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zoom RSS 合格なのか、失格なのか・・・?

<<   作成日時 : 2008/02/22 21:54   >>

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猫の日の今日、みなさんいかがお過ごしですか?
私は今朝、近所の猫と接近遭遇いたしまして、
非常に、足取り軽く職場へと向かいました。
・・・が、その直後にショックなことが(涙)。

いろんな意味でショックではありましたが、
それに対して自分がとった行動は後悔はしていません。
でも、お友達なみなさんをお騒がせしてしまったのは申し訳なく・・・
人として合格だったのか、失格だったのか。
ちょっといろいろ考えて、ほんのちょっと大人になった気がいたします(笑)。
でもって、お友達なみなさんのお人柄に惚れ直しました!!

みなさん、大好きですv

で、無理やりこじつけではありますが(笑)、「人間合格」の観劇記録に突入いたします。
かーなーり時間が空いてしまったので、ちょっと記憶が曖昧・・・?
3月にもう1回観る予定ですので、今回は覚書程度に軽く行ってみようと思います。


こまつ座第八十四回公演
「人間合格」

2008.2.11 マチネ 紀伊國屋サザンシアター 4列1桁台

作:井上ひさし 
演出:鵜山 仁
出演:岡本健一、山西惇、甲本雅裕、辻萬長、田根楽子、馬渕英俚可


井上さんの戯曲は、蜷川さんの演出でいくつか観たことがあります。
あとは、「ロマンス」だけ。
どれも本当に素敵な舞台だったので、今回はじめて「こまつ座」の舞台を観ることにしました。
紀伊國屋サザンシアターも初めてだったのですが、
思っていたよりも小さくて、客席が舞台にとても近い劇場で、
なんだかとってもほっとする印象でした。
そして、そこで上演された「人間合格」も、
扱っていることはシビアなのに、何故かとてもほっとしてしまったのです。
2幕後半から最後のシーンまで、観ていてとてもやるせなくて、
とても悲しい気持ちになったのに、観終わった後、ふっと気持ちが柔らかくなりました。

物語は、冒頭に示された6枚の写真に沿って、太宰治の半生を淡々と綴ります。

戸惑うような表情をした小さな男の子。
仲間と共に明るく笑う帝大生。
やつれた顔の中の、力ない瞳で、けれど遠い何かを切望している病衣の青年。
心を許した相手の傍で、かしこまって、でも穏やかな表情をしている青年。
二人の美しい女優を傍に侍らせながら、抑えきれない怒りに顔を歪ませた男。
そして、川のほとりにしゃがみこんで、虚ろな眼を虚空に向けた影のような男。

大きな戦争に翻弄される時代を背景に、
鮮やかに描き出される苦悩と喜び、友情と相反、出会いと別れ。
その前の日に観た「タン・ビエットの唄」のように、
自分でもどうにも出来ない衝動を胸に抱えることはなかったけれど、
「日常」と言われる時間の中で、
ただひたすらに「自分の在る場所」を、「「自分の在り方」を模索し続けた彼らの姿は、
静かに、静かに、私の中に染み渡ったように思います。


津島修治(太宰治)役、岡本健一さん。
「タイタス・アンドロニカス」と「氷屋来る」に続いて、3作目の観劇になります。
今回も、その眼にちょっとやられそうになってしまいました(笑)。
私は太宰治は教科書の「走れメロス」しか読んだことがなくて、
太宰治という人がどういう男で、どういう人生を送ったのか全然知らなかったのですが、
なんというか、繊細で、お坊ちゃんで、子供で、浅はかで、弱々しいほど優しくて、
でも、心を許した相手には、掛け値なし、自分の全てで向き合うことの出来る、
そんな、どうしようもないのに、何故か魅力に溢れた津島修治だったと思います。
前2作のように、斜に構える人物ではなく、
悲しいほどまっすぐに人に向かってしまう・・・そんな男。
最後のシーン、津島は背中しか見せません。
一言の台詞もありません。
でも、屋台で突っ伏す彼の背中から、
あの最後の写真の男の姿へと、何の違和感も無く続いていく気がしました。


