瓔珞の音

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<<   作成日時 : 2013/06/23 20:45   >>

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長く続き、確固たる存在であった何かを変えていくのは、とてつもないエネルギーが必要になる。
新しい何かに向かう夢や希望、新に手にする喜びや達成感と同じくらい、
喪うものも、引き裂かれる痛みも、これでいいのだろうかという戸惑いもあるはず。

それでも、変えていかなくては、という強い想いを、感じることができたように思います。



「レ・ミゼラブル」

2013.6.15 マチネ 帝国劇場 1階U列10番台

出演:福井晶一、吉原光夫、昆夏美。和音美桜、青山郁代、山崎育三郎、KENTARO、森公美子、上原理生、
    田村雄一、石飛幸治、宇部洋之、丹宗立峰、上野哲也、杉山有大、高舛裕一、篠田裕介、安部三博、持木悠、
    櫻井太郎、森山大輔、萬谷法英、西川大貴、三森千愛、廣野有紀、三戸亜耶、本田育代、児玉奈々子、
    王子菜摘子、清水彩花、穂積由香、岡井結花、山崎麻美子、加藤清史郎、木村青空、近貞月乃


というわけで、開幕から1ヶ月半にして、やっと新演出を観てきました。
今回は開幕前からもれ聞こえるもろもろもあって、
なんとなく公式のプロモーション(キャストのコメントなども含めて)を見る気にならず、
ツイッターやブログで、新演出についての感想を読ませていただきながら、
イメージできるようなできないような・・・と、非常に曖昧な感覚のままの観劇となりました。

新演出を観た結論は、とにかく冒頭に書いたことに尽きます。
いやもうほんとに頑張った(頑張ってる)よね、みんな!と思った。
みんな、というのは創り手も、観る側も両方。
どちらも、もの凄い葛藤を内包しつつ、でも、目の前にあるこのミュージカルに向かう気持ちを、
偽ることなく、真っ直ぐに放出してるんだろうなあ、って。
そういう強い"想い"を感じて、だからこそ旧演出を比べること自体が、
この"想い"に対する冒涜になるのかも、と思いました。

とはいえ、全然別物として観ることはもちろんできないわけで(笑)。
私自身、この日はマチソワだったのですが、マチネはもういろいろ翻弄されました・・・

最初に新演出なんだなあ、としみじみ思ったのが、冒頭のオケの音。
足元にびんびん響いてくる感じはあって、おおお!と思ったのですが、
なんとなーく、音的には軽く、というかまろやかになった印象。
その後も、歌詞が違ったりなくなっていたり(マドレーヌがいない!)、旋律がちょっと変わっていたり、
歌い手さんが違っていたりと、音楽的な変更もいろいろあって、
記憶力の乏しい私ですが、かえってちょこちょこ旧演出を思い起こしてしまいました・・・

次に思ったのが、テンポが速い!ということ。
なんだかどんどん話が進んでいってしまって、ちょっと待って!と思ってしまいました。
特に音楽のテンポが速くなったわけではないと思うので、物語のテンポ、なのかな。
次々と場面が変わっていくので、マチネは付いていくのが精一杯でした。
これは、たぶん盆がなくなったからなんだろうなあ、と思います。
旧演出では、盆が回ることで時間の経過が視覚的にわかったり、
前のシーンを引き受けるような形で次のシーンが始まったりしていましたが、
今回は横の動線をメインにセットが変わっていくので、
それこそ映画のようにさくさくと場面転換が進んでいってしまうのですよね。
ある意味わかりやすさもあるかなあ、とも思いつつ、
ファンティーヌの横たわるベッドとすれ違うようにリトルコゼットが現れたり、
ベガーズのシーンで盆が回ることで視点がどんどん変わっていったり、
猥雑な喧騒が闇に沈むのと入れ替わるように、小さな光を持ったバルジャンが現れたり、
そういう回り舞台ならではの演出は秀逸だったなあ、と改めて思ってしまいました。

まあ、今回はどうしてもそういう見方になってしまいますが、
新演出を見慣れてくれば、どんどんその奥深さも見えてくるんだろうな、と期待もあったり。
個人的には、新演出の花道を使った演出は、横の動線を前後と上下に振る形で面白かったかな。
エポが「コゼット変わった・・・」と歌うシーンとか、
背後からバリケードを狙う政府軍の兵士の姿がちゃんと見えるところとか。
バルジャンがジャベールを逃がすシーンも、ちょっと観にくいけどわかりやすくなったと思います。
バリケードが回らないので、視点が学生側に固定されてしまうのは、いいのか悪いのかちょっと悩むところ。

