瓔珞の音

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<<   作成日時 : 2012/04/24 21:13   >>

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昨日の冷たい雨が嘘のような青空の一日。
気がついたら、職場の駐車場の山桜が満開になっていました。
というか、今日の強風に既に散り始めてる・・・?
毎年書いてる気もしますが、この季節は職場の敷地内のそこそこで、お気に入りのお花が咲きます。
東の歩道脇と西の林(があるんだな/笑)にそれぞれ咲く2種類の菫の群生。
可憐な、でも力強い菫の花を追うように咲き始めるタンポポ。
今日はシロツメクサも咲きはじめてたし、カラスノエンドウの可愛い葉っぱもどんどん大きくなっていっています。
見上げれば、紅葉の花もいつも間にか満開!
確実に進んでいく季節の中、ここ数日ちょっと気持ち的に足踏みをしていましたが、
それではいかん!と思って、書きそびれていた観劇記録を見切り発車で書いてみようと思います(え)。


「道化の瞳」

2012.4.14 ソワレ シアタークリエ 20列20番台

作・作詞・演出・振り付け:玉野和紀
出演:屋良朝幸、彩吹真央、小西遼生、原田優一、佐々木喜英、桐生園加、美羽あさひ、佐藤洋介、
    保坂知寿、小堺一機、玉野和紀


去年のちょうど同じ頃、初めて「CLUB SEVEN 7th」を観ました。
個性的なキャストが、自分の魅力と力を全開にして、体当たりで見せてくれた最高のエンターテイメント。
震災から1ヶ月目でこの舞台を観たことが、私にとってもの凄く意味があったと、今でも思います。

そして、そんな「CLUB SEVEN 3rd」の中のミニミュージカルから生まれたというこの舞台。
やっぱりチケット争奪戦でしたが、幸運にも観ることができました。

物語の舞台は、とある病院。
院長の「明るい病院を!」というコンセプトの元、カラフルな白衣を着て、
「笑うことは大切な治療」を実践する安藤医師(小堺一機)。
彼の担当患者の小学6年生の健一(屋良朝幸)は、話し相手の人形・チャーリーと一緒に、
時々病室を抜け出しては、病院のスタッフをモデルに絵本を書く日々。
この絵本は、もう直ぐ来る母(彩吹真央)の誕生日にプレゼントするもの。
盲目の、けれど明るく優しく美しい母は健一のたった一人の家族。
でも、楽しい先生、面白い先生や看護師さん、ちょっと怖い先生や優しい先生も、
長く入院している彼にとっては、まるで家族のように大切な人ばかり。
骨髄移植を受けたばかりの健一は、元気になって退院するために、嫌いな薬も一生懸命飲み、
安藤先生と一緒に沢山笑って毎日をすごしていました。
けれど。
白血病細胞は彼の身体から消えることはなく、再び彼の骨髄を満たし始めていました。
このままでは、余命はあとわずか。
もう一度移植をすれば、助かるかもしれない。
でも、辛い治療を繰り返してきた彼の身体は、もうその治療には耐えられないかもしれない。
姑息的な治療を行いながら、残った時間を彼らしく過ごさせようとする安藤医師と、
治る可能性が数%でもあるなら諦めるべきではないと考える五十嵐副院長(保坂知寿)は真っ向からぶつかり、
安藤医師は健一の主治医から外されてしまいます。
病室で、スタッフと一緒に母の誕生日を祝ったその日、母は検査の結果を聞くために副院長と共に、
院長代理の里見医師(小西遼生)の部屋へ呼ばれます。
安藤医師を主治医に戻してもらおうと、母のあとを追いかけた健一は、
そこで告げられた、厳しい現実―――そして母の悲痛な泣き声を聞いてしまいます。

突きつけられた命の終わり。
「助けて!」という母の叫びと、ちょっとのことで疲れてしまう自分の身体は、
それが現実であることを容赦なく健一に突きつける。

自分は死んでしまうのだろうか。
死ぬことは苦しいのだろうか。
自分が死んだら、お母さんは泣くだろうか―――

絵本を書いたスケッチブックの最後の1枚に、何かを書き付けて枕の下に隠した健一は、
その直後鋭い胸の痛みに崩れ落ちます。
薄れ行く意識の中、彼の目の前に現れたのは、彼が作った絵本の物語の世界で・・・


というのが1幕。
2幕は、健一が書いた物語―――1900年代初頭のイギリス、
盲目の少女チェリルと、彼女の友達である靴磨きの少年クーガン、
そして彼の仲間の道化師たちの物語が繰り広げられるのですが・・・

いやー、笑った!泣いた!考えた!
もう、とにかく感情も理性も自分の中にあるもの全てを引き出されてしまったような気持ちになりました。
観終わった後、ちょっと放心状態になってしまうくらい。
正直なことを言ってしまえば、物語は良くある流れで、終わりも簡単に予想がつきました。
でも、そういうありきたりなストーリーを越えて、"その世界に生きる人たち"がいた。
それぞれの想いを抱えて、それぞれの疵を抱きしめて、それでも誰かを愛し思いやる人たちがいた。
そのことが、この舞台にもの凄いパワーを与えていたように思います。
こういう物語をてらいなく真正面から創り出すことができるって、ほんとに凄い!

