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<<   作成日時 : 2010/02/14 18:57   >>

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続けてもう1個観劇記録書いちゃいます。
とはいえ、きちんとした感想にはならなそうですが・・・と最初にお断りしておこう(笑)。


「血は立ったまま眠っている」

2010.2.7 マチネ シアターコクーン 1階Q列20番台

作:寺山修司
演出: 蜷川幸雄
出演:森田剛、窪塚洋介、遠藤ミチロウ、金守珍、大石継太、柄本佑、冨岡弘、丸山智己、三谷昇、六平直政、
    寺島しのぶ 他


実は観ようかどうしようか直前まで悩んだこの舞台。
「身毒丸」がどうにも受け入れられなかった私なので、
寺山+蜷川の舞台は、ちょっとやばいかもなあ、と思ったのです。
でも、タイトルに心惹かれたのと、森田剛くん観たさに1回だけ、とチケットを取りました。
で、結果としては・・・やっぱりちょっと辛かったかなあ、と。

あの、暴力と退廃とエゴと理想と猥雑と純愛と蔑みと諦めと逃避と強さと情けなさと・・・もういろんなものが、
まさにコラージュのように重なり合い、隠され、暴かれ、創りだされ、壊されていく様は、
なんというか、生理的に受け入れがたいなあ、と。
遠藤さんが歌う歌の歌詞や、台詞の端々に、ふっと心惹かれる部分があったのも確かなのですが、
それを捕まえる気力が、観ているうちに奪われていく感じでした。
それを捕まえて、飲み込むことができれば、
もしかしたら引きずり込まれるように寺山ワールドの魅力に取り付かれるのかも知れませんが、
それをちょっと怖いな、と思う自分がいたのも確かで・・・

開演前、プログラムを熟読していて、ふと顔を上げたら、
舞台の奥の搬入口が大きく開かれて、渋谷の町が見えました。
日の光に照らされる白々とした街と、自分が座る劇場の暖かくよどんだ空気。
その対比に、一瞬はっとして、そして、その風の吹く外の世界から、
ばっさりと切り離されるようにお芝居が始まったときは、
あっという間に変わっていく舞台に引き込まれると同時に、ちょっと逃げたくなってしまったりもしました。
ここにいたらやばい・・・そんな風に感じてしまって。

そして、その”やばい”という気持ちは、終演までずっと続いていて、
最後にまた搬入口が開いて、”退屈”しないはずの生き続ける彼らが外へと出て行ったときに、
なんだか置いていかれるような心細さと、これでもうこの世界から抜け出せるという安堵があった。
―――本当に、不思議な感覚でした。


目的だった森田くんの良。
今回も、年上の男性に心酔する役でしたねー(笑)。
以蔵と同じように、仔犬のような印象ではありましたが、
もっと小さい、繊細に扱わないと壊れてしまいそうな頼りなさでした。
というか、どう見ても17歳というのが凄い・・・!
灰男との関係は・・・どうなのかな?
灰男が夏美と関係を持った後、二人共に嫉妬してるように思えてしまったのですが、
灰男と良の間に、というか良が灰男を見る目にちょっと危ういものを感じてしまったのは、
もしかして、「蜘蛛女のキス」を前日に見た影響なのかな・・・?(笑)
どちらにしろ、ものすごく未成熟なまま何かに囚われてしまうことの哀れさのようなものを、
最後、首吊り死体に語りかける良の背中に感じました。
うん、「IZO」ほどの求心力はないけれど、やっぱりいい役者さんだと思います。

