瓔珞の音

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zoom RSS マイナスをプラスに変える勇気

<<   作成日時 : 2010/11/16 21:09   >>

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去年の夏、奇跡のような舞台に出会いました。
ブロードウェイキャストの「RENT」―――
あの広いACTシアターの客席を埋め尽くす熱気と、
それに煽られるような興奮、そして震えるほどの感動は、今もまだクリアに思いだすことができます。

そして、そんな記憶を持ったまま向かい合った東宝版「RENT」再演。
そこには、あの夏の熱気とは違う、けれど懸命に生きる、紛れもない"彼ら"がいました。



「RENT」

2010.11.6 マチネ シアタークリエ 10列一桁台

出演:福士誠治、藤岡正明、米倉利紀、ソニン、田中ロウマ、Shiho、Miz、白川裕二郎、安崎求、Eliana、
    Junear、中村桃花、汐美真帆、Spi、戸室政勝



今回、本当は2週間前に観劇する予定でした。
楽しみにしていたその数日前、飛び込んできたAnisさんの体調不良と、藤岡くんの代役、
そして、私が持っているチケットのまさにその日の休演のお知らせ・・・
何とか振り替えてもらった日は、藤岡くんのロジャーの日。
「レ・ミゼラブル」や「ミス・サイゴン」、そして「宝塚BOYS」での藤岡くんの歌声はとても素敵で、
そのお芝居もとても真摯で、だから短い稽古期間でも、きっと聴き応えのあるロジャーになるだろうと思いました。
でもね、実はちょっとだけ不安だったんです。
それは、彼の朴訥とした雰囲気(私の個人的見解です)だけでなく、
彼のロジャーはとても冷たいロジャーになるんじゃないかな、って思ってしまったから。
というのも、彼のマリウスもクリスも、私には凄く冷たくてエゴイスティックに感じられたからなんですね。

が!
そんなのはもちろん思いっきり杞憂でした!!

クリエの、何故か近く感じる舞台の上で生きていたのは、
とにかく熱い、そしてその熱情を持っているが故に、とてもとても臆病なロジャーでした。

私は「RENT」ファンとしては新参者で、
ブロードウェイキャストも2回観ただけだし(しかも初回はあまり昔で記憶が曖昧・・・)、
東宝版の初演も1回観たきりです。
だから、こんなことを言うのはおこがましいとは思うのだけど、
藤岡くんのロジャーは、まさに"藤岡くんのロジャー"だった。
そして、その感情の動きが、まったく違和感なく「RENT」だった。
ロジャーとミミ、ロジャーとマーク、ロジャーとコリンズ・・・
誰と相対していても、彼の純粋で臆病で熱いロジャーは全くぶれなかった。
それが、なんだか凄い感動だったんです。

というか、そもそも東宝版の初演と比べて、
今回は登場人物の感情の流れがなんだか凄くクリアで生々しくて、そして目が離せなかったんですね。
それは、もしかしたら、私がその当時よりも「RENT」に馴染んだからなのかもしれないし、
演出の違いなのかもしれないし、再演ということで役者さんたちも役をつかみやすかったのかもしれない。
でも、私としては、藤岡くんのロジャーとソニンさんのミミという組み合わせが、
最大の要素だったように思えるのです。

ソニンさんのミミは、とにかく積極的。
自分の弱さや過去の辛い記憶、そして未来への不安―――そんなマイナスの要素すら、
前へ進むための力に変えていける。
ロジャーとの"今"を手に入れるために、自分の全てを掛けてぶつかっていく。
そんな強さとしなやかさのあるミミで、それがめちゃくちゃ私好みだったんですv
♪Out Tonight は最高だったし、
そんなふうに魅力的なミミから目が離せない藤岡ロジャーの、
ちょっと恍惚とした、でももの凄く怯えた表情がなんだかとても印象的でした。

そして、ソニンさんのミミは、あの生き返り(笑)のシーンが素晴らしかったと思う!
「ミス・サイゴン」を観たときに、ソニンキムには"信仰"を感じましたが、
今回も、ミミがであったエンジェルの姿が、あの短い台詞に鮮やかに喚起されました。
また、その言葉を聞いたときの米倉さんのコリンズの表情が良くってねえ・・・(号泣)

米倉コリンズと田中エンジェルのお二人の関係性には、初演の時も心惹かれたし癒されましたが、
今回も二人の互いを想い労わる雰囲気が、とても心地よくて、そして切なかった。
それは、二人の共有するリアルな時間が限られていることを、
二人自身が、そして観客である私が知っていたからなのかもしれない。
そして今回の観劇で初めて思ったのが、
コリンズはまた誰かを愛するだろう、ということ。
エンジェルという稀有な存在を愛し、その深い愛を享受し、その最期に打ちひしがれ、
けれど、彼女の不在を、その喪失感を自分の一部としたまま、彼はまた誰かを愛し守ろうとするだろう―――
コリンズが一人で歌う♪I'll Cover You を聴いた時、、そしてミミの言葉を聞いたときの表情を観たとき、
すんなりとそう思えてしまって、そしてそう思えたことがなんだがとても嬉しかったのです。

でもって、田中さんのエンジェルは、やっぱりめちゃくちゃキュートでした。
更に今回はキュートさに加えて、ハンサムさ(女性の形容としてね)も加わったような・・・
筋肉の両と可愛らしさって反比例ではないんだなあ、と思ってしまいました(え)。


MizさんのモーリーンとShihoさんのジョアンヌは相変わらずのパワフルさ!
白川さんのベニーは、彼の信念と、それを理解してもらえない苛立たしさがちょっと切なかったかな。
安崎さんはこの舞台のある意味要のような安定感と安心感がありました。
関の関係で、2幕最初の♪Seasons of Love は安崎さんが真正面だったのですが、
やっぱり好きな歌声だなあ、と思いました。


