瓔珞の音

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zoom RSS いつか行ってみたい国

<<   作成日時 : 2011/03/03 21:45   >>

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ずいぶん前に、アイーダ・ゴメス率いるスペイン舞踊団のフラメンコ・バレエ「サロメ」を観たことがあります。
ちょっとした興味だけでとったチケットだったのですが、
後方の席まで届く、人の肉体と声が創り上げる熱に圧倒された記憶があります。
この舞台を観て、そのときの気持ちを、ちょっと思い出しました。


「ゾロ ザ・ミュージカル」

2011.2.19 日生劇場 GC階B列20番台

出演:坂本昌弘、大塚ちひろ、石井一孝、池田有希子、我善導、上條恒彦、ホセ・エル・アラモ、
    アントニオ・クルス、フェルナンド・ソラノ、マリア・ホセ・アルバレス、ソニア・ドラド、大野環、
    アントニオ・カラスコ、佐々木玲、千濱汰一、小島一華 他


怪傑ゾロ、という言葉は、聞いたことがありました。
でも、それがどんな人物で、どんな物語で活躍するのかは全然知らなかった私。
「マスク・オブ・ゾロ」も、私の中ではフィギュアの曲だしねー(笑)。
そんな何も知らない状況で観にいったので、まず驚いたのが舞台がアメリカであること。
いや、だってフラメンコ、って言ったらスペインでしょ?(汗)

物語の舞台は19世紀初頭のカリフォルニア。
村を治める総督の息子として育ったディエゴは、
祖国から遠く離れたスペインで、ジプシーの集団に加わって気ままな生活を送っていました。
ある日、彼を訪ねてやってきたのは、幼馴染のルイサ。
彼女はディエゴに、父の死を知らされます。
更に、父に引き取られ兄弟のようにして育ったラモンが、独裁者として君臨していることを。
ラモンを止めて欲しいと懇願するルイザの想いを受け、、
ディエゴは彼を家族と言うジプシーの仲間たちと共に、数年ぶりに故郷の土を踏みます。
しかし、その故郷は、ラモンが流した無辜の人々の血で濡れていました。
巧みな(?)演技でラモンに取り入る振りをしながら、
黒いマントとマスクで正体を隠し、ラモンの暴虐な振る舞いを悉く邪魔するディエゴ。
そんな彼に村人が着けた名は、ゾロ(=キツネ)。
ゾロは、ラモンを止め、この地に再び平和な日々を取り戻すことができるのか―――?

という物語でした。
舞台は、最初から最後までフラメンコに彩られていました。
客席通路に立ったジプシーたちが歌うカンテは、何処か遠くへ呼びかけるような哀切を帯びて客席を満たし、
力強く踏みしめられるサパテアードは、直接的な響き以上に私の感情を揺さぶり、
激しく打ち鳴らされるパルマは、空気を切り裂くような鋭さと包み込むようなまろやかさがあった。
要所要所で繰り広げられるフラメンコは、本当に圧倒的な命の強さがあって、
これを観れただけでも、満足!と思ってしまいました。

もちろん、ミュージカルそのものも楽しみましたよー。

ディエゴ/ゾロ役の坂本さん、名前と顔をかろうじて知っているくらいで、
その歌声も当然未経験だったわけなのですが、
ちょっとびっくりするくらい響く声と、軽やかなダンスが素敵でした。
時々アイドルな歌い方になっちゃうのもご愛嬌?(笑)
オネエな喋り方も堂に入ってました(え)。
ディエゴは、すごくかっこいい、という設定なのかもしれませんが、
私的にはかなりへたれに見えたなあ・・・
その分、仮面を着けた時のさっそうとした動きはかなりかっこよかったです!
ロープにつかまって舞台の上を飛びまわる(という程ではないか/笑)にもびっくり。
天真爛漫で型にはまらず、それがとっても魅力的であると同時に、
そういう明るさを持たない相手を無意識に追い詰めてしまうディエゴ。
それは決して彼の責任ではないのだけれど・・・
ラモンを亡くしたあとの彼が、どんな風に変わっていったのかも、ちょっと観てみたかった気がします。

