瓔珞の音

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zoom RSS 月の裏側

<<   作成日時 : 2015/04/30 22:26   >>

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月は、いつも同じ面を地球に向けているのだと聞いたことがあります。
そう言われてみれば、見える月の模様はいつも同じで。
私たちには見えない、月の裏側。
もしかしたらそこにこそ、月の秘密があるのかもしれなくて。

でも。

そこに光が当たるとき、私たちに落ちるのは、きっと月の影だけ。




「DEATH NOTE THE MUSICAL」

2015.4.25 マチネ 日生劇場 1階F列一桁台  夜神月:浦井健治
2015.4.25 ソワレ 日生劇場 1階E列一桁台  夜神月:柿澤勇人

出演:小池徹平、唯月ふうか、前島亜美、濱田めぐみ、吉田鋼太郎、鹿賀丈史、松原剛志、
    麻田キョウヤ、岡田誠、木村健人、坂元宏旬、辰巳智秋、俵和也、遠山祐介、西野誠、安福毅、
    井上陽子、今泉由香、大月さゆ、小此木まり、河合篤子、樺島麻美、栗山恵美、森実友紀、吉田玲菜


というわけで、2回目にしてラストの浦井ライトと、初回にしてラストの柿澤ライトをマチソワしてきました。
観終わって思ったこと。

もっとチケットとっとけば良かった!!!

マチソワしちゃったせいもあるのだと思うのですが、
なんというか二人のライトの違いに目が行っちゃって、
結局どちらのライトも、彼らが作りたかった本質までたどり着けなかった感じなんですよねー。
それがもう、残念と言うかもやもやするというか悔しいというか・・・
昨日の千秋楽後のTwitterのTLを見る限りでは、再演の話もわりと固まってる・・・のかな?
その時は、気合を入れて通うことにしようと思います(笑)。


で、二人のライト。
浦井くんのライトは、初回と基本的な印象は変わらないかな。
でも、もっとずっと怖くて哀しくなっていた。
彼の中の“正義”は、たぶんずっと最初から最後まで変わっていなくて。
それが、デスノートという手段を得たことで、どんどん歪んでいったように思いました。
赤い靴の呪いで死ぬまで踊りつづける女の子のように、
本来の望みから、いつしか違う方向に膨張していく、熱量。
どんどん上昇していく熱によって、その輪郭はいつしか曖昧になり―――そして自身の熱で崩壊した。
そんな、なるべくしてなった、という感じがとても強くなりました。

そう感じたのは、たぶん柿澤ライトを観たから。
柿澤くんのライトは、高校生というのがすんなり納得できてしまう、幼さ。
リュークの言う、「ただのガキ」という言葉がしっくりくる感じ。
リュークとの距離感も、浦井ライトよりも近かったように思いました。
そんな幼さのある少年が、デスノートを手にしたことで、
どんどん大切なものを削ぎ取られていって、その表情がどんどん冷たく冴えていくのに引き込まれました。
大好きな兄を語る妹の背に向ける視線は、どこか嫌悪感を孕んでいるようだったし、
総一郎との歌の時も、自分とは違う“正義”を持つ父親を、この時点で切り捨てているように思った。
二人が歌う“正義”という言葉の噛み合わなさが、
「神になる」「神になれ」という言葉の目指す先が全く異なっていることが、
なんだかひしひしと感じられて・・・浦井ライトとは違う怖さがあったように思います。

1幕ラスト、パーカーのフードとデスノートに隠された顔の、かろうじて見える目がとても鋭く冷たくて、
このまま凍り付くようなライトになっていくのかなと思っていたら、
Lとのテニスシーンでばーん!と熱量が上がって、ちょっとびっくりしました(笑)。
いやだって、ウォーミングアップの本気度がとんでもなくて、
この人、駆け引きとか歌ってるけど、絶対一瞬デスノートのこと忘れてるよ!と思っちゃった(笑)。
ゲーム終了後の達成感溢れる表情とかも、ほんと、ガキ!(褒めてます)
でも、その表情が、ミサが来た瞬間にガラッと変わって、また表情の温度が一気に下がるのが鮮やか!
レムを追い詰めていくシーンも、顔は笑ってるのに目が笑ってないのにぞっとした。
ああ、この子は、自分の中の“正義”もいつの間にか削ぎ落とされてしまったんだなあ、って。
でも、結局そんな風にいろんなもの失くしていって、
最後に残ったのが、狭い世界に生きる愚かな子ども、という印象だったのが、
踏み違えた感が強くて、凄い説得力があったなあ、と思いました。

こう書いていても、やっぱり二人の在り方をきちんと受け止められていないというか、
どこか曖昧さが残ってる気がする・・・地方にはどうやっても行けないので、ほんと再演が待ち遠しいです。


