瓔珞の音

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<<   作成日時 : 2009/04/05 21:08   >>

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3、という数字は、なんとなく安定感を感じます。
割り切れない奇数であること。
面を支える最小の数であること。
空間を構成する3次元。

人との関係でも、3人というのは、なんとも微妙なバランス。
2人だと、距離感を掴みにくい。
4人以上だと、いつの間にかグループが出来てしまう。
でも、3人だと、互いと互いの距離が影響しあって、なんとなく上手くいく。

でも、その安定感も、バランスも、3の一つ一つがしっかりしていてこそのこと。
どれか一つがくじけていたら、
どれか一つが凹んでいたら、
どれか一つがそっぽをむいていたら・・・

最強で、とても脆い―――そんな数字。



SHOW STAGE No.1
「TRIANGLE 〜ルームシェアのススメ〜」

2009.4.4 ソワレ PARCO劇場 K列10番台
出演:井上芳雄、新納慎也、彩乃かなみ


久々のPALCO劇場。
開演前に7回のベトナム料理のお店でご飯を食べました。
めちゃくちゃ美味しかったー!!
お一人でいらしているお客さんもいて、
これからPARCO劇場で観劇するときは、ここでご飯を食べてから、になりそうです(笑)。


さて、昨年の「ウェディング・シンガー」で、絶妙なコンビネーションを見せてくれた新納くんと井上くん。
新納くんは、「ラ・カージュ・オ・フォール」でも抜群の歌唱力とダンスで、
井上くんは、「ミス・サイゴン」でも情感豊かな演技と歌で、
去年も私に鮮やかな印象を残してくれました。
そんな二人と、未見ではあるものの同郷な彩乃かなみさんの3人芝居。
歌もあり、ダンスもあり、と聞けば、それは期待も高まります!!
正直どんなステージなのか想像もつきませんでしたが(え)、
大満足な素敵な舞台でした!


物語はアパートの1室で進んでいきます。
小説家志望の沢渡ナツメ(井上芳雄)。
偉大な小説家である父への複雑な思いを抱きながら、
経済的にも自立できずに小説を書き続ける、ちょっと気弱な青年。
その作品はいつも佳作どまりで、デビューすることもできず、
でも小説以外のことに目を向けることも出来ず、そんな自分と鬱々と向き合う日々。
ナツメの向かいの部屋に住むのはミュージシャン志望の村野幸三郎(新納慎也)。
毎晩のようにギターをかき鳴らしながら歌う彼の声に、
ナツメは心底迷惑しながらも、面と向かうと何も言うことができません。
そんなある日、突然村野が大荷物を持ってナツメの部屋にやってきます。
そして、あろうことかここに住まわせてくれ、というのです!
自分に結婚をせまる幼馴染が、とうとうこのアパートも見つけ出して、もうすぐやってくる。
だから、彼女が諦めるまで、ここに匿ってくれ、と。
最初はなんとか断ろうとするナツメですが、独特の村野のペースに巻き込まれ、
いつの間にか始まってしまう共同生活。
そして、数日後、村野の部屋に居座っていた片山芽衣(彩乃かなみ)まで、
ナツメの部屋に転がり込んできてしまうのです。
「こうちゃんがいるところに、私もいる」と。

そしてなしくずしに始まった奇妙なルームシェア。
感情豊かで強引な村野に振り回され、
芽衣の明るさと母性に触れながら、
ナツメも徐々に3人での生活に馴染んでいきます。
そして芽生える芽衣への恋心―――
相談した村野にけしかけられながら、消極的でちょっと方向違いなアプローチを仕掛けるナツメ。
微妙なバランスの、でも一人では得られない充実感の中で、
ナツメは1本の小説を書き上げ、投稿します。
同じ頃、村野のデビューが決定。
芽衣と一緒に祝いながらも、村野がデビューするとは思ってもいなかったナツメは、
どうにも複雑な思いに苛まれます。
そして、ナツメの小説は、佳作にも引っかからずに落選・・・
気持ちも自己評価もどん底に落ち込んだナツメと、
心配しながらも何も出来ない二人の関係はどんどんギクシャクしていき―――


というお話。
最初の感想は、可愛いvvv でした。
3人それぞれのキャラクターも、
3人が、2人が作り出す雰囲気も、
歌もダンスも仕草も、とにかくめちゃくちゃ可愛いと思ってしまったの。
セットや照明もかっこいいより可愛い感じ。

歌も、ミュージカルのように物語の流れの一部として自然に歌われる、というのではなく、
歌うときは脇からスタンドマイクを持ってきて歌いだします。
どちらかというと、互いに見せられないそれぞれの真情を呟くような感じ。
あ、村野が自分の歌を歌うときはそうではありませんでしたが(笑)。
客席との距離感も近くて、客席に向かって話しかけたり、曲ごとに手拍子がどんどん起きたり、
確かに、ショーステージ、という感じでした。

そんな明るくて、可愛いくて、思いっきり楽しめる舞台ですが、
2幕、ナツメが落ち込むぐらいから、物語はどんどんシリアスになっていきました。

勢いで始まった3人の関係。
楽しくて、新しくて、刺激的な毎日。
でも、そのバランスはとてもとても危うかった。
互いに隠していた悩み。
一緒にいるからこそ、向き合わなければならない自分の弱さ。
一つ歯車が狂うと、その関係はどんどん噛みあわなくなって―――とても、辛くなる。
ともにいた時間が眩かったからこそ、その眩さを外れてしまった自分がどうしようもなく惨めになる。

