瓔珞の音

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<<   作成日時 : 2014/02/04 22:22   >>

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今日届くかなー、と思っていたCDが届いておらず、帰宅してちょっと落ち込んでいる恭穂です・・・
まあ、もともと明日発売だからねー。
でもって、明日届いた方が諸々都合がいいことも確かだし!
・・・と自分を慰めつつ(笑)、せっかくなので観劇記録に突入しようと思います。
うん。
2月3月はほんとに怒涛なので、今日できることは今日のうちに!
(というかCD届いたらしばらくそっちに根こそぎ持っていかれるに違いないので/笑)


「真田十勇士」

2014.2.1 マチネ 青山劇場 2回E列20番台

脚本:マキノノゾミ
演出:堤幸彦
出演:中村勘九郎、松坂桃李、比嘉愛未、福士誠治、中村蒼、高橋光臣、村井良太、鈴木伸之、青木健、駿河太郎、
    石垣佑麿、加藤和樹、音尾琢真、加藤雅也、真矢みき、野添義弘、奥田達士、渡辺慎一郎、田島ゆみか、
    横山一敏、坂東三津五郎(語り)、平幹二朗(映像)


真田幸村とその10人の家臣を描いた物語である「真田十勇士」。
これまでも舞台化されたり小説やゲームの題材になっていたとのことですが、私はこれまでとんとご縁がなく。
ネクスト・シアターや上川さん主演の舞台も、気になりつつ観る機会を逃していました。
で、この舞台。
「非常の人 なんぞ非常に」で初めてその脚本に触れ、鮮やかな人物描写に感嘆したマキノさんが脚本で、
中村勘九郎さん主演、というのに心惹かれて、
でも、演出が「テンペスト」「もしもキミが。」堤さんということに一抹の不安を感じて(笑)、
私にしては珍しく弱気な2階席というチョイスだったわけですが・・・
1幕終わったところで、良い意味でも悪い意味でも予想通り!と思ってしまいましたよ(笑)。

いえ、全体的には面白かったし、2幕は結構引き込まれたし、役者さんのお芝居も素敵だったんですよ。
でも、最初の怒涛の時事ネタと、映像的な演出にちょっと気持ちが退いてしまいまして・・・
映像的、というのは、映像を多用している、という意味ではありません。
もちろんこの舞台、ものすごく映像を多用していたし、
これはちょっとありえないんじゃ?!と思う分もありもしたのですが、
でもセットに映し出される映像の、動きと一体化した視覚的な鮮やかさはとても計算されていて面白かったし、
(夏の陣のときの動きのある演出は見ていてワクワクしました!)
2幕の大阪城での軍議のシーンで、盆の上に車座となった武将たちが台詞を言うたびに、
その人物の名前が奥に映し出されているのは、
観ていて面白いだけでなく、歴史に疎い私にもとても分かりやすい演出だったと思います。
私が映像的、と感じたのは、冒頭の人物紹介の部分と、
それから広い舞台の上を切り取ったような演出の仕方なのかな、と思う。
あ、でも、冒頭の人物紹介は、三津五郎さんの軽快な語りも良かったし、
登場人物が多くて、しかも名前が覚えにくい(私はね)この舞台を、とっつきやすいものにしてくれていたと思います。
(その分、1幕最後の名乗りのシーンはちょっとインパクトが薄れちゃいましたが)
勘九郎さんをはじめ、役者のみなさんもぞれぞれ自分の役を大切に演じてらしたし。
ただねー。
だからこそ、もっと役者さんを前面に押し出しても良かったんじゃないかな、って思っちゃうんです。
1回きりの観劇なのでわかりませんが、時事ネタだけでなくアドリブも日ネタも沢山あったと思う。
もちろんそれは笑えるものでもあったのだけれど、あれだけ詰め込まれるとちょっとうっとうしく感じるし、
ワイヤーアクションももっと的を絞って使った方がインパクトも強いんじゃないかなあ、とも思ったし・・・
うーん、なんというか、役者さんや物語そのものの力を削いでしまっているように感じちゃったんですね。
2幕後半になると、怒涛のシリアスな展開になっていくので、そういうのは余り感じなかったのですが。
まあ、こればっかりは好みの問題なので。
こういう演出がお好きな方もたくさんいらっしゃると思うし、
実際立ち見も出るくらいの人気の舞台だったようですので、
私の感じ方はちょっとずれてるのかもしれません。
もしここまで読まれてご不快になられた方がいらっしゃったら申し訳ありませんでした。

でも、2幕は本当に面白かったし、役者さんが素敵だったのもほんと!

猿飛佐助役の勘九郎さんは、口跡の鮮やかさと、2階席最後列からも分かる表情、
そして動きの軽やかさと言葉の操り方に感嘆!
嘘もつき通せば真実になる。
そのポリシーを実現するために、世間の評判とは違う自分に悩む幸村に取り入り、
彼を"本当の名将"にしようとする佐助。
最初はね、きっと「面白いなー」というノリだけで始めたことなのだと思うのです。
でも、信頼できる仲間を得、
勇猛な名将ではなくとも、間違いなく勇敢で誠実な武将である幸村の在り方に触れ、
そして、命を懸けて戦い散っていく彼らと共に生きる中で、
彼の中にあった"嘘"こそが、真実になっていったんじゃないか、と思いました。
嘘もつき通せば真実になる。
この言葉を、私は100%受け入れることはできないけれど、
でも、その嘘をつき通すだけの根拠があって、そのための覚悟が揺るがないものなのだとすれば、
嘘は嘘のままだとしても、その心意気は真実になるんじゃないかなあ・・・

終盤、息子の亡骸を抱きしめ、佐助に最後の頼みをして息絶えていく幸村に佐助が言葉をかけます。
あんたは本物の武将だ。
そんな感じの言葉だったと思う。
その言葉の響きが、私の記憶の中にある勘三郎さんの声の響きに何故かぴたっと重なったんですね。
そしてその瞬間、ああ、本当に勘三郎さんは亡くなったんだ、と今更ながら唐突に思ったのです。
勘三郎さんのあの声を私はもう聞くことはできないんだ。
でも、勘三郎さんの声は、軽やかな台詞に込められる深い想いは、きちんと勘九郎さんの中にあるんだな、って。
幸村と大介親子のやりとりの後だったこともあって、なんだか妙に泣けてしまって困りました。

幸村役は加藤雅也さん。
「SAMURAI7」でしか拝見したことがないのですが、個人的にはこの役の方が好きかなー。
たまたまが重なって、天下の名将として名の知られてしまった幸村が、
実は茶の湯を愛する穏やかで優柔不断で心優しい男だった、という設定で、
そういう幸村が、十勇士たちの生き様と滅び行こうとする豊臣家を目の当たりにして、
最後の最後で自ら"名将"になるために立ち上がる、という流れなわけなのですが、
たぶん、基本的なスペックはめちゃくちゃ高い男、という設定だったんじゃないかなー、と思う。
世間の評判や、周囲が求める"名将"像とは違っていても、その在り方はまさに素晴らしい将だったと思うのです。
そう思ったのは、息子の大介(中村蒼)に対して真実を告げた、という点。
"名将"である自分に心酔して命を賭ける息子や家臣に対し、
本当の自分を見せ、その上で彼らの命を背負う覚悟をしっかりと見せつけたあのシーンには、
ベタな流れなのに、不覚にもちょっと感動してしまいました。
その後の戦いっぷりもめちゃくちゃ強くてかっこよかったですしね。
幸村も大介も、その最後はあまりにもあっけなかったけれど、
そして、その"結果"だけが歴史の中では真実になるのかもしれないけれど、
でも、彼らの"真実"は確実に彼らに関わった人たちの中に根を下ろしてるんだろうな、と思う。

佐助と同じ抜け忍である霧隠才蔵役は松坂くん。
勘九郎さんとは全然違う佇まいで、二人の掛け合いがとても微笑ましかったですv
頭も切れて剣術にも長けていて見栄えも良くて・・・とパーフェクトに見える才蔵の、
斜に構えてるけど熱い部分とか、素直じゃない部分とかがとても可愛らしく(笑)。
幼馴染の火垂(比嘉愛未)を前にすると、ちょっと子どもっぽくなっちゃうのも役作りかな?