というか、学生の描き方の変化にもちょっとびっくりしました。
なんというか、学生たちの純粋さと熱と愚かさが、もの凄くリアルになった感じ。
アンジョのカリスマ的な部分が少し淡くなって、
アンジョを中心に、学生たちそれぞれがそれぞれの思いや思惑で革命を目指している。
ベガーズのシーンで、アンジョのソロが学生数人に振り分けられてましたしねー。
衣裳が変わってしまったので、誰が誰、というのが見分けが付かなかったのですが、
コンブフェール、クールフェラック、フイイが、アンジョの片腕というか参謀という位置なのだそうで、
それは個人的にかなり納得な配置ではありました。
でも、彼らの熱意はとても頭でっかちで・・・"命"というもの、"死"というものに対する認識の甘さが、
逆にクリアに見えてきたように思います。
今回の演出では、エポがマリウスを庇って打たれてしまうのだけど、
マリウスの腕の中で死んでいくエポの様子が、旧演出よりもずっと痛みや苦しみを感じさせる風に感じました。
で、その死に様を観ることで、初めてアンジョが"死"というものをリアルに認識する、という感じ。
グランテールも、前よりもずっと直球でアンジョに対して疑問を呈していて、
臆病というよりも、暴走していくアンジョや仲間たちを放っておけない感の方が強かった印象です。
で、頑張ってアンジョに現実を見せようとするんだけど玉砕して、
打ちひしがれるグランをガブローシュが慰めるのが、個人的にとってもツボでした(笑)。
でもって、バリケードの最後のシーン、学生の中で最後に死んでいくのがグランなあたり、
今回の演出ってほんとに容赦ないなあ、と思ってみたり。
"死"を"命"をもっとも意識していた彼が、仲間の死に様を見届ける―――厳しいけど、好きな演出です。

学生たちだけでなく、他の役の造形もかなり旧演出とは変わってきているんだろうなあ、と思います。
ただ、自分の中でまだ昇華しきれていない部分がもの凄く多いので、
きちんと感想としては書けなそう・・・(涙)
再演の時は、もっと気合入れてチケットとって、いろいろちゃんと受け止められるといいなあ。

というわけで、この後は役者さん語との感想を覚書程度に書いていきたいと思います。


福井バルジャン。
福井さんを拝見すること自体が初めてだったのですが、
普通に歌うときと歌い上げるときの声の違いがもの凄く鮮やかな人だなあ、と思いました。
だからなのか、内に秘めた感情が発露されるときの熱量が半端ない。
司教様に諭されたあとの変化も、まさに生まれ変わる、という感じでした。
でも、自分の中にあるマイナスの部分も、ちゃんと認識してる。
でもって、もの凄く頭の回転の速い実行力のあるバルジャン。
個人的には、もうちょっとファンティーヌに対する戸惑いとか愛情とかあったら良かったかなあ・・・

というか、和音ファンティーヌがもの凄く怒りに溢れたファンティーヌだったんですよねー。
世間と、自分自身に対する怒り。
母性よりも女性を、痛々しさよりも強さとぽきんと折れてしまいそうな脆さを前面に出した感じで。
バルジャンに対しても、完全に心を許してコゼットを託したというよりも、
ある意味断罪の意味をこめて託したような気がしてしまいました。
なので、二人の間の淡い感情とかはあんまり感じられなくて・・・
これが新演出の狙いだったらちょっと悲しいかも、と思ってたら、
ソワレは違っていたので役者さんの個性なのかも(笑)。

吉原ジャベールはとにかく無骨で純粋。
その純粋さが、バルジャンとは違う形の熱として感じられて、
バルジャンを執拗に追う、というジャベールの動きがとても素直に表現されていたように思います。
♪Stars のシーンとか、ちょっと応援したくなっちゃいましたよ(笑)。
今回吉原バルジャンを観ることができませんでしたが、とても優しさに溢れたバルジャンだったのかな・・・
次の機会があったら、是非観てみたいです。

