瓔珞の音

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zoom RSS 孤独のかたち

<<   作成日時 : 2014/11/23 18:56   >>

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金曜日のお仕事からの観劇な週末から帰宅しました!
基本一人で(劇場間を)ふらふらしてたのですが(え)、
久々のお友達とのお喋りの時間もあったり、
見た演目がどれも素晴らしかったりで、大満足な週末でしたv
・・・お仕事で出た宿題は、週明けから頑張ります(^^;)

最後に観た演目が短くて、思いがけず早く帰宅できたので、
夕ご飯前に1個観劇記録を書いちゃおうと思います。

というか、これはちょっと勢いで書かないと、書けなくなっちゃいそうな気がする・・・




「モーツァルト!」

2014.11.22 ソワレ 帝国劇場 2階D列一桁台

出演:井上芳雄、平野綾、花總まり、香寿たつき、阿知波悟美、武岡惇一、吉野圭吾、山口祐一郎、
    市村正親、内田未来、秋園美緒、池谷祐子、樺島麻美、河合篤子、鈴木結加里、徳垣友子、
    船山智香子、真記子、三木麻衣子、柳本奈都子、朝隈濯朗、阿部誠司、大谷美智浩、
    奥山寛、小原和彦、KENTARO、杉山有大、高原紳輔、武内耕、寺元健一郎、松澤重雄、
    港幸樹、山名孝幸



ブログをちょっと遡ってみたら、井上ヴォルフを2010.11.21に観ていました。
ちょうど4年前ですね。
その後、12月にも観ていて、その完成度の高さに感嘆したわけですが・・・

今回、ファイナルと銘打った彼のヴォルフは、その時の記憶とはちょっと違っているように感じました。

もっと奔放で。
もっと自然で。
そして、もっと孤独。

観終わって、この物語はこんなにも孤独な物語だったのか、と改めて感じて愕然としてしまった・・・

厳しくも優しい家族も、信頼するパートナーのような才能(アマデ)も、健康な肉体も、
溢れる野心も、愛し愛される妻も、同志のような友人も・・・
沢山のものを持っていたヴォルフ。
その一つ一つが、時間を追うごとに彼の体から削ぎ取られていくようで―――

♪残酷な人生 で、嘆きから鮮やかに変貌していく絶望と怒り。
プラター公園で、再会したコンスタンツェの前でおどけながら言った、
「ほんのちょっとだけ天才、かも」という言葉の軽さに隠された、切実さ。
(ここであんな風な言葉を返されたら、それは絶対惚れるって!と思った/笑)
仮面舞踏会のシーンでの惑う子どものような表情。
父の死の後の錯乱の後、抜け落ちた何かを補うように伸びた背筋。
そして、独りで―――ただ独りでレクイエムを作曲するときの、自身を切り裂いていくような鬼気迫る様。
そのどれもが、彼の孤独の表れに見えた。

以前からね、孤独な物語だとは思っていたのです。
でも、全てをなくしても、ヴォルフの傍には常にアマデが―――アマデだけがいた。
畏れ、憎み、拒絶しても、アマデはいつだって彼の傍にいた。
でも、この日の井上ヴォルフは、アマデからも切り離されていったように思います。
前半のシンクロ率が高かった分、余計に二人の(一人の?)距離が開いていくさまがリアルで、
なんだかもう悲しくて仕方がなかった。
自分の名前が書かれた幕を取り合うときも、アマデはすぐにそれから興味を失うのに、
ヴォルフはまるで取られないようにその幕を体に巻き付ける様子とか、
その後、作曲で苦しむ過程で、縋りつくようにその幕を握りしめるヴォルフを、
ただ遠くから静かに見つめ続けるアマデのしんっとした佇まいとか・・・ああ、思い出したら泣けてきた(/_;)

