瓔珞の音

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zoom RSS できればもう一度観てみたい・・・

<<   作成日時 : 2009/07/29 22:47   >>

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成田美名子さんの「花よりも花の如く」という、能を題材とした漫画があります。
成田さんの物語は、「エイリアン通り」の頃から大好きで、
ずっとアメリカを舞台にしていた成田さんの世界が、
幾つもの物語を経由して日本へとたどり着いたときは、
なんだかとっても感慨深かったのを覚えています(笑)。
で、この若き能楽師を主人公とした物語の巻末エッセイに、
ちょくちょく名前の出てくる能舞台(?)がありました。

それが、銕仙会能楽研修所。

昨年の夏、凄い衝撃を受けたりゅーとぴあ能楽堂シェイクスピアシリーズの「冬物語」
そのシリーズ第六弾が、この銕仙会能楽研修所で行われると知り、
これは行かなきゃ!と即座に思った二重のファン心理・・・わかっていただけますでしょうか?(笑)



りゅーとぴあ能楽堂シェイクスピアシリーズ第六弾
「テンペスト」

2009.7.20  銕仙会能楽研修所

出演:栗田芳宏、廣田高志、荒井和真、河内大和、小池匡、山賀晴代、傳川光留、永宝千晶、塚野星美、
    町屋美咲、福島美穂、津村禮二郎


さて、初めての銕仙会能楽研修所。
表参道駅よ東や南に行ったことが殆どないため、
ちょこっと迷いながら(汗)も、なんとかたどり着くことができました。
というか、歩いてたらいつの間にか前にいた、という感じ(笑)。
靴を預けて、狭い階段を上って、扉をくぐると、
うちっぱなしのようなコンクリートの壁に囲まれた空間の中に、
すっぽりと収まるように能舞台がありました。
昨年行った観世能楽堂とは違う、なんというか密閉された秘密の空間、という雰囲気でした。
椅子ではなく桟敷席で、周囲の人の息遣いが聞こえるような距離なのに、
舞台と向かい合っていると、ふっと周りの全部が消えて、
自分ひとりが舞台の上の物語と向き合っている・・・そんな錯覚を覚えるような不思議な空間。
ちょっと癖になるかもなあ、とか思っちゃった(笑)。

物語は、弟によりミラノ大公の座を追われ、娘と共に孤島に流された一人の男が、
研究に没頭した魔術を用いて精霊を使役し、
弟と、彼に力を貸したナポリ王の一行を孤島におびき寄せ、大公の座を取り戻す・・・
単純に言ってしまうとこんなお話です。
もちろん登場人物はそれぞれ個性的で、いろんな思惑が複雑に絡まって、
一筋縄では行かない物語なのですが・・・個人的にはちょっと好みでないかなあ、と思ってしまいました。

まず、主人公である元ミラノ大公プロスペロー(栗田芳宏)の気持ちに寄り添うのがちょっと難しかったのです。
冒頭、何も知らずに成長した娘に、追放されてからの12年を語るのですが、
そもそも彼が大公の座を追われちゃったのは、自業自得なんじゃないかなあ、とか思ってしまって(え)。
だって、魔術の研究に没頭して、政を全部弟に任せちゃってたんですよね?
弟のアントーニオ(廣田高志)にしてみたら、
国にも民にも向き合わずに、ひたすら好きなことだけをやっている兄をみたら、
大公の座には自分が相応しい、と思っちゃっても仕方ないんじゃないかなあ、と思うのです。
まあ、自分の犯した罪に引きずり込むように、
ナポリ大公の弟を唆して大公を亡き者にしようとするあたり、
アントーニオも悪者なんでしょうけど・・・

栗田さんの苦渋に満ちた表情や、
最後に弟と向かい合い、視線を交し合った後の、少し哀しげな表情、
そして最後の客席へ向かっての台詞から、
彼のしたことは単純な復讐、というだけではないのかもしれないなあ、とは思いましたが・・・
12年の不在の後ミラノに戻ったプロスペローは、
どんな風に生きていくのかな、とちょっと考えてしまいました。