何気に今回一番注目していた昆ちゃんのエポ。
いやー、めちゃくちゃ可愛いv
歌声も良く伸びていたかな。
ちょっと力みが目立っちゃうところもあったけれど、このエポならOKかも。
どうみてもコゼットよりも幼くみえちゃうんだけど、コゼットとは別の意味でしっかり"女"の部分がある。
発育不良な見かけと、その色気になりかけの部分のアンバランスさが凄い良かった。
山崎マリウスがまた、全然エポの気持ちに気付いていないどころか、
思いっきりスキンシップ過多の妹扱いなんですよねー。
あの頭を撫でるのとか、ぽんぽんするのとか、ちょっとときめいたけど(笑)切なかった。
最期のシーンも、めちゃくちゃ痛々しいんだけど、良かったね、って思えてしまうところもあって、
そう思えちゃうところが、なんだか凄く悲しかったです。

で、その山崎マリウスは、記憶よりもキラキラ度が増していた感じ。
StarS効果?(笑)
学生の中での立ち位置が、自分的にはまだいまいちしっくりきていなくて、
どちらかというと対エポ、対コゼットのシーンでの姿のほうが鮮やかに見えました。
とにかくとんでもなく優しくて鈍感。
でも、それが納得できてしまう造形なので、ちょっと革命に対する意識は見えにくかったかな。
カフェソングは、実はあのキャンドルの演出に度肝を抜かれていて、
あんまり記憶にないんですよねー(涙)。
ブリュメ街のシーンの、コゼットを前にした時のあのふわふわした感じは良かったかな。

青山コゼットは、なんだかとっても大人っぽかった。
むしろ彼女の方がマリウスをリードしている感じ?
新演出のコゼットって、凄く強いというか肉食系な印象があるのは私だけでしょうか・・・?(笑)
まさにあのファンティーヌの娘!と思ってしまいました(笑)。
ブリュメ街のシーンと、カフェソングのあとのシーンでドレスと髪型が変わっていたのは良かったな。
若奥様、という感じで(笑)。

それにしても、ブリュメ街の襲撃のシーンは、旧演出に増して違和感が強くなっちゃいました。
まあ、個人的な受け止め方なのだけど、
エポニーヌの叫びで強盗団が逃げ出したのを見計らったかのようなタイミングで、
マリウスとコゼットが出てくるのは前と同じなのだけれど、
その後のとってつけたかのようなエポニーヌの紹介と、その後の逃げていく様子までの彼の歌は、
なんだか個人的に凄い受け入れがたい印象がありました。
今まであんまりそんな風に感じたことなかったのですが・・・なんでかな?

上原アンジョは、始めてみたときよりもキラキラ度は下がっていたけれど、
でも、理想を追い求めるちょっと浮世離れしたカリスマ性はちゃんとあったかな、と思います。
同時に、頭でっかちな若者としてもリアルさがあったかも。
上原アンジョは、"命"や"死"について、ほんとにわかってないんだなあ、と思っちゃった。
理想の・・・革命という使命に命をかけるのは彼の中では当たり前で、
でも、"死"がどんなに苦しくて、痛くて、そして時には無様であるのかを、
"命"をかけることは、自分の中に流れるその血を流すことなのだということを、
たぶn、彼は全然わかってなかった。
エポの死を目の当たりにして、初めてそのことに思い至って、
それでも、彼はその真実から目を背けたように見えてしまいました。
というか、そうするしかできなかったんだろうなあ・・・
グランテールとの最後のやりとりもあまり記憶にないのが残念。
あ、アンジョがバリケードの向こうに落ちていく様子も、実はスモークに隠れて全然見えませんでした(笑)。

加藤ガブローシュは、とにかくもう素晴らしい!
歌声ももちろんなのだけれど、演技の細やかさはさすがだなあ、と思いました。
加藤ガブローシュは、ただ学生に憧れてくっついているんじゃなくて、
自分でちゃんと考えて、自分の意思で、彼らの一員として動いてるんだなあ、というのがとても良くわかる。
グランテールとのやりとりはもちろんなのだけれど、砦のメンバーとちゃんと人間関係を築いているのね。
彼がジャベールの正体を暴くまでの流れがわかりやすい演出になってるのも良かったな。
でもって、ガブローシュの最期はねー・・・(号泣)
前に好きだった歌詞が復活したのは嬉しかったけど、
ギリギリの危険の中、懸命に弾を拾う姿が見えないのは、もの凄い恐怖というか緊張感を観る側にもたらすし、
その後、砦のてっぺんで、あとちょっとで助かる、というところで撃たれてしまうのは、
そういう最期だとわかっていても辛かったなあ・・・
倒れこむガブローシュをアンジョが抱きとめて立ち尽くす姿と、
その下で慟哭するグランテールの姿の対比も凄く印象的でした。

