瓔珞の音

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zoom RSS 彼の正義

<<   作成日時 : 2016/06/16 21:58   >>

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最近TVをつければ映っていた某知事さんが辞職されましたね。
某知事さんのしたことや発覚後の対応の是非であるとか、
マスコミや世間の反応如何であるとか、
まあ、いろいろ思ったことはあるのですが、ここはそういうのを書く場所ではないので。
ただ、某知事さんだけでなく、政治の中で、何かしらのトップに立った人って、
なんだかどんどん顔つきが変わっていきますよね。
変わり方はいろいろだけど、いい方向に変わった人って思いつかないなー。
どんなに真摯に政に取り組もうとしている人も、権力を持って、
与えられるモノに慣れて、それを当然だと思うようになってしまったら、
変わらずにはいられないのでしょうか・・・?
それが人間ということなのかな?

このお芝居の彼もまた、手にした力の在処を見失った人なのかもしれないな。


彩の国シェイクスピア・シリーズ第32弾
「尺には尺を」

2016.6.5 マチネ 彩の国さいたま芸術劇場 大ホール 2階U列10番台

出演:藤木直人、多部未華子、原康義、大石継太、廣田高志、間宮啓行、妹尾正文、岡田正、清家栄一、
飯田邦博、新川將人、野辺富三、周本絵梨香、鈴木彰紀、堅山隼太、手打隆盛、掘源起、松田慎也、
内田健司、浅野望、小島幸士、藤巻勇威、立石涼子、石井愃一、辻萬長



物語の舞台はウィーン。
街を治める公爵(辻萬長)から、彼が留守の間の全権を委任されたアンジェロ(藤木直人)は、
いままでなあなあになっていた法を厳しく順守させるべく、街を取り締まり始めました。
結婚前に恋人を身ごもらせてしまったクローディオ(松田慎也)は、
その法の下処刑を宣告され監獄に入れられてしまいます。
兄の友人ルーチオ(大石継太)からそのことを知らされた修道女見習いのイザベラ(多部未華子)は、
伝えられた兄の願いを聞き入れ、アンジェロの元へと兄の助命嘆願へ向かいます。
法の名の下、彼女の懇願に見向きもしないアンジェロですが、
イザベラの聡明さと純真さに心惹かれてしまいます。
そんな自分の気持ちに思い悩みながら、再び訪れた彼女に、思わず告げてしまいます。
兄を助けたいのであれば、自分のものになれ、と。
神に全てを捧げる修道女となるべく精進してきたイザベラは、その要求の罪深さに慄き、
その要求を拒絶し、それを知って懇願するクローディオをも拒絶します。
そんな様子を見ていた一人の修道士―――に姿をやつしてアンジェロの采配を見ていた公爵は、
イザベラにとあるたくらみを提案し―――

というようなお話。
終盤のクライマックスを観ていて思ったのが・・・

シェイクスピア版水戸黄門???

でした(笑)。
いやー、最後に修道士=伯爵だと明らかになった瞬間、幻の印籠が見えたよね(え)。
どちらかというと、前半のアンジェラの思考回路の方が理解しやすい私としては、
後味が良いのか悪いのか、ちょっと判断に迷うようなお話でしたが、
うん、楽しかったかな。

セットに描かれた神様たち(かな?)が見守る空間の中で描かれる、
清廉と欲望。
正義と罪悪。
正論と現実。
どちらが正しいのかは、一概には言えなくて・・・
その複雑さを力技でねじふせるかのような終盤の怒涛の展開にあっけにとられ、
公爵の最後の言葉に内心で思いっきりツッコミを入れさせていただきましたよ(笑)。

ちゃんと読みこめば、きっと深い意味がたくさんあるお芝居なのだと思いますが、
なにしろ一番の感想が上記なので(笑)、きちんとした記録はできそうもなく・・・

ので、役者さんの感想をぽつぽつと。

イザベラ役、多部未華子ちゃん。
これまで舞台で観た彼女は、どれも大好きな私ですが、今回のイザベラも好きだったなあv
良く磨かれた大理石みたいに硬質な凛とした残酷さと頑なさは、本当に美しく。
年齢設定としては10代半ばくらいなのかな?
未成熟であるが故の危うさも感じられたり。
別の方向から見れば、融通が利かなくて思い込みが激しい暴走娘なのかもしれませんが、
ちゃんと情や苦悩も感じられて、それでも基本は決してぶれない。
そんなイザベラの在り方は、それはアンジェロもよろめくよ、とすんなり思ってしまいました(笑)。
だって、ある意味アンジェロが守ろうとしている“法”と通じる部分がありますよね?
彼女が最後の公爵の申し出を受け入れたのかどうかは描かれないけれど、
受け入れるにしろ拒絶するにしろ、彼女の本質はきっと変わらないんじゃないかと思う。
最初と最後、彼女が空に放った小鳥が何の隠喩であるのか、ちょっと気になりました。

