瓔珞の音

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zoom RSS 失くした欠片

<<   作成日時 : 2013/06/27 22:06   >>

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来年の2月のガマザリの再演が発表されましたね。
実はこれが初めて観たG2さんのお芝居でして・・・
内容も役者さんも雰囲気も音楽も、私の中では結構特別な位置にあるお芝居だったりします。
いやもうあんなに苦しくなるほど泣いて笑って、そして幸せな気持ちになれるお芝居って、結構稀だと思う。
ので、再演の報になんとなーく複雑な気持ちで、観にいくのかな私?と思っていたのですが・・・
正式発表されたキャストを見て、これは行かなきゃ!と思いました。
だって、山内さんの龍門寺、見ないわけにはいきませんって!
他のキャストも、どなたがどの役をやるのか、とっても気になりますv(笑)

・・・って、あれ? 題名が違ってる?
うーん、これは、もしや大幅リニューアルなんですかねー。
あの題名の意味深さも好きだったんだけどなー。

そんなわけで(何が?/笑)、これをきっかけに、その後も何回かG2さんのお芝居を観にいきました。
どのお芝居も、笑えて、泣けて、最後に気持ちがほっこりするようなお芝居。
時々物足りなさを感じるときもあったけれど、
こういう、悪い人がまったく出てこない物語も、やっぱり時には必要なんだなあ、と思います。

今回見たお芝居も、そんなお芝居でした。



「シルバースプーンに映る月」

2013.6.16 ソワレ 東京グローブ座 1階N列20番台

作・演出:G2
音楽:荻野清子
出演:坂本昌行、新妻聖子、鈴木綜馬、戸田恵子、内田亜希子、上口耕平、青山明、園山晴子


劇場に入ると、舞台の上には大きな窓と暖炉のあるお屋敷の一室。
窓の外には、生い茂る緑。

G2さんのお芝居で、いつもまず素敵だなー、と思うのがセットだったりします。
大抵は、あるお家のあるお部屋。
細かいところまで作りこまれているのに、どこか欠けたところのあるお部屋。
端正さと不安定さ、リアルさと不思議さ、暖かさと冷たさ・・・そんな境界がちょっと曖昧になるような、部屋。
そして、その部屋の中で、"欠けてしまった何か"とそれぞれの形で対峙する人たち。
欠けてしまったものは、絵本のページだったり、記憶だったり、想いだったり、大切な誰かだったり・・・
それは、この部屋に集う人たちも同じでした。


物語の舞台となる、この瀟洒なお屋敷は敷島家のもの。
ここに住むのは、とある大会社の御曹司・綾亮(坂本昌行)。
綾亮の姉・ミユキの夫で、今は会社の社長である雅也(鈴木綜馬)。
綾亮の父の代からの使用人である堂島(青山明)と掛川(園山晴子)。
雅也の古巣でもある執事派遣会社から派遣されている、コンシェルジュの鶴田(戸田恵子)。
そして、嵐の夜になるとどこからか聞こえてくる悲しい歌声の主・・・?

3年前、ミユキの行方がわからなくなってから、綾亮は雅也に反発するように、
会社の仕事もせずに友達の恭平(上口耕平)と遊び歩く日々。
そんな綾亮に業を煮やした雅也は、ミユキの誕生日に開くホームパーティで、
綾亮と取引先の令嬢・泉美(内田亜希子)との見合いを画策します。
その準備を雅也から依頼された鶴田は大パニック!
実はこっそり雅也の妻の座を狙っている鶴田は、このお見合いが雅也のものだと勘違いしてしまったのです。
どうにかして見合いを失敗に終わらせようと、綾亮に"雅也の見合い"を吹き込む鶴田のもとに、
小さい頃姉に預けたきりだった娘の美珠希(新妻聖子)から電話がかかってきます。
家に隠された手紙から実の母の存在を知った美珠希は、鶴田に会うために敷島家に向かっているというのです。
混乱しつつも、いつも心の中にあった娘からの電話に喜ぶ鶴田は、美珠希の来訪を歓迎します。
が、美珠希が来るのはなんとホームパーティーの日!
大急ぎで準備(と企み)を進める鶴田。
そして、パーティ当日、こっそりミユキのドレスを着ていた鶴田は、訪れた泉美を美珠希と間違えて屋敷に招きいれ、
見合いをぶち壊すために相手を誘惑しようと画策する綾亮は美珠希を間違えて誘惑し・・・
間違いに気付いた鶴田は、混乱のあまり全てを置き去りに出かけてしまいます。
残された泉美が、鶴田を「雅也の奥様」と間違えたことで、湧き上がる幽霊騒動。
そして、堂島たちが語る、嵐の夜に聞こえる悲しい歌声。
その歌声の主が"ミユキ"であるのだとしたら―――