でもって、物語としてだけでなく、最高のエンターテイメントになっていました。
1幕のナチュラルキラーマンのシーンとか、2幕の道化師たちのショーとか、
もう心の底からワクワクしたし、ドキドキしたし、大笑いしたし・・・うん、笑うことはほんとに最高の治療だよね。

全身青いタイツで身を包んだナチュラルキラーマン(佐藤洋介)と善玉ペプチド悪玉ペプチドのシーンは、
身近な言葉なだけに、多分周りの人とは違うポイントで大笑いしていたと思います。
いやー、佐藤さんのNKマン、最高!
がん細胞をやっつけるときのかっこよさも、悪玉ペプチドに誘惑されちゃうへたれっぷりも、
五十嵐副院長に追い出された後の哀愁漂う背中も素晴らしかったですv
私の職場にもこのメンバーで出張してきてくれないかしら、って本気で思っちゃった(笑)。

2幕のショーも、役者さんにここまでジャグリングを仕込む玉野さんって・・・!て一瞬呆然としつつ、
(ていうか、きっともとの「CLUB SEVEN」の時も、きっと容赦なかったんだろうな/笑)
まさに真剣勝負!なショーに、手に汗にぎり、手が痛くなるまで拍手しちゃいました。
あのループ投げ、成功してほんとに良かったよ・・・!

もちろん、ダンスも素敵でしたv
屋良くんって、私は全然知らなかったのだけれど、歌もダンスも演技もそつなつこなしてましたねー。
小学生に見える29歳って・・・!(笑)
パジャマ姿の可愛らしさも違和感なかったですが、2幕の靴磨きの少年の衣裳がめちゃくちゃお似合いでしたv
先日地元の新聞にインタビューが載っていて、タップは今回が初めて、と書いてありましたが、
とっても見ごたえのあるタップダンスでしたよ。
道化師のショーの時のみんなでもタップダンスは、ほんとに見ごたえあり!
というか、原田くんがあんなに踊れる人だとは全然思っていなかったので、本気でびっくりしてしまった・・・(汗)
それでも、やっぱり玉野さんのタップの素晴らしさは群を抜いてました。
1幕最後のタップシーンもですが、私が凄い!と思ったのは2幕、
眼の見えないチェリル(彩吹真央)に道化師たちが感謝のショーをプレゼントするシーン。
他の道化師たちの言葉を追いかけるように玉野さんのチャーリーがステップを踏むのですが、
それが本当に言葉のように聞こえてしまったの。
一瞬耳を疑っちゃいましたよ。
声を出すことの出来ないチャーリーにとって、タップのステップって真実声の代わりだったのかもしれないなあ。
子どもの頃大好きだったレコード(笑)に、ヴァイオリンが人の声を真似て奏でられるものがあって、
それがとっても好きだったのを思い出しました。

彩吹さんのチェリルがまたとっても愛らしくてねーv
目が見えなくても私にはこんなことが出来る!というのを、
強がりでもなんでもなく、真っ直ぐで明るい素直な気持ちで語れるのって、
彩吹さんの人柄にも寄るんじゃないかな。

チャーリーとチェリルの関係は、とにかく切なくて苦しかった。
チャーリーは自分の決断をチェリルに知らせることなく、チェリルの目になることを選んだのだけれど、
それが本当に正しかったのかどうかは、私にはわからない。
何も知らないまま、チャーリーの"目"で憧れ続けた世界を見つめるチェリル―――
それは、なんて美しくてなんて残酷なことなんだろう、そう思いました。
だから、この物語とリンクするような現実世界のラストシーンで、
健一が自分の目を母にあげるという"男の約束"を果たしてくれるよう安藤医師に書き残したのは、
個人的にはほっとするラストでもありました。


なんだか思いつくままに書いてたら、着地点が見えなくなっちゃった(汗)。
ので、開き直ってまだ書いてない役者さんのことを。

小西くんは1幕では院長の息子で院長代理の里見先生、
2幕はチェリルに求婚する紳士・ハリーを演じてらっしゃいました。
里見先生は優しすぎてちょっと優柔不断な感じの青年で、
ハリーは育ちの良さから来る悪意のない無神経さすら爽やかな青年で、
どちらもとってもお似合いでした(笑)。

原田くんと佐々木くんは、1幕では若手医師コンビ(がん細胞も演じちゃうよ!)で、
2幕は道化師のメンバー。
ピンでの出番はほとんどないのだけれど、それぞれの個性を一生懸命出しているところが可愛かったですv
歌もダンスも良かったですが、あのジャグリングの頑張りにとにかく拍手!

桐生さんと美羽さんは1幕では歌って踊れる看護師さん、
2幕ではショーのお店のダンサーさんでした。
お二人とも初見で、かなり後方席だったのとプログラムの写真と衣裳も髪型も違ったので、
最後までしっかり区別することが出来ませんでした。ごめんなさい!
でも、ダンスはとっても素敵でしたv
2幕、ショーのお店のシーンからクーガンに付きまとうまで、
このお二人+佐藤さん演じるもう一人のダンサーさんは全く台詞がなくて、
ダンスとマイムだけで表現されるのですが、それがとっても雄弁!
彼らの過去は台詞ではまったく説明されないのだけれど、
店のオーナーであるローガンとの関係が、とてもクリアに見えてきました。

で、そのローガンを演じたのが、1幕で五十嵐副院長だった保坂さん。
どちらも気持ちの中に強い芯を持っている感じの女性でした。
やっぱり背景の説明は決して多くないのだけれど、
彼女たちの歩んできた時間が見えるような、そんな丁寧な存在感でした。
観ていてある意味一番辛かったのは五十嵐副院長なんですけどね・・・


私は、病気の子どもたちと接する仕事をしています。
昔は白血病の子どもたちと関わったこともあったし、今も命の瀬戸際にある子どもたちと関わることもあります。
だから、1幕は、自分の中のプライベートな部分とオフィシャルな部分と、
両方の感情を揺さぶられた感じで、結構きつかったかなあ・・・
(以下、結構個人的な弱音になるかもですが、感じたこととして記録しておきたいので、
 どうぞスルーしてくださいねー)
特に、健一の治療方針を決めるカンファレンスのシーンとか、なんだか一緒になって考えちゃいました。
緩和医療の立場で考えても、私個人の感情でも、選ぶとしたら安藤医師の選択なのだけど、
私の中には、「可能性があるなら諦めない!」という五十嵐医師の言葉を選びたくなる部分もあって―――
100%正しい選択というのはないし、時代と共に趨勢も変わっていくし、
たぶん私自身心の底からこれが正しい!と言い切れるときは来ないんだろうなあ。
そんなことを、観ながら思ってしまいました。
あと、安藤医師が「絶対に治すよ」と健一に言うシーンもちょっと辛かったな。
"絶対"って言葉、私は使うことができない。
どんなに頑張っても、どんなに祈っても、助けられない命があることを、知っている。
でも、そういう風に言いたくなる時は、ある。
"絶対"に助ける。"絶対"に頑張れる。"絶対"に治る。
そんな風に言えるときが来るように、毎日頑張ろうとは思っているけれど、
そんな日が来ないことも知っている自分がいて・・・
もう1個、余命を知ってしまった健一が「お母さんは泣くかな」って歌うシーンがあるのですが、
あれ、ほんとに子どもたちってそう思うんですよね。
自分のことに精一杯でも全然可笑しくないのに、
お母さんは泣くかな、お父さんは悲しむかな、って思うの。
この物語はもちろんフィクションだけれど、モデルとなった男の子がいたためか、
細部にもの凄くリアルなところがあって、ドキッとしました。
使われる言葉も、実際に職場で使っている言葉がぽんぽん出てきたし。
なんだか、自分がその場にいるような気持ちになっちゃいました(汗)。


そんなこんなで、思いっきり楽しみ、思いっきり泣かされ、そしていろいろなことを突きつけられ考えた舞台でした。
観ていて辛い部分もあったけど、でも、観て良かった、と素直に思える舞台でもありました。
7thでやった「妖怪」も、いつかミュージカル化してくれないかなあ・・・
あのお話の世界、とても好きだったのでv


あ、最後に1個。
劇中、安藤医師が丸い赤い鼻をつけるシーンがあるのですが、あ、クリニクラウン!って思いました。
クリニクラウン―――臨床道化師ってご存知ですか?
入院している子どもたちに遊びやかかわりを通して子どもらしい時間「こども時間」を提供する、そういう道化師です。
そのスキルは本当に素晴らしい!
こどももおとなも思いっきり笑顔になります!
まさにNKマン大活躍!!(笑)
気になる方は、ホームページがこちらです。
でもって、も出ています。
実際に関わることはなくても、読み物としてもとても面白いです。
医療に限らず、子どもと関わることのある方には、とってもお薦めv

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