瓔珞の音

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<<   作成日時 : 2012/09/12 21:55   >>

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9月も半ばが近くなりましたが、まだまだ暑いですねー。
朝はさすがに爽やかになりましたが・・・夜の寝苦しさには、ちょっと辟易しております。
が!
とりあえず、今週を乗り越えれば、怒涛の(え)夏休みに突入できる!・・・はず(笑)。
ひとまず、一つ残っていた観劇記録に突入いたします。



「ミス・サイゴン」

2012.9.8 ソワレ 青山劇場 1階F列20番台

出演:市村正親、新妻聖子、原田優一、上原理生、木村花代、泉見洋平、池谷裕子、加藤憲史郎 他


というわけで、3回目にして最後の「ミス・サイゴン」を観てきました。
2ヶ月の間を置いて、劇場も変わっての観劇。
今回はキムをコンプしようと思ってチケットをとったので、他のキャストは全然チェックしてなかったのですが、
思いがけず、キム以外は初回とまったく同じキャストでした。
キムが違うせいか、2ヶ月の間にカンパニーそのものが進化したのか、劇場が変わったためかはわかりませんが、
初回に観た時とは、なんとなく受ける印象が異なりました。
うーん、なんというか、"一つの世界"として、凄くまとまった形になった感じ?
まさに"群像劇"というか・・・
一人一人の役者さんはもちろん素晴らしいのだけれど、
誰か一人が突出しているのではなく、
それぞれの人間関係がもの凄くしっかりと絡み合っている印象でした。



印象が変わったといえば、新妻さんのキム!
前演出を観た時、私は新妻さんのキムを、
"たおやかで、理性的で、大人で、そして哀しいくらいに脆いキム"と記しました。
が、今回は、脆さは全然感じずに、そのしなやかな強さがとても印象的でした。
全ての行動、そして言葉に、確固たる意思があった。

流されるのではなく、選び取る。
嘆くのではなく、立ち向かう。
待つのではなく、信じる。
そして、自分ができる最善を、常に考え実行する。

そんな、女性。
♪命をあげよう での、挑むような強い視線には、ちょっと背筋が伸びるような気持ちになりました。
なんというか、常に"正しく"在るキムなんだよね。
それって、私の中の新妻さんのイメージに重なる。

今回の演出で、♪今も信じてるわ のキムの姿のリアルさに驚きましたが、
新妻キムは、まさに生き抜いてきた!という感じの迫力がありました。
僅かだかれど、荒んだ印象もあった。
でも、その荒みの奥深くに、強く輝く珠を持ち続けている―――それは、タムの存在であり、クリスとの未来でもある。
その珠があるから、彼女は生きてこれた。
そのことが、"事実"として伝わってきたように思いました。

トゥイとの関係も、新鮮だったなあ。
なんというか、もの凄く"怒り"を感じた。
結婚式のシーンも、その後の再会のシーンでも、
彼女の中には、自分でもどうにも出来ない"怒り"があったんじゃないかなあ。
で、その"怒り"の根底には、かつて持っていたトゥイへの"信頼"があったように思います。

キムとトゥイの関係って、個人的に凄く興味のあるところなのだけれど、
ここまで真正面から対等にぶつかり合う二人は初めてな気がする。
もちろん、これは私が個人的に受け取ったものなのだけれど、
どこまでも平行線な二人なのに、どこか似ているものがあったようにも思う。
それは、二人とも胸の奥に決して汚されない珠があったからなのかなあ。
トゥイにとってそれはキムで。
だからかな。
意味合いは違っても、二人とも相手を思っているのに、
その行動が互いの芯にある珠を汚す結果になっていることが、
その想いが決して交わらないことが、
そして、その原因が戦争であることが、なんだかとてもとても辛かったです。

トゥイにとっては、キムは祖国そのものだったんだろうなあ、と思う。
キムを取り戻さなければ、彼は完全には祖国を取り戻せない―――勝利できない。
キムに撃たれて、彼女の腕の中で息絶える寸前、
私の目に映るトゥイの横顔は、微笑んでいるように見えました。
微笑みながら、彼女に何かを囁いていた。
それは、呪いの言葉だったのか、愛の言葉だったのか・・・私は、愛の言葉だと、思います。

