瓔珞の音

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zoom RSS 真の主人公は誰だ?!(笑)

<<   作成日時 : 2011/03/02 22:23   >>

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初めて沖縄に行った一昨年の夏。
群馬とは全然違う空の色。
そもそも群馬にはない(笑)海の美しさ。
そして、初めてのダイビングで見たあの青―――
いつかまたあの青に出会いたい。
そんなふうに思っています。
この物語を知った上で訪れたなら、きっとまた違う出会いがあると思うから。


琉球ロマネスク 
「テンペスト」

2011.2.27 赤坂ACTシアター 1階J列30番台

原作:池上永一
脚本:羽原大介
演出:堤幸彦

出演:仲間由紀恵、山本耕史、福士誠治、安田顕、伊坂達也、野添義弘、大沢健、田辺謙一郎、森山栄治、
    海老澤健次、兼崎健太郎、長渕文音、西岡徳馬、生瀬勝久、野際陽子(ナレーション) 他



この舞台を知ったのは、確かACTシアターに観劇に行ってもらったチラシでした。
一緒に沖縄に行った友人が、学生時代から池上さんをよく読んでいたので、
彼女と一緒に行きたいな、と思ってとったチケット。
お互い忙しい彼女とは、なかなか会う機会がなかったのですが、
また一緒に"沖縄"を体験することができましたv

主演が仲間さん、ということだけ頭に入れて、観劇前に読んだ原作は、
これでもか!という波乱万丈な物語で、面白くはあったけれど、
いろんな意味でちょっと受け入れがたいものがありました。

琉球王国の斜陽の時代を生き抜いた一人の人物。
首里城に絡めとられていた龍の化身として生まれた一人の少女、真鶴。
類稀な英知と美貌を持った彼女は、父の悲願を叶え、そして自分の才を琉球に捧げるために、
男と身を偽って、難関の試験を突破し、琉球王国の官僚として首里城へ上がります。
官僚としての彼女の名は、孫寧温。
彼女は王の命を受け、財政破綻を来たしていた琉球王国を立て直すために、急進的な財政改革を行います。
そんな彼女を支える兄や同僚がいる反面、
彼女の秘密を知り、彼女を追い詰め利用しようとする者も現れます。
そんな敵を、あるときは策略で、あるときは共に死ぬことも辞さぬ構えで排除してきた寧温は、
けれど、敵であり、且つ琉球に阿片を持ち込もうとした清国の役人・徐丁垓を殺した罪で、
八重山に流刑となってしまいます。
それは、密かに想いを寄せていた薩摩の役人・浅倉雅博との別れでもありました。
八重山で真鶴に戻り、新しい人生を生き始めた真鶴。
しかし、その美しさと舞の才が役人の目に留まり、舞を国王に見せるため、彼女は王宮へと召されます。
けれど、それは彼女を国王の側室とするための方便でした。
望まぬまま、けれど父の悲願を叶えるため、国王の側室となった真鶴を待っていたのは、
琉球へのアメリカ艦隊―――ペリー来航という大事件でした。
この大事を乗り越えるためにと、八重山の孫寧温に恩赦が与えられ、
それを知った真鶴は、寧温との二重生活を始めます。
非凡な外交手段でペリーを撃退し、琉球の危機を救った寧温は、
ある日自分の体の変化に―――王の子を宿していることに気付きます。
そして、無事に生まれた王子のお披露目の宴で、
彼女に追い落とされた聞得大王にその秘密をばらされた真鶴は、山の中の廃寺に身を潜めます。
そして迎えた琉球王国の終焉。
沖縄と名前を変えたふるさとで、もう一度愛しい男と再会した真鶴は―――