そのラモンは石井一孝さん。
・・・凄かったです!
養子である自分を、認めて欲しくて、愛して欲しくて―――
でも、彼の前には常に誰からも愛されるディエゴがいた。
義父である総督は、きっとラモンとディエゴを差別したりはしなかったと思うけど、
でも、ディエゴが出奔した後も、義父の期待や愛情は当然ラモンだけにむかうわけではなくて。
ルールを守り、常に努力している自分が、何故すぐにルールを破る自由気ままなディエゴに負けるのか。
その思いが、もしかしたら彼をあんな暴挙に至らせたのかもしれないなあ、と思いました。
そう思ったら、監禁した義父に語りかける甘えるような声や歌声が、
ぞっとするような暗さと狂気と共に、哀しいまでの切望に溢れている気がして、ちょっと切なくなりました。
ディエゴの全てを奪い、ディエゴの位置に立とうとしたラモン。
ディエゴへの憎しみは、きっと彼自身が押し隠したディエゴへの憧れや愛情だった。
最後、ディエゴが繰り返し語りかける「僕はラモンを愛している」という言葉は、
ラモンにとって救いにはならなかったのかな?
その言葉のあと、死を選んだラモンにとって、それが救いであったらいいのにな、と思いました。

二人の父であるアレハンドロ総督は上條恒彦さん。
個人的には、総督よりも老ジプシーが好きだったかなあ。
なんだかとてもかすれた声だったのですが、上條さんってこういう声だったっけ?
体調を悪くされているのでなければよいのですが。

二人の幼馴染・ルイサは大塚ちひろちゃん。
相変わらずとっても綺麗な歌声でしたv
でもって、堂々たるヒロインっぷり!
可愛らしさも、心の揺らぎも、強い意思も。
ゾロがディエゴとは知らずに、ゾロに恋心を抱くルイザですが、
ルイザを欺き続けることができたからこそ、ゾロはあれだけ強くあれたのかも。
そういえば、今度の「DOV」ではちひろちゃんのサラは見れないんだなあ、と思っていたら、
この舞台でまたしてもバスルームシーンがありました(笑)。

イネスはWキャストでしたが、この日は池田さん。
池田さんの張りのある歌声、大好きなので、この役柄は大満足でした!
ジプシーの情熱と誇りに溢れ、その強さで男たちと対等に渡り合い、そして男たちを鼓舞するイネス。
最高にかっこよかったです!
彼女は結局ラモンの凶弾に倒れるのだけれど、
イネスは、ラモンの闇をしっかりと理解して、それでも最後の最後で人を信じてしまったのかな、と思う。
Wキャストは島田歌穂さんなのですが、島田さんのイネスも観てみたかったなあ。

イネスに恋し、彼女の強さに魅了され、鼓舞され、けれど間に合わなかったガルシア軍曹は我さん。
コミカルな、でも確かな演技で笑いを取ってくださいました(笑)。
登場シーンの一人芝居、結構好きだったなあv

フラメンコダンサーのみなさんをはじめ、アンサンブルのみなさんも素晴らしかったです!
アントニオ・カラスコさんのギターと歌声には、もう惚れ惚れしちゃいました。
ジプシー・キングスの曲を聴くと、ついつい某ビールが思い浮んじゃうんですが(笑)、
そんなのは最初の方だけで、
ジプシー・キングスの曲をまさにこのミュージカルの曲たらしめていたのは、
彼らの功績なんじゃないかなあ、と思いました。
乾いた大地を感じさせる村のセットも、そのセットを綺麗に染める照明も素敵でしたv

物語自体にもの凄く感情をゆすぶられる、ということはなかったけれど、
本当に楽しめた舞台でした。
なにより、フラメンコの魅力に再び出会えたのが嬉しい!
いつかまた、是非フラメンコを観てみたいな。
というか、いつかスペインの地で、その熱く乾いた風を感じてみたい。
そんなふうに思いました。

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