瓔珞の音

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<<   作成日時 : 2010/03/16 23:18   >>

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私が最初に名前を覚えたミュージカル俳優―――それが、市村正親さんでした。

出会いは、「オペラ座の怪人」のCD。
友人の家族に誘われて、初めて観にいったのがこのミュージカルでした。
・・・たぶん、日生劇場だったと思う。
初めての生の舞台に感動した勢いのまま購入したCD。
そのファントムが、市村さんでした。

私の心に直接切り込んでくるような、その歌声。

オペラ座に潜む闇。
静かにさざめく地下の湖。
そこに佇む、一人の男。
仮面に隠された、熱情。
そして、その闇に深く深く沈みこんでいく彼の想い―――

たぶん、このファントムに、私は一気に恋に落ちた。
心を掻き毟られるような、哀しい彼の恋に感応した。
そして、俳優・市村正親の名前は、私の中に深く刻まれた。

でも、その頃にはもう市村さんは劇団四季を退団された後で。
だから、生の市村さんの歌声を最初に聴いたのは、「ミス・サイゴン」のエンジニアでした。
ファントムとはまったく違う魅力のあるエンジニアはとても鮮やかで―――
それから、私はできる限り市村さんの舞台を観にいくことにしました。

「ラ・カージュ・オ・フォール」「スクルージ」「回転木馬」「She Loves Me」「ラヴ」「クリスマスキャロル」・・・
地方の大学生にしては、結構頑張って観にいったと思う(笑)。
勤め始めてからも、市村さんの舞台、というと頑張ってチケットをとった。
そして、「ペリクリーズ」で私は演出家・蜷川幸雄さんに出会った。
「モーツァルト!」で、アッキーの歌声を知った。
「ライフ・イン・ザ・シアター」で、二人芝居の奥の深さに触れた。
たぶん、今の私の観劇通いの基礎は、市村さんなのだと思う。

もちろん、観ることのできなかった舞台も沢山あります。
市村さんのモリーナも、ヘロデ王も、スヌーピー(笑)も、MCも、私は観ていない。
あんなにも、心惹かれたファントムでさえも。

だから、夢だった。
「新市村座」でも市村さんは「オペラ座の怪人」の曲を歌ってくれたけど、
市村さんの”ファントム”を観ることは、叶わない夢だと、諦めていた。

でも、この日、私は憧れ続けた”ファントム”の、その想いに触れることができました。



「それぞれのコンサート」

2010.3.13 マチネ 東京国際フォーラム ホールC 1階6列30番台 ゲスト:武田真治
2010.3.13 ソワレ 東京国際フォーラム ホールC 1階10列10番台 ゲスト:鹿賀丈史


というわけで、前置きが長くなりました(汗)。
いやでも市村さんについて語らせたら、私、たぶん幾らでも話せるよ?(え)
でもって、このコンサートも、ほんとにほんとに楽しかったです!

まず、オープニングから市村さんの魅力全開でしたv
指揮の塩田さんがいないのをいいことに、観客にジェスチャーでOKを取ってから指揮台へ。
で、市村さんの指揮でオーヴァーチュアが始まったのですが、
最初が「ラ・カージュ・オ・フォール」!!
・・・すみません、その時点で私ちょっと涙ぐみました(笑)。
それから、「リトル・ナイト・ミュージック」「コーラスライン」「エビータ」「蜘蛛女のキス」「キャッツ」などなど、
いろんなミュージカルの曲がメドレーで演奏されました。
市村さんの指揮は堂に入っていてとーってもかっこよかったですv
でもって、きちんと客席も盛り上げるし(「WSS」ではマンボ!の掛け声もv)、
曲に合わせてちょこっと踊りながら指揮したりもしていて、ほんと市村さんって凄いなあ、と。
その中で「キャッツ」の曲はミストフェリーズの曲だったんですが、
市村さん、ミストフェリーズの役だったんでしょうか?・・・観たかったなあ!!

