーブの中に投げ込まれてしまいました・・・
そして、パトのお別れパーティーの当日、マグの失言から、
パトが自分に手紙をくれていたことを知ったモーリーンは、
母を責め立て、その内容を聞き出すと、
苦痛にあえぎ倒れた母を残して、あの黒いドレスを身に纏い、パトの元へと急ぎます。
そんな彼女を待っていた結末は・・・?


というような内容のお話でした。
私の文章力だと、あまり殺伐とした感じは出ないのですが(汗)、
この舞台、最初から最後まで、北の果ての小さな村をわたる冷たい風と、
重く垂れ込める厚い雲の下の煤けた闇さに満たされていたように感じました。

とにかく、母娘の関係に、全く持って救いが無いのです。
思いやりの気持ちすら跳ね返してしまうようなささくれ立った感情。
自分のために、娘を支配し続ける母親。
その母親を憎みながらも、過去の記憶から外へ飛び出す勇気がもてず、
小さな報復でうさを晴らしながら、その生活に甘んじる娘。
互いのやり取りは、ある意味虐待と言ってしまってもいいような苛烈さがありました。

けれど、その根元には「家族」という絆を誤解し、甘えるお互いの姿があったように思うのです。

「母」という立場を振りかざし、「老い」と「病」を言い訳に、
わざと娘の神経をさかなでるような要求をするマグ。
けれど、そこには、娘になら何をしても許されるという甘えがあった。

時に言葉で、時に肉体的に母を傷つけながらも、
最終的にはその要求に従い続けたモーリーン。
けれど、そこには、「母」の存在を言い訳にして、そのある意味安定した生活に甘んじる気持ちがあった。

「Mozart!」のナンバーの「星から降る金」という歌に、
愛とは相手を自分の手の中で守るのではなく、解き放ってあげることだという歌詞があります。
この歌詞、私は本当に大好きで・・・
たぶん、私の家族は、そういう風に私を見守ってくれていて、
だからこそ、私は自分の道をどんどん進むことができるし、
逆に家族のことを常に心に置くことができるのだと、そう思います。

・・・この物語の中の母娘は、それとは全く逆だった。
互いが互いに依存し、互いが互いを言い訳にし、
その手を離すことが出来ないまま、二人とも底の無い暗い泥沼に沈みこんでいった。

その背景には、アイルランドという国の歴史があったのかもしれません。
小さな村の、閉鎖的な風土があったのかもしれません。
けれど、2時間ちょっとの舞台の中で、
捩れる前の穏やかな家族を髣髴とさせる描写が、最後の最後にしか現れず、
そして、その小さなエピソードが、更にこの物語の悲惨さを際立たせたこの舞台は、
私にとっては、ただ悲しく、恐ろしく、そして空虚なものに感じられてしまいました。


モーリーン役、大竹しのぶさん。
この台詞のキレと表現の豊かさは、感嘆するばかりです。
母との生活に疲れきった時と、
パトとの未来を夢見た瞬間では、
声のトーンどころか、歩き方や身に纏う雰囲気すらまったく違ってしまうのです!
かつてリナーン一の美女であったことを納得させてしまうくらい、美しく軽やかな雰囲気。
そして、終盤に向かってゆっくりと・・・そう、気づかないくらいにゆっくりと、
静かな狂気と絶望に向かっていくその姿は、圧倒的でした。
芝居そのものはむしろ静かに、落ち着いたものになっていくのに、
そこから発散される歪みもつれた感情。
最後、母がずっと座っていたロッキングチェアーに座って、
アメリカで幸せを手にしたパトへ「サヨナラ」を言付けるその時の表情は、
遠目ではあったけれど、とても綺麗で、そしてぞっとするような儚さがありました。


マグ役、白石加代子さん。
大竹さんと白石さん・・・この二人が真正面からぶつかったらどうなるのか、
非常に興味があったのですが、期待を裏切らない迫力でした!
もう、このマグがめちゃくちゃ憎たらしいんですよ(笑)。
でも、お年寄りってこうだよねー、と思わされてしまう説得力と、
その憎たらしさの中に見え隠れする愛嬌、
そして、老いと孤独にたいする深い恐怖の表現は、さすがだと思いました。
モーリーンとのやり取りでは、言ってることややってることは悲惨なのに、
思わずぷっと笑ってしまうような場面もありました。
それが、この物語の中の唯一の救いであり、絶望の根源でもあるのかもしれないなあ・・・
マグの口調とモーリーンの口調や論理の立て方が、とても似通っているんですよ。
最後、レイがモーリーンに「お母さんに似てきたね」というようなことを言うのですが、
それ以前から、この二人ってすごく良く似た親子だったんだなあ、と思ってしまった。
だからこその依存、だからこその反発、とも言えますけどね。


パト役、田中哲司さん。
初見でしたが、とても包容力のある素敵な男性を演じられていました。
まあ、ある意味、この親子の破滅の原因でもあるんですけどね(笑)。
個人的には、モーリーンを口説こうとして、ちょっとかわされた時の、
情けない笑顔がツボでした(笑)。
もうちょっと押しが強くて、もうちょっと行動力があって、
もうちょっと自分に自身のある男だったら、
こういう結末を導きはしなかったのかもしれないなあ、と思います。
でも、そういう男だったら、あんな風に女性を口説けるのに、40過ぎまで独身ではいないか(え)。


