瓔珞の音

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<<   作成日時 : 2013/08/11 20:49   >>

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油蝉の声。
鳥の声。
ヒグラシの声。
屋根を打つ雨の音。
通り過ぎる自動車。
鳥の羽ばたき。
遠く聞こえる少女たちの歌声。
仲間たちの、笑い声―――

彼らのあの時間を彩った、たくさんの音。



「宝塚BOYS」

2013.8.3 マチネ シアタークリエ 12列10番台
2013.8.6 マチネ シアタークリエ 3列10番台

出演:吉沢悠、良知真次、中河内雅貴、入野自由、上山竜司、小林大介、板倉チヒロ、初風諄、山路和弘


戦後の数年間、実際に存在したという宝塚男子部を題材としたこのお芝居。
再演再々演をそれぞれ2回ずつ観ていますが、
今回も新しい男子部を2回観ることができました。
いやー、めちゃくちゃ楽しくて、めちゃくちゃ泣いた!
そして、再々演の時にも感じたのですが、役者さんが変わるとこんなにも雰囲気が変わるんだ!と、
目の前で繰り広げられる人間関係の繊細さに、改めて感動しちゃいました。
もちろん基本的な脚本は変わっていないのですが、
小さなやりとりに挟まれる台詞や、役割、成績順、仲良し度やライバル度なんかがかなり違っていて、
おお!そうきたか!と思うこともたびたび(笑)。

今回のBOYSは、なんというか中学校のころの同級生の男子を見ているような気持ちになりました。
(高校は女子高だったので、高校生男子の生態は良くわかりません/笑)
他者との関係性の中で自分の在り方を見つけ出していくところとか、
火が着くとみんなでわー!!ってなっちゃって手が付けられないところとか。
池田さんの「おい!」があんなに聞こえてないのって、以前からでしたっけ??
なんだか池田さんが学校の先生に見えてきちゃいましたよ(笑)。

そんな彼らの中で、今回特に面白いなあ、と思ったのが、上原と竹内と星野の関係性。
すっごい微妙なバランスなんだけど、めちゃくちゃ強いトライアングルだなあ、と思いました。
というか、今回は良知くん演じる竹内が結構なインパクトだったんですよねー。
一見落ち着いた大人な優等生で、でも実は自分の中に譲れない情熱や正義があって、
時々それが暴走して抑えきれない大人気なさがある感じ?
自分でもそれがわかってるから、一生懸命冷静であろうとするんだけど、
プライドの高さとか、星野に対するライバル心とか、上原に対する信頼と無意識の優位性の揺らぎとか、
本人が気付いている以上にぼろぼろ漏れ出ているの。
ので、前半の星野とのバトルも凄いわかりやすくて面白かったです。
また中河内くんの星野が、竹内のそういうところをわかってて挑発してるというか(笑)。
星野、結構最初の頃から上原と竹内のことは認めてるっぽいのに、二人への対応が全然違うんですよね。
まあ、最終的には竹内と星野は似たもの同士な二人なんですけどねー。
山田の真実がわかるシーン、はやし立てるメンバーに紛れこめきれない(笑い)竹内が、
山田の話のかなり早い段階で真実に気付いて、たぶんそれにあまり遅れずに星野も気付いて・・・
最後まで俯いている二人のシルエットが凄く似ていて、ちょっとはっとしました。
で、はっと我に返った星野が竹内を促して一緒に歌うところとか、
なんというか殴り合いの後に仲良くなる青春ドラマの王道を見ているようで、非常に微笑ましかったですv

そういえば、その前の寝ない宣言した上原と一緒に起きているとき、
竹内の前に並んでいた奴さんの意味がめちゃくちゃ気になる!!
あれ、ちゃんと模様とかも書かれてて、どれが誰とか決まってたのかなー、とか、
チェスの駒みたいに竹内が動かすのがどういうことなのか、とか、
あれは全部竹内がつくったのかな、とか・・・(え)
どなたか解説してください!(笑)

