瓔珞の音

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<<   作成日時 : 2008/01/31 23:00   >>

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今日は、午後だけ有給をいただいて、さい芸まで行ってきました。
だって、今日は終演後に、

グロスター一家のアフタートーク

があったんですもの!!
これは行かなきゃならんでしょう!(力説)
実は今朝まで迷っていたのですが、
まるで私を後押ししてくれるかのように、年に数回あるかないかの暇々な午前中。
同僚も上司も快く承諾してくれたので、喜んでお休みもらっちゃった。
去年引越の時に諸手続きのために半日お休みをもらったので、
これで今年度の年休を1日消化したことになります。
・・・残り39日は、きっと手の届かないところにあるんだろうなあ(笑)。



彩の国シェイクスピア・シリーズ第19弾
「リア王」

2008.1.31 彩の国さいたま芸術劇場 大ホール 2階RA列一桁台

出演:平幹二朗、内山理名、とよた真帆、銀粉蝶、池内博之、高橋洋、山崎一、
    吉田鋼太郎、瑳川哲朗 他


そんなこんなで、3回目の観劇は2幕からになりました。
物語に入り込めるかなあ、とちょっと心配だったのですが、全くの杞憂!
雷鳴が轟き、暗い舞台の奥の松が見えたとたんに、一気に引き込まれました。

今回は、とにかく平さん!!
前回観たときよりも、幾分アクションは小さめになったかなあ、とも思ったのですが、
吟味された繊細な動きや表情と、身体全体を使ったダイナミックな動きが交じり合って、
正気と狂気、怒りと嘆き、切望と諦念、
そんな相反する様々な感情が、時に静かに、時に迸るように、届いてきました。

嵐の中での激しい狂乱と道化とのふれあいにまず泣かされ、
暗い納屋の中で力尽きるように眠ったリアの姿に胸を衝かれ、
春の日差しの中で花冠をして子供のように笑う様に思わず微笑み(そしてやっぱり泣き)、
コーディリアとの再会と死のシーンでは嗚咽を抑えるのに一苦労し・・・
そして、カーテンコールでの笑顔に、また涙腺が決壊いたしました。

ああ、ほんとに平さんて、素晴らしい役者さんなのだなあ、と改めて思いました。
これまで全くチェックしていなかった自分がかなり悔しいです。

リアの頬に手を添える山崎さん演じる道化にも、
今日もやっぱりとっても切なくなってしまいました。
あの表情・・・まさしく「リアの影」であった道化。
リア自身が「影」になってしまった後には、姿を見せない道化。
コミカルな演技の中の哀愁が、切なくてしかたありませんでした。


グロスター一家も、もちろん素晴らしかったです!
前回観た際には、吉田さん演じる伯爵の弱さばかりが印象に残っていたのですが、
今日の伯爵は、自身の信念に従って生きる男の強さと、深い深い情を感じました。
この人なら、苦悩の挙句の息子との再会で命を落とすのも頷けるなあ、と。
息子を愛していた、というその言葉が、
偽りでも虚像でもなく、本当に心の底からの愛情であったのだと、そう思いました。

池内さん演じるエドマンドも、動きに更に切れがでてきたような?
そして、遠目でもわかるほど、更に目が怖くなっていたような・・・?
最後のエドガーとの対決のシーンなんて、
エドガー負けちゃうんじゃないかと、ちょっと心配になるくらいでした(笑)。
でも、エドマンドが独白する時に必ずかかるあのBGMには、
ちょっと笑いを誘われてしまうのは私だけでしょうか(汗)。

でもって、洋さん演じるエドガー+トム。
前回観たときにには、エドガーがああまでして生きようとする理由がわからなかったのですが、
今日、父の自殺を阻み、そしてエドマンドの死を聞いて俯く姿を見て、
なんとなく納得してしまったような気がします。
彼は、父と、そして弟と再び笑いあう日が来ることを、決して諦めてはいなかったのだろうな。
自分を陥れたのが弟であると知り、
父の厄災の元凶が弟であると知り、
その復讐のために弟と対峙したその瞬間にも、
たぶん彼の中には、父への、弟への愛情が合ったのではないかと思うのです。
愛されることを疑わず、事実愛されて育った子供の強さ。
そして、頑なさ。
甘さ、といってしまってもいいかもしれないくらいの、エドガーの前向きさ。
それは、彼を囲む人たちを根こそぎ攫った悲劇の中ではとても無力だったけれど、
でも、無力であることを知った彼は、
新しい時代を担う術を手に入れたのかもしれないな・・・
そんなふうに感じました。


