瓔珞の音

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zoom RSS 闇の中の真実

<<   作成日時 : 2008/12/13 20:21   >>

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「AKURO」、昨日が千秋楽でしたね。
終わってしまう前に観劇記録を・・・と思っていたのに、果たせませんでした。
なんだかとっても忙しい一週間で、今日は一日寝ちゃいました。
今の職場に移って数年目にして初めて、
利用率100%という状況が続いています(分からない方ごめんなさい)。
夏に、70%をきっちゃって、トップに呼び出されたのが嘘のようです・・・
だから、うちは季節労働者なんだってば!!(笑)
忙しさに負けて、ちょっと記憶が薄れてきているので、ひとまず簡単に観劇記録を。


TSミュージカル「AKURO 悪路」

2006.12.6  マチネ  東京芸術劇場中ホール 1階G列30番台
2006.12.7  ソワレ  東京芸術劇場中ホール 1階C列20番台
出演:坂元健児・吉野圭吾・神田沙也加・駒田一・今拓哉・平沢智・西村直人・友石竜也・藤森真貴 他


2年ぶりの再演のこの作品。
初演の時に比べて、ずいぶんシンプルな演出になったなあ、というのが最初の感想でした。
そういえば、出演者の数もかなり少なくなっているようですね。
音楽も、もうちょっと和風が全面に押し出されていたように記憶しているのですが
(その分、ミュージカルナンバーの雰囲気と合わないのが気になっていた)、
今回は鬼剣舞などをダンスに取り入れてはいるものの、
あまり”和風”というイメージに囚われないようになっていたように思います。
そして、一番大きく変わっていたな、と思ったのが、田村麻呂の造形。
なんというか、とてもとても悪役になっていました・・・
初演の時も、朝廷が悪で蝦夷が被害者、というカタチで纏まったお話だったのですが、
今回の田村麻呂の造形で、更にそのカタチが強まったような気がします。
その分、更に底の浅い物語になっちゃったように思うんですよねー。
それが、なんだかとても残念でした。

もちろん、観ている最中は大迫力のダンスと歌に圧倒されて、そんなことはあまり考えませんでした。
TSミュージカルの魅力は、やっぱりあのダンスと、
そして気恥ずかしいほどに真っ直ぐなメッセージ性なのだと思います。
3列目センターというかぶりつきな席で見たダンスは、
その圧力に思わず身体が後ろに引けてしまうほどでした。
マッチョな雰囲気の強い(え)群舞のなかで、
吉野さんのしなやかなダンスはめちゃくちゃ美しくて印象的でしたしねー。

というか、今回は(も?)まさに吉野さんありきの舞台だったなあ、と思います。
ブルーの入ったウィッグや衣装やメイクがとんでもなくお似合いでかっこよかったし、
高麿を翻弄する謎の男としての怪しさや思わせぶりな様子も、
アテルイとしての苦悩と後悔と激昂も、最初から最後まで目が離せませんでした。
TSミュージカルでの吉野さんの演技は、本当に凄味があります。
東宝でのエンターテナーな雰囲気も大好きですが、
こういうぎりぎりの役柄の方が好きかもしれないなあ・・・
あ、でも来年のヘルベルトも楽しみにしていますけどv(笑)

アテルイは、高麿に何を伝えたかったのかな。
純粋で疑いを知らない、ばかがつくほど正直な大和の男、高麿。
彼なら蝦夷を救えると思ったのか。
彼と接することで蝦夷が救われると思ったのか。
蝦夷の未来を託すために彼とアケシの出会いが必要だと思ったのか。
それとも、歴史の闇の中に葬り去られた自分の言葉をもう一度大和に伝えるために、彼を選んだのか・・・?
終盤の戦いのシーンは、2幕冒頭のアテルイの死のシーンの再現となります。
高麿と共に、江刺蝦夷と共に、アテルイの魂はもう一度死を迎えた。
けれど、闇に沈んだ真実を、そして、その闇を振り返らずに進んでいく未来を、
彼は常に見つめている・・・そんな神秘性のある役柄だったと思います。


