瓔珞の音

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zoom RSS ハッピーエンドのカタチ

<<   作成日時 : 2015/05/08 22:16   >>

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等身大、という言葉に心惹かれるときがあります。
ありのまま、ということばよりも、もう少し控えめで、でも一生懸命な印象があるのは私だけかな。

肩肘を張らず。
自分のできることを自分のできる範囲で。
でもちょっとだけ背伸びもしたいし、ちょっとだけ無理もする。

そんな感じ。
この舞台の二人も、“等身大”の二人だったように思います。



朗読劇 「私の頭の中の消しゴム」

2015.5.3 ソワレ 天王洲銀河劇場 1階E列10桁台

脚本・演出:岡本貴也
出演:大貫勇輔、高垣彩陽


この演目を観るのは、3ぺア目。
最初に観た泉見さんと真綾さんのペアは、ひたむきで誠実な大人の成長物語という印象。
去年観た田代くんと沢城さんのペアは、現実を受け止めるためのリアルなプロセスが印象的でした。
そして、今回。
踊らない大貫くん(笑)と、全く知らない声優のお嬢さんのペアに、ちょっと身構えての観劇だったのですが・・・

いやー、泣いた!!

なんというか、今回初めて純粋に恋愛物語としてこの物語を受け止めたような気がします。
前半の二人が惹かれあう過程に、恋愛偏差値のめちゃくちゃ低いこの私が、
めちゃくちゃハラハラしたり切なくなったりドキドキしたりしちゃいました(笑)。
二人の気持ちが重なった瞬間、ほんとに良かったねー、って心底思いましたもの。
それは、たぶん二人がまさに“等身大”だったからだと思うんですね。


沢城さんの薫も等身大だと思ったけれど、というか、薫の在り方って基本等身大なのだけど、
高垣さんの薫はもうちょっと背伸びしてる感じが可愛かったな。
そして、高垣さんの薫は、感情の発露がとても鮮やか。
―――壊れていく、その過程も。

普通の恋愛をして。
普通の結婚をして。
普通の幸せを手に入れて。
普通の未来を歩んで。
“普通”であることを、等身大の自分たちで生きていくことだけを、望んでいたはずの、薫。

そんな彼女にとって、自分を襲った“現実”は、きっとどうやっても受け入れられないものだったと思う。
そんな薫からは、恐怖よりも戸惑いを、怒りよりも哀しみを強く感じました。
そして、どんどん後退って、フェイドアウトしてしまう薫が、見ていてとても哀しかった。
でも、それって、もしかしたら、一番大切なものを抱きしめて丸くなった姿なのかもしれない、とも思った。

で、そんな薫の傍にいた、大貫くんの浩介。
こんなにしっかり大貫くんの演技する声を聞いたのはすごく久しぶりな気がするのですが、
「ユイット」はむしろ歌やダンスが印象に残ったので)
以前観た朗読劇の時の記憶と比べると、もの凄く声に深みが増したなあ、と思いました。
これまでの経験でスキルを磨いた分、自由度が増した感じ?
誰かの声色を使う時はちょっとやりすぎ感があったけど(これは、高垣さんもだったので、演出?)、
変な力みがなくて、自分の言葉として浩介の言葉を語っていたように思います。

というか、浩介の造形が、凄く大貫くんにしっくりしてるように感じたのね。
ガタイの良さとか、薫が怖いと感じてしまうような強面さとか、
その奥に見え隠れする、素直というか単純な一面とか、ほんとに“等身大”の浩介。
でもって、なんだろう・・・浩介って、ほんとに子どもみたいなところがあるんだなあ、と思った。

子どもみたいな素直さ。
子どもみたいな頑なさ。
子どもみたいな臆病さ。
子どもみたいな無謀さ。
―――子どもみたいな、懸命さ。

薫の病気が分かった後、自分の感情を押し殺し、
自分自身に言い聞かせるようにしながら薫の傍にいようとする浩介。
一度解放されたはずの感情を、もう一度押し込めるような、その声音。
その切実さは、大人の理性と子どもの懸命さが微妙なバランスをとっていて・・・
薫が「かずやさん」と呼ぶたびに傷ついて、
それでも、自分がしっかりしていれば、と自分自身を責めるような呟きをする浩介の姿は、
母親に邪険にされても、母親を慕い続ける子どものようで―――
ああ、浩介の中には、母に捨てられた時のままの小さな浩介が隠れてるんだな、って、
そんな風に思ってしまったから、薫が消えた瞬間、なんだかほっとした自分がいました。

でも―――

薫のいない部屋で、抜け殻のようになってしまった浩介は、あまりにも哀しくて。
だから、薫の手紙を読んだ彼に、鮮やかな表情が戻ってくる様に、今度は逆にほっとしてしまったり(^^;)
そして、その手紙を頼りに、彼女を見つけた浩介。
彼に突きつけられたのは、やっぱり残酷な現実だったけれど。
それでも、柔らかに微笑みながら、自分の奥深くに抱きしめた“誰か”を描き続ける薫の隣に、
浩介はずっといつづけるんだろうな、と思った。
その時間は、もしかしたら浩介を傷つけるかもしれない。
彼は、また子どものように涙を流すかもしれない。
それでも、その限られた時間は、きっと彼にとっては幸せな時間なのだと。
彼にとっての、それが薫とのハッピーエンドなのだと。
薫の隣に座る浩介の笑顔と、力強い声に、そんな風に思って最後まで泣いてしまいました。
でも、泣きながら、私も笑顔でいられたと思う。

そんな、二人のハッピーエンドのカタチでした。

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