遠くからだったので、最期のアマデとヴォルフの表情は、光に弾けて観ることができませんでした。
でも、私の目には二人が微笑んでいるように見えた。

この物語は観るたびに二人の関係性について散々考えて、
でもきちんとした答えにはいつもたどり着けないのだけれど、
光の中、やっと在るべき場所に互いが収まったかのように穏やかな二人を見て、
答えなどなくてもいいのかな、と、そんな風に思いました。


アマデと同じように、ヴォルフの孤独を際立たせたのが、レオポルトとナンネールだったかな。

市村さんのレオポルトは、最初のころのヴォルフとの仲良しっぷりがなんとも微笑ましくv
厳格な父親だけれど、もしかしたら若い頃はヴォルフ的な要素もあったのかな、と思ってみたり。
だから、ヴォルフの希求を感覚として理解していて、
理解しているからこそ、彼の向かう孤独と破滅を本当に文字通り一番わかっていて、
だからこそ、ああせざるを得なかったのかな、と。
記憶にあるよりも抑えた歌声に、なんだかそんな風に感じてしまいました。

花總ナンネールはねー。
どうにも高橋由美子さんのイメージが強くて、欲しいところに欲しいものが来てくれないというか、
ちょっと違和感があったのは確かなのですが、
たおやかで穏やかで、怒りよりも哀しみの方が強く感じられるナンネールで、
これはこれでありかも、と思いました。
冒頭の子どものころも、ほんとに少女のようで・・・めちゃくちゃ可愛らしくv
でも、その分、弟に目隠しをするシーンは、というか、目隠しをして彼がピアノを弾くシーンは、
これまで感じなかったグロテスクさというか、危うさが感じられたように思います。
♪プリンスは出ていった も、ヴォルフとは対照的に、
自分の中の深いところへどんどん沈んて行く感情が、いっぱいになって溢れ出た感じで・・・
それを漏れ聞いてしまったパパが、思わず、という感じに一歩後退るのに、なんだけめちゃくちゃ泣けた。
旦那さんとのシーンも、パパの死を伝える時も、ほんとに蒼い悲しみの中に沈んでいるように見えたなあ。
ラストシーンは、もっと近くで表情を見たい!と思った。
でも、遠目で観ていたら、ヴォルフから―――家族から、
全てを奪い取ったその銀色の小箱―――ヴォルフが与えられたギフト(才能)に対する、
諦念と慈愛と悲哀が感じられたように思いました。


平野コンスは、ほんとに可愛らしかったですv
登場シーンは、蓮っ葉さよりも幼さの方が感じられたかなー。
プラター公園で再会したヴォルフとキャッキャしてるところがもうめちゃくちゃ可愛くて(笑)。
でも、もちろん可愛いだけじゃなくて・・・
幼くて、可愛くて、賢くて、強くて、まっすぐで―――だからこそのプライドの高さのようなものも感じられた。
彼のミューズで在りつづけることを、痛々しいほどに自分に課して。
自分の全部でヴォルフと向かい合おうとしてたように思う。
父を亡くしたあと、錯乱したヴォルフに、彼が見ている"何か"に怯えながら、
それでも、慟哭する彼を抱きしめる腕に躊躇いはなかったように思います。
でも、その腕をヴォルフは外してしまうんだよね・・・
あそこで、ヴォルフと共に在ろうとする彼女の決意はポキンと折れちゃったのかなあ。
東屋での決別も、なんだかすごいリアルというか、
コンスの感情が閉じていく様が見えるようで、
でも、最後、掘り出されたヴォルフの頭蓋骨を見つめ続けるその目の強さに、
彼女の中に閉じていった感情が、未だ彼女の中で息づいているのが垣間見えたようで、
なんだか目を見開いて、彼女の表情を見つめてしまいました。