その後、現れた指揮の塩田さんとちょっとした攻防があって(笑)本編へ。
前半は、四季のころの歌が中心だったようで、初めて聞く曲も多くて、
嬉しいやら、観れなかったのが悔しいやら・・・(笑)。

「キャバレー」の♪ウィル・コーメン では、陽気なのにちょっと底の知れないMCを垣間見せ、
「リトル・ナイト・ミュージック」の♪センド・イン・ザ・クラウン では、
綺麗なメロディーにのった、自身で作詞されたという歌詞に市村さんの舞台への愛情を感じさせ、
そして「ハンス」の♪みにくいアヒルの子 では客席を涙に誘い・・・
ああ、一人芝居の「クリスマスキャロル」がまた観たいなあ、と思っちゃいました。
「シー・ラヴズ・ミー」からは懐かしの♪シー・ラヴズ・ミー。
昨年の薮くんのジョージも可愛かったですが、市村さんのジョージはやっぱり大人の魅力ですv
「蜘蛛女のキス」からは♪ドレス・アップ。
結局この舞台は観ることができなくて、ほんとに悔しい思いをしたのですが、
まさかここで観ることができるなんて!
市村さんのモリーナは、なんというか、可愛らしさの中に凄く屈折した暗さを感じてしまいました。
あああ、実際の舞台で観てみたかったなあ!
「コーラスライン」では、しっかり踊ってくださいましたv
あんなに綺麗に足の上がる61歳はほかにいやしません!(笑)

もちろん途中でいろんなお話も。
四季時代、誰かさん(笑)にソロを持っていかれて、自分はダンスメインだったこととか、
このコンサートを開くことになった経緯だとか・・・
マチネでは正面の前方席に小さな子がいて話しかけてましたが、
その口調がちょっとお父さんでした(笑)。

「コーラスライン」で市村さんが退場すると、そこからゲストの登場です!
マチネのゲストは武田真治さん。
のっけから、♪愛と死の輪舞 を熱唱!
武田さんのトート、好きだったんですよねー。
今年の公演では観ることができなくて残念だな、と思っていたので嬉しかったですv
で、市村さん再登場でトークが始まるんですが・・・

いや、武田さん、めちゃくちゃいじられてました!(笑)
また武田さんが素直というか天然というか墓穴掘りまくりというか・・・(え)
これは、市村さんも塩田さんもいじりたくなるよねー、と思っちゃいました。
で、そんな「Sっ気のある(武田さん談)」市村さんなんですが、
鹿賀さんの前では、ほんとに言葉数が少なくなって、しかも敬語になってしまうのを塩田さんに指摘されてました。
「凄く尊敬してて・・・」「嫌われたくないんだ・・・」っていう市村さん。
うーん、鹿賀さん、憧れの人なんですねー。
そして、夜の部のゲストコーナーでは、ほんとに言葉数減ってました(笑)。

そんな爆笑トークのあとは、市村さんと武田さんのサックスのセッション!
このために、武田さんからレッスンを受けていたのだとか。
♪砂に刻む歌 を、二人のサックスでしっとりと聞かせてくださいました。
私のところからは、サックスを吹く市村さんの後姿しか見えなかったのですが、
その、少し背を丸めて、サックスを抱きしめるように吹く姿が、なんだかとても素敵でした。
ああ、市村さんって、やっぱり努力の人なんだなあ、と思った。
ひたむきに、一歩一歩進んでいく、そんな強さをその後姿から感じました。
そして、やっぱりそういう市村さんが大好きだなあ、と思ってしまったり(笑)。
武田さんのサックスもめちゃくちゃかっこよかったですよーv
何より、サックスへの愛情を感じました。

で、その後「JCS」メドレーへ!
舞台後方へ一度向かった武田さんが振り向いた時、
それまでの可愛らしい(おい)表情が一変していて、ちょっとびっくりしました。
そして始まった♪彼らの心は天国に。
いや、武田さんのユダ、けっこういいかも!!
歌自体はちょっと大変そうな感じもありましたが、
粗野さと繊細さが同居している風なのが、かなり私好みかも。
・・・て、もともとこの人の声、私結構好きなんですよねー。

そして、市村さん再登場での♪ヘロデ王の歌。
綺麗なお嬢さんを5人も従えて(黒い衣裳がそれぞれ違っていて、とても可愛かったですv)のヘロデ王。
これも舞台で観たかったなあ・・・まあ、この頃まだ乳幼児でしたから絶対無理ですが(え)。
CDでの若々しくて退廃的なヘロデ王も好きですし、
この日の、エキセントリックなのになんとなく冷静そうなヘロデ王もいい感じでしたv

