瓔珞の音

アクセスカウンタ

zoom RSS 決意の花

<<   作成日時 : 2014/05/24 12:38   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 2

良いお天気の土曜日。
今日は「レディ・ベス」の東京千秋楽だったり、
ユニゾンの斎藤さん復帰のライブフェスがあったりですが、私は見事にお仕事の週末です。
午前中のお仕事を終えたので、当直までの時間、
いろいろに気持ちを馳せつつ、お家でちょっとのんびり。
来週はまた忙しくなりそうなので、今のうちに残っていた観劇記録を書いてしまいましょうか。


「レディ・ベス」

2014.5.18 マチネ 帝国劇場 2階B列20番台

出演:花總まり、山崎育三郎、吉沢梨絵、平方元基、和音美桜、吉野圭吾、石川禅、涼風真世、
    山口祐一郎、大谷美智浩、中山昇、平間壮一、加藤潤一、寺元健一郎、池町映菜、
    石田佳名子、石原絵里、樺島麻美、小松春佳、島田彩、真記子、安岡千夏、柳本奈都子、
    朝隈濯朗、伊藤潤一郎、榎本成志、奥山寛、川口大地、黒沼亮、高橋卓爾、竹内耕、
    田中秀哉、橋本好弘、松下湧貴、山名孝幸、横山達夫、笠原竜司


というわけで、無謀な三回連続観劇の記録、最終回です(笑)。
この回は花總・山崎ペア。
前日に観て、それぞれに屈託があるな、と感じていたお二人だとどんなふうになるのか、
とても楽しみだったのですが・・・
いやー、予想を超える駆け引きに、花總・加藤ペアの時とは全然違う方向でドキドキしました(笑)。
二人とも、相手に対して目の前の事実のもっと先を見ている印象。
私がそういう風にみたかった、というのもたぶんあるのだと思いますが、
体は寄り添っていても、心は完全には寄り添えていない・・・
どちらもが、"自分"の世界から出ずに相手を見ているような寂しさのある二人だなあ、と思いました。

その上で、揺らぎつつも最後までぶれないベスに対し、
彼女を自分の世界に連れ出そうとして玉砕するロビン・・・完敗です(涙)。
私の中ではロビンはお家騒動に嫌気がさして出奔したいい家のお坊ちゃん設定なのですが、
そういう過去の自分をロビンはベスに見ていたのかな、と思う。
ベスを見るロビンの目には、自嘲に近いような冷めたものが時折あったように感じたし、
だからこそ、放っておけなかったし、
ベスが背負うもの―――自分よりも更に重い責任をとりさって、救い出して、
共に自由に旅に出たいと本気で願ったのかなあ、と思う。
最初はすごく余裕のあるロビンが、ベスに心惹かれていくにつれて、
恋する喜びや切なさだけでなく、自分の愚かさや力のなさに対する焦りや絶望、怒りを覚えていくのが、
荒波の中で静かに運命と向き合い受け入れていくようなベスの在り方と見事に対照的でした。

というか、最後のシーン、ロビン、全然諦めてないよね?!
ハットフィールドの再開で、ベスの決意を一度は受け入れて、
彼女の前で跪き、彼女の手からイモーテルを受け取って、
力なく崩れ落ちるロビンにちょっと涙を誘われたのだけれど、
その後のアスカム先生の言葉を聞いて立ち上がり、先生に向かって一礼した彼の横顔を見て、
この人全然納得してないし、全然諦めてない!!と思ってしまいました(笑)。
なので、戴冠式の時のベスに向けられた表情も、なんというかすごく強い決意に満ちているように見えた。
ロビン、この後実家に戻って古川フェリペ並に陰謀策謀張り巡らして家督を奪い返して、
更にどんどん出世してちゃっかりベスの側近におさまっちゃうんじゃないかとか、
逆にフェリペのもとに行って、二人で陰謀策謀張り巡らしてイギリス乗っ取りを画策し(ロビンはベス奪回ね)、
敵同士としてベスの前に現れながら、もう一度ベスを口説き落そうとするんじゃないかとか
(で、それをフェリペに邪魔されるの/笑)、
あの一瞬でいろいろ思い浮かんじゃって、もうどうしようかと思いました(笑)。
そういうロビンだったので、彼を見つめるベスの横顔も、ちょっと戸惑ってるように見えたかなあ。
まあ多分に私の思い込みなんですけどね。
いやでもそういう続編とかあっても面白いかもしれないなー。