中河内くんの星野は、自分は周りとは違う、というオーラを出しつつも周りが気になって仕方がない、
でも、それを今更素直に表現はできないー!!という葛藤が可愛らしくv
台本の初稿のシーンも、集まってわいわいしているメンバーを見ながら、
カーテンに包まったり一人でいろいろリアクションしたり・・・
で、メンバーに呼ばれて、満面の笑みで駆け込むところとか、元気な仔犬を見てるみたいでした(笑)。
その後の練習シーンのハイテンションな監督っぷりも素晴らしくv
というかこのシーン、メンバー全員の星野へのアピールがめちゃくちゃ元気で熱くて、
君たちはそんなに星野のことが好きなのか?!もとい信頼してたのか?!とちょっと思ってしまいましたよ。
で、そんなメンバーのアピールに律儀に答える星野がまた・・・!(笑)。
メンバーのアピールに、時に大受けしながら、時に(その微妙さに)悩みながら、
「認めよう!(3日)」、「よーし!(6日)」って律儀に答えるんですよねー。
このシーン、個人的には上原の「そよぐよ〜」が非常にツボでございましたv
・・・竹内のマリーはちょっとやりすぎだと思うけど(笑)。
これに星野が葛藤しつつ駄目出ししなかったのは、なぜなのかしら?(笑)

2回目の観劇は、8月6日でした。
星野が戦時中のことを語るシーンは、いつもちょっと息を詰めて見つめてしまうのだけれど、
この日はどうしたって広島のことを考えずにはいられませんでした。
「あの光景は一生忘れない」
そう言う星野の表情も声も怖いほど穏やかで、
でも、そういう風にしか言うことができない深さの疵も感じられて・・・
冒頭の爆撃に怯え逃げ惑う上原も(その後、歌声を聴いて立ち上がったときに笑顔でなかったのが印象的)、
さらりと語られた竹内の過去が示す彼の中の熱情も、
過酷な日々を感じさせない、けれどだからこそ生きて芝居ができることをかけがえのないものと思う長谷川も、
恐れと不安と悲しみの中、前へ進むことを選んだ山田も、
太田川に「自分は中途半場だ」と言わせてしまう時代の流れも、
その流れの中で立ち止まり、自分の足で立つことを選ぶ竹田も・・・
そして、語られはしないけれど、池田さんにも君原さんにもその疵はあって。
「やれる者がやらなければ、やりたくてもやれない者たちに申し訳が立たない」
その上原さんの言葉が、ずんと胸に響きました。

そんな吉沢さんの上原は、気弱だけどいつも一生懸命で、非常に瞬発力がありました。
スリッパの飛ばしっぷりも素晴らしくv
前へ前へと出てくる感じはないのだけれど、メンバーが暴走したときに、
止めるべき時はちゃんと動いて止めてるんですよねー。
で、止めないときには、上原も結構怒ってたり思うところがあったりするんだな、と。
竹内の無意識の仕切りというかリーダーっぷりが時に目立ってしまうけれど、
最初から最後まで堅実に誠実にリーダーであったのは、上原なんだなあ、と思う。
宝塚男子部結成の引き金となった自分の"責任"に凄くストイックに向き合っていて―――
最後に泣き崩れる竹内に語りかけながら、
男子部にきちんとピリオドを打った上原の笑みの、あくまでも優しく穏やかな芯の強さが印象的でした。
だからかな、レビューのシーンはいつも結構泣けてしまうのですが、
6日に観た時は、上原がその柔らかい笑みで歌いだした瞬間に思いっきり涙腺が決壊いたしました。

レビューの最後、この3人が最後に舞台に残るのだけれど、
3人それぞれの去り方もよかったなあ・・・
上原は、本当に愛しそうな表情で、竹内は俯いたその目が何かに挑むように激しくて、
そして星野は・・・蹲って号泣して、それでも立ち上がってボンボンを強く抱きしめる手がとても優しくて・・・
星野の号泣、3日は音楽に紛れて気付かなかったので、
6日前方席でその慟哭を聞いたときは、なんだかたまらない気持ちになりました。
踊っているときは凄く凛として、そして楽しそうだったので。
なんだかほんとに彼は"プロ"なんだなあ、と思ってみたり。
あ、6日は3列目センターという席だったのですが、何回か星野と目が合って微笑んでもらったような・・・?
いやいや、きっと錯覚です(笑)。
でも、あの笑顔はかなりキますねー。
もともと中河内くんってあんまり好みなタイプではないのですが、ちょっとよろめきました(笑)。

そんな感じの3人。
常に自然体で自分で思っている以上に懐の深い上原。
そんな上原を認めながら、素直になれない星野。
上原を認めつつも、どこかにもどかしさを持ってしまう大人になりきれない竹内。
そんな風に気持ちがも漏れ出してしまう竹内を、苦々しく思いながら気になって仕方がない星野。
そういう星野の感情を良過ぎる洞察力で察してしまい、売られた喧嘩を買うどころか売っちゃう竹内。
押しの強い二人の間でわたわたしながら、でも一歩引いたところからちゃんと見守ってる上原。
で、最終的にめちゃくちゃ強い信頼関係で結ばれちゃうんですよねー。
うーん、やっぱり最強!