臆病で自己評価がとことん低いのに、器用貧乏でプライドの高いナツメ。
その姿は、なんだか自分を見るようでした。
だから、彼らと自分を比べてどんどん落ち込んでいく気持ちが、
彼らにおいていかれるのが怖くて、自分が先にアパートを出てしまう真情が、
自分のことを”いらない”と言われてしまうことへの恐怖が、
なんだかとても良く解かってしまった。
この時点で、ナツメにとって彼らとの生活は、共存ではなくて、依存になっていたのだと思います。

でも、それはきっと多かれ少なかれ村野も芽衣も一緒だった。
3人それぞれが、マイナスの感情を抱えたまま、
互いがいることでそれを隠し、目を背けていた。
それは、もしかしたらとても楽なことなのかもしれない。
バランスが取れているうちは、互いの重荷を知らないうちに背負いあっていられるのかもしれない。
でも、3本の支えの一つが崩れたら、その上の面は傾いていくしかなくて―――

それぞれの正直な気持ちを伝え合った彼らは、
3人で暮らしたアパートを出て、新しい生活を始めることにします。
笑顔で引越準備をし、芽衣が笑顔でドアをくぐり、
村野がいとおしそうに扉を撫でて出て行ったとのあと、
一人歌い上げるナツメの声は、哀しいのにとても力強くて、
しっかりと前を向いているのが良くわかった。
まさに旅立ちの春、という感じで、かなりうるうるきてしまった・・・

が!
3人は別のアパートでルームシェアを続けるのでした、という落ち!
おーい、私の涙を返せー!!!
という感じで、一瞬呆けてしまいましたよ(笑)。

でもね。
何もない新しい家で、新しい生活を始める三人の間には、もう一方的な依存はなかった。
互いの弱さもさらけ出し、でも自分の中の守るべきところは守り、
頼る時には頼り、ひとりで立つ時にはふんばる。
そんな、関係。

もしろん、この関係は永遠ではない。
いつかまたバランスが崩れることがあるかもしれない。
いつかその部屋を出るときがくるかもしれない。
でも、今は3人でいることが必要。
ひとりでは抱えきれないなにかをシェアし、
ひとりでは見えない世界を見ることができる。
そんな関係。

素敵だな、と思いました。


沢渡ナツメ役、井上芳雄くん。
ミュージカルでは、やっぱり彼の魅力はその歌なのだけど、
歌だけでなく演技でもきちんと見せてくれる、いい役者さんだなあ、と思いました。
「ロマンス」の時も思ったけれど、その二つが互いに相乗効果を生むのって、凄いことですよね。
ナツメは、さっきも書きましたが、なんだか自分を見ているようで、
「最後には自分で自分を認めたい」
その台詞がとても切実で・・・ちょっと2幕はきつかったのですが、
ただ自分の世界で鬱々としていた青年が、
他者と関わることで外に目を向け、そして自分自身を見つめなおす、という流れがとても自然でした。
めいっぱい踊りまくる井上くんも初めて観たので、かなり新鮮でした(笑)。

村野幸三郎役、新納慎也くん。
すっごい男らしくて大人な男でした。
いえ、見た目とか話し方とか行動とかはね、けっこうちゃらちゃらしてるんですが(え)、
3人の中では、一番周りが見えていて、一番バランス感覚のいい役柄だったと思います。
いろんな感情をあまり隠さずにストレートに出す様子は、かなり我が道を行く、な感じで、
ナツメよりの感覚な私としては、最初は一緒にいると疲れるだろうなー、と思った(笑)。
でも、そういうふうにいろんなものを表に出すことで、たぶん彼自身がバランスをとっていた。
そして、その安定感は、たぶんナツメや芽衣にとっては凄く心地よくて―――
芽衣がずっと村野を追い続けていたのは、
彼が芽衣の弱さや不安を知った上で、放っておくかたちで受け止めてくれたから。
それは、もう既に恋じゃなくてやっぱ依存だと思う。
村野はそれがわかっていたから、芽衣の視線を外に向けようとした。
芽衣から逃げ回り、ナツメをけしかけ・・・
きっと、村野自身は、ひとりでも立っていられる男なんだろうなー。
凄い、いい男だと思いました。

で、そんな村野を演じた新納くん。
ダンスでも歌でも、舞台の端から端まで飛び回ってました(笑)。
村野のデビュー曲、CDあったら私も買うと思うよ?
というかジャケット写真がもの凄く気になりました(笑)。


片山芽衣役、彩乃かなみさん。
ご一緒したお友達一押しの、元宝塚女役さん。
(女役と娘役の区別があることを、初めて知りました!!)
もう、とんでもなく可愛らしかったです!
歌もダンスも仕草も・・・彼女が動き出すと、すっと視線が彼女に向かうの。
とても華のある役者さんですねv
話し声が結構ハスキーなのですが、歌声は地声から裏声までとても綺麗で、
男二人に全然負けてませんでした。

いつも元気一杯だけど、それは不安の裏返しだった芽衣。
幸三郎を追いかけることで、自分を保っていた芽衣。
幼馴染の彼なら、自分を完全に拒否することはない、と、
あるいは、強引に追いかけることで、拒否された時の言い訳を作っていた芽衣。

ハイテンションな台詞の、ふっと揺れる語尾に、その心情が垣間見えました。
とても素敵な役者さんで、これからいろんな舞台で拝見させていただきたいな、と思いました。


さて、この舞台。
使われた曲の殆どは70〜80年代のポップスだそうです。
私はとても音楽に疎いので、
聞いたことはあるけど、題名が思い浮ばないのが殆ど(汗)。
歌詞もとても素敵だったので、CDとか出てくれたらいいのになあ・・・

というか、No.1と銘打ってある、ということは、
第2弾、第3弾と続いていくんですよね?!
期待していようと思いますv

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