瓔珞の音

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zoom RSS 嵐の向こう

<<   作成日時 : 2011/09/02 23:34   >>

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大きな台風が近づいてきていますが、みなさまのお住まいの地域は大丈夫でしょうか?
私の住んでいるあたりは、ずいぶん風が強くなりましたが、雨は昨日の方が強かったかなあ。
でも、風のせいか虫の声がとても少なくて、窓からは風の音しか聞こえません。
これが、嵐の前の静けさなのでしょうか。
私の住んでいるところは海無し県なので、台風というと強い風!という印象。
なので、TVのニュースなどで台風で大荒れの海の様子などが写ると、
未だに子どもみたいに「うわあ!!」って思ってしまいます(笑)。
こんな荒れた海に出る人はいない・・・ですよね?
台風の被害が無いことを祈るばかりです。

そして、あの舞台でも、今日のように荒れた海を命を賭けて渡った青年がいました。
全てが打ち砕かれるような圧倒的な自然の中で、
彼を真っ直ぐにイギリスに導いたものは何だったのか。

忠誠心?
功名心?
冒険心?
友情?
恋心―――?

その答えを、きっと彼自身がわかっていなかった。



「三銃士」

2011.8.14 ソワレ 帝国劇場 2階A列20番台
2011.8.24 マチネ 帝国劇場 1階N列30番台

出演:井上芳雄、橋本さとし、石井一孝、岸祐二、シルビア・グラブ、和音美桜、吉野圭吾、伊藤明賢、今拓哉、
    坂元健児、瀬名じゅん、山口祐一郎 他


余りにも有名なデュマの「三銃士」。
でも、恥ずかしながら私は原作をきちんと読んだことがなくて・・・
昔見たアニメが私の中の「三銃士」だったりします(笑)。
あと、たまたま1回だけ見た人形劇(ちょうどロシュフォールとミレディのシーンだった気がする)。
なので、なんとなーく粗筋は知っているけれど、細かい人間関係は良くわからない私でも、
めちゃくちゃ楽しめるミュージカルでした!

いやー、もうとにかく楽しかったんですよ!
物語としてはダイヤの首飾り事件を中心にダルタニャンが銃士になるまでを描いていて、
非常に重い題材や切ないシーンも多いのですが、
見終わった後には「楽しかった!」「ありがとう!」という気持ちと元気が残る、という感じ。
冒険あり、恋あり、友情あり、陰謀あり、裏切りあり、でもってけれん味もあるという、
某演出家兼劇作家兼俳優さんが歌った「最高のエンターテイメント」の要素が盛りだくさんなのですv
こんなにも素直にどきどきしたり、笑ったり、泣いたりできるミュージカルも久しぶり♪

それぞれの登場人物の個性もとてもわかりやすくて、しかも細かなニュアンスもあって楽しめたし、
三本の大きな剣を効果的に使った舞台セットもかっこよかった。
(ガーゴイルの目が赤く光ったときには思わず笑っちゃいましたが/笑)
銀橋もとても効果的に使われていて、ダルタニャンとロシュフォールの最初の戦いの時とか、
はらはらしながらも二人の剣戟(+ちょっと子どもの喧嘩な戦い方)に見入ってしまいました。
物語はまあいろいろつっこみどころもありましたが、
坂元さん演じる道化の座長が率いる旅役者(かな?)が、
人形劇で物語へ観客を導いていくところとか、かなり好みでした。
というか、坂元さんの、さすが!って思っちゃったv
あの衣裳が似合う(?)ところも凄いけど、
狂言回し的な役柄の中でしっかり物語に観客を引き込み、
且つ当時のフランスの民衆が持つ不安や冷めた目線、権力に屈しない強さなんかも感じさせるところが凄い!
バッキンガム公の従者ジェイムズのオカマキャラも微妙に似合ってて楽しかったです(笑)。

音楽もこれぞミュージカル!という感じで、
安心して歌を聴くことの出来る役者さんがそろっていたこともあり、
ソロ、二重唱、三重唱、合唱、男性と女性、男性同士、女性同士・・・いろんな組み合わせの美しさを堪能!
外国のだからいいか、と思ってCDを買わなかったのをかなり後悔しています。
というか、この公演のライブ版とか出してくれないかなあ。

特に印象に残ったのが、三銃士が歌う♪ひとりは皆のために 。
さとしさんのアトス、石井さんのアラミス、岸さんのポルトスの、それぞれの声が合わさることで、
本当に美しいハーモニーになっていて、うっとりと聞き惚れちゃいました。
三銃士に関しては、もうそれぞれの個性が爆発!という感じで、それぞれにかっこよくv
ビジュアルだけじゃなくて戦い方にもきちんとそれぞれの役柄が反映されていてわかりやすかったです。
とりあえず、私の中の"アラミスは男装の美女"、という誤った認識が見事に矯正されました(笑)。
1幕の最後、銃士隊が全員でこの歌を歌うのですが、
それも3人で歌うのとはまた違った、グレゴリオ聖歌のような荘厳な雰囲気があって聴き応えがありました。
聖歌風の曲は山口さん演じる枢機卿のシーンで実際に歌われていましたが、
枢機卿関係は悪役にデフォルメされていたので、こっちの方が神聖な印象だったかも。

まあ、枢機卿関連は山口さんのふり幅の大きな演技とまさかのロックに度肝を抜かれてたのもありますが(笑)。
いや、「M!」のコロレド大司教と「DOV」の伯爵さまを足して2で割って更に強化したようなキャラで、
こういう役は山口さんしか出来ないなあ、って思っちゃった。
でも、ご本人が寂しく思うくらい悪役ど真ん中な役柄でしたが、
個人的には枢機卿の揺らがない信念にはなんだか納得しちゃいました。
「フランスはカトリックの国」―――方法は間違っていたけれど、
一番純粋にフランスを愛していたのは枢機卿なんじゃないかなあ、ってちょっと思ってしまいました。
今さんのルイがまたへたれな感じでねえ・・・(笑)
終盤でいきなり王様として目覚めちゃってましたが、この王様じゃあ枢機卿も悪い夢を見ちゃうよね、なんて。
あ、でも、ルイをこんな頼りない王様に育てたのは枢機卿なのか!(爆)


あと、個人的にすごく嬉しい発見だったのが、コンスタンス役の和音さんの力強さ!
とっても可憐で明るいお嬢さんなのですが、とにかくその芯の強さが印象に残りました。
ミレディは「若くて純粋、それが何なの?!」って逆ギレ(え)してましたが、
コンスタンスはそれだけじゃないよ!って思っちゃった。
ダルタニャンと歌う♪すべて の後半、井上くんの声に全く負けていない、
むしろ響きあい共に強さを増していくような二人の歌声に、どんどん気分が高揚していきました。
「WIW」のアンの歌声もこのぐらい強さがあったらもっと好みだったのになあ・・・って役作りだから仕方ないか。

誰かを心から信じられる強さ、自分を見つめなおすことのできる強さ、
自分の信じるものに真っ直ぐに向かっていく強さ―――その健全さが眩しいくらいでした。
まあ、ミレディもそう感じていたからこその台詞だったのかもしれませんが。


そのミレディは瀬名じゅんさん。たぶん初見。
なんともお美しくて、かつ可愛らしい方だなあ、と思いました。
色っぽさももちろんあるのですが、私には彼女は世間知らずの少女のまま悪女にならざるを得なかった女性、
という印象だったので、そんなふうに感じたのかも。
彼女の望みってとてもわかりやすくて、
その望みをかなえるために彼女が選んだ道もとてもわかりやすくて、だからこそ危うかった。
悪ぶって、自分を一生懸命大きく見せようとして、
でも、彼女の奥深くにいるのはぬくもりを求めて泣くことしかできない少女だったんじゃないかなあ。
アトスとのやりとりを見ていても、なんだかそんなふうに思えてしまいました。
まあ、ロシュフォールとの小学生なみの口喧嘩がそう思わせたのかもしれませんが。
枢機卿を間に挟んで「ばーか!」「ばーか!」って言い合うのよ(笑)。
これって日替わりだったのかな?
2回目に見たときは、ロシュフォールが途中で「かーば!」って言って、
ミレディが「かばって!(怒)」と一瞬絶句したところで枢機卿が間に割って入ってました(笑)。


コンスタンスとミレディ、そしてアンヌ王妃の三重唱も素敵だったなあ。
それぞれにとっても"愛"・・・
コンスタンスにとっては大切な誰かと共に歩む未来、
ミレディにとっては理不尽に奪われた幸福、
アンヌ王妃にとっては断ち切ることの出来ない過去、
その対比がとても鮮やかで、だからこそ美しくて切ないナンバーだなあ、と思いました。
シルビアさんのアンヌの諦念の混じった毅然とした表情も良かったですv


ミレディと喧嘩友達、というか何気にアプローチしては鉄拳を食らっていたのが、
枢機卿親衛隊長ロシュフォール役の吉野さん。
ストレートの長髪に眼帯、黒いぴったりとしたレザー風の衣裳がとてもお似合いでかっこよかったですv
枢機卿の崇拝っぷりと、ミレディ相手に素直になれない様子と、
ダルタニャンや三銃士と戦うときの鋭さのギャップがさすがだなあ、と思いました。
アトス相手にも「ばーか!」って叫んでたけど、口癖なのかな?(え)
思い返してみるとソロの歌が全然なかったのが残念ですが、
二幕の♪我を信じよ でスタンドマイクを横抱えして熱唱する枢機卿の隣でやってたエアギターはかっこよかったですv

そして・・・役者・吉野圭吾の真摯さと矜持、そして芝居への愛を感じた舞台でもありました。
途中で足を怪我されたことを、ツイッターのファンの方の呟きで知りました。
でも、その後の情報だといくらか戦闘シーンなどの演出を変えたけれどそのまま舞台に立たれていたようなので、
肉離れとかだったのかなあ、そんなにたいしたこと無かったのかなあ、とほっとしていたのです。
実際2回目に観た時も、前半は足を痛めていることなど感じさせない滑らかな動きだったし、
ダルタニャンとの銀橋での戦いも迫力だったし、
2幕はちょっと動きがぎこちないときもあったけれど、役の状況として違和感はなかったし、
変更された演出もとてもスムーズな流れだったし・・・
カーテンコールで足を引きずっているのを見て、ああ、怪我はまだ良くなっていないんだ、と思ったくらいだったのです。
だから、千秋楽のカーテンコールの映像を見て、愕然としました。
まさか、アキレス腱を切っていたなんて・・・!!!
博多座降板を、自分自身の言葉で客席に伝えようとする姿に、
そして吉野さんの言葉を受けての井上くんの言葉に、思わず涙してしまいました。
どんなに痛かったろう。どんなに悔しかったろう。どんなに哀しかったろう。
でも、舞台の上、ロシュフォールでいる間は、観客にはまったくそんな辛さをみせなかった。
その吉野さんの強さに、
そして、千秋楽までの数日間、全員で吉野さんを支え、共に舞台を創り上げたカンパニーのみなさんに、
心からの拍手を贈りたいです。
ほんとに、「ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために」そのままの舞台だったんだなあ、と思う。
吉野さんの怪我が快癒し、またあのしなやかで滑らかなダンスを私たちに見せてくれますように、
そして、吉野さんの想いを受け継いだカンパニーのみなさんが、
博多座で最高の舞台を創り上げることができますように。
そう、願ってやみません。


あれ、なんだか終わっちゃいそうですが、主人公のこと書いてないよ、私!(笑)

井上くんのダルタニャンはとっても元気で、真っ直ぐで、朴訥で、微笑ましいくらいに自分の未来を信じていました。
井上くんの演じる役柄って、屈折してたり抑圧されていたりけっこう重い役柄が多い気がするので、
こんなふうに素直で明るい役柄は久々かも。
で、これがまた似合うんだv

この物語はまさにダルタニャンの成長の物語です。
銃士隊員だった父の後を追って、銃士隊に入るためにパリへ出てきたダルタニャンが、
三銃士と出会い、ロシュフォールと対峙し、コンスタンスと恋に落ち、そして国を揺るがす事件に巻き込まれていく・・・
そう、まさに彼は巻き込まれていた。
自分の意思で選び取るのではなく、飛び込んでくる出会いを繋ぐことで彼は前に進んでいたように思います。

銃士隊に入ること。
それが、彼の夢だった。
銃士隊に入った先になにがあえるのか、
どれだけの責任を負うことなのか、
どれだけの犠牲を払うことなのか、
どれだけの覚悟を求められるものなのか―――
そのことを、イギリスへ渡り、そして再びパリへもどるまで、彼は知らなかった。
イギリスへ発つ前、剣をあわせる三銃士の隣で、にこにこと笑いながら剣をかざす彼にとって、
自分の未来は何かを得るものであって喪うものではなかった。

けれど。
首飾りを受け取ることで一つの恋の終わりを見届け、
その恋を利用した枢機卿の陰謀の前にコンスタンスを喪い、
自分からコンスタンスを奪ったミレディも、理不尽な過去に奪われた幸せを取り戻すためにあがいていたことを知り、
愛した女を断罪したアトスの、それでも銃士としての誇りを失わない姿を目の当たりにし、
そして、自分の涙や痛みの上に与えられた栄誉―――叶った夢の苦さを味わい、
彼は自分の前に広がる未来の厳しさを知った。

エピローグ、父の墓前に語りかけたあと、三銃士に促されてダルタニャンは三人と初めて剣を重ねます。
それは、憧れた銃士隊の尊敬する先輩であり、信頼する仲間でもある三人に受け入れられ認められた証。
ダルタニャンが切望した、己の居場所。
なのに、彼は笑っていなかった。
高く掲げられる4本の剣、その剣が弾く光を無心に見つめるその眼はとてもあどけなくて、
けれど最初とは全く違う深さを得ているようにも見えて―――なんだか泣けてしまいました。
でも、喪う痛みを知ったダルタニャンは、きっとこれからどんどん強く優しくなっていく。
そんな風にも感じました。
私にとっては、誇らしい笑顔よりもずっと彼の成長を感じさせるシーンだったように思います。


そんな感じで、とーっても楽しめたミュージカルでした。
母と一緒に1回観にいけばいいや、と思って、結局2回しか観なかったのですが、
それが今は残念で仕方ありません。
もっと観にいけばよかったなあ・・・さすがに博多までは観にいけないし(ちょっと一瞬本気で考えましたが/え)。
とりあえず、またこのキャストで再演してくださることを、
東宝さんに向けて祈っていようと思いますv

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
おもしろそう橦
LaLaLa
2011/09/03 10:05
ららちゃんこんばんは!
面白かったよーv
再演されたら一緒に行こうね。
恭穂
2011/09/03 21:34

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