瓔珞の音

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zoom RSS 最初の暗闇

<<   作成日時 : 2011/08/05 22:49   >>

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子どものころ、祖母と一緒に映画を観にいきました。
今でも大好きな、「ネバー・エンディング・ストーリー」。
でも、実はこの映画の最初のイメージは、"恐怖"だったりします。

一気に暗くなる周囲。
潮が引くように消えていくざわめき。
その空間を埋めるような大音量の予告編。
銀幕に写る、少し粗くてぎこちない印象の映像。
そして、始まる未知の物語―――

何が、私をそこまで怖がらせたのか、今でもわかりません。
けれど、隣に座る祖母の手を握り締めて、外に出たいと訴えたときの、
あの気持ちは紛れもない"恐怖"だった。

祖母になだめられて、半べそをかきながら観はじめた物語は、
けれど一気に私をあの世界へと連れて行ってくれました。
そして、その物語は、私の大好きな物語、そして映画となりました。

このミュージカルで、客電が落ちた瞬間に泣き出したあの子達も、
終演のころには、この物語を、そしてミュージカルを、大好きになってくれたでしょうか?




「ピーター・パン」

2011.7.24 ソワレ(なのかな?) 東京国際フォーラム ホールC 2階11列10番台

出演:高畑充希、橋本じゅん、神田沙也加、皆川まゆむ、瀬戸カトリーヌ 他


ずっと観たいなあ、と思いつつ、大人一人で観にいくのはさすがにハードルが高かったこのミュージカル。
今回たまたまタイミングが合い、観にいくことができました。
いやー、さすがに家族連ればかり!
そして、子どもたちがターゲットのオプションがたくさん!!
登場人物の格好の似顔絵を書いてくれたり、インディアンメイク(なのかな?)をしてくれたり・・・
これは子どもたちテンション上がるって!(笑)
リアルにピーターやティンクっぽい服を着ている子とかもいて、無邪気な様子に一人和んでおりました。
で、これはじゅんさんファンかなあ、と思うような女性二人連れや、
これは沙也加ちゃんファンでしょう!という若い女の子同士やカップルや男性一人など、客層もいろいろでした。
私は誰のファンって思われたかしら?(笑)

ミュージカル自体は、子どものころに観たかったなあ、というのが一番の感想。
一人なんだから思いっきり楽しめば良かったのだけど、
どうにもちょっと斜めな位置から観てしまっている自分がいて、それはもうどうしようもありませんでした。
カーテンコール、せっかくキャストの方が2階席まで来てくれたのに、乗り切れなくてすみません・・・(汗)
というか、舞台を観ている子どもたちの反応が楽しくて楽しくてv(え)

私の後ろの席の弟くんは、暗くなった途端に泣き出したなあ、と思ったら、
お母さんに一個一個何かを確認しながら頑張って踏みとどまって観てる様子だったり、
かと思うと石鹸で影をつけようとしている姿に素直に大笑いしていたり。
その隣のお兄ちゃんはお兄ちゃんで、ウェンディに「勉強しなさい」といわれた子どもたちが、
いつの間にか楽しく歌い踊る姿を観て「勉強してないじゃん」と冷静につっこみを入れてたり・・・
私の前の席の小さな姉妹(それぞれピンクと緑の可愛いドレス姿でしたv)が、
物語に引き込まれている様子が丸わかりだったり。

でも、泣いている子は結構たくさんいましたねー。
いくらティンクの光が緞帳の上を舞っていても、
この大きな空間の暗闇と、ざわめき、何かが始まるぞ!という雰囲気は、
やっぱり小さい子には怖いだろうなあ、と思う。
そういう意味では、明るいまま始まって一気に物語に引き込む「ライオン・キング」の始まりは、
子どもたちにとっては優しいのかもしれないなあ、と思いました。
泣いていた子どもたちにとって、この最初の暗闇が楽しい思い出で終わっているといいのですが。


それにしても、ピーター・パン役の高畑充希ちゃんのフライングは凄い!
あの高さで、あれだけしっかりポーズを決め、くるくる回転し、急降下し、且つ笑顔で歌い演技するって・・・!
歴代のピーター役の方たちは、みんなこれをやってきたんですねー。
凄いなー。でも楽しそうだなー・・・(高いところ大好きv)
充希ちゃんのピーターは、かなり男前だなあ、と思いました。
元気でかっこいいところも魅力ですが、
個人的にはウェンディが迷子たちを連れて出て行ってしまった後の孤独感が良かったかな。
でもって、最後のシーン、ウェンディが大人になってしまって一緒に行けないことを知り、
泣いていたと思ったら、ジェーンと出合ってあっという間にウェンディを過去にしてしまう残酷さに、
彼がネバー・ランドを通り過ぎる迷子たちとは違う、人と妖精の狭間の存在であることを実感してしまいました。

というか、「ピーター・パン」の最後って、こんなに残酷だったんですね・・・
ディズニーの映画も観てないし、子供向けの粗筋しか知らなくて、
でもって何故かウェンディはピーターとジェーンを優しく送り出し、
彼らが常に帰る場所である、というようなイメージだったので、この最後はなんだか凄く衝撃でした。

残酷って感じたのは、やっぱりウェンディの立場で観ちゃったからかなあ、と思います。
沙也加ちゃんのウェンディがとても良かったからなおさら。
子どもという枠から半歩踏み出しかけている、という感じの微妙な存在感、さすが沙也加ちゃん!という感じ。
めちゃくちゃ可愛いし、背伸びしている感じも微笑ましいのだけど、
無意識の中で、いつか妻になり母になる自分を受け入れているところが、
ピーターと惹かれあっているのに噛み合わないやるせなさを、
とても説得力のあるものにしていたように思います。
だから、家に帰って、一人になった部屋の窓からピーターを呼ぶ声が過ごす切なくて、一人涙してしまいました。

でもその後。
あの日と同じよう窓から入ってきたピーターと向かい合ったウェンディの、
大人になってしまったから、あなたと一緒には行けない、飛び方もわすれてしまった、
という台詞に、切ないを通り越して、なんだか胸を抉られるような気持ちになりました。
また沙也加ちゃんが、声も喋り方もすっかり変えて、
でも、あのウェンディが大人になったのだ、ということをすんなり納得させてくれる演じ分けを見せてくれて・・・

ウェンディが、どれだけピーターを待っていたのか。
ウェンディが、いつピーターを待つことを止めたのか。
待つことを止めたウェンディが、けれどどんな思いでこの家に留まり続けたのか。
弟たちも、ダーリング家の子どもたちとなった迷子たちももういないこの家で、この子ども部屋で、
娘の寝顔を見ながら、どれだけの想いを窓の外に馳せたのか―――?

ウェンディが歩んできた時間を思うと、なんだか今でも胸が苦しくなります。
ピーターと一緒に飛び立つジェーンの名前を呼ぶ声も、
ただ娘を心配するというだけじゃない、凄く複雑な気持ちが混ざっているようで・・・

なのに、ピーターはもうウェンディには視線すら与えてくれない。
だって、ウェンディはもうピーターのお母さんにはなれないのだから―――
彼のその身勝手さ、残酷さは、もしかしたら子ども特有のものなのかもしれない。
自分の目の前にあり、自分が触れることのできるものが常に一番。
もしかしたら私自身も、そうやって何かを切り捨て、
そして、切り捨てることができなくなったときに、子どもではいられなくなったのかもしれない。
なんだかそんなふうに感じてしまいました。

このラストシーンには、たぶんいろんな意味が込められていて。
でも、子どもたちにはそんなこと関係ないんですよねー。
このシーン、子どもたちは思いっきり喋り捲ってて、
仕方ないとは思いつつ、さすがにちょっと残念な気持ちになってしまいました・・・


フック船長+ダーリング氏の橋本じゅんさん。
いやー、さすがじゅんさん!という感じ。
フック船長の、子どもからも大人からもしっかり笑いを取りつつ、
でも、フック船長の過去とか、希求とか、矛盾とか、そういうものをしっかりと感じさせてくれました。
個人的に、子どもみたいにカトリーヌママにいなされるダーリングパパも良かったなあ。
ナナを外に出した責任を感じて(?)犬小屋で子どもたちを待ち続けるパパも、
ウェンディが連れてきた迷子たちを、戸惑いながらもしっかり受け入れる懐の深さも、
「お父さんと呼んでくれるか?(だったかな?)」と聴いて、
迷子たちが「うん」と答えたときの笑顔も、とっても素敵でしたv
じゅんさんの迫力の演技も、歌も殺陣も見れるこの舞台、実はっとっても贅沢かも?(笑)


タイガー・リリーを筆頭としたインディアンたちのダンスは迫力だったし、
個性的な海賊たちの微妙な人間関係は興味深かったし、
迷子たちが無邪気に語る"過去"の容赦なさにびっくりしたし、
ネバーランドのカラフルな色彩のセットが変わっていくところは観ていてワクワクしたし、
宮内佐和子さんのナナとワニの細かな演技は他の役者さんに負けてなかったし、
綺麗なカトリーヌママの肝の据わった存在感はとても安心できたし・・・・
うん、とっても楽しかったです。
今度は、子どもと一緒に観にいきたいなあ・・・LaLaLaちゃん、来年当たり一緒にどう?(笑)

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
ほとんど書き込みはできてませんが、楽しみに読んでます。
…で、最後に私の名前が出てきたっ!!!(笑)
ティンクに粉をふりかけてもらってyukihoちゃんのところへ飛んでいけそうな気持ちになりました。
行きましょう、来年、ぜひ☆
奇しくも今息子がレンタルDVDのピーター・パンにハマっていて毎日見てるのよー。
LaLaLa
2011/08/06 01:39
LaLaLaちゃん、コメントありがとう!
飛んで来て来て〜vv(笑)
息子さん、タイムリーにはまってくれましたねー。
来年上演されるようなら、是非一緒に行きましょうv
楽しみです!
恭穂
2011/08/06 22:16

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