火垂役の比嘉さんは、遠目で観てもとても綺麗な子だなあ、と思いました。
役のふり幅が大きいので、それにあわせて発声も変わるのか、台詞は若干聞こえにくい感じもありましたが、
静止したときの姿の美しさや、その瞬間の雰囲気に目を奪われました。
さすがモデル出身!
役としては、なんというかちょっとその扱いはないんじゃないか!と思うところもあったりもしましたが、
忍としての部分と才蔵に恋する女の子の部分の両方をきちんと見せてくれたかな、と思います。
最後の"芝居"は熱演でしたし(笑)。

火垂のお父さんで、佐助たちが抜けた忍の里の首領・久々津壮介役は音尾さん。
凄く抑えた芝居で、笑いも全然取っていないのですが、とても印象に残りました。
最後、才蔵と共にここに残る、という娘に対しての視線が良かったなあ。
たぶん、この時点でこれが"芝居"であることに気付いてたよね、お父さん、と思っちゃった。
気付いてて、その上で娘の気持ちを守るために自らも"芝居"をするお父さん・・・素敵でしたv

十勇士は本当にバラエティに富んでいましたが、個人的に印象的だったのが、村井さん演じる海野六郎!
頼りにならない当主に代わって算盤片手に真田家を守ってきた男が、
佐助たちの在り方に触発されて、こっそり剣を習うわけなのですが、
それが佐助たちにばれたときの開き直りっぷりとか、
最初から最後まで真田家に―――幸村に仕え、そして命果てていくところとか、
いやもうこのシチュエーションはずるいでしょう!という感じでした(笑)。
初めて観る役者さんだし、演技がどうとかは全然言えないのですが、
そういう魅力的なシチュエーションを、とても素直に見せてくれたなあ、と思いました。

あと、筧十蔵役の高橋さんも良かった!
「実験探偵トトリ」の先輩役が印象的だったので、全然違う役柄にびっくり。
まさかオネエとは!!
台詞回しも動きも、些細な仕草までちゃんと作りこんでいて、
そして、彼のどこが"真実"でどこが"嘘"なのか、という謎めいた部分も含めて、目の離せない役柄でした。
加藤和樹くん演じる由利にちょっかい出してはあしらわれてるところも楽しかったですv

その由利役の加藤和樹くんは、R&Jのティボルトの印象が強いのだけれど、
それとはまた全然違った静かに思考する感じの佇まいと、槍で戦うときの動きの鋭さが素敵でした。
佐助とは間逆に、由利は命のやりとりをする場に自らをおき続けることで、
"真実"だけを持って生きていたのかなあ、と思う。
だから、こんなに優しいのかな、とも。

福士くんは十勇士の一人根津甚八と豊臣秀頼の二役。
遠目だったので、根津が出てきたとき、最初は福士くんだと分かりませんでした(笑)。
でも、声でわかったv
福士くんのマーク好きだったんですよねー。またミュージカルに出てくれないかな。
甚八は小粒な佐助、みたいな感じで、最初はもうはったりばかりで全然覚悟のない男なのだけど、
それが十勇士たちと共に過ごすことで、少しずつ変わっていくのが良くわかりました。
戦うこと、殺すこと、殺されることへの彼が持つ恐怖を、由利が肯定したシーンや、
最後の戦いを前に、「伝説を残すものが必要だ」と佐助が甚八が逃げることを受け入れるシーンは、
台詞の流れが私的にはとても心に響きました。
でもまあ、甚八が秀頼に瓜二つで影武者をする、という最後のネタにはちょっと力が抜けましたが(笑)。
どうせだったら、秀頼が城を抜け出して甚八として十勇士に加わってた、というくらいぶっ飛んでた方が良かったなー。
いやだって、お母さんの淀殿は単身で真田の屋敷までしのんできちゃうくらいなんだから!(笑)

淀殿は真矢さん。
深すぎる情による気性の激しさと脆さの両方を持つ女性だなあ、と思いました。
史実を良く知らないのでなんとも言えないのですが、
淀殿の感情の流れは、ちょっと私には理解できない、というか理解したくない感じで、
彼女のシーンは少し冷めた目で見てしまいました。
でも、最後、佐助たちに息子を託して一人燃え落ちる城に残る時の淀殿の凛とした強さがとても美しかったです。

観終わった後、この物語は親子の物語なんだなあ、と思いました。
幸村と大介。
壮介と火垂。
淀殿と秀頼。
偽りの姿を良しとせず、真実の姿で向き合った親子。
娘の嘘を真実として受け入れた父。
嘘も真実も明らかにしないまま、ただ息子を守り続けた母。
その形は違っていても、彼らの間にある情は、間違いなく"真実"だったんだろうな、と思う。


うーん、こうやって書いてみると、けっこう楽しんでたんですね、私(笑)。
終演後、ツイッターで上川さんの「真田十勇士」の再演の情報を目にしました。
せっかくなので、今度は頑張ってチケットをとってみようかな。
また別の十勇士の活躍を観てみたいですしv

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