瓔珞の音

アクセスカウンタ

zoom RSS 魂の類似

<<   作成日時 : 2011/05/06 23:32   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 4

昨夜、駅からの帰り道。
信号で止まったら、満開の真っ白なハナミズキの木に目が引き寄せられました。
街燈もない暗い道で、車のヘッドライトの端っこの僅かな光を吸収するような、
白い花弁(ではないですが)を風に揺らすハナミズキ。
その柔らかな白さ。
闇の中の、儚くも凛とした存在感―――
それは、バルジャンが見たファンティーヌの姿のように感じられました。



「レ・ミゼラブル」

2011.5.5 マチネ 帝国劇場 1階O列20番台

出演:別所哲也、石川禅、平田愛咲、知念里奈、中山エミリ、山崎育三郎、駒田一、森公美子、阿部よしつぐ、
    加藤清史郎、蒲生彩華 ほか


というわけで、今期2回目にしてもしかすると最後かもしれない「レ・ミゼラブル」。
やはり別所バルジャンは、今の私にはベストだなあ、と感じた観劇でした。

初めて別所さんのバルジャンを観たとき、そのリアリティに衝撃を受けたことを、今も覚えています。

別所さんのバルジャンには、"恐れ"があった。
自分を見る世間の目への恐れ。
それは、嘆きを通り越して、怒りへと変貌した。
簡単に闇の世界への誘惑に負けてしまう、自分自身への恐れ。
それは、彼自身を絶望へと陥れた。
そして、司教様に救われた自分の魂が向かう、正しき世界への恐れ―――

バルジャンは、きっと常に"恐れ"と戦っていた。
それは、きっと自分自身との戦いだった。
それは、どれだけ孤独な戦いだっただろう。
コゼットを守ること、ファンティーヌとの約束を守ること、司教様に救われた魂を守ること。
それが、バルジャンの覚悟。バルジャンの戦い。

1幕ラストの♪One Day Moreで、何故か急にそんなふうに感じてしまって、
それが、民衆を守るために戦う学生たちの姿と重なって、胸が痛くなってしまいました。
そして、そんなバルジャンが切なくて哀しくて、でも力強くて、どうにも泣けて仕方がありませんでした。

もちろん、バルジャンと学生たちではそのスタンスは全然違っていて。
砦の中で、バルジャンは懸命にマリウスだけでなく、他の学生たちも救おうとしていた。
士気が上がりきった学生たちにはその声は届かなかったけれど、
でも、彼らの守ろうとするものが、それだけあやふやなものなのかを、
きっとバルジャンは伝えたかったのだと思う。

そんなふうに思ってしまったからかな。
何故か学生たちの戦いが、私にはどうにも薄っぺらくこどもじみたものに感じてしまったのです。
守るべきものを見つめず、ただ勢いだけ、よく言えば理想だけで走りぬけ死んでいった学生たち。
彼らの正義、彼らが守ろうとしたものは、あやふやで、そして相対的だった。
絶対、ではなかった。

前回は感じなかったのだけれど、今回の観劇では、学生たちやエポニーヌの感情が、
とても激しいのだけれど、もの凄く一方的な印象でした。
熱演と一生懸命は違うんだな、って思った。
だからかな。久々に、アンジョとガブローシュに光が当たるあのシーンで、
拍手をする気持ちになれませんでした。
この日の学生たちの戦いは、私にとって共感し讃えるものではなかった。
そういうことなのだと思うし、そんな日があってもいいのかな、と思いました。


話を別所バルジャンに戻しまして!(笑)
今回一番気になっていたのが、知念さんのファンティーヌと別所バルジャンのシーン。
前回、知念ファンティーヌの静かな怒りに凄く心惹かれたのですが、
別所バルジャンと対峙したとき、この二人、とても似ている!と思ったのです。
上手くいえないのだけれど、生きていく姿勢というか、激しさというか、愛情の深さというか・・・
そういうものが、凄く似ているな、と。
だから、ファンティーヌがバルジャンにコゼットを託すシーンが、なんだか理屈でなく納得がいってしまったんですね。
ファンティーヌの魂・・・じゃないな、存在、かな。
愛情も、苦しみも、憎しみも、悲しみも、喜びも、
彼女の存在丸ごとをバルジャンが受け止めた、そんなふうに感じたのです。
そして、ファンティーヌがバルジャンを抱きしめる手と、
彼女の背を抱きしめることを畏れるかのように震え、握り締められ、そしてやっと抱きしめるバルジャンの手が、
とても神聖な誓いのように感じられて・・・なんて綺麗な光景なんだろう、ってそう思いました。
そしてそれは、ラストシーンでも同じで・・・