武田さんのサックスの入った♪スーパースターで、ゲストコーナーは終わりましたが、
その後の♪ミスター・ポージャングル の時も、ソプラノサックス(かな?)を演奏してくれました。
それも凄く良かったです。
席の真正面で演奏+歌ってくださったので、
市村さんが下手側で踊ってらっしゃるのに、ちょっと気づくのが遅れました(汗)。
でも、このナンバーもほんとに良かったなあ・・・
この曲の出典はわからないのだけど、
たった1曲なのに雰囲気のある短編小説を読んだような気分になりました。
ちょっと、高橋選手の「道」を見たときと似たような感覚だったかな。
市村さんの哀愁あるダンスと、武田さんの若々しい甘い声がとてもいい雰囲気でした。
夜の部では鹿賀さんが歌っていましたが、こちらも大人の渋い魅力で、
それぞれ違う物語を見せていただいたような気持ちになりました。

武田さんは、夏に市村さんと「ロックンロール」で共演ですね。
この舞台、秋山さんも出演されるので、今からとーっても楽しみなのですv


夜の部のゲストは鹿賀さん。
いきなり「レ・ミゼラブル」の♪囚人の歌 が流れ出して、囚人たちが出てきたのにはびっくり!
ええ、鹿賀さんこの中にいるの?!と一瞬思いましたが、もちろん違います(笑)。
舞台後上方から、ダンディなスーツ姿で登場。
で、♪対決 を一人で歌いだされました!
バルジャンとジャベールの声って、こんなに違ったんですねー。
というか、これって「ジキル&ハイド」意識してますよね?(笑)
二人がはもるところはどうするのかな?と思っていたら、そこで市村さん登場!
市村ジャベールと鹿賀バルジャンの迫力ある対決を聞くことができました。
いやー、夢の競演ですねv
と、思ったら、最後のところで「一人でやってれば」と言いおいて去っていく市村さん。
「これだけは誓う」の後から、また一人対決(笑)に。
で、最後のフレーズは一音ずつジャベールとバルジャンになって歌ってました。
凄いな、鹿賀さん・・・

その後のトークでは、マチネで言っていたとおり、
市村さんが大人しくなってて笑っちゃいました(笑)。
なんだかいい感じの二人ですよねー。
確かにライバルというよりも、仲間、という感じなのかも。
でも、♪砂に刻む歌 になった途端、お二人の雰囲気がガラッと変わって、
さすが役者!と思いました。

四季時代、鹿賀さんの透明感のある歌声も、そのルックスも凄く羨ましかった、と言っていた市村さん。
♪ゲッセマネの園 の歌声に、その透明感を実感しました。
高音はさすがにちょっと辛そうかも、とは思いましたが、
数年前に観た「JCS」のあのシーンがばーっと思い浮んで、
スーツ姿なのに、鹿賀さんがしっかりジーザスに見えました。
その後の♪スーパースターを聴いていて思ったのですが、
鹿賀さんの歌声って、ほんとに浮き上がるような存在感があるんだな、と。
前になにかで、どんなに綺麗で上手でも周りに埋没してしまう歌声があるように、
どんなに大勢の中でも、クリアに浮き上がってくる歌声がある、と読んだことがあります。
鹿賀さんの歌声は、後者なのかな、と思いました。
それはやっぱり主役向きだよね・・・

そんな感じで、それぞれのゲストで、違った市村さんを見せていただきましたv
これは、井上くんのときも観たかったなあ、と思ってしまったり。
きっと楽しいトークだったに違いありません。
「キャンディード」、トークショーないかなあ・・・


ゲストコーナーが終わった後はフィナーレへ。
♪アメリカン・ドリーム、♪ミスター・ポージャングル、♪バイ・バイ・ブラックバード を経て、
♪ありのままのわたし に―――ソワレでは、ここが思いっきり涙ポイントでした(笑)。
「ラ・カージュ・オ・フォール」再演してくれないかなあ・・・CDではあの舞台の魅力は半分も伝わらないと思うの。

その後一度幕が降りて、少ししてから「オペラ座の怪人」の曲が流れ始めました。
そして響き渡る”ファントム”の歌声―――♪All I Ask of You。
愛する人に裏切られた”ファントム”の怒りよりも哀しみに満ちた歌声。
その歌声の後、上がった幕の向こうには、たくさんの蝋燭の揺らめく明かりと、
舞台の奥に佇む、一人の男の影がありました。

「オペラ座の怪人」メドレーは、闇に支配された舞台の上で繰り広げられました。
上方から、側方から彼にあたる光は全て逆光。
ファントムの姿は、闇に溶け込むようなシルエットで、
時折光の粒子に浮かぶその面は、あの白い仮面のようでした。

