瓔珞の音

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zoom RSS 鶯は未だ鳴かず

<<   作成日時 : 2016/04/03 12:07   >>

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昨日はちょっと寒かったけど、それまでの暖かさで一気に桜が満開になりました。
今年の桜は急ぎ足ですね。
そういえば、今年はまだ鶯の声、聞いてないなあ。
春の来るのが早すぎて、まだ練習ができてないのかな?(笑)


いのうえ歌舞伎≪黒≫
「乱鶯」

2016.3.27 マチネ 新橋演舞場 2階5列10番台

作:倉持裕
演出:いのうえひでのり
出演:古田新太、稲森いずみ、大東駿介、清水くるみ、橋本じゅん、高田聖子、粟根まこと、山本亨、
大谷亮介、右近健一、河野まさと、逆木圭一郎、村木よしこ、インディ高橋、山本カナコ、磯野慎吾、
吉田メタル、中谷さとみ、保坂エマ、村木仁、川原正嗣 他


大人の新感線、と銘打たれた今回の公演。
例のごとく、当日プログラムを買うまで出演者も知らないという状況での観劇だったので(汗)、
開演前にいのうえさんや倉持さんのコメントを読みながら心構えを作ってみたり(笑)。
新感線そのものが結構久しぶりなので、ちょっといろいろ戸惑いましたが、
周期的に時代小説ブームがくる性質なので、時代背景もいろいろ深読みできたし、
なにより真正面から役の心情を描き出す時代劇として、面白く見ることができました。
歌も踊りはなく、遊びや笑いの要素もかなり限定されて、
膨大な台詞でのやり取りを、最初と最後を締める殺陣や、
要所要所に挟みこまれる江戸時代の風俗でメリハリをつけてた感じ?
着物の柄や色合わせも、今とは違う感じで、それこそ「あさが来た」の最初の方に近い感じで、
興味深かったです。
祖母の茶箱から見つけた着物と似たような色合いの着物を稲森さんが着ていて、
なるほど、あの色合いにはああいう色の帯がいいのか、と一人で頷いていたり(笑)。

物語としては・・・うーん、私がたぶんちゃんといろいろ理解できていないんだと思うのですが、
自分の中に深く迫ってくるものはあんまりなかったかな。
えええ?そうくるの?!っていう意外性というか、容赦のない感じは好きでしたが。
今回は割と後ろの方の席だったし、もっと前方で役者さんの細かい表情を見たりとか、
複数回観たりすると違ったものが受け取れたかもしれませんね。
この人が裏切るんじゃ?とか深読みしたりもしたけど、
最初から最後まで悪役は悪役、そうでない人はそうでない、というまっすぐさもむしろ新鮮(笑)。


鶯の十三郎役、古田さん。
登場シーン、鳥肌が立つくらいかっこよかったです!
普通に花道を歩いているだけなのに、視界の端に入った途端、意識を持っていかれるあの存在感ときたら!
源三郎と名前を変えてからの、飄々とした雰囲気も良かったです。
完璧で完全無欠な盗賊の首領なのかな、と最初は思ったのですが、
その後の彼の行動って、正直凄く杜撰というか思いつきというか詰めが甘いというか独りよがりというか(^^;)
鶯の十三郎だった時には、そういう男だったのかもしれないけれど、
過去の自分を過信しちゃって、目の前の現実が見えてない雰囲気にハラハラしました。
まあ、彼の中では恩返しとか敵討ちとかいろんなものをちゃんと考えてるんだろうし、
譲れないものや許せないものもあるんだろうな、と思うんだけど、
誰かを利用する自分は知ってても、利用される自分は知らない・・・そんな危うさが合ったように思います。
とはいえ、終盤の殺陣は本当に素晴らしかったし、
あのラストシーンには、もう全部押し流された感じではありますが。

居酒屋の板前に戻り、亡き恩人の妻と想いを交わし合い、
未来の約束をしながら、花火見物に女を送り出した後、
一人、隠していた刀を取り出して、自分から大切なものを奪った男を待ち構える十三郎。
遠目には、半分影になった彼が笑っているように見えて。
その笑みとは裏腹に、彼の全身から立ち上る陰惨な雰囲気に、私も呑みこまれてしまうように思いました。
音楽が消えた途端、自分の鼓動が体に響いてちょっとびっくりした。
あの後、敵を殺すことで、彼が十三郎の全てを過去のものとして、源三郎として生きて行けたのか。
彼とお加代は穏やかな未来を歩めたのか。
それとも、あの陰惨な闇は、常に彼と共に在り、いつしか彼を呑みこんでしまったのか―――
描かれないその先が、とても気になりました。


この物語の中で、古田さんと同じくらいかっこいい!と思ったのが、聖子さん演じるお幸。
もともと聖子さん大好きなんですけど、
大店の女将さんとしての強さとか信念とか情とか、そういうものがビシバシ伝わってきて、
お幸の最期には涙を抑えることができませんでした(;_:)

稲森さんのお加代は、言葉の強さとは裏腹に、「一人では生きていけない」という言葉が納得の弱さと、
その上での強がる様子がとても美しく。
でも、この人は幸せになれなそうだなあ、と思ってしまった(^^;)
お加代は、源三郎の―――十三郎のことをどこまで知っているのかな。
知っていて、その上で知らないふりをしているというよりも、
知ることそのものを忌避して、ただ今目の前にいる男との未来を望んでいるように見えました。
うーん、それが十三郎の暴走を加速させたのかもしれないなー(え)。

山本さん演じる小橋様は、出演シーン自体は短いのですが、
その中でぶれない存在感をきちんと見せてくださって、その重さが響きました。
じゅんさん演じる火縄の砂吉も、小橋様とは対極にありながら、
同じようなぶれなさが見事な悪役でございましたv
悪役で、やってることはとんでもないんだけど、そういう芯の通った感じが、
見ていて凄く心地よかったり・・・うん、やっぱり十三郎は見ててちょっと落ち着かなかったんだな(笑)。

大東くんの小橋貞右衛門は、一生懸命だけど空回りするお坊ちゃん。
だけどそのまっすぐさがやっぱりぶれないのが、小橋様の息子だなあ、と。
丹下屋に侵入捜査中の場違いさに、ちょっと気持ちが和んでみたり(笑)。
彼の最期の潔いあがきも、とても良かったです。

清水くるみちゃんは、ロミジュリ以来かな?
気風の良い町娘、という感じで可愛かったですv
貞右衛門との初々しい雰囲気も良かった。
その分、貞右衛門の亡骸に縋ってのあの慟哭には気持ちが揺さぶられました。

そして、忘れちゃいけない粟根さんの勘助!
生きてる時の雰囲気も素敵でしたが、幽霊になってからの奔放さと怪しさが素晴らしかった!
すっぽんを使ってのお約束な笑いもありつつ、
十三郎に関わりながら、幽霊としての分を弁えてるというか、
最後の最後で突き放すような雰囲気に、すっと気持ちが冷える感じがしました。

鶴田屋や丹下屋のシーンでの笑いとか、新感線だなあ、と思うシーンもありつつ、
確かにこれはこれまでの新感線とは違うな、という意識の方が強かったかな。
ただ、個人的には、その差というか線引きがちょっと曖昧かな、とも思いました。
それが狙いなのかもしれないけれど・・・まだちょっと迷走中な印象もあったり。
≪黒≫と銘打たれる公演がこれからもあるのだと思いますが、
これから更にその黒を深めていってほしいなあ、と思います。

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