瓔珞の音

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zoom RSS 結晶

<<   作成日時 : 2013/06/24 21:50   >>

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今日は18時半ごろ職場を出ました。
外に出た瞬間、耳に飛び込んできたのは、さーっという雨の音。
正面には青空の気配を感じさせる薄い雲がほんのりと薄紅に染まっていて、
こんな風に爽やかな雨を感じるのはちょっと久しぶりで、なんだか嬉しくなってしまいました。
昼の光の名残を纏った雨が、強くなったり弱くなったり・・・こういうのを驟雨っていうのかな?

あの物語の中で、最期に彼女が感じた幻の雨が、こんな風に優しく命をはぐぐむものだったらいいのに・・・

そんな風に思いながら、傘を濡らす雨の軽やかな重みを感じていました。



「レ・ミゼラブル」

2013.6.15 ソワレ 帝国劇場 1階J列一桁台

出演:キム・ジュンヒョン、川口竜也、笹本玲奈、知念里奈、若井久美子、田村良太、駒田一、浦嶋りんこ、野島直人、
    田村雄一、石飛幸治、宇部洋之、菊地まさはる、神田恭兵、杉山有大、鎌田誠樹、川島大典、杉野俊太郎、
    持木悠、櫻井太郎、北村がく、土倉有貴、大津裕哉、三森千愛、般若愛実、柳本奈都子、吉川恭子、
    児玉奈々子、藤咲みどり、石田佳名子、綿引さやか、島田彩、松本ほなみ、鈴木知憲、清水詩音、原田くるみ


というわけで、昨日に引き続き、「レ・ミゼラブル」の観劇記録に突入いたします。
全体的な感想は昨日書いてしまったので、今日はさらりと役者さんの感想を。


バルジャン役のキムさん。
初めて観る役者さんでしたが、まずその声に圧倒されました。
なんというか、空間を貫くような存在感のある歌声。
そして、その歌声がしっくりくる、強く激しくノーブルで、そして迷いのないバルジャン!
彼の中にはもの凄く硬質で美しい結晶のようなものがあって、
司教様のシーンでも、生まれ変わるというよりも、その自らの中の輝きを再発見する、という印象でした。

司教様がマチソワとも田村さんだったのも、余計にそう感じさせたのかもしれません。
マチネの福井バルジャンに対しては、とても優しい労わるような歌い方で、
キムバルジャンに対しては、もっとずっと厳しい―――彼の眼をはっと覚まさせるような強さがあった。
強さ、というよりも信じる気持ち、なのかな?
バルジャン自身はもちろん、バルジャンに関わる人たちのそういう変化も凄く興味深くて、
複数キャストの醍醐味だなあ、と思ってしまいました。
まあ、その醍醐味を味わうためには、もうちょっと回数観ないとですけどね(涙)。
新演出になったからなのか、司教様の歌がオクターブ下がっていたのはちょっと残念でしたが、
(あの高音で歌い上げる感じが凄い好きだったので)
今回の音程だと、もっとぐっと近い位置でバルジャンと向かい合っている感じなのかもしれないなあ、とも思ってみたり。

話をバルジャンに戻します(笑)。
キムバルジャンは、そんなふうにとてもとても強いのだけれど、
でも、迷いがない分、ファンティーヌやコゼットに対する感情も凄くストレートだったように思います。
リトル・コゼットと旅立つシーンで、バルジャンがコゼットを抱き上げてくるくる回るのが、
バルジャンはほんとに楽しそうだし、詩音ちゃんのコゼットはめちゃくちゃ可愛らしいしで、
もう微笑ましくって仕方がありませんでしたv

この回はファンティーヌが知念ちゃんだったのも大きいかなあ。
演出が変わって、本来の演出の意図とはもしかしたら少し違うのかもしれないけれど、
やっぱり個人的には知念ちゃんのファンティーヌ、大好きなのです。
怒りよりも悲しみが、絶望よりも希望が、憎しみよりも愛情がより勝っているようなファンティーヌ。
だからこそ落ちていく彼女の切羽詰った様子は本当に切ないし、
娼婦に身を落としても、譲れない何かを感じさせてくれるさまは痛々しいけれど鮮やかだし、
バルジャンにコゼットを託した後の寄る辺なさは、悲しいくらいに美しかった。
強く激しいバルジャンの雰囲気が、死に行く彼女を抱きしめたときにふっと緩む感じとか、
その後、彼女を横たえるときにすっと枕を直す手の優しさとか・・・
なんというか、バルジャンとファンティーヌはこうでなくっちゃ!と思いながら涙しておりました。
ラストシーン、バルジャンを迎えに来たファンティーヌが、飛び込んできたコゼットを見つめる表情も良かったなあ・・・!
たぶん、私は普通に役者としての知念ちゃんのファンなんだろうなあ、と思います。
キムも何気に知念ちゃんがベストだし・・・来年の「ミス・サイゴン」再演、キャスティングされるのかなあ。
そろそろ知念ちゃんのエレンとかも見てみたいかもv


若井コゼットは、とんでもなく歌がお上手でびっくりしました。
オペラ出身の方なのかな?
あの高音が素晴らしく伸びていて、でも、その完璧さがコゼットの強さというか頑なさにも繋がったかも。
なんというか、凄く賢くて自立した、だからこそどこか不器用なコゼットに見えました。
ラストシーンのバルジャンへに対しても、上手く感情を出せていないような印象。
でも、マリウスに対してはきちんとリードできちゃう感じなんですよねー。
そういうアンバランスさが、ある意味いい感じなのかなあ、とも思ってみたり。


マリウス役の田村くんも全くの初見でしたが、まさに堅物マリウス!という感じで微笑ましくv
堅物で、誠実で、だからこそ思わぬところで立ち止まったり、暴走したりしちゃう感じ?
歌声もそんなマリウスにぴったりの、優しくて真っ直ぐな印象でした。
貴族である自分が、民衆に対して何ができるのかを、彼なりにきちんと考えている風にも見えました。
でも、発展途上なんですよねー(笑)。
マチネの山崎マリウスは、割と何でもそつなくこなしちゃう感じ(だけど恋に溺れちゃうの)だったので、
その違いも面白いなあ、と思いました。
エポニーヌに対しては、なんとなーく彼女の気持ちも察していながら、
でも、自分と彼女は棲む世界が違う、という線引きをもの凄くナチュラルにしている感じ。
戸惑いつつも、きちんと距離感を保っているんですよね。

また、笹本エポがとにかく一途なんですよねー。
でも、前に観た時のような抑圧はあまり感じなくて、
むしろあどけなさというか幼さの方が強調されているようにも思いましたが、
でも、やっぱり彼女が自分の行く先を真っ直ぐに見据える瞬間の鮮やかさは素晴らしいなあ、と思いました。
歌声や表情だけではなくて、雰囲気としてもそういう色の変化を見せてくれるんですよね。
♪On My Ownはさすがな安定感でしたし。
最期のシーンは、強がりでもなんでもなく、心の底からの「これでいいの」に聞こえました。
その、諦念と満足が微妙に混ざり合って、そして最後の最後までマリウスを気遣う様子が切なかったです。


川口さんのジャベールは、本当に職務に忠実!
冒頭のバルジャンとのやりとりとか、本気で全くバルジャンをバルジャンとして認識してない感じ。
書類から全然目を離さないの。
歌声も、歌い上げるというよりも、本当に誠実で朴訥とした印象。
学生たちに対しても、暴走する若者たちを、どうにかして止めたい、と考えているように見えました。
・・・まあ、多分に私の脳内妄想なんですが(笑)。
そんな彼が、バルジャンを追わずにはいられなくなってしまうめぐり合わせの皮肉・・・
バルジャンとの関係、特に下水道でのやりとりについては、まだちょっと自分の中ではしっくりこない感じがあります。
でも、落ちた後の砦での、学生たちの死体を改めるときやガブローシュに向ける表情がとても印象的だったし、
その後の下水道に対する推理(笑)の細かな演技もわかりやすかったしで、
また是非観てみたいジャベールだなあ、と思いました。


野島アンジョは・・・初見かな?
いやー、なんとも迷いの深いアンジョで、個人的には結構好みだったかも。
野島アンジョは、"死"というものも、"命"の価値も、ある意味ちゃんと理解しているんですよね。
理解していて、それでも革命へと向かっていく。
向かっていきながらも、グランテールの言葉や、エポニーヌの死を目の当たりにするたびに、
どうしようもなく揺らいで、でも手にできるはずの未来に向かって必死に踏みとどまっている―――
そんな風に感じました。
そういう揺らぎを感じていたからこそ、ガブローシュの死の後、
加速するかのように壊れていく彼の革命―――理想と合わさるかのように、
彼自身が崩壊していく様がとにかく鮮やかだなあ、と思いました。
アンジョの最後の歌声って、あんなに壊れてましたっけ?
あの歌声と、その後のグランテールに向ける笑顔の明るさと罪深さに、ちょっと鳥肌がたちました。

また、菊地グランテールがとにかく感情豊かなんですよね。
アンジョに対する要所要所の疑問の投げかけも真っ直ぐでしたし、
ガブローシュが弾を拾いに行ってから、その最期までのグランテールの動きや表情、そして慟哭に、
なんだか胸が引き絞られるような気持ちになりました。
最期にアンジョがグランテールに何を伝えたのかは、
このミュージカルを観るたびにいつも考えてしまうのですが、
このときのアンジョは、グランテールに後を託したのかな、と思いました。
自分たちの革命を、自分たちの"命"を、自分たちの"死に様"を最後まで見届けて欲しい、と・・・
グランテールがその役目を負うことの意味を、やっぱり考えてしまいます。

学生の中では、このときはフイイ役の神田くんに目が行きました。
もともとお友達の影響でこっそり神田くん応援中なのですが、
なんだかすっかり彼を見分けられるようになってしまっている自分に気付いてみたり(笑)。
というか、たぶん、私、普通に神田くんの歌声が好きなんだと思います。
だって、冒頭の囚人の最初の一人の歌声を聴いた瞬間に、あ、この声好き!と思い、
次の瞬間に、あ、これはきっと神田くんだ!と思ったので(笑)。
で、フイイ。
旧演出で、かなり好戦的に「来い、相手になるぞ!」と歌い上げるフイイは、
もともと私の中で一番印象的な学生ではあったのですが、
(でもって、この歌声が決まると、一気にテンションが上がるんですよねーv)
神田くんのフイイは、好戦的、というよりも、もっとずっとバランスのいい存在のように感じました。
学生たちを引っ張るのではなく、彼らの関係をさりげなく調整する役割、というか・・・
アンジョを支えつつ、グランテールとも上手くやっていて、
恋に夢中なマリウスに対しても、苦笑しつつ決して否定はしない。
うん、やっぱりとてもバランスのいいポジションだなあ。
そういうポジションだからこそ、フイイとしての歌声は、好戦的、というよりも、
♪ABCカフェ でも、♪民衆の歌 でも、砦のシーンでも、
もっと未来を感じさせる陽性さと、学生の関係を滑らかにする穏やかさのようなものがあったのかなあ、と思います。
うーん、やっぱりもっとちゃんと学生は見分けたいなあ。
次に観るときには、ちゃんと予習をしていこうと思います。


鈴木ガブローシュは、子どもらしさと賢さが絶妙なバランス。
加藤ガブローシュが、育ってたらアンジョ張りのリーダーになってたかなあ、と思うのとはまた違って、
鈴木ガブローシュはむしろ参謀的なポジションに育っていくんじゃないかしら、と思いました(笑)。


駒田さんのテナルディエは、もう芸術品と言っていいような完成度なのではないでしょうか。
世間からくるりと回って自分自身にも向けられる嘲笑、
その苦さに負けない強かさと残酷さ・・・軽快なのに軽薄ではないその在り方が、やっぱりとても好きです。
浦嶋さんのテナルディエ夫人とは、夫婦というよりも利害の一致した共犯者、という印象だったかな。
あまりラブラブさは感じられなかったのだけれど、
それは多分、テナルディエ夫人がちょっと旦那を見下しているような印象が強かったからかな、と思います。
ちょっと冷めた関係だけど、こういう関係性も面白いなあ、と思ってみたり。


こうやって思い返してみると、やっぱり結構自分的には新演出を受け止めるの一杯一杯だったんだなあ、と思います。
役者さんについても、初めて拝見する方も多かったので、結構思い込みや思い違いがたくさんあるかも(汗)。
もっとチケットとっておけば良かったなあ、と今更ながら思っていますが、
きっとまた遠くない未来に再演ないし凱旋公演があるに違いないと信じて、待っていようと思います。
観れなかったキャストもいるしね。

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