そういえば、2幕のセットで、上原の部屋の写真が増えてたように思うのですが、
あれって、男子部で撮った写真だったのかな?
この舞台のセットって、最初から最後までずーっと「清く正しく美しく」の額が見下ろしているところとか、
凄く意味深だなあ、と思うのですが、
それ以外の細かい部分でもきちんと時間経過を表していたり、
彼らの関係性の変化が見えるような部分もあったりで、
もっと近くでじっくり見てみたいなあ、なんて思ってしまいますv

長谷川役は入野くん。
いやー、なんともバランス感覚のいい長谷川だな、と思いました。
これまでの長谷川って、物怖じしないというか、ちょっとKYというか(笑)、
でも、その陽性さがかなり魅力的な役柄だったと思うのですが、
入野くんの長谷川は、むしろ周りの空気の動きに凄く自然に反応して動いているんですよね。
何気に一番大人なんじゃ?って思うシーンもあったり。
なんというか、誰とでもその相手の望む距離感で仲良くなれる感じ。
このコミュニケーション能力って、旅回りの生活の中で身についたことなのかなあ・・・?
歌舞伎っぽい演技を見せるところも凄く面白くて、
だから余計に終盤の「芝居がしたい・・・!」という台詞が胸に迫りました。
そういえば、馬の練習のシーンで馬にまたがった長谷川って初じゃないですか?
すっごい楽しそうでしたv
馬との会話(?)のシーンもめちゃくちゃ可愛かったですv

山田役は小林さん。
初見の役者さんですが、ものすごく繊細な演技をされる方だなあ、と思いました。
特に過去を語るシーン。
話す前の葛藤での足の指の動きに笑ってたのですが(だってすごい動き方だったの!)、
その後、あの笑顔と声から、圧倒的な哀しさややるせなさがわーって伝わってきて、
竹内と同じようにちょっと呆然としてしまいました。
強面風な角刈りとは裏腹に、色白で線が細い感じもなんだか新鮮でした。
上山くんの竹田とも、普通に同い年くらいのお友達、な感じ?
ミキちゃん、コウちゃんの呼び方がなんだか凄いしっくりしてしまいました(笑)。

というか、上山くんの竹田が結構大人な設定だったのかな?
これまでも竹田って、二期生ということもあって、他のメンバーよりもちょっと年下なイメージだったんですが、
今回の竹田は同い年くらいに見えました。
闇市を生き抜いてきました!な現実的な部分とやんちゃな部分が絶妙な感じ?
山田とのお茶の間での練習シーンも見ごたえあり!
あの真面目な顔でも波と汽笛には爆笑いたしましたよv
紙鉄砲を鳴らすのは山田のほうが上手でしたけどね(笑)。
でもって、お父さんの戦死が伝えられた後のあの慟哭が凄かった・・・!
口に手ぬぐいを詰めるようにして塞ぎながら、それでも抑えきれない慟哭。
上山くんって、「ロックンロール」の時からちょっと気になりつつも、
メインの役柄として観るのは殆ど初めてだと思うのですが(ROMでも素敵でしたがv)、
この慟哭から「運がいいとか悪いとか・・・」の台詞、そして稽古場へ駆け込むときの表情に、
なんだかかなり気持ちを持っていかれたように思います。

太田川役の板倉さんも初見。
太田川はねー、彼の背景を最初から知っていて舞台を観ると、
ちょっとした仕草とか逸らす視線とか不自然なほど強い言葉とか、
そういうものがとにかく胸に迫ってきて仕方がないのですが、
今回の太田川は、結構最初からわりと余裕のない感じが見ていて辛かったです。
稽古場に忍び込んだときの「心をひらいてピルエット」とか、なんだかもうどうしたらいいのか・・・!(涙)
その分、レビューでの晴れやかな表情に、目一杯拍手しちゃいましたが。
そういえば、稽古場でメンバーに見つかって逃走を図るシーン、
2010年は藤岡くんな竹内が肩に担ぎ上げて連れ戻してましたが、
今回は良知くんな竹内が無表情に鼻先でドアを閉じてましたね(笑)。
というか、その前に太田川に迫る竹内、めちゃくちゃ怒ってて目が怖かった・・・
心配が怒りになっちゃうタイプなんだねー。


山路さんの池田さんは、やっぱりめちゃくちゃダンディでかっこよかったですv
というか、今回、暴走気味なメンバーに結構手を焼いていませんでしたか?(笑)
でもって、男子部への思い入れが、最初からわりとわかりやすくなっていたように思います。
台本を手にして盛り上がるメンバーを廊下から見る笑顔がやさしくてねー・・・
池田さんって、究極のツンデレだと思う!(笑)
最後のシーンの「こどもたち」という言葉のかすれた響きには、ほんとにやられてしまいます。
現れる夢の舞台を見つめる背中も、振り向いたときの厳しい表情も、
前方席で観ると、台詞なしでもこんなに伝わるものがあるのか、と改めて思ってしまったり。
あ、家伝の風呂敷の時の話、今回はザビエルでしたね。
あの手の意味、私もわかりません(笑)。


初風さんの君原さんは、ほんとにお美しくて癒し系で可愛らしくてv
星野が懐くのも良くわかりますよねー。
冒頭、山田を見て首をかしげる時点では、たぶん君原さんも男子部には反対の立場で。
でも、それが彼らと過ごす時間の中で徐々に変わっていくのが、
細切れの出番の中できちんと伝わってきました。
別れの挨拶をする星野の背中に手をあてての「残念ね」という言葉の深さといったら!
ほんとに大好きですv


基本台詞劇なこのお芝居、音楽は彼らのレッスンや、彼らが歌を歌うシーンしか流れません。
たくさんの熱の篭った台詞の応酬の中、ふと生じる空白に流れる効果音の秀逸さもこの舞台の魅力かなあ、と。
上原が戦時中のことを語るときの鳥の羽音。
寮での会話の狭間に聞こえる音が、アサリの棒手振りの声から自動車の音になり、
電車の音になり、音の変化で時間の経過を表しているところ。
幾つもの夏を描く蝉の声。
強く屋根を叩く雨音。
静かに時を刻む時計の音。
控えめで、でも意味のある音のつながりの果てに、
あの華やかな音楽に溢れたレビューがあるという流れが、今回すとんと気持ちの中に落ちてきたように思います。
そういえば、最後のシーンのトランペット、まだ池田さんが吹いてるのかなあ・・・?
でもって、最初の駆けて行く生徒さんの足音、あれはやっぱりBOYSが出してるんだろうか・・・?(笑)


そんなこんなで、やっぱり大好きなお芝居でした。
このお芝居は、メンバーを変えながらずーっと続けていって欲しいなあ、と思う。
池田さんと初風さんはもちろん続投で!
でも、いつかメンバーを演じた誰かが池田さんを演じるようになっても面白いかもですね。
うん、ほんとにそのぐらいずっとずっと続けていって欲しいです。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
ご無沙汰しています。久々のコメントで申し訳ありません。

「宝塚BOYS」、何回見ても素晴らしい芝居です。
語っても、語っても、語りきれません。

今回は上原役の吉沢さんの芝居に泣かされました。
男子部の解散が決まった時の、静かに竹内に語り掛ける場面、私も印象に残ってます。

そうそう、馬にまたがる長谷川は初ですね。
花緑さんもトークショウで突っ込んでました。

長く再演を続けて欲しい芝居ですよね。
花梨
2013/09/03 00:49
花梨さん、こんばんは!
こちらこそご無沙汰してしまってすみません。

「宝塚BOYS」、本当に素晴らしいお芝居ですよね。
キャストが変わってもぶれない物語の芯と、
キャストごとで柔軟に変わっていく人間関係は、
きっとこの先も長くつなげていって欲しいなあ、と思います。

今回のキャストも良かったですね。
吉沢さんの上原さんには、本当に思いっきり泣かされました。
上原さんの持つ強さは、初代のころからとても憧れます。

今回はトークショーも充実してましたね。
私は1回も遭遇できなかったのですが、
歴代星野とか、凄いカオスだったろうなあ、と(笑)。

きっとまた再演されると思いますが、
もう1回くらい今回のキャストで観てみたいかも、と思います。
そのときにはご一緒できたらいいですねv
恭穂
2013/09/04 22:43

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