瓔珞の音

アクセスカウンタ

zoom RSS 一冊の絵本

<<   作成日時 : 2008/10/30 21:52   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 2 / コメント 4

もうあと1日で11月ですね。
今年があと2ヶ月で終っちゃうんですよ!
・・・なんだか焦るなあ・・・
とりあえず、10月のうちに残した観劇記録を、と思ったのですが・・・
うーん、ちょっと記憶が曖昧かも(汗)。
とりあえず、思いつくまま役者さんの感想を中心に書いてみようと思います。


彩の国シェイクスピア・シリーズ第20弾
「から騒ぎ」

2008.10.18 ソワレ 彩の国さいたま芸術劇場 大ホール 1階H列一桁台

出演:小出恵介、高橋一生、長谷川博己、月川悠貴、吉田鋼太郎、瑳川哲朗 他


久々のさいたま芸術劇場。
今回もきちんと開演前のライブから参戦いたしました。
この日はminimums。
たしか「オセロー」の時に初めて聞いて気に入って、CDも持っているのですが、
やっぱり生で聞くとすごいですねー。
あのまろやかな音とアグレッシブな撥捌き!(笑)
めずらしい楽器(名前忘れちゃった・・・)も演奏してくれたのですが、
それがめちゃくちゃくキュートでしたv
メンバー3人の色違いのおそろいの衣装も可愛かったですしね。
いつかきちんとライブにも行ってみたいと思います。

でもって、演奏前に吉田鋼太郎さんが飲み物を差し入れされてました。
おお!またしても生鋼太郎さん!
生声も聞けてしまったわv
他の出演者さんたちも何人か聞きにいらしてました。
楽師のお一人が、踊ってて可愛かったですv


さて、今回の「から騒ぎ」。
映画も見たことないし、戯曲も読んでいなかったのですが、とても楽しめました。
なんというか、いろんな意味でもの凄く二極化した舞台だったように思います。
たとえば、二組の恋人たちの衝動と理性、疑惑と信頼。
たとえば、貴族と庶民の知性と無教養。
たとえば、兄と弟の栄光と屈辱。
もちろんそんな単純なものでは全然ないのですが、
沢山の”対比”がとても面白く感じられたのでした。

もう一つ感じたのが、”イミテーション”。
豪華なのに微妙にバランスの崩れたセットや、
最後に振ってきた薔薇や、いろんなものが「紛い物」な印象だったのです。
「虚構」の方が近いかなあ・・・
もちろんこれは悪口とかでは全然無くて!
恋人同士や友人や主従や兄弟や親子や・・・いろんな関係が、
純粋さだけではなくて、いろんな要素を取り込みながら創り上げられていく・・・
そんな風に感じたのです。

うーん、自分でも何が言いたいかわからなくなっちゃった(汗)。
ので、無理やり役者さんの感想へ!

今回一番心惹かれたのが、ヒアロー役、月川悠貴さんでした。
これまでの舞台でも、あの冴え冴えとした美しさはほんと溜息ものだったのですが、
今回は、その仮面のように動かない表情を超えて溢れ出る情感が感じられました。
そもそも、ヒアローはクローディオとの結婚をどう思っていたのでしょうね?
若く精悍で、身分もあり、戦では手柄をたて、領主の片腕でもある、たぶん最高の男。
そんな男に求愛されたら、箱入りなお嬢さんなら一気に舞い上がるでしょう。
でも、ヒアローはそんな風に手放しにこの結婚を喜んではいなかったように思うのですよね。
結婚式の前日(だったかな?)、新しいガウンを羽織ながら鏡の中の自分を見つめる眼が、
なんだかとても冷静で、そして、ちょっと恐怖のようなものも感じているように思いました。
で、あの結婚式・・・(涙)
彼女の中では、クローディオの単純さが、きっと魅力でもあり恐怖でもあったのだと思う。
自分の外面しか見てくれていないのではないか、という思いもあったのではないかな。
2幕後半、自分の顔をみて驚くクローディオに彼女は言います。
「ヒアローは、死にました」と。
この台詞が、私はもの凄く切なくて、そして同時にすっと身体が冷えるような怖さがありました。
彼女は、愛する夫となる人に、一度その存在を、その心を殺された。
そこからまた共に最初の一歩から歩き出す覚悟がありますか?
そう、彼女は問いかけたかったのではないでしょうか。

最後、明るく楽しく踊る人々中央で、二組の恋人たちはまったく異なる表情で対峙していました。
笑顔でじゃれあうベネディックとビアトリス。
硬い表情のヒアローを、真剣に掻き口説くクローディアス。
ヒアローとクローディオは、この後本当に心を通わせることができるのかな。
最後の最後には二人は笑顔でくちづけを交わしていたけれど、
それが、なんだかとても不安になってしまいました。
ま、大きなお世話なんですけどね(笑)。


ベネディック役、小出恵介くん。
ちょっと台詞が聞き取りにくいところもありましたが、
基本的に最初から最後まで自然体な印象でした。
動きとか、台詞とか、なんだか見ていて全然無理がないの。
虚構に満ちた舞台の中で、彼の存在がとても安定していて、
ああ、確かに物語の要、主人公なのだなあ、と思いました。
恋を自覚した(させられた?)後の、濃〜いメークがちょっと照れくさそうだったのも微笑ましかったですv
ベネディックは、好き勝手なことを言っているけど、
この物語のなかでは、一番真面目で一番苦労性な気がします。
頑張れ、ベネディック!!って何度も思っちゃった(笑)。
そして、どこかそこはかとなく真澄ちゃんな感じがしたのは私だけ・・・?(え)


ビアトリス役、高橋一生くん。
なんとも楽しそうに体当たりに演じてらっしゃいました!
声も体格もちょっと無理があるかなあ、と最初は思ったのですが、
観ているうちにどんどん可愛らしく女らしくなっていくの!
ベネディックとの恋は仕組まれたものだったけど、
二人の気持ちはどんなカタチであれ、もう一組の二人よりも、
ずっとずっと近くにあったように思います。
でなきゃ、あの状況であれだけの信頼は持てないよね。


クローディオ役、長谷川博巳くん。
いやー、かっこよかったです!
ヒアローにメロメロな表情から、
ベネディックを陥れる(え)時の悪戯っぽい表情、
ヒアローを糾弾するときの怒りと悲しみの表情、
全てがわかったときの絶望の表情、
そして、最後にヒアローに懇願する時の真剣な表情。
いろんな表情を見せていただきました。
小出くんの自然体と対極にあるような、(いい意味で)虚構に満ちた役だったと思います。
・・・個人的には、ちょっと蹴りを入れたくなるような男でしたが(笑)。


ドン・ペドロ役、吉田鋼太郎さん。
開演前のライブのときの生鋼太郎さんのかっこよさと、
プログラムの渋さにくらくらしてたのですが・・・
えーと、ドン・ペドロって、そうなんですか?!
まさか内股で身悶える吉田さんを拝見できるとは思いませんでした・・・
そして、それを笑顔で受け入れるクローディオ・・・とんでもない大物なのか、とんでもなく鈍いのか(笑)。
でも、そんなコメディーなシーンも、弟とのシリアスなシーンも、さすがな存在感でした!
絵本を読むように、始まりと終わりの明確な物語の登場人物の中で、
その過去と、そして先へと続く背景を感じました。
それにしても、吉田さん、楽しそうだったなあ。


レオナート役、瑳川哲朗さん。
笑い成分は非常に少なかったですが、
その分涙成分が多かったように思います。
ヒアローは年をとってからの娘なんですかねー。
愛娘を守ろうと身体を張るところがかっこよかったですv
ドン・ペドロとアントーニオと踊るシーンでちょこっとだけあの美声を聞かせていただきましたv
そういえばあの踊り、「オセロー」でもありましたね。
まったりとしつつ楽しそうで、いいなあ、と思いました。


ドグベリー役、妹尾正文さん。
もう、絵に描いたような夜警さんでした。
いい間違いは、私の理解力のせいでちょっと?なところもありましたが、
いやみでなくあの役で笑いをとれるところが凄いなあ、と思います。


アーシュラ役、清家栄一さん。
この方の女役、最初はとてもびっくりしたのですが、
なんだかとってもしっくりしていて、更にびっくりしてしまいました。
岡田正さんのマーガレットも、微妙に違和感がなくて・・・
このお二人、雰囲気がヒアローとビアトリスな感じかも?(え)


この舞台の楽師さんは3人でした。
クラリネットとチューバとパーカッション。
席の関係で、いきなり頭の上で演奏が始まったときはかなり驚きました(笑)。
舞台上で歩きながら演奏するシーンがあるのですが、
それぞれの姿勢も特徴的で、やっぱり絵本を見ているような印象でした。

総じて、この舞台は1冊の絵本だったんだな、と思う。
豪華な表紙を開くと共に虚構の世界が動き出し、
そして閉じると同時にすっとその世界から切り離される。
でも、その世界にいる間の沢山の笑いとちょっぴりの涙と切なさは、
爽やかな後味で残るように思います。

うん、楽しい舞台でしたv

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(2件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
08/10/19 彩の国芸術劇場「から騒ぎ」
{/hiyo_uru/}追悼記事の後は喜劇の感想を一本書いておこう。 ...続きを見る
ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記
2008/11/10 02:00
Happy ending story
何なんでしょ。観ている間はもちろん、観終わってからもhappyな気分になって、舞台にも客席にも笑顔あふれるお芝居でした。 彩の国シェイクスピア・シリーズ第20弾 「から騒ぎ」 作: ウィリアム・シェイクスピア 演出: 蜷川幸雄 出演: 小出恵介 高橋一生 長谷川博.. ...続きを見る
地獄ごくらくdiary
2008/11/22 11:03

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時

>うん、楽しい舞台でしたv......同感です。
旅行の準備に追われているところで筑紫哲也さんの訃報に接して寂しくて気落ちしていたのですが、この作品の感想を反芻して書いて少し元気を取り戻しました。
この作品は夜警たちの場面の役者が揃わなかったり演出がよくないと盛り下がってしまって全体の面白味も削いでしまうと思うのですが、ここもクリアしてくれたことで一気に蜷川さんの喜劇の代表作になった気がしています。
次の「冬物語」はりゅーとぴあの舞台のDVDで予習したいですが、図書館にあるかなぁ。行く気力体力も・・・・・・(^^ゞ
ぴかちゅう
2008/11/10 02:28
ぴかちゅうさん、こんばんは!
「から騒ぎ」の面白さは、好き嫌いが分かれるかな、
とも思いましたが、個人的にはとっても楽しかったですv
夜警さんたちの演出は、ちょっと紙一重的でしたよね(笑)。
でも、あの訳をされた松岡先生は凄いと思いました。
「冬物語」はまったく違ったテイストになりそうですが、
りゅーとぴあの「冬物語」が素晴らしかったので、
蜷川さんがどんな風に演出するのか、
今からとっても楽しみですv
また観劇後などにお話できる機会があると嬉しいです!
恭穂
2008/11/10 21:39
恭穂さま
こんにちは。
鋼太郎さん、ほんとに楽しそうでしたね。
小栗旬くん主演作品のように、主役のカリスマ性で
ぐいぐい引っ張っていくのではなく、みんな楽しそう
にアンサンブルよく舞台をつくっている、というカンジ
が観ているこちらにまで伝わってくるお芝居でした。
夜景さんたちや召使いのマーガレットなど、周りもの
大活躍もうれしかったです。
スキップ
2008/11/22 11:02
スキップさん、こんにちは!
本当にチームワークの良さそうな舞台でしたね。
お約束なシーンも、演じている方が楽しんでいるので、
私も心置きなく楽しめた気がしますv
次の「冬物語」はまったく違うテイストですが、
今からとても楽しみですv
ゆきほ
2008/11/23 14:37

コメントする help

ニックネーム
本 文
一冊の絵本 瓔珞の音/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる