瓔珞の音

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zoom RSS 彼らの花

<<   作成日時 : 2014/09/07 21:11   >>

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6月にライブに行ったEX THEATER ROPPONGI。
新しい劇場、ということですが、最初がスタンディングでのライブだったので、
お芝居の時はどうなるのかなあ、とちょっと心配になっていたり。
というのも、このお芝居を観に行く予定になっていたからなのですが・・・客席に入ってびっくり!

ちゃんと段差のある客席ができてるよ!!

いや、当然といえば当然なのですが、パイプ椅子を覚悟していたので(え)。
薄いとはいえちゃんとクッションがありましたからねー。
まあ、階段を降りる音がかなり響いてましたので、客席の下は空洞なんだろうなあ、と思いましたが。
実際ちょっと揺れたし(笑)。
でも、ライブとは収容人数も違ったせいか、入退場も比較的スムーズで割と快適でした。
うん、なかなかいい劇場かも!

では、観劇記録を。


「VAMP 〜魔性のダンサー ローラ・モンテス〜」

2014.8.24 ソワレ EX THEATER ROPPONGI 1階M列20番台
2014.9.6 ソワレ EX THEATER ROPPONGI 1階C列10番台

演出:岸谷五朗
原作:桐生操
出演:黒木メイサ、中川晃教、水田航生、新納慎也、中河内雅貴、早乙女太一、橋本さとし


19世紀に実在したダンサー、ローラ・モンテス(黒木メイサ)の半生を、
彼女を愛した男たちとのエピソードに沿って様々なダンスと歌で描いたこの舞台。
強いられた結婚から逃れるために駆け落ちした、ローラの最初の男、トーマス・ジェームス(水田航生)。
男として、芸術家として、ローラのもっとも深いところに触れた、
彼女が一番愛した男、フランツ・リスト(中川晃教)。
心から笑むことを忘れた彼女の笑顔を求め、けれど彼女に別の仮面を与えてしまった、
ローラの世界を広げた男、アレクサンドル・デュマ(新納慎也)。
愛したローラのために、唯一の武器であるペンではなく銃での決闘で命を失った、
彼女のために命を賭けた男、アレクサンドル・デュシャリエ(中河内雅貴)。
彼女の魅力を見抜き、彼女の魅力に捕えられ、
彼女をつかの間の頂点に導いた男、ルートヴィヒ1世(橋本さとし)。
そして、彼女の中に在る、どす黒い闇(早乙女太一)―――

最初に観たときの印象は、創りだしたい世界のイメージがすごくしっかりしてる舞台なんだな、ということ。
それが成功しているかどうかは別として(え)、
ローラという一人の女性を文字通り花の色で彩っていく男性たちの造形がすごく細かい!
正直なところ、ローラの名前の頭文字に合わせた花で男たちを表現するのは、
ずいぶんこじつけたなあ、と思ったのですが(笑)、
それをあそこまで突き詰めて作ろうとする熱意と、美意識には素直に感嘆しました。
最後の、一人立つローラに男たちがそれぞれの色の水をかけて染めていき、
その後、ジョウロで水をかけて彼女を綺麗にする、という絵柄は、
ちょっと間違えるとかなり陳腐で滑稽な図になってしまうと思うのだけれど、
その中心にいるメイサちゃんの凛としたたたずまいと、
男たちのそれぞれの表情に、2回目前方席で観て、なるほど!と思いました。

物語の流れとしては、ローラの造形がちょっとぶれているというか、
彼女の真実というよりも、あくまで"男の目"から見たローラの姿というか、
ちょっと納得いかないところも思い返すとあったりもするのですが・・・
というか、「ここではないどこか」って、岸谷さん的にすごく重要なキーワードなのかなあ・・・?
まあ、これはあくまで私の印象なので、作り手の方たちの中ではもちろん、
彼女の造形は固まっていたんだとは思います。
というか、そうでなければ、この舞台って空中分解しちゃうよね(え)。

そんなわけで、個人的にかなり難しい役だなあ、と思ったローラ・モンテスを、
久々に観た黒木メイサちゃんが、素晴らしいダンスで芯を持って演じてくれたいたように思います。

