瓔珞の音

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<<   作成日時 : 2015/01/31 20:16   >>

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今日は久々に着付けのお稽古に行ってきました。
なんだかんだでなかなか行けなくて、ほぼ2か月ぶり!
しかも今日は試験でした・・・いやー、焦った!(^^;)
でもなんとかなったっぽいので、とりあえずホッとしております。
2月は怒涛の観劇月間なのですが、なんとか継続して行けるといいなー。

というわけで、2月に禍根を残さないために(え)、残ってた観劇記録いってみます!



彩の国シェイクスピア・シリーズ番外編・ニナガワ×シェイクスピアレジェンド第2弾
「ハムレット」

2015.1.25 マチネ さいたま芸術劇場 大ホール 2階U列10番台

出演:藤原竜也、満島ひかり、満島真之介、横田栄司、内田健司、たかお鷹、鳳蘭、平幹二朗、
    山谷初男、大門伍朗、塾一久、廣田高志、間宮敬行、妹尾正文、岡田正、清家栄一、新川將人、
    星智也、野口和彦、浦野真介、手打隆盛、堀源起、松田慎也、砂原健佑、竹田和哲


というわけで、藤原ハムレットを見てきました!
2003年の「ハムレット」は残念ながら観ていなくて、
それはもう未だに悔しい思いをしているのですが(笑)、
とりあえず、藤原ハムレットを観る機会を持てただけでも感謝、かな。
これまでのニュース記事とかプログラムを読む感じだと、一世一代っぽいし・・・?

実は私、「ハムレット」を生の舞台で観るのは初めてでして。
(あ、ミュージカルは別ね)
どんな感じなのかなー、と思っていたのですが・・・

いやー、難しかった!(^_^;)

話としては多分すごく単純なのだと思うのだけど、
セリフがとにかく膨大!
でもって、一言一言が意味深な感じなので、なんだかめちゃくちゃ混乱しました。
最初は、その台詞の背景とか、そこに込められた真意とか、それが繋がる先を意識して、
かなり一生懸命向き合っていたのですが、途中で挫折しました・・・
うーん、これまでシェイクスピア劇は蜷川さんだけでなく観てきたけど、
ここまでハードルが高かったのは初めてだなー。
まだまだ修行が足りません(笑)。

そんなこんなで、きちんとこのお芝居を理解できてはいないと思いますので、
ひとまず役者さんの感想をさらりと。


タイトルロールの藤原くん。
今回久々に2階席だったのですが、照明や演出というだけでなく、
2階席まですぱっと届いてくる明晰な言葉と、鮮やかな表情に感嘆。
残酷な現実を前にどんどん自らを違うものに変えていてしまうようなハムレット。
あの狂気のどこまでが演技でどこまでが真実なのかは私にはわからなかったけれど、
最初から苦悩と猜疑と絶望と冷酷さと怒りに満ちて、更に厳しさを増していく表情が、
墓場のシーンの後からガラッとその色合いを変えたのが印象的でした。
御前試合(でいいのかな?)の時のあの穏やかで静かで凛とした彼を見て、
ああ、ずっと黒衣のこの王子は、きっとこの物語の以前は、
それこそフォーティンブラスみたいに白や青が、光や青空が似合う王子だったんだろうな、と思いました。
それでも、彼がこうなってしまうことにはきっとそれなりの素地があったはずで。
それはたぶん、母子あるいは父子関係に起因するものなんだろうな、と思ったし、
それゆえに、ガートルードのシーンは、観ていてほんとにきつくて受け入れがたかったのだけど、
この辺をもっと踏み込んで観ることができれば、もっとこの物語を理解できたのかも。
うん、これからの課題だな(笑)。

平さんのクローディアスは、ほんとに素晴らしかったです!
なんというか、彼の苦悩の流れがこの物語の中で一番理解しやすかったのは私だけですか(笑)。
2幕冒頭の独白から水ごりのシーンは、とにかくすごい迫力でした。
行為そのものにももちろんびっくりしたのだけど(平さんのお体を本気で心配しちゃいました・・・)、
跪いて祈る、ただそれだけの姿から、ものすごい存在感を感じた。
後ろで彼を手にかけるべきか苦悩するハムレットとの間に流れる空気が、
実際に言葉でやりあうとき以上に、もう怖いくらいに張りつめていて・・・
あのシーンは、ほんとに私も息をするのも忘れて見つめちゃったくらいです。
その後のクローディアスの台詞も、白い衣を巻き付けて去っていく姿の覚悟もかっこよかったなあ・・・!

鳳さんのガートルードは・・・うーん、実は混乱の一番の原因だったような気がします。
彼女の真意はどこにあるのかなー、って。
否応なく変わっていく状況の中、ただ流されていただけなのか、
もっと狡猾な、とことん保身を図る打算的な女なのか。
ハムレットに対しても、母としての愛情を感じる瞬間もあれば、
彼に対する恐れとか嫌悪とかを感じる瞬間もあって。
最後、毒入りの杯に口をつけるシーンは、
きっと毒が入ってるってわかってたんだろうなあ、とは思ったけど。
うん、あのシーンの彼女の笑顔は、ほんとに心の底からのものだったように思う。

この3人の関係性を考えたときに、やっぱり先王ハムレットの存在がすごく気にかかる。
この王は、本当にハムレットが言うように"素晴らしい王の中の王"だったのか―――?
私は、どうしてもそうは思えないんだよね。