最後のシーン、背景には大きな赤い太陽があります。
実は、前回観たとき、これは月だと思っていたのです。
台詞の中に月食、という言葉があったように記憶していたので、
あれは月食の赤い月だと、何の疑いもなく思っていたのですね。
そう感じたのは別に間違いではないのかもしれませんが、
今日観劇して、あれは沈む間際の弱々しいけれど底知れぬ闇さを纏った太陽なのだと、そう思いました。
それは、彼らを翻弄した悲劇の象徴でもあり、
そして、残された者たちが歩む暗黒の時代の象徴でもあるのかもしれない。
でも同時に、一度滅び、そしてまた再び新しく甦るための、
休息と、そして希望の象徴でもあるのかもしれない。
―――そうあってほしいと、強く願いました。



というわけで、2幕だけでも十分にお芝居を堪能した後、
待ってました!のアフタートークです(笑)。

司会の方の合図で出てこられたグロスター一家。
まず洋さんの若さにびっくり+うっとりでした(笑)。
白いシャツにジーンズがとってもお似合いv
池内さんもジーンズ姿だったかな。
髪型(?)がああなので、ちょっと危険な香りのするお兄ちゃんという感じでした(え)。
吉田さんは、雑誌の写真などでよく見る、帽子にサングラス姿。
さすがに3人並ぶと壮観です。
どうも笑いをとる担当は吉田さんなのかな?
床の盛り上がりに躓こうかという案もあったそうなのですが、あまりにベタで却下されたとか。
・・・レ・ミゼのアフタートークだったら、絶対やったと思う(笑)。

最初に吉田さん、池内さん、洋さんの順にご挨拶があったのですが、
洋さん、「どうも」の一言・・・短!(笑)
思わず笑ってしまって、その後司会者の方が自己紹介したのに、お名前を覚え損ねました(汗)。
洋さん、トークショーとか余り慣れてらっしゃらないんですかねー。
なんだか椅子の上でとっても落ち着かなげだったんですけど(笑)。
ついでにマイクで喋るのにも慣れてないですか?
台詞よりも格段に聞き取りにくくて、マイクなしで喋って欲しいと思っちゃった(え)。
でも、あれが素なのかなあ・・・それはそれで微笑ましいですし、かっこいいからいいんですけどねv

お話もいろいろあって面白かったのですが、
舞い上がっててあんまり覚えてなかったり・・・(汗)
カメラが入っていたので、DVDの特典映像とかになるかもしれませんね。
それを期待ですが、とりあえず覚えていることを。

「リア王」に出演されることが決まった時のことについて。
吉田さんは、最初ケントかと思っていたのだとか。
これまでにも何度も「リア王」には出演されていて、
リアやエドマンドもやっていたのだそうです。
あと今回横田さんがやっている役も。それはとっても観たかったかも!
で、今74歳でリアを演じる平さんの気力に、とても感嘆されているとのことでした。
あの年でああいう芝居はできないよね、と。
いえいえ、きっと大丈夫です!(笑)。
池内さんは、悪役をやってみたかったので、とても嬉しかったとか。
ただ、台本がとても難しくて、最初のころは電子辞書を手放せなかったそうです。
確かに・・・・普段使わないような言葉が一杯ですものね。

洋さんは・・・・・・・なんて言ってたろう?(爆)
以前のRSC版の「リア王」を観ていて、その中のグロスターとエドガーがとても良かったので、
それを払拭するのが大変だった、と言っていたかな。
あと、この質問じゃなかったかもですが、
今日の舞台で「おとっつぁん!」の台詞で笑いが起きてしまって、
その後何回か言うシーンがあったのだけど、ちょっと言いにくかったとか。
確かに、あのシーンで何故笑いが?!と私も思いました。
というか、この舞台、思いもかけないところで笑いが起きるんですよね。
明らかに笑いをとってる部分もありますが(ゴネリルとか)、
エドガーと伯爵のシーンって、もしかすると道化より笑いをとってるかも。
私自身は、あのシーンはエドガーの懸命さが滑稽であると同時に切なくて、
笑うどころではないのですけどね。