そういえば、ここまで書きそびれてましたけど、ウッドストックのバルコニーシーン、
あれ、ほんとに見事にロミジュリですねー。
台詞(歌詞)の端々からもロミジュリが思い浮かんで、ちょっとびっくりしました。
最初に観たときは山崎ロビンだったので余計に(笑)。
でもまあ一番びっくりしたのはあのターザンですかねー。
1幕のターザンシーンも、ベスの庭園ってどういう庭園なんだ?!とその唐突さに驚きましたが、
バルコニーシーンは、最初観たとき正直どうかと思っちゃいました。
このシーン、セットも照明も音楽も二人の間の感情の交錯もすごく綺麗で大好きなのですが、
いきなりロビンがターザン始めたときは、何遊んでるのこの子?!とちょっとイラッとしたという・・・
ごめん、山崎くん(笑)。
が、加藤ロビンの時は、ほんとにあと数十センチで手が届くかも、という感じで、
届くのに届かないもどかしさみたいなのが視覚的に伝わってきて・・・ちょっとときめいてしまったのでした。
うーん、ロビンのキャラがあそこまで異なるのだから、
ターザンにこだわらなくてもいいのになー、と思ったのは私だけかな。
とりあえず、いつか二人の手が届いてしまうまで、ぜひ上達して欲しいと思います(笑)。


吉沢メアリーは、対ベスで観たとき、その脆さが際立つように感じました。
国のため、国民のため、神のため、
奪われた矜持を取り戻すため、失った幸せを取り戻すため、
本当に一生懸命頑張って、精一杯虚勢を張って、強く正しい女王であろうとして、
でも、その全てが砕かれ裏目に出てしまったメアリー。
再び全てを失いそうになり弱っているメアリーと、
既に父王と同じ王の器を感じさせるベスが対峙する―――その残酷さ。
その上で、姉妹が互いの孤独を知り、互いを受け入れ、一瞬でも心を通わせる―――その美しさ。
ちょっと本気で泣けてしまいました。
また、2階席から見ると、池町さん演じるスーザンがよく見えるんですよ。
影の中にいるので、表情までは見えなのだけれど、
メアリーの言葉に、はっと彼女を見上げたり、耐えきれず俯いたり・・・
ああ、この人は、自分の中の穴を埋めるために走り続けるメアリーを、
一歩下がったところから、ずっと見つめてきたんだなあ、
それでも、メアリーの孤独は埋まらなかったんだなあ、と思ったら、
メアリーが抱えるコンプレックスとか喪失の大きさが胸に迫ってきました。

涼風さんのキャットも、メアリーにとってのスーザンのような立場でベスに接していたのだと思うのですが、
その愛情の深さと同時に、ベスに対する期待の大きさというか、
無意識にベスに向けられる圧力のようなものが感じられました。
彼女は、決して女としてのベスの幸せは受け入れなかったんだろうなあ、と思ってみたり。
ベスを守る方向性も、どこか一方的だったんじゃないかな、と思う。
例えば、父王について、ベスに伝わる情報を制限したりね。