満島ひかりちゃんのオフィーリアは、背筋をすっと伸ばした細身の姿がなんとも綺麗でした。
父や兄の言うことを聞く素直で世間知らずな幼い娘に見える時もあれば、
ハムレットの愛情を捨て身で試すようなしたたかさと浅慮も感じられたりして、
決して綺麗なだけでない、生身の存在感もあったように思います。
父の死後の惑乱のシーンは、歌声の美しさにさらに涙を誘われた感じ。
満島さんの歌声は「100万回生きたねこ」で聴いていたはずなのですが、
こんなにきれいな歌声だったんだ!と改めて驚いてしまいました。
オフィーリアの最期は、台詞でしか説明されないのだけれど、
あのシーンの後だからか、それこそ鮮明にその情景が思い浮かんだように思います。

レアティーズは満島真之介くん。
初見ですが、堂々とした体躯と家族に向ける全開の笑顔が印象的。
妹ラブ!というのはミュージカルの伊礼レアティーズほどではなくて(笑)、
むしろ家族をすごく大切にしている感じかなあ。
2幕後半から一気に彼の物語にもなっていくわけなのだけれど、
その中で大きく変わっていく感情の流れをあらわさなくてはいけないのは、
ほんとに難しいんだなあ、と思いました。
御前試合のシーンは、迷いと決意が混迷を極めている感じで、
何かを振り切ったようなハムレットとの対比が面白かったです。

たかおさんのボローニアスは、とにかくそのセリフ回しが秀逸。
どこにでもいるおせっかいな家族思いのおじさん、という感じ?(笑)
シェイクスピアのセリフだけどしっかりおやじギャグに聞こえるところに和みましたv

この3人の仲良し家族っぷりにいは非常に和みました。
その分後がきつかったけど。
ハムレット一家の陰に先王がいたように、
この家族の後ろには母親の存在がちゃんとあったように思う。
でも、それはたぶんお日様の匂いや温かさを感じるような存在で。
この対比も、見ていてきつい原因だったかもしれないなあ。


和んだといえば、やっぱり横田さんのホレイシオ!!
私の中では癒し系な横田さんなのですが、
最近の蜷川さんの舞台ではあまり癒しを感じられなくて・・・(いや、それもすごい良かったんだけど!)
なので、最初の台詞から癒しオーラ全開なホレイシオに、ちょっと幸せな気持ちになってみたりv
ホレイシオという人物の在り方については、
もっと何とかできなかったのか?!という疑問が付きまとうんだけど
一番そう思っているのは彼で、その思い自体がホレイシオなんだろうな、と思う。

ホレイシオは、その腕の中で息絶えるハムレットから全てを託されるわけだけど・・・

たくさんの命が失われ、王国としての基盤を失ったデンマーク。
残されたのは、この流れを断ち切ることのできなかった廷臣と、怒りと不満と不安に満ちた民衆。
その、既に廃墟のようになった王国に踏み込み、そして王国を託された若者―――フォーティンブラス。
その存在は、まさに破壊と新生、という感じだったように思います。

重厚で影をまとった古い王国。
そこに差し込む静かでけれど容赦のない光と風。

内田くんのフォーティンブラスは、けれど、その象徴としてはあまりにも異質でした。
ぼそぼそと呟くような気だるげな言葉。
猫背の姿勢に、長い前髪から除くほっそりとした輪郭。
緩やかに羽織った上着から除く滑らかな素肌。
それは、それまで舞台の上を支配していた世界とは全く異なっていて。
ふと、ミュータント(突然変異)という言葉が思い浮かびました。
でも、同時になんだか納得してしまったの。
ああ、この王国は、こういう突然変異のような存在を受け入れなければ生きていけないんだな。
そして、ここまで異質なものであったからこそ、
ハムレットは王国の未来を託すことを決めたのかもしれないな―――と。

そう思ったら、この舞台のセットである日本の古い家屋に込められた意味合いを、
考えずにはいられませんでした。
もちろんそれは私の勝手な思考であり思い込みなのだけれど、
この国も、いや、世界も、常にミュータントを受け入れることで、あるいは侵入されることで、
歴史を作り、生き延びてきたのかもしれない。
そんな風に思いました。

いやでも、ホレイシオこれから苦労するよね・・・頑張れホレイシオ!(そこか/笑)

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
恭穂さま

ミュータント!
なるほど〜。確かに異界のもの、という感じでした(笑)。
私は昨年観た「子供のためのシェイクスピア」のフォーティンブラスの解釈が
とても好きでしたので、今回は違和感はありましたけれど、確かに新鮮でもありました。

内田くんには蜷川さんの期待がいっぱい詰まっているの、わかりますよね。
そしてホレイシオは苦労しそうです(笑)。
スキップ
2015/03/08 17:20
スキップさん、こんばんは!
コメントありがとうございます。
内田くん、蜷川さんの期待がたくさん!なのですね。
きちんと名前を覚えておいて、次の舞台を楽しみにしていようと思います。
「ハムレット」はきちんと見るのは初めてだったのですが、ハムレットの台詞の意味もですし、フォーティンブラスがどう解釈されるのか、他の舞台も観てみたいなあ、と思いました。
機会がありましたら、スキップさんの好きな解釈、ぜひ聞かせてくださいねv
恭穂
2015/03/09 22:18

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