瓔珞の音

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zoom RSS 訣別の花

<<   作成日時 : 2014/05/18 22:41   >>

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今月の(え)観劇な週末から帰宅しました。
今回は「レディ・ベス」な週末。
土日でマチソワマチしてきました(笑)。
この日程を組んだとき、観劇記録は1回でまとめちゃおう!と思っていたのですが、
というか、そもそもあんまり期待というか、情報が出たときから1回見ればいいかな的な、
結構自分としては心惹かれる部分の少ない演目だったわけなのですが・・・

いやもうすみませんごめんなさいめちゃくちゃ面白かったです!(一息!/笑)

久々にこんなに深読みするのが楽しくて仕方ない演目に出会いましたv
Wキャストが5組いるのですが、組み合わせで物語の色合いが全然異なるの!
こんなことならもっと早いうちから観ておけば良かった・・・

まあ、今更後悔しても遅いのですが。
というか地方公演を考えると遅くなさそうに思えてしまう罠をいかに回避するかが当面の問題です(笑)。

とりあえず、記憶ほ新しいうちに、感想を書き始めてみようかと。


「レディ・ベス」

2014.5.17 マチネ 帝国劇場 1階O列30番台

出演:平野綾、山崎育三郎、吉沢梨絵、古川雄大、和音美桜、吉野圭吾、石川禅、涼風真世、
    山口祐一郎、大谷美智浩、中山昇、平間壮一、加藤潤一、寺元健一郎、池町映菜、
    石田佳名子、石原絵里、樺島麻美、小松春佳、島田彩、真記子、安岡千夏、柳本奈都子、
    朝隈濯朗、伊藤潤一郎、榎本成志、奥山寛、川口大地、黒沼亮、高橋卓爾、竹内耕、
    田中秀哉、橋本好弘、松下湧貴、山名孝幸、横山達夫、笠原竜司


物語の舞台は16世紀イギリス。
エリザベス1世が王位に就くまでの5年間を描いた新作ミュージカルです。
この時代の話といえば、春に観た「9days Queen」が思い浮かびますが、
時間軸的にはまさにその直後の物語。

劇場入ってまず目を引かれたのがそのセット。
傾斜のきつい回り舞台に描かれるのは精巧で美しい天文時計。
舞台の奥には十二星座が描かれた大きなリング。
そして、薄暗い舞台の中央に置かれた天球儀を浮かび上がらせる細いスポットライト―――

客電が落ちると、このスポットライトが輝きを増して暗闇の中に天球儀が浮かび上がり、
一気に気持ちが舞台のその一点に集中しました。
そして、その細い光からさーと広がるように、細かな光が舞台の上に広がり、
同時に舞台の奥にも星々が光り輝いて・・・
いやー、この始まり方の美しさには、ちょっと鳥肌が立ちました。
でもって、その中で歌い始める山口さんのアスカム先生の超越した存在感ときたら!
曲としては、その時点での人間関係を説明するものなのですが、
これからこの世界で何が起こるのか、なんだかとってもわくわくしてしまいました。

その後も、天文時計と星座のリングの動きの意味深さとか
(角度や色だけでなく、描かれた数字の位置とか、深読みしだすときりがない/笑)、
奥に映し出される映像との関連とか、
鬱蒼とした、けれど鮮やかで生命力に満ちた木々の向こうに見えるリングとか、
華やかだけれど冷ややかで重苦しい宮殿の豪華な柱とか、
セットはどれもとても素敵だったな、と思います。
役者さんもすごく豪華でそれぞれに魅力的で、
どのシーンも見ごたえがあって、おおお!と驚かされたり、何事?!と混乱したり(え)、
繰り広げられる駆け引きににやりとしたり、
向かい合う二人(組み合わせはいろいろ)の間にある感情に引き込まれたり、
総じて非常に楽しめたわけですが・・・

うーん、物語としては、なんというかちょっと破綻している印象もあったかな。
説明もなく時間軸が戻ったり、展開が唐突だったり、
楽曲もとても綺麗だけれど人物造形としての整合性に疑問の残るものもあったり・・・
でも、そういう穴、というか、物語にしても人物にしても、たぶんあえて描かれなかった部分とかが、
深読み大好きな私としては、かなり面白かったわけなのですね。


平野さんのベスは、王女という身分で、潜在的な能力の萌芽は見えているけれど、
真の王女としての自覚というか覚醒は未だ、という感じ。
なので、そういう少女が女王になっていく成長物語としては、とても納得のいくものだったように思います。
なんというか、このベスは、周りからすごく大に、というか箱入りで育てられた気がする。
アスカム先生から英才教育を受け、
キャットからは宮廷内でのドロドロした人間関係は一切知らされずに・・・
そう、父王から愛されていたと、そのことをなんの疑いもなく信じてしまうくらい。
♪我が父は王 を歌う彼女は、「王の娘だから私は特別」という、
自分自身に根ざさない自信の上に立っている危うさというか幼さがあったように思います。
そんな、素直でまっすぐで本当の世間をしらない頭でっかちな少女なのだけど、
だからこそ溢れる可愛らしさというか魅力もあって・・・
うん、これはロビン、ほっとけないよ、と思っちゃった(笑)。

山崎ロビンがまた、もの凄い屈託を抱えた存在なんですよね。
物語の中で唯一の架空の人物で、ベスと恋に落ちる吟遊詩人、という役柄なのですが、
演じてる感が半端ない!
あ、この演じてる、というのは、山崎くんがロビンを、ではなく、
ロビンが吟遊詩人を、という意味ね。
登場からめちゃくちゃ胡散臭くて、こいつ絶対誰にも言えない秘密がある!と思っちゃいました(笑)。
例えば、どこかの貴族のお坊ちゃんで、お家騒動に巻き込まれて全てが嫌になって出奔したとか・・・
なんというか、自由で奔放な振る舞いの中に、誰も信じていないロビンもいるような、そんな感じ。
♪誰でも歌える でのいろんな歌い方はさすが!という感じなのだけれど、
一瞬たりともじっとしていない動きの多さとか、ふと見せるまなざしの冷静さとか・・・
ロビンがどんな人生を歩んできたのかが、なんだかとても気になりました。
でも、そういうロビンだからこそ、平野ベスの素直さとかまっすぐさが、
たまらなく眩しくて魅力的だったんだろうなあ、とも思う。

たぶんね、山崎ロビンは本気でベスを連れていくつもりだったと思うし、
平野ベスも、本気で彼と一緒に旅立つつもりだったと思う。
ウッドストックでの逢瀬の時、寄り添う二人には本当に光に溢れる草原が見えていた。
でも、その夢は踏みにじられた。
そして、どうにもならない絶望のどん底で、怒りと絶望と悲嘆にまみれながら、
未だ何者でもない自分自身と向き合うことで、
彼女は"王女である自分"を本当の意味で意識し、受け入れたのだと思う。
♪神に見放されて(リプライズ) のあの眼の強さには、ちょっとはっとしました。

それでも、本当にぎりぎりまでベスは悩んでいたんだろうなあ。
ハットフィールドを訪れたロビンが「迎えにきたよ」と言ったその瞬間にも、
彼女の中に、彼と旅立つという選択肢はあったように思う。
そして、王の指輪(かな?)を手に取る直前に、
もしロビンが彼女を連れて逃げようとしたら、彼女はその手をとったようにも思う。
でも、ロビンはそうはせずに跪き、ベスは女王となることを自ら選んだ。
指輪をはめた手で、ずっと共にあったイモーテルの花をロビンに差し出すとき、
ベスはまっすぐに前を向いて、決してロビンに目を向けなかった。
目を向けずに、でも、彼女の全てはロビンに向かっていた。
その全てを託したイモーテルの小さな花は、ロビンに対する決別の花だった―――そんな風に思いました。

山口さんのアスカム先生は、その声も物腰もとても柔らかくて優しいのだけれど、
同時にどこか超越した容赦のなさがあったように思います。
この人に見えている世界は、普通の人が見ている世界とは違うのかな、って。
まあ、最初のシーンの印象が多分に影響しているのだと思いますが(笑)。
でも、ベスが王位に就くことは星が決めた運命だ、ということが彼にとっては揺るがない前提で。
それがこの世界にとって最良であって、それはベス自身が拒むことも選ぶこともできないもので。
なんというか、「M!」のヴァルトシュテッテン男爵夫人をちょっと思い出しました。
リアルな意味での先生、という以上に、ベスにとっては運命を伝えるものでもあるのかな、って。
だから、♪愛のため全て のシーンは、まさに別次元におけるアンと先生の対決、という感じ。
・・・ちょっと怖かった(笑)。

ベスが女王となるために去って行ったあと、
イモーテルを手に蹲るロビンにアスカム先生が語り掛けるのだけれど、
その声も内容も本当に残酷で容赦のないものに聞こえて・・・
ロビンにとっても最後通牒のように感じられて、なんだか泣けてしまいました。
でも、このロビンにはこれが必要だったのかな、とも思う。
この残酷さがあったからこそ、ロビンはきっぱりとベスと別れることができて、
最後の戴冠式で二人が交わしたまなざしも、
別の世界へ歩んでいく互いにエールを送るような清々しさがあったように思うのです。
・・・まあ、この感覚は、次に観たときに思いっきり覆されたわけですが(笑)。

吉沢さんのメアリーは、強さと脆さのアンバランスさがありました。
なんというか、すごく余裕がないように感じた。
ベスに対する行動はかなり感情的で、ぱっと見、見事な憎まれ役なのだけれど、
ふと見せる少女のような笑顔とか、不安そうな眼差しとか、
誰かに頼りたい、と思いながら、誰にも頼ることができない不器用さとかが、
観ていてとても痛々しかった。
ガーディナーもルナールもフェリペももっと彼女に優しくしてあげようよ!と思っちゃった。
終盤ベスとわかり合う♪愛を知らずに は、
それぞれに絶望を知った姉妹が寄り添う感じで、
でも、理解しあっても二人は一緒にはいられないんだ、ということがすごく素直に感じられました。
それにしても、吉沢さんの歌声は本当にパワフル!
でもって、ちゃんとメアリーの不安定さも感じられました。
彼女の歌うナンバーは、どれもかなり劇的というか視覚的にも面白くて、
かなりお気に入りだったりしますv

そうそう、この舞台、民族音楽的なナンバーがあったりしとても多彩で楽しかったな。
ロビンが歌う曲とか、ほんとに踊りだしたくなっちゃうような楽しさがあったし、
ミサのシーンや♪悪魔と踊らないで はロックテイストな宗教曲、という感じでかっこよかったv
ルナールとガーディナーの曲とか、思いっきりロックだったし、
フェリペ王子に関するところはフラメンコな感じでびっくりしたし(笑)。

古川フェリペの登場シーンは、ほんとに何事?!と思いました。、
最初に観たときはびっくりしすぎてなんだかいろいろ見損ねました(笑)。
あの衣装も凄いですよねー。
ひらひらしたものが女性のコルセットだと分かった時の衝撃ときたら!
それを冷静に外すルナール偉すぎる(笑)。
かぼちゃパンツって、童話の王子様の定番だけど、
リアルではいている王子様を見るのは初めてな気がする・・・違和感ないのがすごいよ古川くん!
というか、古川フェリペのデストロイヤーっぷりは素晴らしい!!
それまでに周りが積み上げてきたものが、笑顔の彼が出てきた瞬間にすべて崩されるという・・・
あの計算された唯我独尊っぷりは、観ていてすごい楽しかったけど、
やられた方はたまらないだろうなあ・・・
あの毒のシーン、全てわかったうえで笑顔でガーディナーを追い詰めていくのは、
狩りで獲物を追い詰めるようなゲーム的な残酷な楽しみと、
もっと深くその先を見据えた行動と、両方の雰囲気があって、おおお!と思いました。
でもって、斜に構えて全てをゲームみたいに楽しんでいる王子なのかと思うと、
その中に父王に対する反抗心とかちょっとこどもっぽさも垣間見えたりして。
そういえばベスに迫るシーンで、手に持った赤い王のマントをフェリペが踏んじゃうのだけど、
でもって、それがマチソワ両方で、わざとなのかたまたまなのか疑問だったのだけれど、
今日の平方くんはしなかったし、ツイッター情報だといつもしてるみたいなので、
やっぱり演技なんですね。
うーん、本気で普通につまずいているように見えるのも凄いな古川くん!(笑)


