瓔珞の音

アクセスカウンタ

zoom RSS 緑の大地

<<   作成日時 : 2009/05/03 23:19   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

いいお天気のGW前半を、ひたすら仕事で費やした恭穂です・・・(涙)
でも、明日からは一応フリー!!
久々に農家の孫娘をやってきます。
お友達なみなさん、もし筍や蕗が入用でしたら、メールくださいねー。
クール宅急便で採りたてをお送りいたしますv

では、帰省前に観劇記録を・・・


「赤い城 黒い砂」

2009.4.25 日生劇場 1階XB列一桁台

W.シェイクスピア/J・フレッチャー作 『二人の貴公子』より
脚本:蓬莱竜太
演出:栗山民也
出演:片岡愛之助、黒木メイサ、南沢奈央、馬渕英俚可、田口守、中嶋しゅう、中山仁、中村獅童、山田貴之 他


蓬莱竜太さんという脚本家の作品を、私はついこの間まで観たことがありませんでした。
最初の遭遇は、「TRIANGLE 〜ルームシェアのススメ〜」
一月の間に、蓬莱さんの、たぶん思い切り雰囲気の違う作品を2本、見せていただいたわけですが、
2本とも、演じる役者さんの魅力を存分に引き出した”人”の描き方に惹きつけられました。


知的で冷静で、誰よりもプライドが高く、最後まで自分の弱さを否定し続け、
最後まで自分が真に求めるものを受け入れることの出来なかったジンク(片岡愛之助)。

真っ直ぐで野放図で、自分にとても正直で、
向けられる悪意も愛情も、自分のカタチでしか判断することの出来なかったカタリ(中村獅童)。

常に強く美しく気高く在り、けれど自分で意識しないまま、
頑ななまでに全てを諦め、拒絶して生きてきた―――生き続ける王女ナジャ(黒木メイサ)。

暗闇の世界で、全てから隔絶されて育ち、外の世界の風を纏う男に恋することで、
一瞬の光と引き換えに、身も心も永遠の闇の中に沈んだ少女・ココ(南沢奈央)。

求めるモノの悉くを手にすることが出来ず、だからこそ求め続けることしか出来なかったカイナ(馬渕英俚可)。

破滅への道をひた走ることでしか、
死して女神となった妻への愛を表現することの出来なかった、赤い国の王・クジャ(中山仁)。

そして、人の心の奥底に隠された”想い”を、探り、暴き、挑発し・・・
世界の始まりと終わりを手にしようとした武器商人・モト(中嶋しゅう)。


古い血のような暗い赤を基調とした舞台の上で繰り広げられる想いの錯綜。
物語としては、ええ?!そうなっちゃうの??と感じる部分もありましたが、
登場人物それぞれの鮮やかな輪郭と存在感が、
舞台の上の空気の密度をとても濃くしていたように思います。

個人的に心惹かれたのはジンク。
幼い頃から常に共に在ったカタリへのコンプレックスと依存。
高みに上り詰めるために、他人だけでなく自身すらも騙すことのできるプライド。
少しずつ狂いはじめる歯車の軋みに耳を塞いでまで求め続けた、愛。
最初の知的で冷静な、まさに貴公子的な佇まいから、
徐々に追い詰められ、歪んでいく表情がとても印象的でした。
彼の最後の台詞は、誰に向かって言った言葉だったのかな?
カタリは自分に向かって言っていると捉えているように思えたのですが、
で、ナジャもこの言葉は自分に向けられたものではない、と思っていたようなのですが・・・
個人的にはナジャに向けて言った言葉だったらいいなあ、と思います。
彼にとってナジャは、自分が決して超えることの出来ない男が愛した女であり、
自分が高みへ登るための手段であったかもしれないけれど、
自分と似た暗闇を持つ彼女を、彼なりに確かに愛しく思っていたのだと思う。
うん。
ジンクとナジャって、とても似ている気がする。
ジンクは全てを掛けて求め、ナジャは全てを捨てて守りに入っていたけれど、
奥底にあるものは似てるんじゃないかな。
だからこそ、ジンクとカタリとナジャの想いは交わることは無かったのかもしれないけど。

というか、カタリという男が私的にはちょっとむかつく男だったんですよね(え)。
あの、手放しにジンクを信頼しているところとか、
自分はなんでも解かってる、と言う風にナジャに話しかけながら、
結局自分の枠でしか見てないところとか・・・むかつく!と、私は感じてしまったんです。
ので、最後の台詞も「ちーがーうー!!」と思っちゃった(笑)。
まあ、これは受け取り方と好み(え)の問題なんでしょうけどねー。