とりあえず、エピソードごとに感想を。

舞台は、後方から近づいてくる複数の靴音、
そして、フードで顔を隠した5人の男たちの紹介から始まります。
この時の歌、歌詞はあれなんですが(おい)、旋律と、5人の歌声がすごく良かった!
で、その中から、浮き上がって聞こえるのが、アッキーとさとしさんなんだよねー。
あと、最後に歌い上げるところで、新納さんが多分凄いファルセットで歌ってたと思う。
あの響きの重なり合いはちょっと鳥肌立ったかも。
とかいいつつ、この時点で、花の縮尺にちょっと笑いそうになったのは内緒(え)。
いやだって、あの大きさのエーデルワイスはないよね?!
でもって彼らが花を投げ入れた棺からローラが起き上がるところは、
某東宝ミュージカルを思い出してしまい、なんとも複雑な心境に・・・
いやまあ、たぶん、死出の旅路についた彼女を、
それぞれの思い出と共に男たちが送り出す、という趣向なんだと思うので、仕方ないのでしょうけど(笑)。
でも、この趣向はわりと好きだったかな。
セットを動かすのも男性陣がやってるのだけど、
その時に結構彼らがいろんな表情をしたり、動きをしたりしてて、それも深読みし甲斐があったので(笑)。

そして、最初の男、トーマス・ジェームスのエピソード。
彼の花はピンクのガーベラ。
17歳の少女であるローラ(このころはエリザベス、かな)に、
淡いピンクのドレスを勧めるところから始まるのですが・・・
ごめん、いやいやその色彼女には似合わないって!!と心底思ってしまいました。
また、デザインが凄い子供っぽいというかなんというか(笑)。
基本このお芝居って衣装がとても綺麗だったので、これは狙って何だと思うのですが・・・
でもまあ、トーマスにとっては、ローラはこういう色の似あう女性に見えてたんでしょうね。
でも、駆け落ちを決意した彼らが手を取ってタップを踊るシーンは、
めちゃくちゃ可愛くてとっても楽しそうで、思わず微笑みながら見入ってしまいました(笑)。
水田くんは、たぶん去年のR&Jのマーキューシオ以来なのだけど、
なんとも素直で悪気がなくて思いこみの激しい(え)好青年を素敵に演じていたと思います。
その他の男性が色とりどりの傘を持って踊るのも可愛かったな。
みなさんローラを祝福するみたいに凄いいい笑顔だったしv
新納さんと中河内くんはタップも踊ってました。
やっぱりタップって観てるとワクワクしてきますね!
そんな幸せいっぱいの二人。
でも、トーマスがふと目を離したとき、ローラの目の前に振ってきた、紫の大胆なカットのドレス―――
このドレスを手に取るまでのローラの表情の変化は、さすがだなあと思いました。
トーマスの歌う明るい歌と重なるような色合いの違う旋律とのギャップも、
トーマスの戸惑いとか悲哀とかがわかりやすく見えてよかったな。
さすがにちょっと可愛そうになったもの(笑)。
たぶん、ローラにはトーマスが見ている自分が、トーマスの見たい自分であることが、
わかってたんだろうなあ、と思う。
で、その事実に知らないふりをして愛でられるだけの幸せに満足することはできなかった。
トーマスが去った後、彼が挿してくれたガーベラの花を一瞬いつくしむように両手で包んで、
でも、次の瞬間にあっさりと投げ捨てたとき、
ローラのまとう雰囲気というか、目の鋭さが一気に変わったのが印象的でした。

そして、ダンサーとなったローラが妖艶なタランチュラダンスを踊るところから始まる次のシーン。
このシーンで、彼女のダンスに魅了され、彼女をはやし立てる男性陣。
さとしさんと新納さんが凄い楽しそうだった(笑)。
あ、中河内くんも。あっさりあしらわれてたけど(え)。
でもって、その中に酒瓶を持ったトーマスがいるのがちょっと切なかったかなあ(笑)。
で、このシーンは、アッキー演じるリストとのエピソード。
彼の花は紫のラベンダー。なので、衣装も深い紫でお似合いでしたv
気に行ったピアノを激しく弾きすぎて壊してしまう、と、
そして壊したピアノを直すことはない、というリスト。
そんなリストに、自分を壊してみたら、と、
そして、壊す前に自分のために曲を書いて、というローラ。
いやー、このシーン、凄いドキドキしました!
唇が合わさる直前にローラがそういうのですが、その瞬間、リストの雰囲気がふっと変わるのね。
なんというか、甘い雰囲気というよりも、彼女の挑発に乗った、というか、
売られた喧嘩は買ってやる、というか(笑)。
その後、♪愛の夢 の演奏から始まるリストなアッキーの歌は素晴らしかったです!
ほんとにピアノを壊しそうな激しさで弾き、その歌声は深く激しく情熱的で・・・
ローラが言ってたパッショネイトとセンシティブの絶妙な融合(だっけ?)、まさにその通り!
そういう状況で、ピアノの上で踊るローラと濃密なラブシーンも演じるんだから、
アッキーほんとに凄いなあ・・・!
弾いている時にあんなふうに触られるのって、凄い大変だと思う。
最初に観たとき弾いてるふりだけなのかな?って思いましたもの。
でも、そんな官能的なシーンであるにも関わらず、
個人的にはこのシーンって、芸術家同士のガチの勝負に見えていたり(笑)。
ラブシーンというよりも、才能のぶつかり合いというか、互いに相手を食い殺そうとしているというか(え)。
なので、そういう意味でのドキドキでした(笑)。