吉野さん演じるルナール大使との細かな攻防も凄い面白かったな。
♪クール・ヘッド で淡々と王子を諭しながらも思いっきりイラッとしてるルナールとか、
結婚式で、ベスに対する全てを覆されて、
その上でクールヘッドな仕草を笑顔で王子にされた後に、怒りのあまり踊るしかないルナールとか、
(とばっちり受けたガーディナーが哀れすぎる・・・)
毒のシーンで、やっぱり全部覆されて、でも、そうした王子の行動になんだか満足そうな様子があったり、
なのに、ベスに振られた王子に対して大人げない仕返しをしていたり(笑)。

とりあえず、ルナール大使のシーンはいろいろ盛りだくさんで、
めちゃくちゃ楽しいけど、きっと見落としもありそうなのが残念。
もの凄いエキセントリックな動きをしているのだけれど、
そして、♪ベスを消せ は曲と動きのインパクトにいろいろ惑わされちゃってるけど(笑)、
ルナール大使って、ほんとにきちんと外交というかスペインのために動いているよなー、と思いました。
カトリックとプロテスタントの対立って、私は深くは理解できていないのだけれど、
イギリスとスペインの関係、というか力関係を考えると、ベスが邪魔なのは明白で。
で、自分の役目のためには、手段をを選ばないストイックさと、
フェリペ王子の行動も含めて、それを楽しんでいる余裕もあり・・・
でも、ベスと実際にまみえたときには、ちゃっとベスの女王としての資質も感じ取ってるんだよね。
うーん、ルナールの行動だけ見てたら、また別の物語が見えそうだなあ。

それにしても、ルナールと禅さん演じるガーディナーの関係性はいったい・・・?
これはガーディナーの片思いなんですか?
でもってルナールがそれをうまく利用してるだけなんですか?
というかルナールって吉沢メアリーもちゃんと籠絡してるよね?
そしてあのマントの狐の毛皮はどういう意味があるんですか?
だめだ、ほんとにルナールだけ見るためにチケットとりたくなってきた(笑)。

ガーディナーは私の中ではこの舞台の喜劇パートに振り分けられてるんですが(え)、
あの一生懸命さがなんだかどんどん健気に感じられてきました(笑)。
悪役っぽく描かれているけれど、カトリックの司教として、
カトリックを守るために、自身の手を汚すことも厭わない、というのはすごい覚悟だよね。
笑いも取りつつ、彼の信念のようなものも感じさせてくてるのはさすがです、禅さん。
でも、あのくるくる回るのはほんとにしんどそうだから、どうぞお体には気をつけて!(笑)

和音さんはベスの母、アン・ブーリン役。
といっても、既に処刑されたアンが、ベスに語り掛ける、というシチュエーション。
アンの出てくるシーンは、星座のリングに当たる照明が赤くなったり、
光と影の対比がすごく鮮やかになったり、
そして、常に彼女と共にある首切り役人の笠原さんの存在がとても印象的だったりで、
狭間の存在であるアンの超越した感じがすごく良かったです。
が、アンがベスに求めるものがなんとも曖昧というか、
シーンごとに変動していくのがちょっとわかりにくかったかなあ。
最初に出てきたときは、王座を勧めている感じだったのに、
そのあと父王と同じでなくてもいいと言ったり、
ロビンとの愛を貫きなさいと言ってみたり、
でもって戴冠式のシーンでは、また父の強い心を受け継いだ、と言ってみたり・・・
このへんは、2回目、3回目を観て、このアンはベスの中のもう一人の自分なのかも、
と思ったのだけど、それは花總ベスだからかも?
うーん、平野ベスとでもう一回(以下自粛/笑)。

いろいろ思い返しながら書いてたら、こんな時間に!
他のシングルキャストは2回目3回目の記録をするときにおいおい(笑い)。
ということで今日はここで強制終了いたします。
うーん、でも、こうやって思いえしてみると、やっぱりまた観た(再び以下自粛/笑)。

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