池内さんに、初共演の吉田さんと洋さんの印象は?という問い。
洋さんは素晴らしい!と手放して褒めてらっしゃいました。
最初から凄くしっかりした演技をされていて、ということだったかな。
いやいや・・・というように照れる(?)洋さんに、
「俺は?」と呟いて、司会の方に「大物は催促しないものです」と突っ込まれてた吉田さん(笑)。
吉田さんは役者の鑑です、とおっしゃる池内さんに、洋さんが何か突っ込んでましたが聞き取れず。
でも、まだ3人で飲みにいったりとかはしていないのだそうです。
「仲悪いからねー」と言う吉田さんに、一瞬固まる司会者さん。
「突っ込んでよ!」と吉田さんに催促されてました。
でも、実はとっても仲良しと見た!!
特に洋さんと吉田さんは明らかに仲良しだと思う。
吉田さんは小栗くんとも仲良しなんですよね。
若い俳優さんに慕われて、且つ同じ目線でも楽しめる・・・きっと吉田さんのお人柄なんだろうな。


池内さんは、演技に対してとても積極的(ニュアンスちがうかも)なのだそうです。
稽古でいろいろな動きを出してきて、一度グロスターの部屋の鍵を食べちゃったのだとか。
「食ってどうする! どこから出すんだ!」・・・って吉田さん!(笑)
で、悪役な池内さんは、家に帰ってから、
「俺ってなんて悪い奴なんだろう・・・」(言葉違うかも)とふと思ってしまうのだそうです。
でも、目を抉り出されるグロスターを袖で観て笑ってるのだとか。
役者って!(笑)

その目を抉り出されるシーン、客席は凍りついたように固唾を呑んで観ていて、
実際気分が悪くなってしまった方もいたそうです。
でも、演じている吉田さんご自身は、きちんと血糊を塗らなきゃならないので、けっこう冷静なのだとか。
・・・確かに、それは大事ですよね。
で、その手についた血糊を、助けようとした召使役の方の顔に塗りたくるのが楽しいのだそうです。
「嫌がらせ?」の突っ込みに「そうです」と吉田さん。
楽しそうですねー(笑)。


客席からも質問をもらっていました。
役にあわせて身体を作るのにどんなことをしているのか、の問いに、
池内さんは「ビリーズ・ブート・キャンプ。・・・冗談です」。
吉田さんは「今の役は身体を作る必要はないけど、オセローのときは、
加圧トレーニング(だったかな)のトレーナーの方がいて、それをやっていた」と。
腕とかを加圧して阻血して、その上で腕立てとかするんだそうです。
めちゃくちゃ乳酸が出て痛そうなんですけど?!
で、外した後、がーっと血液が流れ込むのが身体にいいのだとか・・・
って、めちゃくちゃ身体に悪そうです!!
でも、効果はあるらしいですよ。
洋さんは、今回は特に何もしていないのだとか。
あのスレンダーさは、イアゴー効果なのでしょうか(笑)。
司会者さんに惜しげもなく脱いでますもんねーとか言われてました。
で、それを受けて洋さん。
今日の1幕、乞食になって生き延びることを決心し、厚い毛皮を脱ぐシーンで、
下のシャツも全部前が開いちゃったんだとか。
見せたかったわけじゃないんです、とおっしゃってましたが・・・
観たかった!!
ついそう思ってしまった自分がちょっと痛かったです(笑)。
でも、きっとめちゃくちゃかっこよかったと思うのよ。


