瓔珞の音

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zoom RSS 約束の水曜日

<<   作成日時 : 2013/01/09 21:56   >>

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2010年。
最初の観劇は「蜘蛛女のキス」。
大阪での長期研修が始まったばかりで、なれない環境に逆立った私の感情に、
忍び寄り染み渡るようなミュージカルでした。

2011年。
最初の観劇は「銀河英雄伝説第1章」。
この物語の世界が、どんな風に舞台の上に形作られるのか、いろんな意味でドキドキしました。

2012年。
最初の観劇は「ラ・カージュ・オ・フォール」。
大好きな舞台にテンションが上がりきり、へろへろになったのもいい思い出です(笑)。

そして、2013年。
最初の観劇は、柔らかく浮かぶ笑みと、どこまでも暖かい涙に溢れていて、
新しい年を、優しく静かに寿いでくれました。



「ダディ・ロング・レッグズ 」

2013.1.6 マチネ シアター・クリエ 3列 一桁台

原作:ジーン・ウェブスター
音楽・作詞・編曲:ポール・ゴードン
編曲:ブラッド・ハーク
翻訳・訳詞:今井麻緒子
脚本・演出:ジョン・ケアード
出演:井上芳雄、坂本真綾


去年の私の観劇ベスト3に上げたこのミュージカル。
初演から4ヶ月。
たぶん本当に奇跡のような5日間のアンコール公演を、幸いにも観ることができました。
いやもう絶対チケット取れないと思ってたので、
先行で当たったことがわかった瞬間、「来年(2013年)の運を前借しちゃったかも・・・」と、本気で思いました(笑)。

井上くんは多喜二から中5日(でもって、中2日でまた多喜二に戻るらしい・・・)、
真綾さんはツアーコンサートから中4日、というとんでもない日程。
でも、そんなハードスケジュールを微塵も感じさせない、素晴らしく完成度の高い舞台だったと思います。
お二人ともさすがです!!

このミュージカル、初演でも静かで穏やかな舞台だと感じましたが、
今回はもっと身近というか、その雰囲気を肌で感じられるというか・・・
そう、まるで大切な本を1ページずつめくっているかのような、
劇場にいるのに凄くプライベートな感覚での観劇だったように思います。
そして、そのプライベート感がめちゃくちゃ心地よくて、リラックスできて・・・
なんだか、ほんとに素直に真っ直ぐに舞台に向き合い、感じることができました。
お二人の声も、歌い上げるような圧力のあるものではなくて、
真綾さんの歌声は語りかけるような柔らかさと滑らかさだったし、
井上くんの歌声は真綾さんの声に優しく重なり寄り添うような暖かさがあって・・・
そんな風に表現されるジルーシャとジャーヴィスの在り方が、とにかく愛しくて仕方がありませんでした。
なんかね、もう最初から最後までずっと舞台を見つめながら微笑んでた気がする。

今回、前方席ということもあって、お二人の表情を間近に、じっくりと観ることができたのも良かったかも。
とにかく、真綾さんのジルーシャの表情の鮮やかさが素晴らしかった!
最初の孤児院のシーンでは、ちょっと固い表情で、声もちょっと伸びが足りない気がして、
もしかしてお疲れなのかなあ、と心配になってしまったのですが、
その後、ダディに初めての手紙を書くシーンから、
表情はどんどん明るく鮮やかに、声の張りも増していって・・・なんだかそれだけでもめちゃくちゃ嬉しくなっちゃったv

真綾さんのジルーシャの印象は、初演と大きくは変わりません。
でも、2回目ということもあってか、いろんな瞬間の"彼女"にとても魅了されました。

"普通の家庭"に育っていれば普通に知っていることを、自分は何も知らないと思いつめる表情も、
他の子のようになりたいと願う、遠くを見つめるような瞳も、
新しく知ったことを意気揚々とダディに報告するときのドヤ顔(笑)も、
ジャーヴィスと初めて会ったときのキラキラな笑顔も、
(この時に腕を組んだ二人の身長差が何気にツボだったりv)
最初の夏、ロックウィローへ向かうときに、二人が一緒に窓を開けたときの夏空のように明るい笑顔も、
(このシーンほんと大好きで・・・大好きすぎていきなり涙してしまいました/笑)
ロックウィローでの散々な一日のあと、美しい足長蜘蛛を見つけたときの真剣で静かな眼差しも、
夏休みの過ごし方へのダディの強硬な命令に対して怒った彼女が、
手紙の署名で「ジルーシャ、アボット・・・より!」と区切りながら言う言い方と真っ直ぐ前を見つめる瞳も、
次の夏の家庭教師に関するダディとの攻防の時、手紙をぱっと取り出しながら、
「残念でした!手遅れでーす!」(だったかな?)と言う時の悪戯っぽい笑顔も・・・
なんだかもう書き出したらきりがないくらい、どのシーンもとっても魅力的でしたv

でも、特に魅力的だったのは、やっぱりジャーヴィスのプロポーズを断ってから、最後までの一連の表情。
席の関係でプロポーズを受けた瞬間は背中しか見えなかったのですが、
振り返った彼女の眼が真っ赤になっていて、
そして、その表情が一番最初のような固いものになっているのを見た瞬間、はっとしました。
ダディの援助の下、スタートの遅れをばねにして、最大限の努力をして、
誰もが認めるこんなにも素晴らしい女性になったジルーシャ。
けれど、彼女の中には、一番年上のみなしごだったときの彼女が深い疵のように生きていた・・・
それはもちろんそれまでの台詞や歌詞の中にも現れていたけれど、
そのことを改めて突きつけられたように思いました。
強く、自由で、前向きなジルーシャ。
でも、それは彼女が"そうだった"からじゃなく、"そう在ろうとした"からだった。
そして、そう在ろうとする彼女を支えてきたのは、
既に彼女にとってたった一人の家族に等しい"ダディ"の存在だった。

そのことに、ジャーヴィスもこの瞬間気付いたのかもしれない。

井上くんのジャーヴィスは、記憶にあるよりもずっと感情豊かでやんちゃな印象でした。
暗さや影を纏った青年、というよりも、なんというかもっと子どもっぽい部分も感じられて・・・
うん、まさにジャーヴィ坊ちゃん、という感じ?(笑)
ジルーシャの手紙を読みながらのリアクションも、なんだかわかりやすくなってた気がするし、
ジュリアの叔父様としてジルーシャに会いに行こう!と決めた時も、
なんだか自分のアイデアに自分でわくわくしちゃってる感じだったし、
その後、ジルーシャに関することへのなりふり構わない感も勢いがあったし(笑)。
うん、とにかく勢いがあった気がする。
だからかな。
彼女に与えたものを言い募った後にふっと我に返って、そして♪チャリティー へ繋がる流れを、
初演の時よりもすんなりと受け止めることができたような気がします。

初演を観た時、ジャーヴィス自身の甘えや弱さを感じましたが、
今回はむしろ、真摯な恋をしているが故に臆病になってしまっている、という風に感じました。
自分であって自分でない、ジルーシャの求めるダディ。
積み重ねた秘密が、自分自身を縛っていく―――その圧迫感。
ジルーシャにプロポーズしたとき、きっと彼は役目を終えた"ダディ"を消滅させようとしていた。
自分であって自分ではない男を二人の世界から退場させようとした。
でも、そんな欺瞞は、その後の彼女の手紙に吹き飛ばされた。
ダディを消すことは、彼女のたった一人の"家族"を消すこと―――

ジルーシャと会うことを決めた瞬間のジャーヴィスの厳しくて、でも強い表情がとても印象的でした。
でもその後、ジルーシャを待つときの所在無げな表情も可愛らしくv
でもって更に、全てを知ったジルーシャにいろいろ問いかけられたとき、ただこくんと頷く横顔もひたすら可愛くvv
いやもうほんとジャーヴィ坊ちゃん、可愛すぎます!(笑)
このときのジルーシャの表情がめちゃくちゃかっこいいのもあいまって、
このシーンの二人はもう微笑ましいやら切ないやらで、泣き笑いの状態になってしまいました。