レイ役、長塚圭史さん。
この舞台の演出をやってらっしゃって、
レイ役の役者さんの病気降板のために、舞台に上がられたわけですが・・・
うーん、結論から言うと、私には長塚圭史さんの演出はやっぱり合わないなあ、という感じです。
「ドラクル」の時もそうだったのですが、
この人が何を言いたくて、何を届けたいのか、私にはよくわからないのですね。
この物語も本当に淡々と綴られていて・・・
母と娘の悲惨な生活と破滅を描きたかったのか、
そういう悲惨な状況の中でも生きていかなきゃいけない「人」を描きたかったのか、
崩壊していく家族という、今まさに現代の問題となっている事柄を描きたかったのか、
アイルランドの置かれた状況を描きたかったのか・・・?
まあ、その淡々とした物語を、2時間飽きさせずに見せたということは、
ある意味とても凄いことだと思うし、
全ての舞台にメッセージ性を求めるわけではないのですが、
長塚さんの演出は、長塚さんの演技と同じように、
私はなんとなく中途半端な印象を得てしまったのでした。

それでも、丘の上に1軒だけ建った家の、
細部までこだわったセットが作り出すリアリティーと、
途中で切り取られた屋根みせる、絵本の中の家のような現実感のなさは、
この物語にとても良く合っていたと思うし、
登場人物の心情にあわせて明度を調節したシンプルな照明はわかりやすかったし、
たぶん、ケルティッシュ・ハープを使った音楽はとても情緒的で美しかったし、
・・・あれ? 私もしかして結構満足してるのかな?(笑)


ただ、それでも、もう1回観たいか、というと「遠慮します」という感じです(笑)。
印象的な台詞が多かったし、
もしかしたら、繰り返し観ることで、新たに見えてくることがあるのかもしれないけれど、
逆に、私の中のモーリーン的な部分を突きつけられてしまうような不安があります。
「星から降る金」のような親子関係は、本当に理想的だし、
そうありたいと思うものではあるけれど、
それは、本当に微妙で難しいバランスの上に成り立っていると思うのです。
ほんのちょっとずれてしまえば、
手を離すことは突き放すことになってしまうし、
見守るということは枷になってしまう・・・
そして、そういう危うさをもつことこそが、人間であるのだと、そう、思います。

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行く宛なき解放
開幕前。 緞帳には、何やら風景画のようなものと、May you be half an hour in Heaven afore the Devil knows you're dead. (悪魔に死を気づかれるより30分でも早く天国の一員となれますように)という文字。 幕が開くとこれがそのまま額に入れられ、部屋の壁にかけられて.. ...続きを見る
地獄ごくらくdiary
2008/01/07 01:58

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
明けましておめでとうございます。先にご挨拶コメントを有難うございましたm(_ _)m
「THE BEWUTY QUEEN OF LEENANE」、気になりながらもチラシの画像に予感がしたので見送ったのですが、こちらのレポで観た気になれました。見送って正解でした。こういう親子関係の痛いドラマは今とってもダメなんです。「モーツアルト!」も実はその痛さに付きあう辛さに疲れたというか飽きたというかという状態。「なぜ愛せないの、このままのボクを」が突き刺さるのです。そのままの娘を愛せずにそれに苦しんだことのある私です。いま受容できているというわけでもないですが、少し過ぎたところかな。
親子の関係の苦しみは自分の親との関係にもあったりするので、親子の葛藤のドラマはもう少し安定期に入ってからにしようと思います。今日も実家で疲れて帰ってきました。ハァ。
ぴかちゅう
2008/01/02 23:21
あけましておめでとうございます♪
元旦仕事仲間のkumigonです。
最近観劇の為に働いてるんじゃないかと思う時多し(笑)
恭穂さんの観劇レポいつも一冊の本を読むような感覚で
楽しませていただいてます。
身近に同じ話題で盛り上がれるお友だちができて
ほんとにこのご縁に感謝感謝です♪
今年もどうぞよろしくお願いいたしま〜〜す。
kumigon
2008/01/03 12:58
ぴかちゅうさん、明けましておめでとうございます!
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
まずは、「リア王」で熱く語り合いましょう!!(笑)

この舞台、私的にもかなりきついお話ではありました。
蜷川さんが演出されていたら、
また全然違った感想だったんだろうなあ、と思うのは、
私が単に蜷川さんファンだからでしょうか(汗)。
お正月の家族サービス、お疲れさまでした。
今年もぴかちゅうさんにとって素敵な一年でありますように!
恭穂
2008/01/03 13:32
kumigonさん、明けましておめでとうございます!
元旦仕事仲間でしたか(笑)。
お互い新年早々頑張りましたよね!
私も、半分ぐらいは観劇のために働いているような気が・・・(笑)
最近暴走気味な観劇記録ですが、
楽しんでいただけているなら幸いですv
また今年も、いろんな舞台を堪能できるといいですね。
今年もよろしくお願いいたします!
恭穂
2008/01/03 13:35
恭穂さま
「ビューティ・クイーン・オブ・リナーン」観ました。
思っていた以上に(笑)悲惨でした。
この戯曲のテーマや母娘の関係にはあまり共感できません。
でも、この二人の女優さんの演技はやはりすばらしい。
この二人でなければこれだけの空気感をつくり上げること
は難しかったのではないかしら。
セットなど細部までのこだわりも含めて、そういう意味では
舞台としての満足度の高いお芝居でしたね。

大変遅ればせながら(笑)、
あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
スキップ
2008/01/07 01:53
スキップさん、こんばんは!
この舞台、ほんとに悲惨でしたねー。
主演のお二人の演技に笑いも起きていましたが、
その笑いにのるには、まだまだ人生経験が足りなかったみたいです(笑)。
でも、セットとか、凄く凝ってましたよね!
なんだかんだ言いつつ、私も満足した感じです。

こちらこそ、今年もどうぞよろしくお願いいたします!
今年も素敵な舞台に沢山出会えるといいですねv
恭穂
2008/01/07 21:51

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