瓔珞の音

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<<   作成日時 : 2014/08/31 11:59   >>

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明日からはもう長月ですねー。
ほんと時間が経つのが早い!
要所要所で楽しみがあるから、そのせいもあるかな?(笑)
とりあえず、8月中に!と宣言した観劇記録を1個。


「ミス・サイゴン」

2014.8.24 マチネ 帝国劇場 1階A列40番台

出演:筧利夫、知念里奈、原田優一、岡幸二郎、木村花代、泉見洋平、吉田玲菜、新津ちせ
    杉山有大、木内健人、白山博基、加藤貴彦、土器屋利行、土倉有貴、石川剛、小林遼介、仙名立宗、
    中田洋介、川島大典、植木達也、大津裕哉、萬谷法英、染谷洸太、佐久間雄生、丹宗立峰、青山郁代、
    小島亜梨沙、可知寛子、木南清香、福田えり、長谷川ゆうり、吉川恭子、華花、藤崎みどり


というわけで、東京のMy楽がこちらの公演でした。
市村さんがご出演の予定だったので、個人的にはほぼベストなキャスト。
市村さんが降板されたのは本当に残念ではありますが、
ずっと走り続けてきた方だから、とにかく今はゆっくりと治療に専念して欲しいなあ、と思います。
まあ、きっと動き回ってらっしゃるんでしょうけど(笑)。

急遽代役を引き受けてくださった筧さん。
なんというか、とても合理的というか、冷徹さも感じられるようなエンジニアだなあ、と思いました。
キムもジジも、女たちはみんな商品でしかないんだよね。
そんなエンジニアが、なんとなくタムには愛着を持っているように見えるのが、
なんとも微笑ましい感じでした。
動きや歌声はすごく正統派で、そんなに外したりアドリブを入れたりというのはなかったように思うのですが、
なぜか駒田エンジニアよりも動き回っている印象がありました。
不思議(笑)。
もっといろいろ掘り下げてみたいところですが、
実はこの日は、というかこの日も、キムとクリスの関係性に気持ちを持っていかれちゃってて、
あんまり記憶にないんですよねー。ごめんなさい、筧さん!
というのも、知念キムと泉見トゥイというのは、私的にはすごく特別な組み合わせなのです。

知念ちゃんのキムは、冒頭で光が当たった瞬間に、ふっと目を奪われるような美しさ。
ほっそりした姿が白く輝いて・・・うん、ほんとに月みたいだね。
ドリームランドでクリスが彼女から目を離せないのも納得です。
昆キムに比べると大人な印象なのですが、
芯の強さはそのままに、場面場面でガラッと雰囲気が変わるところが、
彼女の若さとか、脆さとか、彼女に深く刻み込まれた疵とか、そういうものを感じさせてくれました。
そういう揺らぎのようなものが、もしかしたらクリスを捉えたのかな、とも思う。
原田クリスも、基本の在り方は変わらないのだけれど、
昆キムに対する「俺が守らなくては!」という庇護欲よりも、
もっと対等な関係に近い位置にいるように感じました。
それでも、アメリカとベトナムという根本的な足場の違いはそのままなのだけどね。
二人の歌声は、どちらかがどちらかを圧倒するのではなくて、
同じ力で向かい合っている感じだったから、余計にそう思ったのかも。

そういう意味では、泉見トゥイと知念キムはかつて守り守られる関係が出来上がってたのかな?
泉見トゥイは、キムよりずっと年上な気がします。
彼女が生まれたときから、いずれ妻になる存在として、大切に守り育ててきたのかなあ、なんて。
男女の関係を通り越して、彼らは既に"家族"だったんじゃないかな、と思う。
最初にトゥイがキムを見つけて、彼女を連れて行こうとしたとき、
彼の表情にはまるで迷いがなかったように思います。
このシーンって、結構テンパっちゃっててあんまり歌詞を聞き取れてないのだけど、
もしかしたらトゥイ自身も拘束されていて、家が焼かれたときにキムの傍にいられなかったのかなあ。
彼女を助けたくても、助けられない状況にあったのかなあ・・・
彼女は彼にとってすでに"家族"で、だからこそのあの怒りであり、
クリスの銃を自ら額に当てるのは、彼にとっては当然の行為だったのかな、とも思う。

この日は最前列上手だったので、三年後に再会してからのトゥイの表情がすごく良く見えたのですが、
キムが結婚式の歌を歌うシーン、神田トゥイの後ろ姿からは絶望と怒りを感じたのだけど、
泉見トゥイの表情には、そういう感情に加えて、驚きと感嘆と、そしてどこか納得したような色があった。

自分の家族であった小さなキムは、自分の手の中ではなく、
自分の知らない場所で、自分の知らない時間を過ごし、少女から女に変貌したのだ、と。
全く異なる色への、その鮮やかな変貌―――
そして、タムの存在。

そこからの彼の行動と感情の動きはとても激しくて、やっぱり私は全てを追うことはできなかったのだけど、
でも、泉見トゥイはまさに命を賭けたんだな、と思った。
自分がタムを殺すか、キムが自分を殺すか。
賭けて、そして負けることを望んだのだと。

キムの変貌とタムの存在を決して受け入れることのできない公としての自分。
彼女の変貌を美しいと思い、タムがいるからこその彼女の強さを是としてしまう私としての自分。

タムに向かってナイフを振り上げる泉見トゥイの目には、殺意はなかった。
「早く撃て」というその言葉は、あの瞬間に彼がたどり着いた結論からの、心からの言葉だった。
銃弾が胸を貫いた瞬間、だからこそ彼は微笑んだのだと、そう思った。

死にゆく自分を抱きしめたキムに向かって、苦しい息のなか、それでも笑顔でトゥイは何かを囁きます。
その声は聞こえなくて、彼が何をキムに伝えたのかはわからない。
でも、彼はキムに「生きろ」と言ったのだと、
そして、人民委員長としてではなく、キムの家族であるトゥイとして死んでいったのだと、
そうすることで、キムも自分も自由にしたのだと、そう思いました。
でも―――
トゥイがキムに与えた"自由"は、なんて過酷なものなんだろう。
このトゥイの最期を受けたものだと考えると、♪命をあげよう の歌詞がほんとうにきつくて・・・
歌い終わった後、空を仰ぐキムの横顔をが見据えるその未来の過酷さと彼女の覚悟に、戦慄しました。

私が知念キムを好きな理由に、彼女のタムに対する在り方があります。
今回の演出でクリスとエレンの立ち位置が更にクリアになったことで、
その辺がどんなふうに変わるのかなあ、と思っていたのだけれど、
基本的な感想は以前と同じかな。
最後の彼女の選択は、怒りとか絶望とかではなくて(いや、もちろんそれもあるのだろうけど)、
その瞬間の最善を―――タムのための最善を考えたのだと思う。
そして自分がトゥイから自由をもらったように、タムにも"自由"を与えようとしたのかな。

今回知念キムは1回だけなので、なんだかいろいろ見落としや勘違いがありそうだけど、
でも、やっぱり大好きなんだなあ、知念キムv


岡ジョンの♪ブイ・ドイ もやっぱり大好き!
なんというか、ちゃんと"愛"があるんだよね。
もちろん政治的な色はあるんだけど、その根本にちゃんと"愛"がある。
ジジに対するジョンの行動は残酷だけど、でもあの時点ではすごく正しいことなのだと思う。
「ノーと俺は言った」というのも、きっと本当。
自分ができること、自分には手の及ばないこと、それをちゃんと見極めてた。
でも、見極めながらも、自分の無力さにジョンだって倦んでいた。
今回の席で、初めてジョンが紙幣を筒状にしてドラッグを吸い込むようなしぐさをするのを見ました。
当時の状況で、ドラッグがどういう軍の中でどういう風に扱われていたのかわからないけど、
もしかしたら普通のことだったのかもしれないけど、なんだか衝撃だったなあ。
「バナナフィッシュ」を読み直したくなりました(笑)。

吉田ジジは、初回に観たときよりも凛とした強さが感じられました。
彼女が語る夢のような世界って、全然特別じゃない普通のことなんだよね・・・
そう思ったら、なんだかすごく泣けてしまいました。

木村エレンは、なんだかやっと私の中で「エレン」という役の在り方が見えてきたように思います。
キムやジジと同じように、彼女も"普通の女"なんだよね。
冷静で分別を持とうと思っていても、
実際にクリスを前にしちゃったら、素直な気持ちが溢れだしちゃうような、ほんとに普通の女性。
そういうごく普通の感情の流れの先に、最後タムを抱き上げるエレンがいるのだと思うと・・・(涙)


そんなこんなで、今期の「ミス・サイゴン」は非常に偏った見方をしております(笑)。
あと1回大阪で観る予定なのだけど・・・最初で最後の笹本キム、とても楽しみですv

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