というような、ちょっとサスペンス風味な物語でした。
冒頭のフードつきのマントを被った人たちが歌う♪スキャット・オブ・ゴースト とか、
めちゃくちゃ綺麗な歌声だったこともあり、ちょっと背筋がぞくぞくする感じ。
(雰囲気的にはアッキーが出演した「I LOVE YOU, YOU'RE PARFECT, NOW CHANGE」っぽかったかな。
 って、同じ劇場だったからそう思ったのかも。)
ホラーだったらちょっと困るなー、なんて思っていたのですが、そこはG2さん。
見事にちりばめられたたくさんの笑い!
そして、その笑いの中にすっと挟まれるシビアな感情。
舞台の上で交差するもどかしい想い。
そこに生きる誰もが、何かを隠し、なにかを押しとどめ、そして誰かを想っている―――そんなお芝居に、
涙は零れなかったけれど、胸の奥がじんわりと暖かくなるようでした。


今回の舞台でまず凄い!とおもったのが、鶴田役の戸田さん。
いやー、あの華奢なお体から、びっくりするぐらいたくさんの色合いの台詞と歌声を聞かせてくださいました。
戸田さんを舞台で見るのはたぶん2度目なのですが、
惚れっぽくて、情が深くて、夢見がちで臆病な鶴田を、とても魅力的に見せてくださいました。
というか、この物語の騒動の原因というか、騒動を大きくしてるのは鶴田なんですよねー(笑)。
あのテンションの高さと考えの浅さは、見ていてなんだか微笑ましくなってしまいましたv
いくら雅也の奥様の座を狙ってるからって、奥様のドレスで嵐の夜にこっそりファッションショーとか、
どれだけ夢見る乙女なんだ!!って(笑)。
しかもちょっと方向性が間違ってるぞ!(え)
美珠希と話しているシーンでも、なんだか鶴田の方がちょっと頼りない感じで、
母と子、というよりは姉妹みたいな感じでした。
顔もわからないくらい会っていない親子にしてはすんなり距離が縮まってたけど、
まあ、あの異常な状況下では仕方ないのかな?
・・・いや、これはきっと二人の性格なんだろうなー(笑)。

鶴田とよく似ている風だけれど、最後まで度胸が座っている美珠希役は新妻さん。
なんとも複雑な家庭環境で、且つ仕事にも行き詰まっていて・・・という、
一見暗くなってしまいそうな役柄なのだけれど、
美珠希の持つ生来の明るさと前向きさが、新妻さんのイメージと綺麗に重なっていて、
お友達になりたいくらい素敵な存在になっていました。
不安とか戸惑いとか諦念とか・・・そういう繊細でちょっと後ろ向きな気持ちもちゃんとあって、
でも、そういう弱さを決して周りには見せようとしない強さも健気だったなあ。
でもって、目の前に起こっている問題に対して、いつだって真正面から向かっていくさまが清々しくv
見事にへたれな綾亮ぼっちゃんとのやりとり、最高でした!

そんな綾亮ぼっちゃん役は坂本さん。
いやもうほんとにこれ以上はないほどの正統派なへたれ御曹司でした!(笑)
つっぱってるのに、堂島や掛川に「ぼっちゃん」って呼ばれるのを何の違和感も持たずに受け入れてるところとか、
かっこつけてるけど、めちゃくちゃ臆病で気が小さいところとか、
思いっきりシスコンだけど、それが納得できちゃうような情の深さとか、
人の気持ちに鈍感で、自分の過ちをなかなか認められないけれど、
それが過ちであることに気付いたら、強がりつつもきちんと謝れる素直さとか、
でもって、無駄にかっこよくってノーブルなところとか・・・最強の御曹司ですよねー。
歌声は「ゾロ」の時とはちょっと違う印象で、もっとずっと素直な感じだったかな。
ソロの歌声も良かったけれど、個人的には、ミユキへの手紙を読むシーンでの、雅也との二重唱が一番印象的。
というか、この曲、別々の旋律が絡み合って段々と一つになっていく様が、
彼らの心情と重なって、なんだかめちゃくちゃ感動してしまったのでした。
そういえば、「リタルダンド」でも、幾つかの歌が重なって最後に一つになるシーンがありましたが、
こういう風なG2さんの手法がかなり好きなのかもです、私。

雅也役の鈴木さんがまたとんでもなくかっこよかったんですよねー。
黙して語らず、というか、普段は自分の気持ちをかなり抑えているのに、
必要なときにはちゃんと自分の気持ちに正直になれる柔軟さが、見ていてとても心地よかったです。
これはミユキも鶴田も惚れるって!と思いました(笑)。
まあ、ちょっと言葉足らずで、且つタイミングが遅いですけどねー(え)。
ミユキさんは、台詞の中(と台詞外の存在感/笑)からしかその姿を垣間見ることはできなかったですが、
自分の意思をしっかりと持った素敵な女性だったんだろうなあ、と思います。

大切な姉。
大切な妻。

行方が知れなくなった理由については、十分な説明は劇中ではなされていなくて。
彼女の行動は想像するしかないのだけれど・・・
でも、綾亮も雅也も、彼女の不在をわかってはいても直視できていなかった。
相手を思いやるふりで、彼女の不在から目を逸らしていた。
歌う幽霊だから、想いをメロディにのせれば彼女に届くのでは、
という泉美の理論はちょっと無理があるように思ったけど、
でも、歌にのせたからこそ、二人で歌ったからこそ、
二人は彼女の不在をやっと受け入れることができたんだな、と思う。
欠けたピースを諦めずに探し続けるのではなく、
その小さいけれど深い喪失は喪失のままで、痛みは痛みのままで、
そのピースの思い出と、ピースに向かう想いを重ねて色合いを変えていく・・・
なんだかそんなふうに感じました。


泉美役は内田さん。
幽霊マニアなお嬢様な役柄で、上品な押しの強さと、憎めない突拍子のなさが素敵でしたv
美珠希はともかく、どうしてあの状況で綾亮に惚れてしまったのかは良くわかりませんが(え)、
なんだかあの健気さには、一瞬綾亮が憎たらしくなりましたよ(笑)。
あ、でも、もしかしたら品行方正なころの綾亮を知っていて、その頃から好きだったのかなあ・・・
うーん、そう思うと更に綾亮許し難い!(え)

というか、この物語、綾亮もてすぎですよね?
だって、若者3人とも綾亮に惹かれてるんですもの!
・・・はい、上口くん演じる恭平も、見事に綾亮に惚れておりました。
いやー、笑いに紛れさせてはいたけれど、恭平もめちゃくちゃ健気ですよね。
綾亮の言葉や行動に一喜一憂しているところがとても可愛らしかったですv
前半、綾亮が間違えて美珠希を口説いて踊るシーンとか、もの凄い頑張ってるのに報われなくてねー。
というか、あのダンス、お二人ともとってもかっこよかったですv 爆笑しましたが(笑)。
後半、ちょっと影が薄くなっちゃいましたが、恭平には幸せになって欲しいなあ、と思いました。
でもって、上口くんのくるぶしから脛のラインが凄い綺麗・・・!とか思っちゃった自分がちょっとイタイ・・・(え)

この綾亮を中心とした四角関係で、最終的に想いを通わせたのは綾亮と美珠希なわけなのですが、
二人の距離が最後まで近づきすぎずに終わったところは結構好みでした。
今の二人だと、互いにもたれかかってしまう。
だから、きちんと自分の足で立った上で、もう一度向かい合いたい。
そんな風な覚悟が感じられて、なんだかとっても爽やかな気持ちになりました。


堂島役の青山さんと掛川役の青山さんのやりとりもとっても楽しかったですv
歌声も聞き応えがあって、冒頭の歌とか、ちょっと怖くてドキドキしちゃった。
というか、私、この二人が黒幕もとい仕掛け人だと、結構最後まで思ってました(笑)。
だって途中かなり意味深なことを言ってましたよね?
もしかしてミユキさんから何かを託されてたりしてたのかなー。
ああいう解決(?)ではありましたが、きっとこの二人は全部をわかってたんじゃないかな、と思います。
嵐の夜の歌声の主とかね(笑)。


たくさんの素敵な歌を作られたのは荻野清子さん。
「リタルダンド」もこの方の作曲でしたね。
舞台上では荻野さんのピアノと佐藤史朗さんのアコーディオンが奏でられていましたが、
そのちょっと懐かしさを感じる音と優しい旋律が、まさにこのお芝居そのもの、という感じでした。
私の記憶力では、あの旋律を覚えておくことができなかったのがとても残念!
DVD化されたら買っちゃうかもしれません(笑)。

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