昨日の記事を書いたのは帰りの新幹線の中で、 その時外は凄い雷雨だったんですね。 なので「天気がいいといいなあ」なんて書いたのですが・・・ もう、そういうレベルじゃないですね。 気楽なことを書いてしまって、被害にあわれた方になんだか申し訳ないです。 県内でも被害があったみたいですし。 被害にあわれた方々に、心よりお見舞いを申し上げつつ、 これ以上被害が広がらないことを祈るばかりです。 そういえば、今日は「ミス・サイゴン」は何かイベントをやっていたはず。 今日も東京は雨だったのかな? でも、きっと今日も熱い舞台、熱いイベントだったに違いありません! 「ミス・サイゴン」 2008.8.28 マチネ 帝国劇場 1階O列20番台 エンジニア:橋本さとし キム:ソニン クリス:井上芳雄 ジョン:岸祐二 エレン:鈴木ほのか トゥイ:石井一彰 ジジ:菅谷真理惠 タム:首藤勇星 さて、私の最後の「ミス・サイゴン」(になるはず/笑)のこの舞台。 念願のソニンキムに橋本エンジです! 前日ほどではないけれど、重〜い肩での観劇。 でも、見ている最中は、全然肩のことなんて感じませんでした! 休憩時間は爆睡してましたけどね(笑)。 癒していただいた肩を大事にして、今日はさらっと感想を。 エンジニア役、橋本さとしさん。 いやー、かっこいいエンジニアでした! ダンスもそうですが、場面場面での決めが凄くかっこいいんですよね。 でもって、女の人のあしらいもめちゃくちゃ上手な印象。 女の人を可愛いとは思ってるけど、それは自分の役に立つからで、 結局は自分が一番可愛い感じかなあ。 キムとのやり取りも、彼女を利用している、という印象が強かったです。 キムがソニンちゃんだったからかもしれないけど。 更に、公式ブログに載っていたアフタートークの動画で井上くんが、 「生まれながらのポン引き」と言っていましたが、激しく同意してしまいましたよ(笑)。 うーん、悪い男(笑)。 でもね。 何故か私、橋本さんのエンジニアに、凄く「哀愁」を感じてしまったのです。 それに、更に不思議なことに、私の中でのイメージが市村さんにとても近かったの。 容姿も、ダンスの雰囲気も、歌声も全然違う。 役に対するアプローチも、たぶん違う。 なのに、ふとした表情や雰囲気が、市村さんのエンジニアを彷彿とさせた。 たぶん、とても私好みなエンジニアなのだと思います。 歌声は、どうしてもバルジャンを思い出してしまう部分もありましたが、 (別所さんはそういうことなかったなあ・・・) 客席を確実に巻き込んで煽ったりは、橋本さんならではなのかな。 そういう意味でも、もう一度見てみたくなるエンジニアでした。 キム役、ソニンちゃん。 各方面で評判がとても高かったのですが、噂どおりでした。 冒頭の辺りは、痛々しいくらいの幼さだったし、 1幕後半は、まさに手負いの獣の母親、という感じでした。 トゥイにタムを奪われそうになるときの抵抗も凄かった・・・ その後、トゥイを殺してしまったことに対しても、ソニンキムはたぶん全然後悔していない。 それが罪である、ということは分かっていても、 それが唯一の手段であった、とも思っている。 「命をあげよう」の時も、挑むような挑戦的な目に、ちょっと圧倒されました。 そして同時に、とても怖いキムだとも思った。 タムへの触れ方が、なんだか凄く粘着質というか・・・ 確かに「母」ではあるのだけど、タムへの愛情は執着でもあるのではないか。 このキムは、どうにもならないくらい追い込まれたら、 自分と共にタムの命も躊躇うことなく消してしまうのではないか。 この母の”執着”は、タムの心にどんな風に刻み込まれているんだろうか。 そんな風に生々しく感じてしまって・・・ 実は、ちょっと嫌悪感も持ってしまったのです。 キムでこんな気持ちになったのは初めてで、自分でもちょっとびっくりしました。 強めの独特なビブラートや、可愛らしいファルセットと低い地声の差も、とても不安定な印象で。 なんというか、見ていて不安になるキムでした。 でも、その反面、4人のキムの中で、一番”信仰”を感じたのもソニンキムでした。 「今も信じてるわ」の時の、両親の写真(なのかな)に手を触れることを一瞬躊躇って、 そのあと強く写真を抱きしめる仕草に畏敬を感じたし、 トゥイへの「あなたに嘘をついて生きてなんていけない」という歌詞が、 凄く自然で彼女は心底そう思っているのだと、すとんと納得できたのです。 ソニンキムは、全然トゥイに気持ちは向いていなかった。 むしろ嫌悪し、憎んですらいるんじゃないか、というくらいの対応。 それでも、そんな彼にも嘘をつけない、というのが、 ”彼だから”ではなくて、”嘘をつくこと”が罪である、という認識だったのではないかと。 ・・・もうねー、石井トゥイが哀れで哀れで(涙)。 石井トゥイが、初見のときよりもずっと良くなっていた分、 彼の報われなさがひたすらに哀しかったです。 クリスは初回以来の井上芳雄くん。 1幕、なんだかめちゃくちゃ明るくてはじけたクリスだったんですが・・・こんなでしたっけ? 「ユニコーン」のシーン、もうキムが可愛くて可愛くてしょうがない、というやに下がった(失礼!)表情や、 自分を指し示された時に「はい!」と元気良く手をあげたりとか、 乾杯の時の「ぼくたち結婚しました!!」のハイテンションなアドリブ(ですよね?)とか、 なんだかびっくりしてしまいました・・・ もう、ひたすら恋に溺れている感じで、少しおどおどした感じのソニンキムが心配になるくらい。 この勢いにキムは呑まれたんだろうなあ、とか思っちゃった(え)。 あと、ジョンと一緒に遊んでたクリス像も、初めて納得できちゃいましたよ(笑)。 ソニンキムとの温度差は、その後のすれ違いを予感させて、 ある意味いい感じではあったのですが、 これ、やっぱり恋愛一直線!の笹本キムとだと、どんな風になっちゃうんでしょうか・・・? らぶらぶオーラに、ちょっとくらくらしてしまいそうです(笑)。 2幕のエレンに告白するシーンはやっぱり圧巻。 それでも、彼にとってキムは既に「忘れたい過去」である、という事実が切なかったです。 今期の「ミス・サイゴン」、私は6回観たわけですが、 それぞれのキャストのそれぞれの演じ方をみせていただいて、 ここの物語の中で生きている人たちの葛藤を感じることができました。 でも、やっぱり、納得のいかなさも残るのです。 この物語には、どこにも答えがない。 私たち観客に、何一つ答えをくれない。 答えを出さないまま、キムの死で無理やりに全てを断ち切ってしまった。 その先の答えは、もしかしたら私たち自身が探して手にするべきものなのかもしれないけれど・・・ 次の再演の時には、私はまた別の何かを受け取ることができるのかな。 それを楽しみに、一足早く「ミス・サイゴン」の夏を終らせようと思います。 ・・・なーんて言ってて、また観にいっちゃってたら笑ってやってください(笑)。 少なくとも、博多は行かない・・・はず(え)。 |
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