佐藤浩蔵役、山西惇さん。
津島とは正反対で、真正面から、とにかくまっすぐに人に接する人だと思いました。
津島と知り合う学生の時も、
政治運動に関わり、明るく思想を語る時も、
名を偽った逃亡のさなかも、
彼の芯は全くぶれなくて、そして常にまっすぐに通っていた。
津島が心を許し、親友と誓うことが当然と思えるくらいの男っぷり!
大柄な身体で、大きなはきはきとした声で、
でも、山西という男の魅力を存分にみせてくれる、
細かく繊細なお芝居だったなあ、と思います。


山田定一役、甲本雅裕さん。
津島とはまた違った意味で頼りない感じの山田。
なのに、津島に感じた不安定さがなかったのは、
山田という人の、根底で明るい人柄なのかなあ、と思います。
戦争のあと、時流にのってしまったことで、
仕事仲間の信頼をなくして苦境に立ってしまった彼。
でも、それは、本当は彼が「時流にのった」のではなく、
彼の真意を、世間が曲解し「時流にのせてしまった」結果だった。
もちろん、それは彼の「表現」の限界ゆえだったのかもしれないけど、
その流れを押し切るだけのモノを持っていなかったからなのかもしれないけど、
その事実をきちんと見据えた最後の彼の表情が、なんだかとても印象的でした。


中北芳吉役、辻萬長さん。
申し訳ないことに初見なのですが(岡本さんと馬淵さん以外はみなさん初見でした)、
しかもこんな素人がこんなことを言うのはとんでもなく僭越だとおもうのですが、

めちゃくちゃいい役者さんですね!!

ちょっと惚れそうになりました(笑)。
無理な強さも、派手さも全然感じられないのに、
何故か辻さんの演じた中北さんと屋台のおやじさんの両極端な笑顔が、
この物語の中で、一番説得力がありました。
すごいなあ・・・ほんとに、心からそう思います。


青木ふみほか七役、田根楽子さん。
この方も、その多彩な存在感に出てくるたびにびっくりしてしまいました。
どの役も、それぞれがまったく違った雰囲気で、
外見も年齢もガラッと変わって、
そして、その上で、どの役にも背景が感じられました。
それは、戯曲の良さによるところも大きいのでしょうけれど、
でも、7役という沢山の役を、無理なく演じ分けるテクニックに感嘆いたしました。
個人的には、佐藤と結婚した女の人(この人が青木さんだったかな・・・?/汗)が、
とっても可愛らしくて好きでしたv
この二人には幸せになってほしいなあ、と思った。
というか、きっとなったよね。


チェリー旗ほか七役、馬渕英俚可さん。
「オセロー」でのエミリアがとっても印象的だった馬淵さん。
こちらも、エミリアとはまったく違った、沢山の役を、
それぞれカラーを分けて、それぞれ魅力的に演じてらっしゃいました。
田根さんと比べてしまうと、やっぱりまだどの役にも「馬淵色」が強く残っていたし、
ちょっと無理を感じたところもあったけれど、
でも、凄く頑張っていたなあ、と思いました。
バー黒猫のシーンのダンスはめちゃくちゃ可愛かったし(振り付けは謝先生でした!)、
津島の下宿の女の子は微笑ましかったし、
三味線を弾きながら歌う姿は、一瞬眼を疑う感じだったし、
宿屋の女将さんは、落ち着いた感じが色っぽかったですが、
私が一番いいなあ、と思ったのは、山田の劇団の女優さん。
劇団の仲間の裏切りを知るそのシーン、
舞台の奥で、彼女はとても綺麗に泣いていました。
エミリアのあの涙に通じるものがあったかもしれないけれど、
それよりもずっとまっすぐで強い涙だったように思います。
エミリアを演じた時に、蜷川さんにもらったという「涙」の演技。
それは、きっと彼女の魅力になる。
でも、きっと馬淵さんは、そんなことは全然気にせずに、
これからもどんどん素敵な「色」を身に纏っていくんだろうなあ、と思います。
また何処かの舞台で、それを観れたらいいな。



この舞台を観た後、「人間失格」を読んでみました。
読み終わって思ったことは・・・

それで?

という一言でした(笑)。
手記を書いた男が、拗ねて駄々をこねている子供に思えちゃった(汗)。
自分が手にしているものを何も見ようとせず、
諦めた振りをして、誰かの手が差し伸べられるのを待っているだけの子供。

あなたは一体何を言いたいの?
あなたは一体何を手に入れたいの?
あなたは一体どうして欲しいの?
あなたは一体何をしたいの?

太宰治を理解するには、私はまだまだ人生経験が足りないみたいです。

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