♪The Mirror でクリスティーヌを誘う甘い歌声。
♪The Phantom of the Opera での圧倒的な強さに溢れた歌声。
私を捉えて離さなかった、♪The Music of the Night の優しく切望に満ちた歌声。
表情は見えなくても、その視線の先には、眠るクリスティーヌが確かにいた。
クリスティーヌを惑わせる魅力に溢れた♪The Point of No Return。
彼女へ誓う愛の言葉を阻むような彼への攻撃。
そして、小さなおもちゃが奏でる♪マスカレードにのせて歌われる、クリスティーヌへの想い―――
受け取ってもらえなかった、夜の調べ・・・愛の言葉。

逆光に隠れたその表情を補って余りある、その仕草、その佇まい、その歌声。

私が、あんなにも心惹かれた”ファントム”が、今、ここに生きている。
全てを賭けて求め、愛し、それ故に独り闇に沈むことを選んだ孤高の”ファントム”が、今ここに居る。

そう思ったら、もう涙を抑えることができませんでした。
零れ落ちる涙をぬぐうこともできずに、ただ、彼を見つめることしかできませんでした。

そして最後。
彼が見上げたその先には、蒼い闇がありました。
オペラ座の地下の、閉ざされた闇ではなく、
空へ、宇宙へと繋がる蒼い闇。
黎明の気配を感じさせる、蒼い闇。

全てを失い、闇の中で蹲っていた私の”ファントム”が、
外へと歩き出した瞬間だと、そう思いました。
私の”ファントム”の物語は、ここで本当の終焉を迎え、そしてまた始まった。
そして、それがなんだかとても嬉しくて、やっぱり最後まで泣いてしまいました。


すみません。
もう観てから3日もたったのに、まだこの時に溢れた想いが落ち着いていないみたいです。
でも、そのくらい、この「オペラ座の怪人」メドレーは、私にとって特別でした。
本当に、幸せでした。


そんなこんなで大満足だった「それぞれのコンサート」。
実は還暦を過ぎた人(=市村さん)と還暦を迎える人(=鹿賀さん)の、アラ還コンサートだったとのこと(笑)。
お話の中で、70歳、80歳でもやりましょう!という言葉がありました。
それが実現したら、ほんとに素晴らしいだろうなあ、と思います。
というか、是非実現してください!
10年後に自分がどうなっているか全然わからないけれど、
このコンサートには絶対に足を運ぼうと思います。

だって、市村さんは、私にとって初めての、そしていつだって最高の役者さんなんだから。

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
うまく言葉にできないのですが…

読みながら不思議と胸が熱くなり
私まで涙ぐんでしまいました。

素敵な感想を聞かせてくださって
ありがとうございました。
みずたましまうま
2010/03/20 16:19
みずたましまうまさん、こんばんは!
こちらこそ、読んでくださってありがとうございます。
このコンサート、私の観劇ライフの原点を再確認させてくれたように思います。
やっぱり、ミュージカルと、そして市村さんは私にとって特別なんです。
でもって、そういう”特別”があるのが、凄く幸せだなー、と思ってしまいましたv
恭穂
2010/03/20 23:49
はじめまして、おじゃまします。

市村さんが『CATS』で演じられたのは
ラムタムタガーとスキンブルシャンクスと
ミストフェリーズだったと思います。
私は運良くタガーを観られました。
市村タガーが客席から上げた女の子を
リードしてくるりと一回転させたのを
よく覚えています。その時に
「やっぱり市村さんは特別なんだな」
って思ったんですよ。
その“市村さんは特別”に私も
ずっと魅了され続けてます。
木香
2010/03/21 16:55
木香さま、はじめまして!
コメント、ありがとうございます。

市村さん、「CATS」でそんなにいろいろ演じられていたんですね。
ラムタムタガーもとは!
それは、ほんとに素敵にかっこいいタガーだったんだろうな、と思います。
実際にご覧になった木香さんがとても羨ましいです。
素敵な思い出を教えていただき、ありがとうございました!

“市村さんは特別”
そう思っているファンは、きっと沢山いるのでしょうね。
そんな市村さんを心から応援しつつ、
これからも素晴らしい舞台を見せていただくのを、
楽しみにしていようと思いますv
恭穂
2010/03/22 20:13

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