瓔珞の音

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zoom RSS 雑草魂ばんざい!

<<   作成日時 : 2009/09/04 23:00   >>

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帰宅したら、高校生クイズをやっていました。
すっごい久々な気がしますが、まだこの番組あったんですねー。
で、ご飯食べながら見ていたら、地元の高校がすごい頑張っていました。
思わずTV見ながら拳を握り締めちゃったよ(笑)。
名門私立相手に、ダークホースとか雑草魂とかいろいろ言われてましたが、
ほんとに、いい勝負だったなあ、と思います。
まあ、当事者はめちゃくちゃ大変だったと思いますが・・・
負けたあとのコメントも凄い大人だったしね。
本当にお疲れさまでした。

で、たたか(地元ではこう呼ぶの)が負けちゃったので、
あとは流し見しながら、観劇記録でもつらつら書こうかと思います。



「怪談 牡丹燈籠」

2009.8.23 マチネ シアターコクーン 1階R列20番台
2009.8.27 ソワレ シアターコクーン 1階C列10番台

作:大西信行
演出:いのうえひでのり
出演:段田安則、伊藤蘭、秋山菜津子、千葉哲也、瑛太、柴本幸、梅沢昌代、大河内浩、松澤一之、
    市川しんぺー、西尾まり、保坂エマ、粕谷吉洋、森本健介


「牡丹燈籠」というと、まず思い浮ぶのはお露と新三郎。
この物語が、若い二人についてだけではなく、三組の男女の物語であると知ったのは、
2年前の歌舞伎座での公演でした。
そこに描かれていたのは、切ない恋の物語だけでもなく、恐ろしい幽霊話でもなく、リアルな人の生き様でした。
その舞台は本当に素晴らしくて、実は私にとって今まで見た歌舞伎の中でNo,1だったりします。

そんな思い入れの深い「怪談 牡丹燈籠」。
魅力的な配役といのうえさんの演出が、どんな舞台を創り上げるのか、非常に楽しみでした。
ところが、実は最初に観たときは、あまり魅力を感じなかったんですね。
それはたぶん、いのうえさんの演出が非常に正統派だったからかもしれません。
歌舞伎とは別のカラーの魅力も、歌舞伎を超えるなにかも、
この時点では感じられなかったのですね。

少し蛍光がかった緑に溢れるセットも、
そのセットをさらに魅力的に見せる原田保さんの繊細で美しい照明も、
岡崎司さんの情感溢れる音楽も、
とても素敵で魅力的ではあったのですが、
この物語を、何故あえていのうえさんが演出するのか、その理由がどうしても感じられなかった。
正直、2回目観るのどうしようかなあ、とも思ってしまったのです。

が!
2回目、その印象は見事に覆されました。
舞台の全体も、役者さんの表情もつぶさに見ることのできる良席だったせいもあるかもしれませんが、
新感線のテイストを仄かに感じさせつつ、新感線とは異なる真っ直ぐさで”人”を描いている―――
それは、歌舞伎の美しく安定した世界とは違った生々しさを私に感じさせました。


その生々しい舞台の中で、一番魅力的だったのが、お国を演じた秋山菜津子さん!
そもそもこの舞台のチケットをとった最大の理由が秋山さんのお国だったのですが、
もう、期待以上に素晴らしいお国でした!
綺麗で、賢くて、情熱的で・・・たぶん、どこかの分岐点で違う道をたどれば、
きっとお峰以上に内助の功なおかみさんになったはず。
でも、彼女は愛する源次郎とともに幸せになるために手段を選ばなかった。
彼女の罪は、もちろん決して許されるものではない。
けれど、その罪から目を逸らすことなく、その罪を忘却の彼方に沈めようともせず、
真っ直ぐにその罪を受け止め、その上で源次郎と共に前に歩いていこうとした。
「謝れというのなら、あの世でいいだけ謝る」
そう言い切った時の、ぴんと伸びた背筋と毅然とした表情は、とてもとても美しかった。
だからこそ最後、源次郎殺しの罪を問われたシーンでの必死の表情が、哀れでしかたがなかった。
それと同時に、お国という女の底なしの情が、生々しく伝わってきました。
本当に、秋山さんは素晴らしい役者さんだと思います。

そのお国に愛される源次郎役、千葉哲也さんもとても素敵でした。
1幕ではへっぴり腰で刀を握る、色男だけど情けない印象だったのですが、
2幕、仕事へ戻るお国を見つめる表情の切なさとやるせなさ、
そして、過去の罪に追われ、お国と共に新しい土地へと旅立とうとする時の優しい表情に、
思わず目を奪われました。
ああ、この男なら、お国が全てを賭けるのもわかる。
そんな風に思いました。


逆に、瑛太くんの新三郎は、私的にはなんとも・・・(笑)
台詞が聞き取りにくいとか、動きが単調とかは、初舞台だし仕方ないかなあ、と思いますが、
彼の新三郎って、ほんとにどうしょうもないぼんぼんなんですよねー。
煮え切らなくて、臆病で、他力本願で。
あ、書いてたらまたいらいらしてきた(笑)。
でも、立ち姿はすらっとしていてかっこよく、お露もこれは惚れるかなあ、と思ったし、
1幕最後の表情はとても見ごたえがありました。
次の舞台に期待です!


お露役、柴本幸さん。
とても可愛らしかったけれど、なんとなく違和感が・・・たぶん、凄く現代的なのです。
着物に着られちゃってる感じ?
徐々に幽霊っぽくなっていくのも、芝居がかっていて(って芝居か/笑)、
怖さも切なさもいまひとつだなあ、と思ってしまいました。
もっと現代的でスタイリッシュな物語だったら、もっと魅力的だったかも。
そう思うと、ちょっと残念です。


そのお露の乳母お米役、そしてお六役、梅沢昌代さん!
もう、芸達者で芸達者で!!
仕草も台詞も全て見ごたえありでしたし、
この物語の”怪談”の部分をがっつり担っていらっしゃいました。
いや、笑えるのに怖いって凄いと思います。


梅沢さんのお六とナイスなコンビネーションだったのが、伊藤蘭さんのお峰。
いやー、いい声してらっしゃいますね。
微妙にキャンディーズ世代な私ですが、そういえば一番好きだったのがランちゃんでした(笑)。
きっぷが良くて、賢くて・・・でも、たぶん自分が一番だったお峰。
彼女の主張は、伴蔵のためのように聞こえても、あくまでも自分のためで、
そして幽霊との取引の責任は全て伴蔵に背負わせた。
本人はきっとそういう風には自覚していなかったと思うけど、
だからこそのあの殺害シーンでの信じられないという表情だったと思うけど、
でも、私にはそう見えた。
そして、なんだか伴蔵の気持ちがちょっとわかっちゃたような気持ちになってしまいました。
あんな風に責められたり、言い募られたら、ほんとにきついと思うのです。
そういう意味では、この物語の中で一番酷い人間はお峰だったのかなあ、と思いました。


そして、段田安則さんの伴蔵。
一緒に行った友達が、「2幕の段田さんの悪役が楽しみ〜v」と言っていたのですが、
私的には伴蔵って全然悪役なイメージではなかったんですよね。
すごく真っ当な人が、道を過って、そして破滅へと向かった、というのが仁左衛門さんの伴像の印象。
そして、お峰への愛情も確かにあったと感じられたのです。
が、段田さんの伴蔵はほんとに悪役でした!(笑)
1幕の軽妙なお芝居もとても楽しくて、どの仕草も計算されてるんだろうなあ、と感心しましたが、
2幕はとにかく嫌な男でした(え)。
源次郎にお金を投げるときもめちゃくちゃ厭らしかったし、
(あれで一気にお国と源次郎に気持ちが傾きました/笑)
キレて爆弾発言をしたお峰をなだめるシーンでは、
最初はほんとに反省してるように思ったのですが(騙されてますな/笑)、
その直後にお峰を見る目が全然笑ってない!
というか、とんでもなく冷めてて、正直ぞっとしました。
なので、お峰殺害も追い詰められて、というよりは思いっきり保身という感じ。
それでも、お峰がいたからこそ踏みとどまれていた部分を、
彼は自分の手で壊してしまったわけで・・・
死んだお峰を抱いての叫びは、彼の最後の良心だったのかなあ、とも思いました。


最後、繋がれた伴蔵とお国が歩く道を、死んだはずの者たちも同じように歩いていきます。
刻々と表情を変える回り舞台の上での、死者と生者の邂逅。
和やかに笑いあうお露と新三郎。
颯爽とした足取りの源次郎。
そして、手ぬぐいで表情を隠したお峰。
俯き、打ちひしがれた惨めな二人との対比がとても鮮やかで、なんとも胸に迫りました。

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