瓔珞の音

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<<   作成日時 : 2012/09/30 19:46   >>

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美しい女優さんは数多おりますが、個人的に最も美しいvと思うのは、
実は常盤貴子さんだったりします。
生の舞台で拝見したのはもうずいぶん昔になります。
今回久々にそのお姿を拝見しましたが、やっぱりめちゃくちゃお美しかったv
そしてもちろん美しさだけでなく、その声にも、演技にも、魅了されました。
うーん、もっと舞台に出てくれると良いのになあ・・・!


「Re:」 SessionU

2012.9.29 ソワレ シブゲキ!! E列10番台

作・演出:土田英生
主題歌:瓜生明希葉
映像:上田大樹
出演:古田新太、常盤貴子


今年の春にも上演されて、古田さんと宮沢りえちゃんの組み合わせに心惹かれつつ、
でもさすがに日程が合わなくて観にいけなかったこの演目。
今回はちょうど出張に重なっていたので、自分へのご褒美にしてみました(笑)。

最近朗読劇が多いですが、これは「Love Letters」に近い形かな?
劇場に入ると、舞台の上には可愛らしい形の椅子が2脚。
中央奥に二人がけのソファ。
そしてその後ろのスクリーンには、前にある椅子と同じ形のシルエットが映されていました。
舞台が始まると、瓜生さんの可愛らしいけれどちょっと不安定な歌声に合わせて映像が動き出し、
最後に綺麗にタイトルが示されました。
この時点では、もしかして結構甘甘なハッピーエンドなのかなあ・・・?と思ってみたり。

で、下手から古田さんが、上手から常盤さんが現れて、まずは二人ソファに座ってにこやかに言葉を交わし、
そして、前方の椅子に座るのですが・・・その後は、多分ほとんど二人の視線は交わらなかったように思います。

物語は、メールのやり取りだけで進んでいきます。
きっかけのメールは、常盤さん演じるカタヤマナツキ(漢字、わからず・・・)が、
古田さん演じるドウヤマサンタロウ(同じく)にメールを送るところから始まります。
友人の不倫相手に向けた、攻撃的なメール。
でも、そのメールアドレスは間違いで・・・
しかもナツキが友人の不倫相手と思っていたドウヤマの上司も、実はその相手ではなかったことが判明!
仕事上の取引がある会社の人間とはいえ、お互いに顔も知らないままの、
だからこそどこか遠慮のない赤裸々なやり取りの後、二人の関係はそこで終わるはずでした。
けれど、今度は仕事の上で再会したナツキとドウヤマの距離は、その後急速に縮まっていきます。
しかし、ドウヤマは既婚者で、ナツキは不倫に対してどうしても嫌悪感があり・・・
互いに相手を慕っているからこそ、二人は別れることを決意します。

その後、二人の間で断続的に10年もの間交わされたメール。
ドウヤマの退社と離婚。
彼氏とドウヤマの間で揺れ動くナツキを突き放すドウヤマ。
ナツキの結婚と妊娠。
スペインへ渡ったドウヤマの画家としての成功。
子どもの死産を気に、ナツキに降りかかる沢山の不幸。
いろいろな偶然から、再び繋がる、ネット上の細い糸。
相手を想うことに、相手の傍にいることに、もう何も障害のなくなった二人が、
その糸の上で交わす言葉と、感情―――

古田さんのドウヤマは、芸術家肌の、飄々とした雰囲気の男。
女性の扱いも上手で、でも、信頼できる上司を信じ守る男気もあって、ちょっと可愛いところもあって・・・
ナツキが素敵な人、と思うのが、とっても納得な雰囲気でした。
そして、常盤さんのナツキは、ちょっとおっちょこちょいだけど、友人思いで裏表のない、とても気持ちの良い女性。
冒頭で二人の間で交わされるメールは、微妙な内容でありつつも、どこかコミカルで・・・
私の席は常盤さんの正面だったのですが、
ドウヤマがメールを読むのを聴く、というかドウヤマのメールを読んでいるナツキの表情が、
控えめなんだけど、とっても雄弁で微笑ましくv
古田さんはあんまり表情は変わらなかったかなあ・・・
淡々と読んでいる風で、でも、その背後にある感情が透けて見えるような細やかさがありました。
後半の、ナツキに向けられる言葉の誠実さには、ちょっとよろめいてしまったかも(笑)。

仕事で再会(?)した二人が、どんどん惹かれあっていく様は、
聴いていてちょっとドキドキすると同時に、
ドウヤマのずるさというか、甘えのようなものが感じられて、ちょっと嫌な気持ちになってしまったり。
いやだって、すごい臆面ないんだもの、ドウヤマ!(笑)
PCメール以外の、携帯メールや通話、直接会っているときの二人のやり取りは、メールの上でしか語られなくて。
だからこそ、メールの最初に読み上げられる日時がぽんと飛んだとき、
この二人の間に流れたはずの描かれない時間が、
逆にとても濃密なものに感じられてしまいました。

互いを手に入れられるかもしれない瞬間が何度ものありながら、
その手をとることの出来なかった二人。
タイミング、とドウヤマは言ったけれど、
そういう意味ではこの二人のタイミングは決して合わなかったんだろうな、と思う。
いや、合わせようとしなかったのかもしれない。

メールという媒体はとても気軽で・・・たぶん、手紙よりもずっと簡単。
気軽だからこそ、素直な気持ちが書けるのかもしれないし、
実際に会うよりも簡単に気持ちの距離は縮まるのかもしれない、
でも、そこから一歩踏み出すことは、もの凄い勇気がいるのだと思う。
そういう意味では、二人は同じくらい臆病で、
その二人のためらいが、タイミングを逃し続けた原因なんじゃないかな・・・?
そんな風にも、思いました。

正直なことを言ってしまうと、ドウヤマがスペインに渡った時点で、この物語の終わり方が見えてしまいました。
更には、日本での個展のために帰国する際にナツキと合うことが決まったところで、
その予想は確信に変わり―――そして、それは外れることはありませんでした。
ああ、この二人は、きっと再び会うことはない。
ともに、生きることはできない、と、不思議なくらいはっきりとわかった。
二人の間にある空気が、軋むような緊張感を孕んでいたから。
それは、後半、二人の気持ちが再びゆっくりと近づき、寄り添う、暖かで柔らかな瞬間でもそうだった。
でも、そう確信すると同時に、どうかこの予想が外れてくれますように、
どうか、ナツキがドウヤマと歩む未来がありますように、
と祈るような気持ちで見つめている自分がいました。

ナツキからドウヤマへの最後のメールは、既に読む人のいないものでした。
成田でドウヤマを待つナツキ。
そこへもたらされるテロによる飛行機の墜落の報。
予想していたことがそのまま、ナツキの静かな口調で語られるのを聴きながら、
ああ、やっぱり、としか私は思えなかった。
少しずつ、確実に積み重なっていた二人の間の"軋み"は、
こういう形でしかその撓みを逃がすことはできなかったのだと。

「ずっと、ずっと待ってたんだよ」

その言葉を綴る瞬間、抑えられない嗚咽に胸を押さえ、真っ赤な目に涙を浮かべるナツキ。
それまで、どれだけ辛い瞬間を語っていても、
あるいは、ドウヤマのメールを読むことすら出来なかったときでさえも、
ナツキの表情は穏やかだった。
冒頭の蜜月での、明るく輝くような笑顔が見えなくても、
メールの中で「泣いた」と綴っていても、彼女の感情は常に凪いだようだった。
そんな彼女の、最初で最後の大きな感情の発露―――
それは、やっぱり一瞬で、その後前を向いて歩き出したことを報告する彼女の声と表情は、
確かな強さに溢れていたけれど・・・なんだか酷くやるせない気持ちが残りました。

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