タムに対するキムの在り方も、新妻キムならではだなあ、と思いました。
なんというか、とっても素直で、良い意味であけっぴろげなの。
タムは守るべきものではあるのだけれど、人間としてはやっぱり対等、というか。
笑顔も、涙も、怒りも、悲しみも、焦燥も、その全ての感情を、
新妻キムはタムに対して決して隠したりしなかった。
自分の存在全てでタムを抱きしめて、決してその目を逸らさなかった。
個人的に、知念キムの、タムに涙を見せないようにする在り方がとても好きなのですが、
新妻キムの在り方も、凄く潔くて好きだなあ、と思いました。


原田クリスは、2回目にして私的には凄く筋の通ったクリスになったように思いました。
たぶん、彼はその瞬間瞬間を、真っ直ぐに誠実に全力で生きているんだと思う。
良い意味でも、悪い意味でも。
♪エレンとクリス の時の激昂は怖いくらいだったけれど、その後の憔悴した表情を観て、
ああ、クリスはこういう男なんだなあ、と、なんだかすとんと納得してしまったの。
彼にとって、キムは引き剥がされた"過去"の傷痕でしかなくて、
その"過去"が"未来(=タム)"を携えて追いついてきたことはもの凄い辛さだったんだろうなあ、と思う。
うーん、どう筋が通ったのか上手く言葉にできないなあ・・・(涙)。
でも、最後、事切れたキムを抱きしめて、力なく横たわった腕を自分の肩にかけようとして、
でもそれが叶わなかったときのクリスの慟哭とその表情に、
やっとクリスとキムの時間は重なったんだなあ、と思いました。


上原くんのジョンは、やっぱりなんとも若々しく発展途上な感じでした。
終演後お話したお友達が、「クリスと友達に見える!」とおっしゃってましたが、
うん、ほんとにそんな感じ。
クリスにかける言葉とかも、なんかちょっと子どもっぽかったし(え)。
2幕、キムと再会したときの困惑具合とか、
クリスとエレンに対する苛立ちとか、内心頑張れ!とエールを送ってしまいました(笑)。
うん、こういうジョンもありだよねv
ただ、♪ブイ・ドイ はねえ・・・ちょっと中途半端な印象だったかなあ。
彼の真意がどこにあるのかが、私には上手くとらえることができませんでした。
それがちょっと残念かな。


池谷さんのジジは、細やかな演技に魅了されました。
キムが中央で夢を歌っているとき、頭を抱えるようにして身体をかがめている姿が、
なんだかとても印象的でした。
このとき、彼女はきっとキムに"かつての自分"を見ていたんだろうな。
そう思ったら、その後彼女がキムを庇い抱きしめる姿がとても切なくて・・・ちょっと困りました。


そして、市村さんのエンジニア。
うーん、どうしてかなあ?
実は、エンジニアの記憶があまりないのです。
要所要所で笑わせてもらったし、細かな演技にも目を見張ったし、♪アメリカン・ドリーム で楽しんだし、
ラストシーンでジョンに取りすがってあしらわれる後姿も覚えてるんだけど・・・
まさにこの舞台が群像劇で、エンジニアもそこに生きる人の一人だった、ということなんだと思います。
・・・決して新妻キムに圧倒されたんじゃないと思う(笑)。


今回、タム以外は全キャストを見せていただいたわけですが、
それぞれに個性が感じられて、同じ選択でも、その過程は全く異なるんだなあ、と思いました。
複数キャストは、組み合わせでも印象が変わるので、ほんとはもっと観たかったのですが、
青山劇場、あっという間に完売になっちゃって・・・(涙)
3回も観れたことを、感謝すべきかなあ、と思います。
前回も書いたかもですが、このクオリティの舞台を、
地方の劇場で観ることができるって、素晴らしいことだと思います!
これから年明けまで地方公演があるわけですが、
役者さん、オケの皆さん、スタッフの皆さんが、怪我や病気などなく、
一回一回の舞台を、最後まで創り上げていって欲しいなあ、と思います。
とりあえず私は、年末の大阪の誘惑をなんとかかわすよう頑張ります!(笑)

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