というか、この物語の中で、私的に一番ネックになっているのが、ヘンリー八世の在り方なんですよね。
ヘンリー八世については、冒頭でアスカム先生が紹介したり、
ロビンの台詞にお忍びで街に出た、というのがあったりはしますが、
具体的に王女たちをどう扱ったのか、ということは描かれない。
キャットは残虐な王と言っているし、アスカム先生は王に足りないものをベスが持っている、という。
そして、ベスは世界一偉大な王と高らかに歌い上げ、アンはライオンのように強い心、という。
この物語の全ての元凶であるはずなのに、その輪郭が明確には見えてこないのです。
史実通りであれば、メアリーもベスも一度は王位継承権を剥奪されているはずで、
でもって、二人の母に対する仕打ちはとんでもなくて・・・
だから、メアリーが父王にこだわるのは、復讐の意味もあるのかな、と納得できるのですが、
ベスはほんとに父王を敬愛している感じなんですよね。
平野ベスの場合は、キャットをはじめ周りの人たちが、
そういう情報をベスからシャットダウンしたのかな、とも思ったのですが、
花總ベスの場合は、父王の偉大さと共にそういう残虐さとか、
彼女にとっての理不尽な振る舞いとか、そしてそれが導いた結果とかも、ちゃんとわかっていたように思う。
それでも、一国の王として偉大である、という認識であり、
だからこそ、そういう父を裏切る不貞を働いた(とされる)母をあんなにも憎んだのかな、とも思うし、
自分は父が誇れる王女にならなければ、という戒めにがんじがらめにされてたのかな、とも思う。
まあ、この舞台は史実通りではないのかもしれないから、
単純にヘンリー八世がメアリーを邪険に扱ってベスばかり可愛がったのかもしれないけどね(笑)。

あ、でも、その流れで、アスカム先生が言う、
「ヘンリー八世に足りなくて、ベスは持っているもの」は何なのかな、とずっと考えていたのだけれど、
女王になった後の花總ベスの言葉を聞いていて、
ヘンリー八世は、王であるとともに男として幸せになることを諦めることができなかったのかな、と思った。
そういう、王としての覚悟とか、そういうもののことなのかああ。
うーん、この辺も実際の史実とも照らし合わせながら、もっとちゃんと受取れたらよかったな。


3回目にして初の平方フェリペは、ナチュラルにとことん天然な印象。
あの笑顔でのあの行動が、何の思惑もない素直な行動なのだとしたら凄い大物だし、
全部計算された上でのものなのだとしたら、めちゃくちゃ恐ろしい人だなあ、と思いました。
♪クールヘッド で出てきた大使がついた溜息を見る限りでは、前者かな、とも思いますが、どうかな?
陽性で気まぐれで奔放で、どこかこどもっぽさも感じられるけど、
加藤ロビンのようなまっすぐさは感じられないところが、フェリペだなー、と思いました。
古川フェリペの在り方との対比に、なるほどなー、と感嘆。
うん、ほんとにこの作品はWキャストの醍醐味が素晴らしいよね!
結婚式のシーンでの気の乗らなそうな様子とか(これは大使、ハラハラするわ・・・)、
メアリーの言葉に対する嫌悪感が透けて見えるところとか、
ベスの処遇をうまく誘導して、ちょっと得意げな笑顔とか、いやほんと古川フェリペとは全く違う可愛さv
でも、毒薬のシーン、にこやかなやり取り(一方的だけどね)そのままに、
いきなり銃を突きつけるのとか、個人的には結構怖かったかなー。
あ、でも、ベスに思いっきり興味を惹かれてて、その後ガンガンアピールしていくのが、
なんだかとても可愛かったりv
本気で口説いてたよね、この人。
うーん、やっぱり山崎ロビンと共謀して欲しいかなー(え)。


ちょっと時間も無くなってきたので、
シングルキャストで気になった方たちについて何人か。

トマス・ワイアット役の中山さん。
相変わらず素敵な歌声ですねv
反乱のシーンは、1幕最後にちょこっと描かれる(といっていいのかな?)くらいでしたが、
ロンドン塔で、ベスの前に連れてこられた時の彼は、
見ていてほんとに辛かったです。
ベスに向かう民衆の声の代表、というか急先鋒という感じなのかな、と思ったのですが、
ある意味ロビンとは真逆の意味で、ベスの選択に関わった存在なのかもしれなせん。

個人的に注目してたのが、竹内さん演じるパリ―。
ベスの財務官、ということで、
キャットと共に常にハットフィールドでベスの生活を支えているのだと思うのですが、
台詞や出番は少ないのだけれど、ベスに対する敬愛が感じられたかな、と。
会いに来たロビンに対しても、キャットのような頭ごなしな拒否ではなくて、
会わせてあげたいけれど、会わせないことが正しくて・・・とぐるぐるしてた・・・かな?(笑)
なんだか出てくるととても和みましたv

道化役の黒沼さんと田中さんも大活躍だったなあ、と思います。
いろんな意味で(笑)。
道化、というと「リア王」での道化が真っ先に思い浮かぶのですが、それとは全然印象が違いました。
ベスにとって王座に付随するくらい部分の象徴のような存在でもあったのかな、と思う。
それにしても、あの衣装はほんとに可愛かったv

吟遊詩人くんたちも、毎回大活躍ですよねー。
♪歌って忘れよう の最初の音合わせの時、
加藤スウィフトに「音程が違う!」って山崎ロビンが突っ込んでやり直してたけど、
なんだかすごいリアルだった(笑)。
山崎ロビン、絶対音感もってそうだよね。
そういえば、私的には山崎くんの歌声って、ちょっと甘すぎて苦手な部分もあるのですが、
今回は音程の低い曲が多かったのか、歌い方を変えてきていたのか、
あまりそういう印象はありませんでした。
こういう骨太な歌い方は結構好きかもv
この曲や、♪人生は一度きり 、♪スペインの王はいらない のシーン、
わちゃわちゃしてる吟遊詩人くんたちが見ていてとても楽しくて、
というか、何をやってるのか凄い気になってるのですが、
民衆の方たちと一緒のシーンだと、彼らもいろんな人間関係がありそうなので、
もうどこを見たらいいのやら、という感じになるのが嬉しいやら困るやら(笑)。


ああ、もう千秋楽の幕も開いていますね。
いろいろ書きそびれはありそうですが、そして、深読みはまだまだできそうですが、
帝劇に思いを馳せつつ、時間もないのでここで強制終了いたします。
日本初演、というか世界初演のこのミュージカルが、
「M!」や「エリザベート」のように、どんどん進化して長く上演される作品になるといいなあ。
キャストが変わると、深読みの仕方も変わりそうですし(笑)。

とりあえず、東京千秋楽、おめでとうごさいます!

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
「訣別の花」「永遠の花」と拝読いたしましたが、
私の観たキャストと一番近いこの「決意の花」に
コメントを。

いや〜、いつもながら恭穂さんの感性の豊かさ、
観察の細かさ、そして深読み(笑)に感心すること
しきりです。
そして、自分が観たキャスト以外に全く興味
なかったのに俄然他のキャストでも観てみたく
なりましたよ。
個々の役者さんの違いというだけでなく、
その共鳴によってつくり出される物語も楽しむ
ことが、こういうダブルキャストの醍醐味でも
あるのだと改めて認識しました。

それにしても古川フェリペ(笑)。
ステキでしたよね〜。
元基くんも好きな役者さんですが、個人的には
古川くんのような一見虚弱体質的な男の子が
あんな強気で怜悧な目をしているのが大好物
なので(しつこい・笑)。

これまでの東宝ミュージカルのように再演を
重ねる作品になるのでしょうか。
だとすれば次回は別のキャストもぜひ観て
みたいと思います。
スキップ
2014/08/04 00:13
スキップさん、こんばんは!

いやー、ほんとに深読みしがいのある作品で、
大喜びしちゃいましたv(笑)
深読みというより妄想大爆発という感じですが、
スキップさんがほかのキャストに興味を持ってくださったなら良かったですv

古川フェリペは、最初観たときの衝撃が強すぎて(笑)。
ロミオもかなり独特なアプローチでしたが、
作品を重ねるごとに深みが出てきますよね。
若者の成長ってすごい!
あの眼には、私もちょっとやられました。

古川くん、冬にはアッキーと競演しますので、
そちらもぜひご覧になってみてくださいねv
恭穂
2014/08/04 21:30

コメントする help

ニックネーム
本 文
決意の花 瓔珞の音/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる