瓔珞の音

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zoom RSS 片翼

<<   作成日時 : 2013/11/23 20:46   >>

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舞台の上で、その人は何度も「化け物」と呼ばれていました。

けれどその言葉は、私には何故か畏怖と賞賛の言葉のように聞こえた。


NODA・MAP第18回公演
「MIWA」

2013.11.17 マチネ 東京芸術劇場プレイハウス 1階J列20番台

作・演出:野田秀樹
出演:宮沢りえ、瑛太、井上真央、小出恵介、浦井健治、青木さやか、池田成志、野田秀樹、古田新太 ほか


野田さんが美輪明宏さんの半生をモチーフに作ったというこのお芝居。
感想を書こうと何度かPCに向かって書き出して、でも、どうしても書くことができませんでした。
たぶん、私はこのお芝居のどこにも共感や理解を持つことができないからなんだと思う。
あ、でも面白くなかったわけではないんですよ。
驚いたり、笑ったり、泣けたり、しみじみしたり、考えさせられたり、
舞台セットや照明の効果に見惚れたりびっくりしたり、観ている間は凄く集中したし楽しかった。
でも、終わってみると、その印象が凄く曖昧になってしまったの。
プログラムを熟読してみて、ああ、美輪さんってこういうひとなんだ、と思ったりもして、
(私の美輪さんについての知識ってめちゃくちゃ少ないんです)
でも、それだけだった。
それは多分、私にとって"MIWA"という人物が、まさに"化け物"だからなんだと思うのです。

自分と同じ命のはずなのに、見えているものも生きている次元も違う、。
根本的な部分で、自分とは違う存在だ、と感じてしまっている―――そんな、存在。
その生き様に圧倒されるし、その強さは素直に凄いと思うし、その愛の在り方に心揺らぐ瞬間もあったけれど、
でも、舞台の上にいた二つの声を持つその存在は、美しくて醜悪な"化け物"だった。

うん、最終的には、というか唯一の感想がこれなんだな、きっと(笑)。
というわけで、舞台そのものに付いてはちょっと感想を書くことが難しく(汗)。
ので、とりあえず役者さんのことだけちょっと書こうと思います。


MIWA役、宮沢りえちゃん。
まさに美貌の少年!という感じでした。
幼いときの純粋な感じそのままに、MIWAと名乗るようになってから纏う硬質な色気に。
共に(文字通り)生まれ落ちた半身を頼り、拒絶し、失い―――そして、自らがその存在になる。
その流れがなんとも自然。
あの最後の姿は、まさに醜悪で美しくて、清濁全てを飲み込んだ、という感じでした。
MIWAが歌うシーンは、流れていたのは美輪さんの歌声なのかな?
それとも全然違和感がなかったように思います。

MIWAの半身、安藤牛乳(アンドロギュヌス)役、古田さん。
いやー、あの姿でいきなり出てこられたときには、ちょっと唖然としちゃいましたよ(笑)。
でも、なんだか凄いしっくりしてたように思ったのは私だけでしょうか・・・
とても笑いもとってらっしゃったのですが、この役の台詞って、結構きついなあ、と思うときもあり。
生まれ落ちる前、性別を決める踏み絵を踏むことができないMIWAを抱えて共に生まれ落ちた存在。
MIWAと共にあり、MIWAの人生を共に体験し、MIWAの選択に介入し、
受け入れられないときにはMIWAを置いてどこかに行ってしまい、
そして、人の心を揺さぶる"声"の持ち主でもある安藤。
母を殺したというあの存在はどういうものなのか理解できなかったけれど、
そういえば、最初から彼(彼女?)は母という存在を害していたんだなあ、と思ってみたり。

この舞台、母、という存在が一つの大きなキーワードだと思うのですが、
その中で"母"という存在を一貫して演じていたのが井上真央ちゃん。
天界のマリアさまから、MIWAの生みの母、二番目、三番目の母であるマリア、
そして、最後に本当の"母"となる少女。
MIWAのライバルとなるまりあも演じていて、なかなかに複雑(笑)。
個人的には、二番目の強くて優しいお母さんが好きだったかな。
舞台で拝見するのは初めてでしたが、また舞台でも見てみたいな、と思いました。

浦井くんは、MIWAのお家のボーイさんから、MIWAの同僚の歌手まで、いろいろ演じていた・・・のかな?
にこにこ笑いながらわたわた動いている姿が印象的でした。
美輪さんの友人の自殺した青年、というのは何かで読んだか聞いたかしたことがあるのですが、
母親に拒絶されたあとの彼が舞台奥に去っていく前の、これまでとはまったく質の違う笑顔に、
ちょっと涙しそうになり、
その後のMIWAの台詞に、結局涙腺決壊してしまいました・・・

小出くんは、通訳と刑事さん、だったかな?
物語の前半は、下手側にアメリカ兵が3人と通訳がずっと座っているのですが、
そちらでもなんだかいろんなことをやっていて、中央に目を取られつつも気になってみたり。
アメリカ兵の2人が、椅子を持って中央に行き、その椅子が飛行機の操縦かんになったときには、
その先の歴史が分かっているだけに、ちょっと怖くなりました。
というか、美輪さんが被爆者だということも、私は全然知らなかったので、結構衝撃だったなあ・・・

池田さんはMIWAのお父さんやバーの支配人×2(3だったかな?)と大忙し。
半・陰陽という名前の意味は良くわからなかったけれど、
見ごろの左右の柄が、それぞれそれまでの役の衣裳の柄なことがなんだか意味深。
でもって、あの衣裳を着こなせてしまうところが凄い!

泣き女役の青木さやかさん。
どーんとしてるのに軽やかな存在感が魅力的だなあ、と思いました。
かなりぶっとんでるんだけど、個人的にはこの物語の中で一番近づきやすい人物像だったかも(笑)。

MIWAが恋する3人のケイイチロウを演じていたのは瑛太くん。
すっとした立ち姿と繊細な表情に、これはMIWAも心惹かれるよねー、とちょっと思ってみたり。
芯が通っているようでいてどこか危ういのね。

野田さんは、三島由紀夫をモチーフにしたオスカワアイドル役・・・なんですが、
個人的には冒頭の天使が凄く印象的でした。
生まれ落ちる命を選別しながら、けれどその存在自体が片翼、というのが、
なんとも示唆的だなあ、と思ってみたり。
まあ、個人的な思い込みなんですけどね。

うーん、やっぱりきちんとした感想は書けないなー。
とりあえず、機会があったら美輪さんの本でも読んでみようかな、と思います。

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