この日、マチソワをしてとても鮮烈だったのが、ミサとレム。
表情が良く見えた、というのもあるとは思うのだけれど、
やっと、ミサの中にある大きな欠落―――絶望を感じ取れたような気がしました。
その欠落を、キラという存在で埋めようとして、
でも、決して埋まらないことを彼女は知っていて―――
彼女の言う“愛”は、決してその欠落を埋めるものではなくて、
むしろ、更に彼女から奪うものであったのかな、とも思う。
それでも、それこそキラが揶揄するように、彼女にとって“キラ”は生きる理由になっちゃってたんだろうなあ。
それが、真実に“愛”と言えるものなのかは私にはわからないけれど、
でも、その半端ない切実さが、なんだか胸に迫りました。
ラストシーンの表情も凄く良かった。
彼女の記憶は消されたはずだけど、
もしかしたら、彼女は全てを忘れてはいないのではないかな、って思った。
そのくらい、彼女とレムの絆は強かったように思います。

濱田さんのレムは、冒頭の下界を眺める姿が本当にお美しくて・・・!!
真っ白な翼のある猫―――天使猫、という言葉が思い浮かびました。死神だけどね(笑)。
その後、白い梟でもいいかなあ、とも思ってみたり。
いずれにしろ、思慮深く美しく、そして鋭い爪と深い情を隠した存在、というイメージでした。
彼女の視線や気持ちが、まっすぐにミサに向いているのがほんとに見ていて切なかった。
仕草の一つ一つが、物語が進むにつれて、どこか人間的になっていくのが印象的。
ハチ公をなでるのもそうだし、ミサを囲い込むリュークの手を本気で叩いてたり、
ファンに追いかけられるミサと一緒にわたわたしながら、でも、無表情で走っていくのも可愛かったv
レムはリュークと対の存在だけれど、
浦井ライトの熱と対峙して、どんどん冷静に沈み込むような暖かさを纏い、
柿澤ライトの冷たさと対峙して、どんどん暖かな温もりを増していくようにも感じました。


吉田さんのリュークはねー、安定の自由奔放さ、という感じ?
でも、最初から最後までまったくその根底にぶれがない、という印象は変わりませんでした。
ライトはリュークが見えてるからいいけど、
見えてないはずの他の人たち、笑わずにいるの大変だったろうなー(笑)。
ライト相手に「つまんねー!!林檎くれー!!」って駄々をこねるシーン、
柿澤ライトは「林檎、あげてもいいけど、あなたむせるでしょ?」って返されて、
一瞬絶句した姿がどこか微笑ましくv
浦井ライトの、リュークもデスノートと同じ手段、という感じの、
どこか一線を引いているようなあしらい方も好きだけど、
リュークとの距離が近くて、無意識の甘えがある感じの柿澤ライトも良かったな。
でもって、リュークにとってレムってどんな存在なのかなあ、とも思ってみたり。


そうそう、この日舞台を観ながら、人が死んだあとは地獄も天国もない、とリュークは言っていたけど、
もしかしたら死神って、かつてデスノートを持ったことのある人間だったんじゃないかなあ、
なんて妄想してしまいました(笑)。
そしたら、二人のライトはどんな死神になったのかな・・・?


小池くんのLは、とにかくその目力にやられました。
2回とも下手前方席だったので、Lが舞台の最善まで来て歌うと、ほぼ真正面だったのね。
俯いているので、その表情のほとんどは影になっているのだけど、
その中で前を見据える視線の強さに、引き寄せられるような気持になりました。
で、小池くんのLって、その輪郭のコントラストがめちゃくちゃ強いなあ、とも思ってみたり。
衣裳やメイクなどの視覚的な印象もあるかもなのですが、
光と影を同時に身の内に持っている危うさを感じました。
二人のライトへの対峙の仕方については、十分にその違いを見ることができなかったのが残念。
というか、リュークとは違う意味でぶれない感じだったのかも。
でもって、もしこのLがデスノートを手にしたらどうしたのか、見てみたい気持ちになりました。


前方席だと、やっとアンサンブルさんがいつどんな役をしているのかも見分けがつきました。
ラストシーンのちょっと丸っこい髭の刑事役の方の歌声がめちゃくちゃ素晴らしくて、
うっとり聞き惚れてしまったのですが、あれは安福さん・・・?
プログラムの写真だと良くわからなくて(>_<)
刑事さんのシーンは、やっぱりかなり泣けたかなあ。
凄いベタなシーンだし、刑事さんの描き方って結構ツッコミどころ満載だと思うのだけど(え)、
そういうのを全部超越して響いてくるものがあったように思います。


ラストシーン、倒れるライトに対する総一郎の距離感の違いも印象的でした。
たまたまだったのかもしれないけれど、浦井ライトより柿澤ライトの方が近かったのね。
それが、浦井ライトについては、どこかこの事実を受け止めきれていないような感じがして、
逆に柿澤ライトについては、わかっていた事実を確かめているような感じがあった。
それは、途中でも結構感じていて、息子を疑う度合というか、
もしや、と思う気持ちの強さが、柿澤ライトに対しての方が強かったように思いました。
さゆちゃんは、どちらのライトに対しても、同じ距離感だったと思うのだけど、
それはそれで説得力があったように思います。

そして、あのラストシーンの光と影の演出は、本当に美しく哀しかった。
物語の中の人たちが、そしてこの物語の外側にいる私が、見つめ、受け止めた月の影。
でも、それはライトだけではなくて―――
逆光の中黒く沈む人々の顔は見えない。
人の持つ真実は、もしかしたら月の裏側のように、誰にも見えないものなのかもしれないな。
そんな風に感じました。

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