最後、彼女を壊したと思い去ろうとするリストに、
ローラが「私は壊れていない。あなたが壊してくれなかった」というのですが、
それに対するリストの「君は僕のピアノじゃなかった」という言葉が凄いきつかったなあ・・・
とか思いつつ、帽子をかぶるアッキー可愛いvと思っていたり(笑)。


リストとの別れの後、ダンスの時以外に笑うことのなくなったローラの前に現れたのが、
新納さん演じるアレクサンドル・デュマ。
彼の花は、明るいオレンジのマリーゴールド。
あの手この手で彼女を笑わせようとするデュマは、新納さんにぴったりの役ですねー。
私は思いっきり笑ったよ?
笑わないローラ、というかメイサちゃん、凄い!(笑)
彼女のために、「三銃士」の低予算ミュージカルを上演するのですが、
それがまた必要以上に豪華な感じで(笑)。
えーと、中河内くんがアトス、水田くんがポルトス、アッキーがアラミスだったかな?
(アラミスだけ帽子が紫色だったような気がする・・・)

このシーンだけじゃないけど、こういう面々に引けを取らず踊るアッキー、かっこよかったなあ。
もちろん、中河内くんのダンスの切れの良さにはどうしても目を引かれるし、
すらっとした水田くんや新納さんのダンスはやっぱりかっこいいのだけど、
なんというか、アッキーのダンスって、彼の感情が見えるような気がしました。
いや、アッキーだけじゃなくてみなさん、同じ振りだけど違う思いがあるの。
こういう風にダンスを観れるのって、なんだか贅沢ですよねー。

話をデュマに戻しまして。
三銃士ミュージカルでも微笑むだけで声を出して笑ってはくれなかっローラに、
「自分をさらけ出すのが怖いなら、仮面をかぶればいい」と教えるデュマ。
でも、この提案は、たぶん彼の意図とは違う意味で彼女に伝わったように思います。
彼の手を取ろうとしながら、けれど仮面をかぶった男たちの手でそれを阻まれるローラ。
そして、彼らの傍らで、声をあげて笑うローラ・・・
彼女に全てを吸い取られ、絶望したデュマがあげる笑い声が、
彼の最初の笑い声と全然違っていて切なかったなあ(涙)。
とか言いつつ、デュマの「俺はローラのために」を受けてローラが言った「私は私のために」を聴いて、
エリザベートではなくジャイアンを思い出してしまった私はやっぱりどこかずれてるんでしょうか・・・?(笑)


中河内くん演じるデュシャリエの花は、赤いバラ。
床には赤い絨毯が敷かれ、その両脇に並べられた蝋燭の火を、
舞台の奥に斜めに設置された鏡が映し出していて、なんとも面白い空間になっていました。
照明も赤だったし、ローラも真っ赤なフラメンコの衣装に黒いショールを羽織っていて、
これまで同様、男のイメージカラーを踏襲しているわけなのですが、
デュシャリエの衣装は黒と白。
ペンを武器という彼らしく、白の部分は新聞のプリントになっていて、
改めて、凝った衣装だなあ、と思いました。
でも、赤は?と思い、もしやと思っていたら、やっぱり!な落ちでした(笑)。
いやー、こういうベタな感じもたまにはいいよね!(え)
「何がくだらないって・・・」が口癖なデュシャリエ。
言葉を駆使しながら、でも、ふとした瞬間の彼の視線が語る思いが何とも鮮やか。
一人の女に心を奪われたことで人生を狂わせていく様が、凄いリアルでした。
でもって、ローラとのフラメンコがめちゃくちゃかっこよかった!!


そして、物語最後の男、さとしさん演じるルートヴィヒ1世の花はエーデルワイス。
・・・こんなに大きいと、既にエーデルワイスじゃないよねー(^^;)
まあ、白くてEで始まる名前の花って、きっと他にはなかったんだろうな。
さとしさんのルートヴィヒ1世は、とにかくあの朗々とした声と、威厳と
言ってることの情けなさ(え)のギャップが素晴らしく!
どうみてもローラが上手だって(笑)。
それにしても、ルートヴィヒ1世が歌いあげる曲、めちゃくちゃロックでかっこよかったなあ・・・!
ほかの4人も出てきてガンガン踊ってたし!
ルートヴィヒ1世がいきなり客席降りしたときはすごいびっくりしましたが(笑)。
うん実はローラのフライングアクションよりびっくりした(だって一瞬だったんだもの!)

このシーンだったかな、ラストだったかな、彼らが自分たちの花を持っているのですが、
その持ち方がまさにそれぞれの男にとってのローラ、という感じで、おおお!と思いました。
最後のそれぞれの衣装を着けたトルソーと男たちが踊るときの、
トルソーを抱きしめる仕草もそう。
トーマスはまさに愛でるように。
リストは鋭い上から目線な感じで、むしろ挑むように。
デュマは優しく守り慈しむように。
デュシャリエはまるで縋りつくかのように。
ルートヴィヒ1世はその美しさを崇めるように。
こういう表現の仕方は好きだなあ、と思いました。
特に、新納さんのデュマは、このシーン以外でも、ローラを見つめるときにすごく優しい笑顔をしていて、
二回目に観た時、なんだかその笑顔にめちゃくちゃ涙腺を刺激されました。


そして、最後。
早乙女太一くん演じる(闇)。
まっ黒な衣装で(でも、近くで見ると凄い凝ってた!)、髪も長くて表情が見えなくて、
だから、垣間見えるその目の空虚さと、その奥にかすかに感じる感情にはっとしました。
中盤の初登場(笑)の時には、アッキーの歌声が彼の言葉を代弁しているのだけど、
その声や笑い方が(闇)のたたずまいとすごく合っていて、気持ちがざわざわしました。
この時のアッキーは、リストだったと思うのだけど、
リストと(闇)の関係って何なのかなあ、とちょっと思いました。
物語の流れとしては、ローラの闇が生まれたのは、母との確執という感じなのだけど、
個人的にはむしろ、ローラの中に消えない傷をつけたのはリストなんじゃないかな、と思った。
リストがつけた傷から生まれたどす黒い膿。
あるいは、その傷があることで隠れていた闇が生まれた―――そんな感じ?
中盤に(闇)が出てきたとき、消えていく彼を見つめるリストの後ろ姿を見て、そんな風に感じました。
うーん、でもなんだかまだちょっとしっくりこないなあ・・・もっと深読みできそうだけど、
もう見る機会がないのが凄い残念です!

ローラと(闇)のシーンは、ダンスよりもむしろ殺陣の方が多かったのだけど、
前方席で観ると凄い迫力でした!
音響の効果ももちろんあるのだけど、早乙女くんの剣捌きの素早さと美しさに感嘆!
剣の軌跡の残像までが美しいんですよ・・・いやこれはいいもの見せてもらいました。
そして、これだけ激しい殺陣をしながら、ぶれずに台詞を言えるメイサちゃんも凄い!
でもって、その殺陣よりも私的に印象に残ったのが、
ルートヴィヒ1世とのシーンの後、殺陣の前の二人のシーン。
この時もやっぱり舞台奥に斜めに鏡が置いてあって、
横たわる白い衣装のローラと黒い衣装の(闇)が見えて、
その後ローラのすぐ後ろで同じ動きをするのがまさに影のようで、
でもって、そこに“居る”のだとしっかり伝わってくる存在感にちょっと鳥肌が立ちました。
ローラを背後から照らす光。
まっすぐに長く伸びる影。
その先の、光の届かない闇の中に確かに存在する(闇)―――
うん、こういうイメージの具現化は結構好きだなあ。

ここから最後のシーンまでの流れは、たぶんいろいろ解釈の仕方があるのだろうけれど、
上記のトルソーのシーンのように、最後まで男性陣がそれぞれの立場、それぞれの愛し方で、
ローラに接していたのがすごく印象的でした。
最後に降りしきる色とりどりの花吹雪が、彼女を祝福しているようで、
まさに、彼女が行きたかった"光のある場所"のようで・・・なんだかほっとしました。
昨日はカメラが入ってたようだけど、映像化するのかしら?
だとしたら、ちょっと買っちゃいそうだなあ・・・って、結構この舞台好きなんだな、私(笑)。

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