瓔珞の音

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zoom RSS おもちゃたちの一夜の夢

<<   作成日時 : 2009/02/04 20:29   >>

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浅間山の噴火、ご心配いただいたみなさまありがとうございました。
アパートも職場も浅間山北に位置してましたので、
むしろこの辺は火山灰の被害はまったくありませんでした。
風向きによっては、もろに被るんですけどねー。
とりあえず、目に見えた大きな被害のない噴火でよかったです。
まあ、野菜とかにはこれから影響が出てくるんでしょうけれど・・・少ないといいなあ。

体調の方は、やっぱりかなり体力が落ちてたみたいで、
よろよろしながら仕事してます。
自分では真っ直ぐ歩いてるつもりなんですが、すれ違う人悉くに「大丈夫?」と声をかけられた月曜日・・・
やっぱりこの年になると回復が遅いですよねー。
でもって、今年私は大厄であることに今頃気づきました(汗)。
近いうちにきちんと御祓いしてもらおうと思います・・・ってもう遅い?!

では、とりあえず、溜めてる観劇記録の一個目を。
今日も早く寝たほうが良さそうなので、さらっと行きます!



パルコ・プロデュース公演 いのうえmeetsシェイクスピア
「リチャード三世」

2009.1.24 マチネ 赤坂ACTシアター 1階Q列20番台

作:ウィリアム・シェイクスピア
翻訳:三神 勲
演出:いのうえひでのり
出演:古田新太、安田成美、榎木孝明、大森博史、三田和代、銀粉蝶、久世星佳、天宮 良、山本 亨、
    増沢 望、西川忠志、川久保拓司、森本亮治、久保酎吉、若松武史 他


私の最初に「リチャード三世」体験は、蜷川さん演出の市村正親さんのリチャードでした。
いびつなシルエットの中で、爛々と光る強い視線がとても印象的でした。

2回目は、昨年の劇団AUNの「リチャード三世」。
吉田鋼太郎さんのストイックな暴力性に強い恐怖を覚えました。

その後、舞台ではないけれど、ジョセフィン・テイの「時の娘」。
そこに描かれていたのは、歴史の濁流に歪められた聡明な一つの魂でした。

そして今回。
いのうえさんと古田さんのタッグで描かれた「リチャード三世」。
・・・いのうえさんが意図した、ジャンク・フードなシェイクスピアは、
私にはちょっと理解することができませんでした。

いえ、面白くなかったわけではないんですよ?
地下の下水道のような空間に、無数に置かれたモニターの画面。
白々とした光の中に、複雑に長く短く揺らめいていく影。
薄汚れた極彩色の衣装と、断続的にモニターに映し出される映像。
過剰に感情を載せるでもなく、あくまでクールに紡がれていく台詞。
それらは、人々が深く眠る夜に、
ブリキのおもちゃたちが演じる一夜の物語のような、不思議な印象を私にもたらしました。
うん。
おもちゃたちの一夜の夢、というのが、この舞台の感想に一番近い気がする。
熱く通う血も、感情も、痛みも、なんだか全てイミテーションのように感じてしまったの。
最後の、銃で撃たれ血まみれで立ち尽くすリチャード以外は。
そこが理解し切れなかった理由かもしれないなあ・・・

蜷川さんに染められてるかもしれないけれど、
シェイクスピアの物語って、私には鼓動や痛みや涙や、それから風や土の匂いの感じられる、
”命”の物語なんですね。
それは、喜劇でも、悲劇でも、ロマンス劇でもそう。
ジャンクではなくて、スローフードなシェイクスピアが、たぶん私の好みで。
だから、”命”の感じられないおもちゃたちの、
”風”の感じられない閉鎖された空間でのシェイクスピアは、
私にはちょっときつかったです。

そんな中で、”命”と”風”を感じさせてくれたのが、銀粉蝶さんのマーガレット。
実はその前のアンの口説きのシーンがあんまりにも面白くなくて(ごめんなさい!)、
むーん・・・と思っていたところに、マーガレットが登場して、一気に引き込まれてしまいました。
「リア王」のゴネリルといい、この方の演じる女性って、なんでこんなにかっこいいんだろう・・・!
というか、この舞台、女性陣がほんとに素敵でしたv
久世星佳さん演じるエリザベスも、真っ赤な髪に淡い色のスレンダーな衣装がお似合いで、
且つ、なんだかしっかり自分の足で立ってる感じがしたし、
三田和代さん演じるリチャードたちの母親も、
自分の産んだ息子がある意味”化け物”になっていくことを、
悲嘆と呪いの中で見つめ続ける凄まじさがあったように思います。
そんな中で、安田成美さんのアンはちょっと弱かったけど、
その弱くて綺麗なところが、アンなんだろうなあ、と思います。

その反面、男性陣は実はあんまり印象に残らなかったんですよねー。
タイトルロールの古田さんも、なんというかいろんな意味で中途半端な印象でした。
これはもう、私の中に「リチャード三世」という男性像がわりとしっかりできてしまっていて、
古田さんのリチャードはそれを押し出すほどの破壊力はなかった、というだけなのだと思う。
先入観なしに見れば、古田さんといのうえさんが描きたかった「リチャード」が見えたかもしれないけど・・・
ちょっと残念ですが、これはもうしょうがないかな。