でも、ナジャとの殺陣はすごいかっこよかったです!
殺陣のシーンは結構多かったんだけど、どれも迫力があってかっこよかったなあ。
御前試合のシーンとかは、まるでダンスを見ているように優雅なのですが、
要所要所にスパッと締める動きが入っていました。
某プレイガイドのプレオーダーで取った思いっきり端の席だったのですが、
前から2列目でこの殺陣を観れたのはちょっと良かったかもv
しかもパーカッションの山田さんの目の前でしたしねー。
凄く沢山の楽器を滑らかに演奏してらして、ちょっと目を奪われました。
舞台にも引き込まれたので、余り目をやることが出来なくて残念・・・
そういえば、逃げたカタリを探すシーンで、親衛隊に「お前も探せ!」と言われて、
苦笑いしていた山田さんが印象的でしたv

この席でもう一つ残念だったのが、セットを下手側からしか見れなかったこと。
牢のシーンとか、上手側が全然見えませんでした(涙)。
もうちょっと長く公演していたら、きっと後ろでも真ん中当たりからもう1回見てみたかったです。
ココとカタリが地上に出るシーンの、あの眩い光の演出とか、
最後のシーン、闇に沈み込むナジャたちの背後に翻る鮮やかな青とか、全体的に観たかった!
本当に、再演してくれるといいなあ、と思います。

役者さんに話を戻しまして、王女ナジャを演じた黒木メイサちゃん。
ドラマで何度か見たことがありましたが、
舞台の上だと、あの凛とした美しさが更に映えるなあ、と思いました。
台詞そのものはちょっと一本調子かなあ、と思うときもありましたが、
たぶん役柄がそうなんでしょうね。
赤い呪いを持ち、女王が納める国。
歴代の死した女王=女神によって守られている国。
命の脈動を感じ、その血の熱さを知りながら、
彼女自身は、もう半分女神の領域に・・・死の領域に足を踏み入れていたように思います。
死に覆われた大地の上で、それでも産み育てよ、と言うナジャ。
けれど、ナジャ自身は命を育むことを放棄している。
戦いを、痛みを、死を、自分ひとりで背負おうとしている。
そうやって背筋を伸ばして立つ姿はとても美しくて、でも、とても哀しく感じました。

ナジャの異母姉・カイナを演じた馬渕英俚可さん。
なんというか、この舞台の中で、一人シェイクスピアの雰囲気をかもし出してらっしゃいました。
急激に変化する感情、大仰な台詞回しと、その台詞の裏に見え隠れする切望、そして弱さ―――
鮮やかな衣装を着ている、というのもあったかもしれませんが、
全体的にくすんだ雰囲気の舞台の上で、その存在感はとても華やかで目をひきました。
破滅に向かう世界の中で、でも、ナジャよりも未来や生命力を感じる役柄でもあった。
やっぱり馬渕さん、好きだなあ・・・
観にいけなかった「ちいちゃなエイヨルフ」も録画してあるので、後で見ようと思います。

そして、物語の始まりを告げ、物語の最後を導く武器商人・モト役中嶋しゅうさん。
どこかで観たことある・・・と思ったら「氷屋来る」に出てらっしゃいましたね!
あのオーナーも印象的でしたが、今回のモトもその不可解さが強烈でした。
最初の青い幕の前での語りの内容は、なんだかとても現実的なんですね。
学校とか担任の先生とかお財布とか交番とか・・・
けれど、その幕が上がり、赤の国へと世界が変わっても、モトはモトのまま物語に溶け込みます。
沢山の国を渡り歩き、それぞれの国が求めるものを、新しい何かを、そして破滅をもたらしてきたモト。
その異質な存在感は、彼が別の次元から―――この草原の国の外からやってきた異人(まれびと)である、
そう感じさせる何かがありました。

それにしてもこの舞台、赤と黒と青の、そして闇に差し込む光の演出が秀逸だったなあ、と思います。
ああ、ほんとに正面から観たかった!!
衣装も鮮やかでとても綺麗でかっこよかった。
カイナの衣装とか髪型とか、かなり好みでしたv あれが似合う馬渕さん、凄すぎ!
ナジャの纏う衣装にのみ緑が使われていることも、なんだかとても象徴的だな、と思いました。

赤い国と黒い国。
その二つがあるのは、草原が広がる広い大地―――そう、緑の大地。
命の、象徴。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
緑の大地 瓔珞の音/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる