瓔珞の音

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zoom RSS 乖離する時間

<<   作成日時 : 2015/07/12 19:44   >>

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7月に入ってずっと続いていた雨が止んだと思ったら、一気に夏日になりましたねー(^^;)
お天気がいいのは嬉しいけれど、暑さとクーラーに弱い私としては、ちょっと恐ろしい季節になりました(笑)。
なるべく冷たいものは食べず、お腹に優しい栄養のあるものを食べて、
沢山睡眠をとって・・・と思っているのですが、
最後の1個だけはなかなか達成できません。
とりあえず、涼しくなってきたところで、ご飯の前に書きそびれていた観劇記録を。


「サンセット大通り」

2015.7.5 マチネ 赤坂ACTシアター 2階A列10番台

作曲:アンドリュー・ロイド=ウェバー
脚本・作詞:ドン・ブラック、クリストファー・ハンプトン
演出:鈴木裕美

出演:濱田めぐみ、柿澤勇人、鈴木綜馬、夢咲ねね、水田航生、浜畑賢吉、戸井勝海 他


3年前の初演を1回だけ観たこのミュージカル。
今回の再演は二組のダブルキャスト、ということでしたが、とりあえず、濱田・柿澤組のみの観劇となりました。
前回は1回の比較的前方席だったのですが、今回は2階席から。
ACTシアターの2階席ってほんとに高いですよねー。
最前列でも上から覗きこむような形になるので、臨場感、という意味ではちょっと物足りなさはありましたが、
あの豪華なセットときらびやかなアンサンブルシーン、
そして原田さんの照明の妙をじっくりと堪能することができました。

基本的な感想としては、たぶん初回と同じ感じかな。
主役の二人に関しては、役者さんが変わるとずいぶん関係性もイメージも変わるんだなー、と、
乏しい3年前の記憶を呼び起こされながら、興味深く拝見しました。

ノーマ役の濱田さんは、細かな表情が見えなかった分、
その歌声が創りだす“場”の力に惹きつけられました。
ノーマとマックスに関しては、もう本当に異次元的な場の重力があった気がする。
濱田さんのノーマから受ける印象は、多分設定されている年齢よりも若々しくて。
エキセントリックさはあったとしても、
まだまだ普通に女優としてやっていけるんじゃないかなー、と思う部分もありましたが、
マックスが自分の心情を唯一吐露するシーンや、ジョーに対する彼女の行動を見ていて、
ああ、ノーマはマックスと共にあることで、心と体の時間の流れが乖離してしまったんだなあ、と思いました。

確実に老いていく、肉体。
10代の未熟さを残したままの、心。
―――その乖離が生む、歪み。

そう在ることを望んだのが、ノーマなのかマックスなのかはわからない。
一度は夫婦となった二人が、
どんな経緯で主人と執事という―――囲い込む者と囲い込まれる者という関係になったのかはわからない。
けれど、あの屋敷の中には、二人だけの時間が流れていた。
そこにジョーという“異分子”が入りこんだことで、あの“場”は崩れ落ちた。

ラストシーン、階段から降りてくるノーマと、彼女だけの監督となったマックスのシーンはやっぱり圧巻で。
怒涛のように崩れ落ち、歪みを矯正するように流れ出した“二人の時間”の奔流に、
気づいたらやっぱり涙してしまっていました。


鈴木さんのマックス。
開演前のアナウンスがマックスで、
この声でこのテンションで言われたら従わずにはいられない、と思ってみたり(笑)。
・・・もしかしたら、ノーマもそうだったのかなー。
主従の関係ではあっても、実際に支配していたのはマックスで。
この人が全ての元凶なんじゃ感を強烈に感じてしまいました(笑)。

マックスの、ノーマへの愛情は本物で。
でも、それならばなおのこと、彼はノーマを手放すべきだった。
自分が過去のものになっていく、という現実を受け止めさせて、
その上で前に進む手助けをするべきだった―――そんなわかり切ったことをしみじみ思ってしまいました。

カーテンコールで、手を取って捌けていくマックスとノーマの穏やかな笑顔を見た時に、
ああ、もしかしたらこの二人にはこういう未来もあったのかもしれないなあ、と思って。
反対側に捌けながら二人を見送るジョーの笑顔が凄く優しくて。
なんだか泣けて泣けて仕方ありませんでした。


柿澤くんのジョーは、何というか優しすぎるのが罪!という感じだったかなー。
行き当たりばったり的な感じもするのだけれど、
それよりもむしろ、頼まれたら断れない、縋られたら突き放せない、求められたら与えてしまう・・・
そんなどうしようもない罪づくりな男、という印象でした。
そして、引き際を見定めるのがめちゃくちゃ下手な男だなー、って(え)。
追い詰められて飛び込んだあの二人の“場”。
そこから逃れるチャンスはいくらだってあった。
それを自ら悉く放棄したのは、ノーマに対する興味や同情と紙一重の愛情、
そして、彼女に突きつけられた“現実”への諦めや怯えがあったのかな・・・?
2幕冒頭のタイトル曲は、二人の“場”にとどまる自分自身への嘲りと、
それをどうにかして自分に納得させようとする賢明さのようなものが感じられて、
その素直さと屈折っぷりが、なんだか切なくなってしまいました。
ベティに対しても、自分が失ってしまった情熱や才能を愛しく思う部分と、
失ってしまった自分に対する自嘲がやっぱりあったし、
彼女の想いを受け止めるのも、彼女を愛したというよりも、
あの“場”から自分を“現実”へと引き戻す命綱として縋りついた、という印象の方が強かったかなー。
抱きしめ合う二人の、幸せにとろけるようなベティの表情と、
緊迫感さえ感じられるジョーの背中の対比が残酷だなあ、と思いました。


夢咲さんは、たぶん初見。
可愛くて素直で、でも強気で野心家。
凄くいい家のお嬢さんで、歪みなく年を重ねてきてる感じ。
そういう意味ではノーマよりも大人なのかもしれないな、と思ったり。
でも、水田くんのアーティの、如才なさとかまっすぐな正しさとか、そういうものよりも、
全てを見せてくれない、でもふとした瞬間に距離を縮めてくるジョーの不安定さに心惹かれちゃうあたり、
彼女自身も幼いのかもしれないけれど。


アーティ役の水田くんは、ロミジュリのマーキューシオ以来かな。
ちょっと持っていたイメージと違っていて新鮮でした。
浜畑さんのいぶし銀的な存在感は、やっぱりとっても好き。
アンサンブルさんは、今回もとってもハイクウォリティ。
撮影所のシーンや、仕立て屋さんやエステ(?)のシーンは、その動きの複雑さや秀逸さに加え、
安心して聴ける歌声を堪能させていただきましたv
1回では、どなたがどの役をしているのかとか、それぞれの役の関係性とかまではわかりませんでしたが、
そういうのがわかると、更に楽しいんでしょうね。


なんだかやっつけな感じの記録になっちゃってすみません(^^;)
安蘭さんと平方くんのペアも観てみたい気もするのですが、残念ながら機会がなく。
でも、これ、組み合わせが固定でなかったら、絶対4ペア観ちゃってた気がする・・・
うーん、それはそれで残念なような安心なような?(笑)

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