あああ! なんだか書けば書くほど感じたことから遠ざかってしまう気がする(涙)。
とりあえず、この二人の組み合わせ、私的にはもの凄い好みでした!
次の演出の公演がいつあるのかわからないけれど、是非是非この二人を、また観たいです!
いろいろ思ったことはあるのですが、最終的にはこの一言に尽きるかな(笑)。


でもって、他の役者さんのこともちょこっと。

今回初見だったのが、エポニーヌ役の平田愛咲さん。
なんとも真っ直ぐなエポニーヌでした。
でも、最初の方の「みじめな今の私を見て」のところが、とても深い声で、
ああ、彼女はこれまでどんな人生を歩んできたんだろう・・・って思った。
その雰囲気が、ずっと持続するようになったら、素晴らしいエポニーヌになると思う!

テナルディエ夫妻は駒田さんと森さん。
うーん、この二人、というか森さんは、もうこれで完成形というか・・・森さんだからこそのテナルディエ夫人ですよね。
個人的にはちょっとデフォルメされすぎていて、
もうちょっと自然だといいのになあ、と思ってしまう部分もあるんですが、
森さんはこうでなきゃ!と思う部分もあって・・・複雑です(笑)。
駒田さんのテナルディエは、前の公演にくらべてちょっと遊びが少なくなったかな?
でも、下水道のシーンでの歌声の雄弁さは、やっぱりさすがだなあ・・・

リトル・コゼットは蒲生彩華ちゃん。
すらっと背の高い、ちょっと大人びた感じのコゼットでした。
バルジャンに、私の子だ、と言われて、にっこり笑うところが凄い可愛かったv

ガブローシュは加藤清史郎くん。
いやー、ちびっこい身体で、舞台中走り回ってました!
歌も頑張ってた!
個人的には、もう1〜2年後の方が見ごたえのあるガブローシュになったろうなあ、とちょっと残念。
まあ、今回の公演に出ないと時期を逃しちゃう、というのがあったのでしょうけれどね。

山崎マリウスは、やっぱりあの飛んでっちゃいそうな感じがかなり良いですv
♪恵みの雨 の直後、エポニーヌを抱きしめながら遠くを見つめる顔が良かったなあ。
あのときに、彼は本当に"死"を身近なものと感じたんだろうな、と思う。
その後の表情がぐんと大人びた感じになったし。
今後がさらに楽しみですv

禅さんのジャベール、♪星よ がとにかくめちゃくちゃ良かった!!
ジャベールの矜持とか正義とか、
それは、バルジャンとは相容れないものだったけれど、
どちらが正しいとか、どちらが間違っているとかではなくて、
そのどちらもが、彼らにとって最後まで守り通したいものだのだろうなあ。


なんだかいつにもまして纏まりのない観劇記録になってしまいました(汗)。
別所さんのバルジャンは、いろんな背景(妄想とも言う/笑)を思い起こさせるので、
ちょっと冷静には書けない感じなのかも・・・?
でも、改めて、私はこのミュージカルが好きだなあ、と思いました。
新しい演出も、楽しみにしていようと思いますv

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは♪
私も5月6日に行ってきました。
別所バルすごくよかったです。
でもそれ以上によかったのが岡ジャベでした。
別所バルと岡ジャベの組み合わせが大好きなので
アンジョにならずにずっとジャベでいてほしかった(泣)
別バルの孤独な戦いを見ていると
私もがんばろうって気持ちになります。
ハナミズキがファンテ うん ぴったりですねえ♪
クミゴン
2011/05/07 23:09
kumigonさん、こんばんは!
一日違いの観劇でしたね〜。
別所さんの戦いは、孤独だけれど常に前を向いていますよね。
私も沢山の勇気をもらいました。
岡さんのジャベール、今期は観れなそうです。
(というか、観ることのできないキャストの方が多い・・・/涙)
岡さんのアンジョは私の中では東山アンジョと双璧なんですが、
今回を逃すと、きっともう観れませんよね。
kumigonさんはご覧になるのかな?
もしご覧になるなら、私の分まで是非堪能してきてくださいねv
恭穂
2011/05/08 22:20
はい、岡アンジョ&禅マリ 6月に観てきます!
レポしますねー。
kumigon
2011/05/10 23:41
kumigonさん、こんばんは!
やっぱりご覧になるのですね。
レポ、楽しみにしておりますv
恭穂
2011/05/12 22:36

コメントする help

ニックネーム
本 文
魂の類似 瓔珞の音/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる