瓔珞の音

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zoom RSS 冷たい石の城の中で

<<   作成日時 : 2012/02/09 21:20   >>

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市村さん目当てで「ペリクリーズ」を観て以来、
すっかり蜷川シェイクスピアの虜になってしまった私。
その後、上演された蜷川シェイクスピアは、なるべく観てきました。
その中で、どう頑張ってもチケットが取れなかった舞台も幾つか・・・(涙)
その一つが、「ハムレット」でした。

藤原竜也くんのハムレット。
鈴木杏ちゃんのオフィーリア。
高橋洋さんのホレイシオ。
井上芳雄くんのレアティーズ。
小栗旬くんのフォーティンブラス。

今思ってもとんでもなく豪華な配役!
観れなかったのが、ほんとに悔やまれてなりません。
そして、何かのインタビューで、蜷川さんは、稽古や本番の様子次第では、
藤原くんと井上くんと小栗くんの役を、日替わり(だったかな?)にする試みも考えていた、と読みました。
結局、その時点では藤原くんのハムレットを奪うことは誰にもできなかった、と。

そんな、幻の井上ハムレットを、別の形で見ることができました。


ミュージカル「ハムレット」

2012.2.5 マチネ シアタークリエ 5列20番台

原作:W.シェイクスピア
脚本・作曲・演出:ヤネック・レデツキー
演出:栗山民也
出演:井上芳雄、昆夏美、伊礼彼方、成河、阿部裕、山路和弘、涼風真世、村井国夫、川口竜也、小西のりゆき、
    俵和也、照井裕隆、岩崎亜希子、木村晶子、園田弥生、平田愛咲


シェイクスピアの戯曲の中で一番長いといわれているらしい「ハムレット」。
このミュージカルの上演時間は、なんと2時間強!
最初に上演時間を確認したとき、短い!!と思いましたが、
その短い時間の中に、物語のエッセンスをぎゅっと注ぎ込んだ感じのミュージカルでした。
ちょっと待って!と思ってしまうくらいテンポが良いし、
え、もうこのシーン?と思ってしまうくらい急展開でした(笑)。
子どもの頃、漫画の「ハムレット」(世界の名作を漫画で読もう!的なシリーズ)を読んだときの気持ちを、
ちょっと思い出しました。
シェイクスピアに触れたことのない方にはいい導入編だし、
シェイクスピアの「ハムレット」を観たことのある人には、またそれなりの楽しさがある舞台なんじゃないかなあ・・・
私?
私は、実は「ハムレット」はDVDで2種類見たことがあるくらいで(市村さんのと野村万斎さんのね)、
戯曲も読んでいないし、初心者に近い見方だったかなあ。
というか、観終わって、アッキーの「himself」が観たくなりましたv


今回一番心惹かれたのは、実は舞台美術と光の使われ方だったり。
栗山さんの演出では、去年観た「ピアフ」「炎の人」も、
かなり前に観た「氷屋来たる」「組曲虐殺」でも、
光と陰の作りだす空間が、とても印象に残りました。
今回も、城の城壁を思わせる舞台奥の壁を動かすことで、
その向こうに広がる空と暗く冷たい城内の対比であるとか、
細い窓から差し込む光の遠さであるとか、
一人佇むハムレットのシルエットであるとか、
それぞれのシーンが一枚の絵のように美しく感じられました。
端っこの席だったので、斜めからその絵を見る形になったのがとっても残念。
後方でも正面から観てみたかったかなあ、と思ってしまいました。

でも、5列目というのは、役者さんの表情がとってもクリアに観えたし、
上手の階段セットの正面だったのでハムレットの苦悩っぷりや、
レアティーズの妹にメロメロな様子とかをはっきりと観ることができましたv
それはそれで大満足かも(笑)。


井上くんのハムレットからは、二面性・・・というか、
一つの体の中に相反する感情が存在する苦悩や混乱を強く感じました。
歌声も、普段のまろやかな歌声と、喉よ裂けよ!とばかりの激しい歌声が混在していて、
喉大丈夫かなあ、ってちょっと心配になってしまいました。
オフィーリアに対する感情も、正反対の感情が真っ向からぶつかり合ってる感じだったかなあ・・・
あのナチュラルな甘えっぷりはさすがでしたが(笑)。
個人的には、父の亡霊と相対したときの表情の変化に魅了されました。
あの瞬間、彼の中に僅かに残っていた何かが千切れ飛んだんだろうなあ、って思ってしまった。
歌も演技も、まだちょっと固さがあるなあ、と思ったのですが、役作りかな?
まだ初日から間もないときの観劇でしたので、
これから更に井上くんのハムレット像は深まっていくんじゃないかな、と思います。

昆ちゃんのオフィーリアの可愛らしさはとんでもなかったですv
でもって、小柄なファニーフフェイスとは裏腹に、凄く大人な雰囲気を見せる瞬間もあって・・・
頭ではなく感情で全てを理解した上で、ハムレットに身を任せるシーンとか、
このオフィーリアならそうするよね、と納得してしまいました。
歌声も、相変わらず素敵で、一緒に観た母は「あの子上手だったねー」と帰り際に繰り返していました。
狂気に囚われたシーンは、声も表情も幼い子どものようで、凄く痛々しかったです。
というか、このシーン、ガートルードな涼風さんがもの凄く美しく泣いてらして、
ちょっとそっちに気持ちを持っていかれてしまいました・・・
ので、いきなりオフィーリアが窓から飛び降りちゃったときには、
あんまりにも唐突で、えええ?!と思ってしまいました。

そんなオフィーリアにメロメロだったのが、伊礼くんのレアティーズ。
ちょっと待て!と言いたくなるくらいのリアルなメロメロっぷりが微笑ましかったですv
歌声もとても素敵で、オフィーリアと歌う♪妹 は、繰り返されるフレーズがとても美しく印象的でした。
まあ、歌詞にいきなり「シスター」とか「ブラザー」とか入っちゃうのはどうかなあ、と思いましたが。
「WSS」の♪Tonight でいきなり「今宵〜」と歌われるのを聴いたときと同じような違和感がありました(汗)。

山路さんのポローニアスは、技あり!という感じ。
暗く沈みがちはこの物語を、亡くなるその瞬間まで盛り上げてくれたように思います。

クローディアスな村井さんの渋さには、見事に母がよろめいておりました(笑)。
彼の感情って、非常にわかりやすいなあ、って思うのですよね。
その抑圧も、欲望も、純情も・・・
兄王について殆ど語られないのだけれど、クローディアスやガートルードの歌を聴いていると、
そもそも彼女はクローディアスと惹かれあっていて、
それを兄王が奪ったんじゃなかろうか、なんて邪推をしてしまいそうになります。
でも、そうすると、ハムレットがあそこまで復讐に取り付かれる理由がちょっと曖昧になるかなあ・・・
もしかすると、彼も自分の中の罪悪感を相殺するために復讐に足を踏み入れたのかな、と思ってみたり。

涼風さんのガートルードは、赤いドレスがとってもお似合いで、ほんとに美しかったです!
R&Jに引き続き、かなり業も情も深い女を見事に演じてらっしゃいました。
♪私は不実 の時に、女性アンサンブルさんが同じドレスで登場して、綺麗なハーモニーを聴かせてくれるのですが、
このシーンの意味って、どんな女もガートルード的な部分を持っているってことなのかな・・・?

アンサンブルの方たちも、歌のお上手な方たちばかりで、
且ついろいろな役に見せ場があって、とっても聴き応え、見応えがありましたv
川口さんの墓守も、登場から退場まで役を演じきってらっしゃったし、
照井さんの修道士の歌声とちょっとお茶目な雰囲気も良かったですv
オリジナルキャラ(?)なヘレナ役の平田さんも、とても美しい歌声でした。
オフィーリアの侍女であり友、という役柄だったのかな?
ハムレットにとってのホレーショーみたいな・・・

ホレーショーを演じたのは成河さん。
実は今回一番の嬉しい驚きだったのが成河さんだったり。
これまで「ザ・キャラクター」「イリアス」などで拝見し、
その独特な声と佇まいが印象に残っていました。
で、今回初ミュージカルということで、どんな歌声なんだろう・・・?と思っていたのですが、
想像していたのとは全く違うとても柔らかく耳障りの良い歌声でびっくり!
井上くんと歌うシーンとか、井上くんの存在感ある歌声に寄り添うような感じで、ちょっと聞き惚れちゃいました。
もちろん、周りがまさにミュージカル!な方たちばかりなので、
大人数で歌うところとかはやっぱりかき消されちゃったりもしてましたが、
これはちょっと嬉しい発見でした。
また是非ミュージカルに出てほしいなあ。
でもって、傍観者でしかいられないホレーショーの複雑な心情を、
控えめな、でも雄弁な佇まいで見せてくれたように思います。
ラストシーンの「おやすみなさい、殿下」という、柔らかさの中にたくさんの感情が込められた台詞と、
その瞬間の淡い笑みが、この悲劇の先に続く未来を感じさせてくれました。
あの台詞次第で、このミュージカルの後味がかなり変わってくると思うのですが、
個人的にはかなり好みな終わり方になっていたように思います。

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
うわーうわーうわー。実は明日見るんです、ハムレット。
感想を読ませていただいて、がぜんワクワクしてきました。楽しみ!

栗山演出の舞台はMAしか見たことがないので
あの時抱いてしまった苦手意識が払拭できるような舞台だったらいいなぁと思っています(爆)。
みずたましまうま
2012/02/09 22:41
みずたましまうまさん、こんばんは!
「ハムレット」、いかがでしたか?
今回の記事を書いていて、自分が結構栗山さん演出の舞台を
観ていることにびっくりしました(笑)。
そういえば、MAもでしたね・・・
あれは私もちょっと苦手でした(え)。
どうぞ素敵な観劇な週末をお過ごしくださいね!
恭穂
2012/02/10 20:19
こんばんにゃ〜
最後列センターで観劇しました♪
MAの舞台美術はどうなんだ?と思っていましたが
ハムレットはすごく好きな美術&照明でした
成河さん 付き人?と思ったら友人だったんですね
(実はハムレットのストーリーをまったく知らない無知な私)
あの最後の台詞で 救われた感じです
終わりよければすべてよし 
静かだけどわきあがる拍手に迎えられてのカーテンコールも
あの台詞あってこそのものだと思います
これからもミュージカルにどんどん出ていただきたいです♪

kumigon
2012/02/12 00:58
kumigonさん、こんばんは!
おお!センターでの観劇でしたか。
それは綺麗だったでしょうね。

成河さん、ほんとに素敵でしたよね。
あの最後の台詞は、並大抵のプレッシャーではないと思います。
そういえば、先週の上毛新聞のスポーツ版の芸能面に、
成河さんのインタビューが載っていたのですが、ご覧になりました?
(すごいローカルな話題ですみません・・・)
恭穂
2012/02/13 21:15
新聞みましたよっ(笑)
ちょうど観劇の直後くらいだったので
嬉しかったですう♪
kumigon
2012/02/15 01:55
kumigonさんもやっぱり見つけてましたね!
上毛新聞のインタビューって、わりとお芝居よりのもあって、
観劇ファンには嬉しいですよねv
恭穂
2012/02/17 22:11

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