瓔珞の音

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zoom RSS とけていく呼吸

<<   作成日時 : 2015/09/05 18:31   >>

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8月の末から、なんだかとっても涼しい日が続きましたね。
雨の日も嫌いじゃないけど、1週間も青空が見えないのはやっぱりちょっと寂しいなあ。
昨日今日は久々に青空が見えてちょっとほっとしました。
人間も生き物だから、やっぱり太陽がないと生きていけないね。

さて、洗濯物も干せたので、のんびり観劇記録を。


「100万回生きたねこ」

2015.8.29 ソワレ 東京芸術劇場プレイハウス 1階C列一桁台

原作:佐野洋子
演出・振付・美術:インバル・ピント、アブロシャム・ポラック
脚本:糸井幸之介、戌井昭人、中屋敷法仁
音楽監督:作曲:阿部海太郎
作曲:ロケット・マツ
作詞:友部正人

出演:成河、深田恭子、近藤芳正、田口浩正、石井正則、銀粉蝶、藤木孝
    江戸川萬時、加賀谷一肇、鈴木竜、川合ロン、皆川まゆむ、清家悠圭、鈴木美奈子
    山口真美、西山友貴、トオヤマタケオ、中村大史、権藤まゆ、BUN Imai


空間や照明、音楽、ダンス、衣裳、言葉―――全てが印象的だった初演から2年。
主演キャストを変えての再演に行ってきました。

初演は2回観ていて、TVで放映されたのも見ていたのですが、そこは私の心許ない記憶力(笑)。
劇場に入って、あの額縁のようなセットを見て、幕が上がり、小さな家から女の子が飛び出して・・・
徐々に徐々に、ああ、そうだ、ここはこういう世界だったのだ、と思い出して行きました。
初演とはキャストも違うし、細かい演出も違っているのだと思うのだけれど、さすがにそこまではわからず。
ただ、初演で魅了された可愛らしさと驚きと不思議と孤独に満ちた世界観はそのままで。
やっぱり今回もとっても魅了されたのでした。
基本的な感想は初演の時と変わらないので、今回は役者さんのことを少し。

ねこ役の成河さんは、さすがの身体能力!
ちょっと口を尖らせたような表情と、
しかたないなー、と思いながらもちゃんと飼い主に寄り添っているところが、
とっても猫っぽくって可愛らしくv
そうなんだよねー、猫って本当に傍にいてほしい時は、ちゃんと傍にいてくれるんだよね。
そんな、ちょっと孤高な感じの佇まいと、2幕での歌声の甘さのギャップが素晴らしく!
いやでも、あの歌声はほんとに素敵でした。
また、バリバリのミュージカルに出演してくれないかなー。

女の子としろねこさん役の深田恭子さん。
TVでのイメージが強かったので、正直どんな風に演じられるのか想像もつかなかったのですが、
なんとも可愛らしくまろやかな雰囲気でした。
満島さんの女の子は、どちらかというと、
子どもの持つ頑なさや残酷さが前面に出ていたように記憶しているのですが、
深田さんの女の子は、それよりも“孤独”を強く感じました。
澄んだ可愛らしい歌声。
縋りつくようにねこを追いかける必死な表情。
この子は、どうしてこの部屋に一人でいるんだろう。
この子は、どんな家族に育てられたんだろう。
この子は、どんなふうに生活をしているんだろう。
―――こういうミュージカルで、こんなことを考えるのはもしかしたら間違っているのかもだけど、
なんだか、彼女の背景がとても気になりました。

ああ、でも、それは他の“飼い主”たちも一緒かな。
女の子よりは、その背景が描かれているようにも思うけれど、
この舞台で描かれているのが、彼らとねこの、ある意味最後の瞬間で。
だから、彼らの出会いや、それまでに積み重ねてきた時間にちょっと思いを馳せてみたり。
そんな風に見ていたからかな?
1幕で描かれるねこと飼い主たちのエピソードはそれぞれに切なくほろ苦く。
光の演出とあいまって、幾何学模様のステンドグラスや万華鏡をのぞいているような気持になりました。

深田さんに話を戻しまして。
しろねこさんは、まさに“まろやか”という形容詞がぴったりな雰囲気。
しなやか、というよりもまろやか。
とても静かな佇まいなのに、なんだかとっても気になる感じ。
ねこがしろねこさんに心惹かれていくシーンは、席の位置的にも、
ねこな成河さんに視線を奪われていたのですが、
初めての感情に戸惑いながらも、その感情が喚起する衝動に抗うことができないねこさんがとても鮮やか!
そんな風に、彼を掻き立てるだけの何かが、あのしろねこさんにはあったなあ、と思いました。

二人が寄り添ってからのシーンは、やっぱりほんとに大好き!
しりとりで繋がっていく言葉。
その言葉が紡ぐ彼らの時間―――
その一つ一つが、なんだか彼らの呼吸のように感じました。
呼吸のように自然で、何気なくて、でもなくてはならなくて。
徐々に重なって―――そして離れていく彼らの呼吸のリズム。
それを見ていた時に、ふと、大好きなバンドくんの曲の一節が思い浮かびました。

「息をするたび、死へと近づく」

無意識に、絶え間なく、永遠さえも感じさせながら、いつか必ず終わりが来る。
彼らの紡ぐ時間の先には、必ず“終わり”があって。
その“終わり”には“別れ”があって。
そして、その次の“いのち”には、彼女は、いない―――

最後のねこさんの慟哭は、それまでの静かでどこか冷めた彼の時間を壊すような激しさがあった。
これまで描かれてきた象徴的で美しい涙ではなく、
剥き出しの感情が、痛みさえも感じさせるような激しさ。
それは、私自身の喪失の記憶、後悔の記憶を掘り起こして・・・やっぱり泣けてしまいました。

ラストシーンでは、しろねこさんの後を追うようにして息絶えたねこさんを、
彼のこれまでの飼い主さんたちがしずかに見つめます。
彼らの流した涙にに、ねこさんの涙が加わったことで、
彼ら自身の物語も本当の終わりを迎えたのかもしれないな。
そんな風に感じました。


うん、書いてみて、やっぱり基本的な印象は初演と変わらないことを確認。
もちろん、役者さんで違う部分もあるのだけれど、“物語としての芯”がとても強いんだろうな。


王様な近藤さんも、今回初参加。
なんとものんびりで人のよさそうな王様で、
それに合わせてか銀粉蝶さんのお妃さまも、前回よりもちょっと情が深くなったような印象。
泥棒のお二人の飄々とした雰囲気はやっぱりとっても和むv
でも、泥棒のシーンの、いろんなところから二人が出てくるトリッキーな演出は、
見ていてちょっとドキドキします。
そして、あの犬はやっぱり犬ではないと思ってみたり(笑)。
海の幽霊の時の藤木さんの歌声、本当に麗しいv
そして、このシーンのタンゴも、本当に美しいv
一転して、船のりさんの物語は割とシビアと言うか視野が狭い感じがなんとも見ていて辛い(^^;)
田口さんの船のりさん、なんだかちょっと怖いのは私だけかなー。
手品使いの物語は、助手の彼が出てきたときに、ああ、初演はこの役大貫くんだったんだよねー、と思っちゃった。
そういえば、初演は大貫くんを探せ!状態だったけど、今回はそういうことはなかったので、
とても心穏やかに、ダンサーさんのダンスを楽しめたように思います(笑)。
特に、2幕のバーレッスンみたいな猫たちのダンスは本当に素敵でした!
同じ動きの繰り返しなのに、なんだかとても意味深で、ずっと見ていたいような気持になりました。
衣裳が少しずつ違うのだけれど、ねこさん以外は耳が黒いんだな、ということに初めて気づいてみたり。
あ、そういえば、お魚さんも3人ともそれぞれ顔が違うんですね!
これも今回初めて気づきました(笑)。
銀粉蝶さんのおばあさんのシーンは、とにかく台詞で聞かせるシーンだと思う。
もちろん、動きや表情も豊かなのだけれど、静かな言葉の力が感じられるなあ、と思いました。
ちょうど、実家の猫を亡くしたところだったので(22年生きたので、大往生です)、
なんだかとっても切なかったなあ。

いろんな楽器を使っての演奏は、今回も楽しませていただきましたv
アコーディオンの音色の豊かさに、今回も魅了されてみたり。
ラストシーン、演奏の盛り上がりと共に草原にぱっと花が咲きました。
今回は全部ピンクのお花だったかな。
前方サイド席の観劇だったので、役者さんの表情は良く見えたけれど、
舞台の全体を見渡すことができなかったのがちょっと残念だったかなー。
手品使いさんの登場シーンも良く見えなかったし。
今度再演されることがあったら、今度は2階席からも見てみたいな、と思います。
というか、TV放送よろしくお願いします!!


そうそう、途中思い浮かんだバンドくんの曲は、QLTONEさんの「宇宙数」という曲です。
ライブで初めてこの曲を聴いて、彼らに興味を持ったんだよね。
こちらで聴けますので、ぜひv
(19分過ぎからの最後の曲ですが、他の曲もいいよー!)
ああ、彼らのライブに行きたい・・・

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