というような物語。
文庫4巻にもなる長大なお話ではあるのですが・・・
なんというか、私的にはちょっと・・・なお話でした。
まず、文章が個人的な好みから外れる、というのもあったのですが、
何が何でも真鶴至上主義!という感じなのと、
それに付随して、真鶴以外の女性が一人を除いて、
めちゃくちゃ理性のない醜い獣みたいに描かれてるのがねえ・・・
正直、読んでいて気分が悪かったです・・・って、ファンの方が読んでたらすみません!
でも、これ、ほんとに正直な気持ちなんです。
他の登場人物も、背景が感じられないというか・・・正直心惹かれる人物はほとんどいませんでした。
でも、描かれている琉球の歴史とか、文化とかは非常に興味深かったし、
また沖縄に行って、首里城を訪れたら、きっと前回とは違う感じ方をするんだろうな、とも思いましたが。

そんな感じで、ちょっと手放しで誰かにお薦めすることはできないこの物語。
舞台ではどんな感じになるのかなあ、と思っていたのですが、
私が苦手としていた部分が上手い具合に省略されて、心穏やかに見ることができました(笑)。
もちろん、その分物語の流れも登場人物の描かれかたもかなり変わっていたので、
原作ファンの友人はどう思ってるかなあ、と心配していたのですが、
別物!ということで楽しんでもらえたようで安心しました。


真鶴を演じたのは、仲間由紀恵さん。
原作を読んでいるときから、仲間さんに脳内変換していたのですが、
舞台の上でも全く違和感がない感じでした。
TVで見て持っていたイメージよりもずっと華奢で、ちょっとびっくりしました。
真鶴の美しさも、硬質さも、弱さも、頑なさも、幼さも、無理なく表現されていました。
なんだかもう、佇まいが真鶴!という感じなんですよねーv
でもって、舞台の真鶴は、原作よりもずっと親しみやすい造形になっていました。
男と偽っていても、ふとした瞬間に現れる女としての自分を、決して否定していない感じ。
それがなんだか私をかなりほっとさせてくれたんですね。
琉球舞踊もとっても綺麗でした。
控えめで、でもとても強い意志を感じる淡い笑みが印象的。
決して大きく激しい動きではないのだけれど、すっと引き込まれるような感覚がありました。

浅倉雅博は山本耕史さん。
無骨な薩摩藩の武士を、時に笑いを交え、時に真剣な眼差しで演じてらっしゃいました。
滑らかな殺陣はさすが!という感じ。
少しでしたが歌声も披露してくださいました。
ただひたすらに真鶴を思い続けて、
でも結構最後の最後まで真鶴に翻弄されちゃうのがちょっと可哀想だったかな(え)。

真鶴の兄、孫嗣勇は福士誠治さん。
原作を読んでたときに、福士さんは寧温の同僚の朝薫だろうと思っていたので、
公式サイトでこの配役を見たときは、ちょっと衝撃でした・・・(笑)
でも、恐れて思っていたよりもお似合いだったかなあ。
少し腰を落としたたおやかな姿で、ずーっと裏声で喋ってて大変そうだなあ、と思ったり。
原作よりもしっかり者で、でも、最後の暴走の仕方は原作を越えていたと思います!
「RENT」のときの素敵な声が余り聞けなかったのがちょっと残念だったり。
せっかく新旧マークの競演だったのにねー。

で、その喜舎場朝薫は安田顕さん。
大好きな役者さんなので、凄く楽しみにしていたのですが、こちらも配役を知ったときは、えええ!と思いました。
だって原作では朝薫は16歳なんですから(笑)。
でも、その心配(え)は杞憂に終わりまして、舞台ではもっと上の年齢設定で、
もう一人の天才、というよりは真面目な努力の人である優秀な役人、という感じでした。
舞台序盤の、自分の才能に凄い自信をもった、でも常識人でちょっと気の弱い朝薫が、
寧温の型破りな思考と政治的手腕を目の当たりにし、
対抗心が挫折に変わり、そして寧温を受け入れ支える方向へと変わっていく様が、
なんだかとっても自然で、でも何故か切なく感じてしまいました。
まあ、最後はああいう行動に出るとは思わなかったですけどねー。

西岡徳馬さんは、真鶴の父、尚育王、徐丁垓、在番、ペリーの5役。
出演者に名前を見たとき、徐丁垓に違いない!とは思っていましたが(笑)、
まさかこんなにいろいろやってらっしゃるとは・・・!
個人的にはペリーが好きだったかなあ。
徐丁垓はねー、原作に比べたら非常に大人しかったですが(あれは舞台ではやれんだろう・・・)、
それでもあの妖怪っぷりは素晴らしいです!
これはもう西岡さんしかできないよねー。
清国の役人、ということ以上に、この物語の中の清国の象徴だったのかも。

琉球王朝の三司官と薩摩藩士の二役を演じていたのが、野添さんと海老澤さんと兼崎さん。
いやー、非常に癒し系でした(笑)。
この方たちが出てくると、なんだかほっとするの。
森山さん、海老澤さん、兼崎さん演じる3龍もちょっとそれに近かったかなあ。
かなり聞得大君にイジラレまくってたけど(笑)。

で、その聞得大君を演じたのが生瀬さん!
いやー、キャスティングを知ったときは、安田さんや福士さんの比ではない衝撃でしたが、
観終わってみると、この役は生瀬さんにしかできない!と思ってしまいました。
エレンディラのときの瑳川さんにちょっと通じるものがあったかも。
まず、プログラムの写真が美しいんですよ!
決して特殊メイク(え)をしてる訳ではなく、顔はまさに生瀬さんなんですが、
強い意志を宿した眼や口元、そして真っ直ぐ伸ばした背筋と遠くを見る視線が、素晴らしくて・・・
で、実際に舞台が始まってみると、
時事ネタで笑いをとって客席を盛り上げたり、コミカルな演技もあったりしましたが、
なにより未来を視ることのできる琉球王国の王族神としての不可思議な存在感が圧倒的でした!
やっていることは結構あくどかったり残虐だったりするのだけれど、
でもそれは彼女自身のためではなくて、全てが琉球のため。
身分を剥奪され真牛という幼名にもどって野に落ち、
けれど王族神としての矜持は決して捨てることなく、ただ琉球を守るためだけに行動する。
琉球を守るため、といいながら、でも結局は自分自身のため、という印象だった真鶴とは対照的でした。
もちろん、聞得大君としての身分に固執してるとか、
琉球を守るのも結局は保身、という見方もあるかもしれないけれど、
でも、私にとってはそうではなかった。
最後、琉球王国が滅びるとき、真牛は一人断崖の上で遠く海を見、更に遠い日本の未来を視、
そして琉球という国に殉じるように、官軍となった元薩摩藩士の刃に散っていく真牛。
この時の彼女の絶望、悲嘆、そして怒りに、なんだか胸が苦しくなりました。
私的には、この物語の主人公は真牛だと思うし、
この舞台のクライマックスはこの真牛の最後だと思う。
そのくらい、心を奪われました。
TVドラマでも真牛は生瀬さんにやってもらいたいけど、さすがに無理かなあ・・・(笑)


演出については、まさに堤監督!という感じでしたかねー。
「SPEC」を見てたときと同じような、ちょっと無機的な冷たい肌触りがありました。
CGやリアルタイムの映像を駆使して、この長い物語をかなりわかりやすく見せてくれたように思います。
音楽も良かったなあ。
主題歌(?)が最後だけしか歌われなかったのがちょっと残念。
もっとじっくり聞いてみたかったです。
衣裳は、もうめちゃくちゃ美しかったです!
確認したら、鵜山版「ヘンリー六世」や「イリアス」の衣裳をやってらした方なんですね。
めちゃくちゃ派手ではないのですが、もっと近くでじっくり見てみたくなる繊細さがありました。


NHKでドラマ化されるというこの物語。
仲間さん以外の配役はまだわかりませんが、
配役次第では見てしまうかもしれないなあ・・・
そして、きっとまた沖縄に行きたくなるのです(笑)。

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