アンジェロ役藤木さん。
舞台で拝見するのはかなり久々かなー。
今放送されている某ドラマの印象が強くて、ちょっと混乱しましたが、
あの重厚な衣裳がとてもお似合いでかっこよかったですv
羽織っている布が、権力を得る前とその後で変わっていて、どちらもとても綺麗な織で意味深でした(笑)。
衣裳を観るには1階席がいいのですが、2階席だと全体が見えるし、どちらも捨てがたいですね。
アンジェロは、話が進むにつれてどんどん小物になっていくような、というと語弊があるか。
えーと、どんどん人間らしくなっていくような気がしました。
これまで、必要なものと不必要なもの、有用なものと無用なもの、美しいものと見にくいもの、
全てをきっちりと線引きしてきた彼の中に初めて生じた割り切れない感情。
その感情に振り回される彼の迷走っぷりは、世慣れた公爵との対比もあって、
何とも幼いというか脆いというか修行が足りないというか(笑)。
終盤、自らの罪をイザベラから突きつけられた時、保身に走る姿の浅はかさには、
なんだか呆れを通り越して哀れになってしまいましたよ。
あそこで、潔く自らの罪を認めて、イザベラに求婚でもすれば、むしろ男を上げたのになー(笑)。
でも、全てが解決した後、自分を庇った新妻を抱きしめる手が少しだけ躊躇っていたところに、
彼の悔恨と未来の明るさが見えた気がしてちょっとほっとしました。
マリアナ(周本絵梨香)が、ああまでして彼との結婚を望んだのが、
あんな仕打ちをされても彼を愛していたからなのか、
復讐の第一歩なのかはわかりませんが(え)。

この物語、数組のカップルができて終わるのですが、
クローディオとジュリエット(浅野望)は特に幸せになってほしいなあ。
クローディオは情けないお兄ちゃんだし、浅はかなところはあるのかもしれないけど、
その分とても人間的だったし、この物語のカップルの中で、一番妻を愛しているように思えたので。
ジュリエットも、ちゃんと覚悟―――子どもを産み育てる覚悟を持っているように思えました。
それにしても、イザベラの容赦ない平手打ちには唖然としました。
お兄ちゃん、頑張れ!(笑)

とはいえ、一番男前!と思ったのは廣田さんの監獄長かなあ。
凄いいい声で、職務を大事にしつつも、自分のなかの正義をしっかりと持っている人でした。
アンジェロのように、形だけをなぞった正義ではなくて、自分の経験から削り出した正義の形。
この人の昇進は当然だと思ったよね(笑)。

そういえば、監獄でイザベラと修道士な公爵が話をしているシーン、
2階席からだと全体が見えたので、それぞれの監獄の中の囚人たちの様子が見えたのですが、
大体が寝ている中で、上手奥の監獄の二人はなんだかいろいろやっていて気になりました。
何かの取引? もしくは恋の駆け引き?(おい)
手前にいた細っこい後ろ姿は内田くんかなー、と思ったのですが、
だとしたら、おバカ貴族なフロスとの落差が素晴らしい!(笑)

辻さんの公爵は、いたずらっ子みたいな笑顔が微笑ましくv
まあ、あの場にいる全員が何かしら彼に騙されているわけなので、
騙された側としてはそんなことも言ってられないでしょうけど(笑)。
清濁併せ持っていて、法のために人があるのではなく、法は人のためにあるのだということを知る、
多分、凄く“大人”な存在、なのかな?
いや、公爵は自分の欲望に忠実なだけだな。
そうであるからこそ、公爵はあの街の正義も罪も、美しさも醜さも、
全て掌握することができているのだと思います。
・・・でも、公爵はイザベラに手ひどく振られるといいよ!(笑)

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