うーん、なんだか思ったこととか書きたいこととかいっぱいありすぎて、全然まとまった文章が書けません(涙)。
というか、たぶん、私はこのミュージカルを本当には理解できていないような気がしてきた・・・
今日手元に注文した「あしながおじさん」と「続あしながおじさん」の文庫が届きました。
読み返すのは、もう20年ぶりぐらいかも(笑)。
原作とミュージカルはもちろん違う部分がたくさんあるのだと思いますが、
井上ジャーヴィスと坂本ジルーシャに脳内変換しながら、久々に読み返してみようと思います。
そうしたら、きっと再々演の舞台を観るときは、もっとずっと深く、二人の感情に寄り添えるに違いありません。
かなり先になりそうだけれど、プログラムにある言葉を読む感じでは、
再々演はいつか必ずあるに違いない!と思いますし、そう強く信じていようと思います。


孤児院で、ジルーシャが一番嫌な日、と言っていた水曜日。
物語の最後、その約束の水曜日は、ジルーシャにとって多分最低でそして最高の水曜日になったはず。
そして、今日、この舞台の千秋楽の水曜日。
きっと最高の舞台になったろうと思います。
厳しいスケジュールの中、この物語をまた形にしてくれたお二人、そしてスタッフのみなさんに心からの感謝を。
またいつかの水曜日に、ジャーヴィスとジルーシャに会える時を、楽しみにしておりますねv

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
自分の感じたものをようやく書けたので伺いました。
そして今回も目から鱗が落ちまくっております!

>強く、自由で、前向きなジルーシャ。
>でも、それは彼女が"そうだった"からじゃなく、"そう在ろうとした"からだった。
>そして、そう在ろうとする彼女を支えてきたのは、
>既に彼女にとってたった一人の家族に等しい"ダディ"の存在だった。
>そのことに、ジャーヴィスもこの瞬間気付いたのかもしれない。

>初演を観た時、ジャーヴィス自身の甘えや弱さを感じましたが、
>今回はむしろ、真摯な恋をしているが故に臆病になってしまっている、という風に感じました。
>自分であって自分でない、ジルーシャの求めるダディ。
>積み重ねた秘密が、自分自身を縛っていく―――その圧迫感。
>ジルーシャにプロポーズしたとき、きっと彼は役目を終えた"ダディ"を消滅させようとしていた。
>自分であって自分ではない男を二人の世界から退場させようとした。
>でも、そんな欺瞞は、その後の彼女の手紙に吹き飛ばされた。
>ダディを消すことは、彼女のたった一人の"家族"を消すこと―――

このあたり。特に「在ろうとした」という指摘はその通りで、
自分とは全然違う角度の視点がとても興味深かったです。
同じ舞台であっても感じるものは少しずつ重なったり違っていたりして、
それも観劇の醍醐味ですね。

実は初演の福岡大楽も水曜日の夜の1回公演だったんです。すごい偶然!
水曜日に始まり、水曜日に卒業し、水曜日にハッピーエンドを迎える物語にふさわしい幕切れですね。
私もいつかまたこの舞台に会いに行きたいです。
(ちなみにダディは「会いにいらしてください」とFCブログでおっしゃってるそうですよw)
みずたましまうま
2013/01/15 00:29
みずたましまうまさん、こんばんは!
原作と同じで、ミュージカルになっても、
観る人毎に視点や受け取り方が違いますよね。
それが醍醐味、と私も思います。
というか、そういういろいろをもっとお話したい!!

楽が水曜日、というのは狙ったのでしょうか(笑)。
ダディ、というかジャーヴィ坊ちゃんもそう言ってくれているのですね。
では、再会の日を私も心待ちにしていようと思います。
そのときは、是非一緒に二人に会いに行きたいですねv
恭穂
2013/01/15 22:43

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