そして、今回もやっぱり最後にもってきちゃいました、マーク!
基本、私はマークファンなのだと自己分析してるんですが、
福士くんのマーク、どストライクでした!!
最初の台詞の響きを聴いた瞬間に、あ、やられた!って思っちゃった(笑)。
声が好み、って、私的にはとってもポイント高いんですv
でもって、物語が進むにつれて、そのマークとしての在り方にも、どんどん心惹かれちゃったんですね。
ちょっとギクシャクした動きとか、困ったような笑顔とかも魅力的だったし、
♪Tango Maureen のジョアンヌとのやり取りや、
♪La Vie BoHeme での素直な雰囲気も良かったけど、
個人的にはなんといっても、めちゃくちゃ思い悩むタイプの若々しいマークがツボだったのかも。

傍観者であることを嘆くのではなく、
傍観者であることを求められる自分の立ち位置の中で、ひたすらあがき続けるマーク。
あがきながら、惑いながら、傷つきながら、それでも少しでも彼らの傍にいようとするマーク。

だからかな、ロジャーとの喧嘩(?)のシーンは、
真正面からぶつかって、売り言葉に買い言葉な、でも何割かは本音なロジャーの言葉にたじろぎ、
でも、その言葉を真摯に受け止めて、自分のできることをしようとする素直さが、凄く良かった。
だから、その後の♪What You Own で二人の距離が気持ち的にも物理的にも縮まるのが、
とてもリアルで、そして微笑ましく感じてしまいました。
というか、この曲、初演ではロジャーがいきなりスタンドマイク持ち出して歌いだしたので、
何事?!と思った記憶しかなかったので(笑)、
今回のロジャーが奥上方の扉から出てきて、階段を駆け下りる、という演出の変更が良かったのかも?
とりあえず、福士くんは私の中で「黒木くん」から役者さんに昇格いたしました(笑)。
また舞台の上の福士くんを拝見するのを楽しみにしておりますv


そんなこんなで、いろんな意味で予想以上の感動と収穫のあった舞台でした。
代役、休演とトラブルはあって、シアタークリエのスタッフの方々も、大変だったんだろうなあ・・・
それなのに、振り替えのチケットを受け取りに行った時に、
凄く丁寧に謝罪してくれて、更にはプログラムまでサービスしていただいちゃって、
なんだか申し訳なくなってしまいました。
もちろん、代役の白羽の矢がたった藤岡くんも、
彼を迎え入れて支えたキャストのみなさんも、スタッフの方たちも、本当に大変だったと思う。
でも、それがあったからこそ得られた絆とか、強さとか、熱さとか、そういうものもあったんじゃないかな。
トラブルはない方がいいし、役者さんが元気に舞台に臨めるのが一番だけど、
そのマイナスをマイナスのままではなく、プラスの力に変えていったカンパニーは、
本当に素晴らしいと思います。
そして、1週間足らずでロジャーをものにした藤岡くんに、もう心からの拍手を!!
再々演の時には、是非最初からキャストに加えて欲しいなあ、と思います。

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内 容 ニックネーム/日時
速報感想の「初めて藤岡君をかっこいいと思った」に思わず吹き出してしまっいましたが(笑)嬉しい感想でした。(私ファンなんで、フィルターかかりますので…)

私もそんなにたくさん見ているわけではないのですが、少なくとも映画や海外版で提示されていた、イケメンで、繊細で、神経質で、臆病で、言葉より歌で語る方が得意…というこれまでのロジャー像とは藤岡ロジャーは異なっていたと思います。時間も少なく、演出も受けられず、本人のキャラでやるしかなかったわけですから「RENTのロジャー」じゃない、と言われる方、受け入れられない方がいてもおかしくないと私は見ていて思いました(ビジュアル含め)。

でもその場にいて、彼の感情の流れや他の登場人物との気持ちのやり取りがとても自然に感じられたので、(特にマークとのやり取りがすごく良かった)
おっしゃる通り「藤岡君のロジャー」だったなぁと改めて感じています。

ジェニファーミミも良かったんですが、やっぱりソニンミミとの組み合わせで見てみたかった!とこちらを読ませていただくとしみじみ思います。
福士マーク、ソニンミミ、藤岡ロジャーの組み合わせで再演があったら、きっと私も見に行きそうな気がします。

マイナスをプラスに変える力を持った人たちだから、客席にもパワーを与えることができるんでしょうね。怪我をしてもぎりぎりまで舞台に立ち続けた人たち、そして短期間で役をものにして客席に伝えきった人たち、
どちらにしても舞台の上に立ち続ける人たちって、本当にすごいなぁと改めて思ったこの秋の2つの降板&代役でした。
みずたましまうま
2010/12/11 13:33
藤岡くんファンのみずたましまうまさんに、
笑って流してもらえてほっとしましたー(笑)。
ビジュアル的なことではなくて、
これまでの役柄に感じていた"冷たさ"が、
私的にかっこいいと思えない要因だったのかもしれません。
そういう意味で、今回の藤岡ロジャーは凄いツボでしたv

私はにわか「RENT」ファンなので、
確固としたイメージがそれぞれの役柄にないので、
その分素直に藤岡ロジャーを受け入れられたのかも、と思います。
ジェニファーさんのミミとも是非観たかったですが、
今回はソニンミミに思いっきりやられちゃったので・・・(笑)
いつかまたこの3人の組み合わせがあるといいですねv

この秋の降板や代役、とても心配だったのと同時に、
役者さんや劇団、そしてスタッフの絆と底力を
見せていただいたように思います。
じゅんさんや池田さんが、早く回復されるといいですね。
恭穂
2010/12/11 23:04

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