吉野さんのシカネーダーは、本当にもう最高でした!
ヴォルフに対する懐きっぷりも容赦のなさも素晴らしくv
プラター公園では、ほかの人よりもステップが多かったように思うのですが、気のせいですか?(笑)
2幕、革命万歳のシーン(違)で、ビラで顔を隠しながら動き回ってた彼が、
ヴォルフの言葉を聞いて、カバンから「魔笛」の台本を取り出すときのあの表情ときたら!
高揚とというか悪巧みとというか(笑)。
その後の、ヴォルフに抱きつく勢いで彼のところに走っていくのも、
なんだかもうこっちがワクワクしちゃうような感じでした。
でも、なんだかんだ言って、いろんなことの元凶はシカネーダーなんだよねー(え)。

そういえば、この後、民衆のみなさんが横一列に並んで歌うシーンで、なぜか涙が零れた。
たぶん、その前のヴォルフの台詞からの流れなのだと思うのだけれど、
その後の歴史と、ヴォルフのたどった道が、なんだか妙にリンクしているように感じたのかなあ・・・?


仲良しっぷりといったら、猊下と伯爵の仲良しっぷりも3割り増しぐらいになってた気が(笑)。
山口さんのコロレド大司教は、なんだかもう既に一つの高みに達してるよね。
本当に揺るぎない。
いや、馬車の中での揺れも3割り増しぐらいだったけど(笑)。
ヴォルフに対しても、レオポルトに対しても、自分自身に対しても、
その揺るぎなさこそが猊下だなあ、と思いました。

同じくらい揺るぎないのは香寿さんのヴァルトシュテッテン男爵夫人。
揺るぎない美しさ。
揺るぎない優先順位。
揺るぎない容赦のなさ。
♪星から降る金 は、歌いだすまでの感情の流れがすごく自然で、その後の美しさは怖いくらいでした。
また、このシーンの親子のやり取りが、ほんとに細やかで泣けてねー(涙)。
パパを気遣いつつも、ヴォルフの目をまっすぐ見つめて語りかけるナンネールとか、
(その前の、乱れた彼の服を直すところも、お姉さん、という感じで素敵でしたv)
そんなナンネールに、同じくらいの真剣さで向かい合うヴォルフとか、
自分の顔を覗き込むヴォルフから目を逸らせて、
でも、降り注ぐ金をつかみ取る仕草をする息子を見つめるパパの苦悩とか、
そういうのを全て飛ばして、ヴォルフの手を引くアマデの容赦のなさとか・・・
ここで一度アマデの手を振り切ってしまうことが、その後二人の歯車を狂わせるきっかけになったのかなあ。


うーん、こうやって書いてたら、確認したい点がたくさん出てきて、
またすぐにでも観に行きたくなっちゃいました。
でも、次は1か月後なんだよねー。
もうチケット増やす隙間もないのがほんとに残念ですが、
このミュージカルをまだ観ることができることを幸せに思って、全身全霊で臨もうと思います。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
恭穂さま
ご覧になった中に私が観たのと全く同じキャストがないようでしたので
ヴォルフ−コンスが同じこちらにコメントを。

「モーツァルト!」 私は初演以来の観劇でした。
恭穂さんが「もっと孤独」と表現されているヴォルフガングの、
本当に孤高ともいうべき生き方の厳しさ、その切なさが
とても心に響きました。
影を逃れてをはじめ楽曲の数々もとても心情を表した
ミュージカルだなぁ、と再演を繰り返される名作のチカラ
を知った思いです。

あとは井上くんかな(笑)。
ミュージカル、ストプレに限らず、彼はこれからもずっと
観続けていきたい役者さんだなと改めて思いました。
スキップ
2015/01/26 10:34
スキップさん、こんばんは。

大阪でご覧になったのですね。
初演以来だと、きっとずいぶん印象が違われたのではないでしょうか。
ヴォルフはじめ登場人物の生き方も、楽曲も、本当に見ごたえがあるミュージカルですよね。
井上くんの卒業はさみしいですが、これからきっと新しいヴォルフがその想いを受け継いでいくのでしょうね。

井上くん、私もずっと観続けていきたい役者さんです。
夏のトートも楽しみですねv
恭穂
2015/01/27 20:37

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