で、灰男役の窪塚さん。
TVドラマはあまり見ないので、きちんと意識してみるのは初めてかなあ。
最初、ちょっと棒読みな感じの抑揚の少ない台詞回しが聞き取りにくかったんですが、
お芝居が進むにつれて、このしゃべり方ってまさに灰男だなあ、と思ってしまいました。
常に自分を分析している灰男。
常に自分を抑制している灰男。
常に自分を嫌悪している灰男。
常に自分を諦めている灰男。
そして、常に自分の中にある熾火を見つめている灰男。
で、そう思ったら、普段の私ならどうしようもない男、と感じるはずの灰男が、
どうにも放っておけない魅力的な男に見えてきちゃったんですよね・・・これはもちや蜷川さんの思う壺?!(笑)

そして、夏美役の寺島さん。
この方の声はほんとに大好きなのですが、やっぱりどうにも見た目が好みではなくて・・・
声だけ聞いてると、まさに18歳の頭でっかちな少女で、
でも既に女の現実的な部分も持っている危うい雰囲気が魅力的でした。
・・・って失礼かな?(汗) でもこればかりはやっぱり好みの問題ですからねー。
夏美が現れなかったら、灰男と良の生活はもっと長く続いたかもしれないけれど、
良は一人で取り残されることはなかったかもしれないけれど、
でも、もっとどうにもならない状況になったかもしれないなあ、と思った。
・・・上手く表現できないなあ。
それにしても、死んだ夏美に口づけた灰男が離れると、二人の唇の間に真っ赤なリボンが現れるのが、
視覚的にも凄く強烈でした。
「間違いの喜劇」でも同じことをしていたんだけど、
今回は、だんだんと夏美から離れていく灰男の動きや視線がものすごくヤバくて、なのに幸せそうで・・・
良と別れるとき、灰男が出した舌の赤さが、禍々しいのに愛しい感じがしてしまいました。


雑誌記者役の大石さん。
私的には大石さんは蜷川さんの舞台では癒し系の筆頭だったんですが、
今回は癒し系とは程遠く・・・(涙)
いや、眼光鋭い裏のありそうな笑顔も、どんどん良を追い詰めていく怖さも見ごたえあり!でしたよ。
ただ、ああ、これでこの舞台に私の癒しはない・・・と思ってちょっと辛かったのも本当(笑)。
でも、これからはいろんな役柄の大石さんを見てみたいですv


床屋に集う面々は・・・どなたも凄く強烈で、ちょっと上手く書くことができません。
たぶん、私のイメージのなかの寺山さんの受け入れられない部分が、
この面々に凝縮されていたんだと思う。
そして、心惹かれる部分が、良たち3人だったのかな、とも。
その間を結ぶように、要所要所で歌う遠藤さんの歌声は、しばらく頭に残りました。
同じ歌詞、同じ音楽なのに、歌われる場面で印象がまるで違う。
この舞台を舞台として保っていたのは、もしかしたら遠藤さんの歌声なのかも、と思いました。


そんなこんなで、寺山作品は私には無理、と実感してしまったこの舞台。
これからはよっぽどのことがなければ、寺山作品は観ないだろうなあ・・・
あ、洋さんが出るんだったら、絶対観にいきますけどねv(笑)


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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
お疲れ様です。
ご無沙汰してます〜。
実はこの舞台、ある新聞で評論見て非常に気になってました。
(蜷川作品は同時代の筈の寺山修司に対するアンビバレントだなんとか…難しすぎましたが)
やはり…ちょっと怖い内容なのですね。
でも森田君は良かったようで!
いつかまた、観劇ご一緒させて下さいね!
またメールします
Rook
2010/02/15 22:37
Rookさん、こんばんは!
こちらこそご無沙汰してしまってすみません。
新聞評、出ていましたか。
どんな風に評されたのか、ちょっと気になります。
私的にはとても怖い舞台だったのですが、
アングラってこういうものなのかなあ、とも思ってみたり。
森田くんは、とてもいい役者さんなので、
また是非舞台で観てみたいな、と思っています。
4月以降、ちゃくちゃくとチケットを取っていますので(笑)、
何か観たい舞台があったら、お声をかけてくださいね。
またお会いできるのを楽しみにしております!
恭穂
2010/02/15 22:56

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