でもって、私実は榎木孝明さんの大ファンなんですが、
(私的には上杉謙信はこの方! 経営してらっしゃるカフェにも行ったことがあったりします/笑)
最初どれが榎木さんか分かりませんでした・・・(汗)
だってあの髪型! 
見分けた時には非常に衝撃を受けましたよ(笑)。
勢いのある舞台の中で、ふっと疑問や懸念や苦悩といった間をはさむ、渋い演技でした。
やっぱり好きだなーv
でも、あの沢山のモニターについ目が行ってしまって、
他の役者さんも含めて、役者さん自身の演技をあまり堪能できなかったのが残念。
モニターは、物語を理解したり、流れてしまう台詞を視覚で補ったり、
あと、ライブ映像での時事ネタな文章とかは爆笑しましたし、
大小のモニターが作り出す無機質な空間は面白かったし、
上手い使い方をしてるなーとは思ったんですけどね。


うーん・・・書けば書くほど墓穴を掘ってる気がしてきました(笑)。
繰り返し観たら、もしかしたらもっと楽しめるようになったのかもしれませんが・・・
ま、言ってもせんないことですね。
とりあえず、今回も原田さんの照明は堪能いたしました!
音楽もすごいかっこよかったなあ・・・
洋楽は全然詳しくないので良くわからないのですが・・・

よしのさん!(いきなり私信/笑)
今度是非関連のミュージシャンの方とか、曲とか教えてくださいねー。
でもって、私も”彼”のリチャード三世はかっこいいと思いますv

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タイトル (本文) ブログ名/日時
09/01/29 いのうえmeetsシェイクスピア「リチャード三世」大成功!
{/v/} 「リチャード三世」の舞台は、蜷川幸雄演出・市村正親主演の初演と再演、翻案の2007年6月、野村萬斎主演の「国盗人」を観た。 ウィキペディアの「リチャード三世」の項はこちら 「稀代の怪優・古田新太の真骨頂のピカレスク!」を売りにした今回の公演はチラシが気持ち悪すぎてパス!しかしながらせっかくお声をかけてもらった1/29(木)公演に馳せ参じると収録用のVTRカメラが入り、勘三郎も観劇していた。 {/face_en/} いのうえmeetsシェイクスピアと銘打ったこの公演、予想以上に面白かっ... ...続きを見る
ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記
2009/02/19 00:23

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは。ご無沙汰しています。具合はいかがでしょうか?

感想を読んで笑いましたよー。
アンの口説きの場面、私も至上最悪のおもしろくなさを感じました。

全体的にいまひとつ中途半端な印象…。
でもいのうえさんの方向には、可能性を感じるので、懲りずにまたシェイクスピアに挑んで欲しいです。
花梨
2009/02/04 22:39
花梨さん、こんばんは!
PC復帰されたのですね!
これからブログにお邪魔しにまいりますv

感想、笑っていただけてよかったです(笑)。
あの口説き、やっぱり面白くなかったですよねー。
シチュエーションは面白いのに、
もったいないなあ、と思ってしまいました。

いのうえさんのシェイクスピア、次があれば、
やっぱり観にいってしまうと思います。
前に何かのインタビューでおっしゃってた、
「タイタス・アンドロニカス」とか、
やってくれると嬉しいなあ・・・
恭穂
2009/02/05 20:59

蜷川さんの初演と再演を観て気がつかなかったところが古田リチャードの何気ないしぐさで一気にイメージが広がってのが嬉しかったです。特に母子関係のあたりです。その辺に思い入れて記事アップしています。ただのピカレスクドラマじゃなかったことに気づいてますますシェイクスピアって凄いって思わされたし、これはいのうえさんの手柄だと思えました。
まぁリチャードの役づくりに関してはやっぱり市村さんでしょう。独白を役者の力だけでしっかり聞かせるという点ではちょっと古田さんでは荷が重いでしょうね。稽古の途中で台詞カットしてくれといのうえさんに言ったらしいですし、いのうえさんも古田にやらせるには今が限界と判断して今回の上演になったらしいし(^^ゞ
いのうえさんも予想以上に真面目にシェイクスピアに取り組んでくれたのがよかったです。蜷川さんも松岡さんも期待するのがよくわかりました。次は何に挑戦してくれるのか、楽しみです。「タイタス〜」あたり、いいかもしれないと私も思います。
ぴかちゅう
2009/02/19 00:34
ぴかちゅうさん、こんばんは!
お返事が遅くなってしまって申し訳ありません。

古田さんのリチャード、実はものすごーく期待していたので、
その分、私の中の方向性と違っていて、
ちょっと辛かったのかもしれないなあ、と今は思います。
でも、あのいのうえさんならではの演出は、
とても見ごたえがありました!
また是非挑戦していただきたいですよね。
ゆきほ
2009/02/22 22:22

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