そのプロスペローと4人の妖精(永宝千晶、塚野星美、町屋美咲、福島美穂)、
そしてエアリエル(津村禮二郎)の関係も、あまりクリアに理解することはできませんでした。
でも、妖精のビジュアルは凄い素敵でした!!
黒、白、赤、青(だったかな)の衣装と髪飾りなのですが、
その衣装も、微妙な濃淡や刺繍、模様があって、めちゃくちゃ綺麗v
無表情にゆっくりと規則的に、変則的に舞台の上を動きながら、
登場人物を眠らせたり操ったりする不思議な存在・・・でも、凄く自然に能舞台に溶け込んでいました。
彼女たちはずっと本を持って動いているのですが、
表紙に「THE TEMPEST」の文字があったような・・・?
とても趣のある本で、1冊欲しいなあ、とか思っちゃった(笑)。

エアリエルは、能楽師さんが演じてらっしゃいました。
謡もご自身で作られたとのこと。
朗々とした声がとても美しかったです。
現代劇の役者さんの中で、あの独特の動きのテンポと滑らかさは、
エアリエルが精霊である、ということを視覚的に訴えていたように思います。
エアリエルとプロスペローの間には何らかの確執があったようなのですが、
自由になったエアリエルが、プロスペローと見つめあうシーンは、
静かなのに凄く張り詰めた雰囲気だったなあ、と思います。

プロスペローの娘・ミランダを演じた山賀さん。
相変わらずめちゃくちゃお綺麗でしたvvv
15歳の少女、というには少し落ち着きすぎかなあ、とも思いましたが、
あの父に育てられたのではしかたないか(笑)。
父の思惑通り、ナポリ大公の息子ファーディナントと恋仲になるのですが、
そのファーディナントが何故能面を被っていたのかも疑問・・・
うーん、ちょっといろいろ受け取り損ねてる気がするなあ(汗)。

そんなこんなで、楽しめはしたものの、ちょっと自分的には不完全燃焼な感じです。
物語を理解していない、というのも大きな原因のようなので、
あとで機会があったら戯曲を読んでみようかな、と思います。
できればもう一度観てみたいんですけどね。
というか、蜷川さん演出のも観てみたいなあ・・・


ちなみに「花よりも花の如く」は名作です!!

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09/07/19 りゅーとぴあ能楽堂シェイクスピアシリーズ「テンペスト」
{/hawaii_rainbow/} 7/19夜の部観劇の前に食事をしてから銕仙会能楽研修所に向かうと大きな虹が出た。外側にうっすらもう一重の虹があり、あちこちで喚声が上がり携帯で撮影する姿がみられた。昔、青学の前で同様の虹を観て写真に撮ったことがあるので歩きながら観るだけにしたが、幸先いいかもとか思いながら急ぐ。 観た当日の記事はこちら りゅーとぴあ能楽堂シェイクスピアシリーズで以前観た「マクベス」の感想はこちら この会場は桟敷席ということだったが、事前にマイミクさんに情報をいただいていたので... ...続きを見る
ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記
2009/08/04 01:42

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
私も7/19に観てきました。
>ファーディナントが何故能面を被っていたのかも疑問......そこそこ、そこが最大の疑問です。カテコでお面をはずしたらずいぶんとイケメンくんなのでお面なしでやってくれたら、一目ぼれという設定にも説得力が増したのにとか思っていました。
松岡和子さんの訳のちくま文庫を古本屋で買ってあったのを思い出し、観た後に読みました。ご本人の後書きと河合祥一郎さんの解説がよかったです。シェイクスピアが単独で書いた最後の作品ということで自身が筆を折る決意とプロスペローが杖を折って魔法を封印するということが重なるというのが通説だそうです。
蜷川さんの舞台についてもどんなだったかをチラッと書いてあり、エアリアルの歌の部分はボーイソプラノだったらしい!この文庫本、是非おすすめです(^O^)/
ぴかちゅう
2009/08/01 02:42
ぴかちゅうさん、こんばんは!
ほんとにファーデナントの能面は疑問でしたねー。
きっと何か意味があるのだろうとはおもうのですが。
松岡さんの文庫本、是非購入してみようと思います。
松岡さんの解説を読むと、更に深く理解できる気がします。
そして、やっぱり蜷川さん演出を観てみたかったり(笑)。
恭穂
2009/08/02 23:36

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