もう一人、今回注目していたのが、アケシ役の神田沙也加ちゃん。
めちゃくちゃ可憐で健気なアケシでした。
田村麻呂が極悪だったので(笑)、
恋をして、騙されて、絶望していく過程が痛々しいくらいでした。
歌声は綺麗だけどやっぱり細かったですが、ローラよりは安心して聴けたかな。
鈴鹿御前でのシーンは、ちょっと迫力不足かなあ、とも思いましたが、
初演のアケシはめちゃくちゃ凛々しかったですからねー(笑)。
来世を信じながら死へと向かっていく兄や仲間や恋人たちを止めることもできず、
その力強い歌声を聴いているだけのアケシの中にあった想いはなんだったのだろう・・・
見えない眼で、何を見て、何を感じていたのかな?
あのシーンでの虚ろな表情が、なんだかとても印象的でした。
そして最後。
赤ちゃんを抱きしめた時に見せた柔らかな笑み。
この舞台で初めての”アケシ”としての笑み。
戦い、死ぬことで何かを掴み、何かを残そうとした男たちとは別に、
生きることで、育てることで、赦すことで未来を掴もうとする笑み。
男たちの生き方に翻弄される少女からの成長を見せてもらったように思います。


田村麻呂役、今さん。
いや、今回は本当に極悪非道な感じでした。
というか、田村麻呂自身が凄く余裕がない。
歌や立ち居振る舞いはかっこよかったんですが、
”生きながら伝説となってしまった男”という大きさは感じられなかったかな・・・
鈴鹿御前も、たぶん普通に利用しただけだったんだそうな、と。
彼女や娘への情が、全然見えてこなかったの。
田村麻呂=鬼という構図は良くわかったし、
ここでいう鬼というのは、きっと人間なら誰もが内包しているものなのだと思うけど、
追い詰められて発現する”鬼”ではなく、
覚悟の上での”鬼”の方が良かったなあ・・・というのは、私の好み?(笑)
そういえば、出てきた瞬間に、ライ?(@「朧の森に棲む鬼」)と思ってしまいました。
衣装とか、髪型とか似てませんでした?


坂元さんの高麿は、初演と殆ど感想が変わりません。
というか、この役って、坂元さんのあてがきじゃないですか?
ものすっごく素な感じなんですけど(笑)。
歌声はやっぱりさすがだなあ、と思いました。
ただ、個人的にポップス調の甘い声がいまいち苦手なんですよねー・・・ってすみません!


ヒトカ役の大石さん。
えーと、たぶん初見かな?
一緒に行った友人から、四季でシンバをされていた方、と聞きました。
とても柔らかくて、優しい雰囲気のヒトカでした。
でもって、めちゃくちゃ報われない役・・・(涙)
ダンスも歌声も素敵だったので、他の舞台でまた見てみたいな、と思います。


鹿の精霊役の藤森さん。
今回もとてもとても美しかったです!
前方席で表情も良く見えたのですが、
柔らかな慈愛の表情から、剣を持った厳しく哀しみに満ちた表情・・・
全体的に暗いトーンの舞台の中で、
一筋差し込む明るい光のように感じました。


蝦夷役の方々のダンスと殺陣は大迫力でした!
でも、それぞれの方がきちんと役作りをされているのに、
その見せ場が最後の方にしかないことがとても残念・・・
個人的には、キクリ役の福永吉洋さんの優しい笑顔がお気に入りでしたv

物語の終盤で、追い詰められた彼らは「生まれ変わったなら」と歌いながら、戦いへと向かいます。
その顔には、笑みがあった。
死を覚悟して、それでも未来へ続く何かを信じながら死んでいく彼ら。
もう戦はいやだと思いながら、次の生を心の拠り所として立ち上がる彼ら。
次に生きる世界は、戦のない世界であることを祈りながら死んでいく彼ら。
どうして人は争うのか、という問いは、この物語の中心にありました。
その答えとしてあったのが、「信じなければ」という歌。
裏切られることも、傷つくことも覚悟の上で、
それでも信じてみなければ何も変わりはしない、と彼らは歌います。
TSミュージカルの曲は、本当に常に前を向いているな、と思う。
たぶん、それが謝珠栄さんのポリシーなのだろうな、と思う。
「タン・ビエットの唄」にもあった、気恥ずかしいほどに真っ直ぐな言葉や唄。
未来を信じ、人を信じ、見えない想いを信じる力。
その物語を、またいつか観てみたいと思います。


で、観終わってから、というか観ている最中から、
新感線の「アテルイ」が観たくて仕方なくなりました。
でも「リア王」もまだ観れてないし、「ラ・カージュ〜」の感想も書いてないし、
明日は仕事だし、月曜は忘年会その2だし、火曜は当直だし・・・(涙)
とりあえず、体力温存しつつ師走を走り抜けたいと思います!

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