そういえば、冒頭のバルジャンが迫害されるシーンでも子どもたちが出てましたね。
きゃっきゃいいながら走り抜ける女の子二人と、バルジャンにコイン(?)を奪われる男の子。
ちょっとあざといかな、とも思いましたが、三人とも可愛かったので良し!(笑)


KENTAROさんのテナルディエは、とってもしたたかで、でも凄い前向きな感じ?
宿屋のシーンは、猥雑さが増していて面白かったです。
いろんなところでいろんな人間関係が構築されてるのですが、さすがに見切れなくて残念・・・
森さんのテナルディエ夫人は、安定のおっかなさと愛嬌ですねー。
リトル・コゼットがテーブルに隠れちゃうのも良くわかります(笑)。
宿屋でのソロが、女性陣へのアピールではなくて独白になってたのにびっくり。
そして小鳥にもびっくり・・・というか個人的にはちょっとやりすぎ・・・(涙)
でも、この夫妻にはちゃんと愛があるんですよねー。
何気に思いっきりラブラブな感じが微笑ましかったですv


学生含めアンサンブルのみなさんは、事前予習を全くしていなかったので、見分けが付かず・・・
学生は衣裳も似たような色合いになってしまったので余計に。
緑のネックチーフはどこ?!とか思っちゃった(笑)。
砦も宿屋も、それぞれがかなりクリアな人間関係を作ってきている感じだったので、
もっといろいろ確認できればよかったなあ・・・
まあ、それはおいおい(笑)。
そういえば、司教様のシーンでバルジャンを引っ立てる警官のうちのお一人の声が、実はかなり好みだったのですが、
どなただったかわからないのがとっても残念!


続けてソワレの感想も、と思いましたが、ちょっと時間切れ・・・
記憶がそろそろ曖昧になってきているので、なるべく早めに記録しておきたいですが、どうかなー。
頑張ります!

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内 容 ニックネーム/日時
学生たちのくだり(熱意が頭でっかち、死への認識が甘い、ほか)、
うんうんと頷きながら読んでいました。厳しいし、苦いものも感じるのですけれど、私も新演出のバリケードの描き方は好きです。
バリケードの陥落シーン、フイイが結構粘って粘って死んでいくのでグランテールをつい見逃してました^^;次回はしっかりチェックしてみたいと思います。
テナ夫妻の関係の変化も確かにそうですね。他のペアでも欲得や肉欲だけでなく、愛もあるように感じました。

司教館シーンの警官は、レーグル(この日は持木さん)とクールフェラック(この日は高枡さん)枠だそうです。どっちかなー。

学生たちの衣装や立ち位置については、ブログにまとめられているのを見つけました。http://ameblo.jp/mochimochi5050/entry-11557546430.html

東京公演も、大阪名古屋もかなり売れてるようですし(博多はまだまだガンバレですが…)
サイゴン外線のように、レミ再演もきっとそう遠くない未来に発表されるのでしょうね。次はご一緒できますように!
吉原バルジャンも凄く良かったので、いつか見て頂けたらな〜(*^_^*)
みずたましまうま
2013/06/23 23:29
みずたましまうまさん、こんばんは!
旧演出を思い出しながらの観劇にだったので、
なんだか中途半端な印象ばかり並べてしまいましたが、
新演出、凄い頑張ってましたよね。
学生の描き方は、今回とてもツボだったので、
教えていただいたブログで勉強して、次の観劇に備えたいと思います。
凱旋公演、是非やってほしいですよね!

司教館の警官も教えてくださってありがとうございました。
うーん、どっちだったのかしら?
ソワレの時にはあまり感じなかったので、高枡さんの方かも?
でも、ソワレは結構キムバルジャンに気持ちを持っていかれてたので、
あまり記憶が定かではありません(笑)。
次の機会に確認できるといいな。
でもって、次はぜひみずたましまうまさんとご一緒したいです!
恭穂
2013/06/24 21:56

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