あと、床の砂についての話題もあったかな。
花などを育てる時の有機培養土なのだとか。
最初は柔らかかったけれど、今は踏み固められてとても固いのだそうです。
砂埃がとても凄くて、役者さんはとにかくうがいをしているのだとか。
黒いものがでてくるんです、と吉田さんも池内さんもおっしゃってました。
でも、化繊の繊維とかよりも、全然むせたりしないのだそうです。
やっぱり自然のものがいいんですかね。
洋さんは、ご自身のこともですが、前方で観ている観客の方を気遣ってらっしゃいました。
劇場内で、前3列にあらかじめ席にマスクを置いておくか、という案もあったとか。
でも、役者さんが出てきたときに、前方の人がみんなマスクをしていたら、ちょっとまずいだろう、
ということで、その案は却下になってしまったのだそうです。
それは確かにインパクトありそうです(笑)。


最後、吉田さんが、シェイクスピアの戯曲には、本当の悪人はいない、
そこに至るまでに、必ず何かの理由があるし、
悪いだけの人も、良いだけの人もいない、というようなことをおっしゃっていました。
本当に、そのとおりだな、と思います。


そんな感じであっという間の30分でした。
客席には横田さんや蜷川さんもいらっしゃいました。
最後、洋さんはきちんとペットボトルの水を持ち
(他の二人は持たなくて、洋さんが持っているのをみてとりに戻ってました)、
一番早く袖にひっこんでしまいました。
なんというか、洋さんらしいんですかね?
アフタートークはとっても楽しくて、沢山笑ったし、役者さんの素の声が聞けたのはとても嬉しかったです。
渾身の舞台のあとでお疲れのところ、
素敵な時間を本当にありがとうございました。

で、最後に思ったのは、私はやっぱり「芝居をしている高橋洋」が好きなんだなあ、ということ。
ので、これからも彼の沢山の舞台を観ることが出来たら嬉しいな、と思います。


そうそう、今日、お隣の席の方が洋さんのファンの方でした。
「もしかしておんなじ人のファンかもですねー」と探りあい?(笑)
合間にちょこっとお話して、客席に青井陽治さんや松岡和子先生がいらっしゃるのを教えていただきました。
とても素敵な感じの良い方でした。
舞台もいろいろご覧になっている印象。
リアル洋さんファン(笑)って、身近にあまりいないので、
もっといろいろお話できればよかったな。
人見知り全開であんまりお話できなかったのが残念!
でも、きっとまた何かの舞台ですれ違うこともあるんじゃないかな、と思います。
その時は、またちょっとでもお話できるといいなあ。
どうぞよろしくお願いいたします!・・・ってここは九割九分九厘みていないでしょうけどね(笑)。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
恭穂さま
グロスター一家のアフタートークの様子、とても楽しく読ませていただきました。大阪にいてはとても知り得ない内容ですので、ほんとに有り難いです。
私もキャスティングを知る前は、吉田鋼太郎さんはケント伯爵だと思っていました。観てしまった今から考えるとグロスター以外あり得ませんけど(笑)。
>あと今回横田さんがやっている役も。それはとっても観たかったかも!
ほんとですね〜。
リアが荒野へ出て行く前の娘たちとのやり取りの場面で、後ろでとても心配そうに困った顔をしてはらはら見守っていたグロスターが印象的でしたから、横田さんのあの騎士役も似合いそうです。
あらら、つい鋼太郎さん目線になってしまってごめんなさい。
もちろん洋さんもすっごくステキでした。次の舞台もとても楽しみですね。
「道元の冒険」はうれしいことに大阪公演も予定されているようですので、ほんとに楽しみです。
スキップ
2008/03/02 06:37
スキップさん、こんばんは!
アフタートークのレポ、楽しんでいただけて良かったですv
実際はもっといろんなお話があったのですが・・・
(お稽古期間は1ヶ月ぐらい、とか、
 トムのつま先立ちが出来るまで(笑)とか、
 吉田さんが客席の横田さんに話を振ったりとか・・・)
DVDの特典映像になるといいな、と思います。
吉田さん、私も大好きですよー!!
1幕最後のおろおろと心配そうな様子、
私もとっても印象に残っています。
ので、「ガマ王子 vs ザリガニ魔人」どころか、
5月の「リチャード3世」のチケットもとっちゃいましたv
「ガマ王子 vs ザリガニ魔人」は大阪にも行きますね。
他の出演者の方も豪華なので、今からとっても楽しみです。
恭穂
2008/03/03 20:53

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