瓔珞の音

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zoom RSS 瓦礫の薔薇

<<   作成日時 : 2017/01/25 22:22   >>

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焼け落ちた城の瓦礫の中。
小さな炎のように咲く真っ赤な薔薇。
それはきっと、誰かに向かう彼らの想いの名残。


「フランケンシュタイン」

2017.1.21 ソワレ 日生劇場 1階I列30番台

出演:中川晃教、小西遼生、音月桂、鈴木壮麻、相島一之、濱田めぐみ、朝隈濯朗、新井俊一、
    後藤晋彦、佐々木崇、当銀大輔、遠山裕介、原慎一郎、丸山泰右、安福毅、彩橋みゆ、
    江見ひかる、可知寛子、木村晶子、栗山絵美、谷口あかり、原宏美、福田えり、山田由美子、
    難波拓臣、寺田光


というわけで、マチネと変わりましてソワレはアッキーと小西くんのペアについて。

アッキーのビクターは、他を圧する天才の部分と、繊細で思慮深い普通の青年の部分が、
とても複雑に混ざり合った存在だな、と思いました。
エキセントリックで危険な思想の科学者のように見えながら、
けれど彼の中には、きちんとしたぶれない芯があった。
それは、彼にとって何よりも大切なものが、生きている人の命であり、
生命創造は、あくまで生きている人たちの未来のためであること―――
だから、アンリを助けるために自らの罪を告白するのにも、何の躊躇もなかった。
その前の♪僕は何故? も科学者としての自分に問いかけ、説得するというよりも、
自分の中の気持ちを確認している過程のように感じられました。
なんというか、かっきーのビクターとは見つめる先の距離感が違っていたように思う。
かっきービクターは、目の前にある人体を再生し、命を創造することを望み、
アッキービクターは、命を創造することで開ける未来を見つめているような・・・そんな感じかな。
彼が創り出そうとしたのは、あくまで“アンリの命”なのかなって思った。
だから、観ていて怖さより哀しさが、危うさよりも優しさが強く感じられたように思います。

また、リトル・ビクターの難波くんが、迸るような才気を感じさせる子で!
アッキービクターとの親和性が凄く強いなあ、と思いました。
彼が命の仕組みについて歌うシーンは、
幼い少年の未熟な自我が天才としての自分自身に飲み込まれていくような様が、
なんとも不安を掻き立てて・・・これはエレンもルンゲも放っておけないよ!と(笑)。
ジュリアの仔犬の一件を経て、小さなビクターは自分の中に在る“天才という怪物”が、
そのもう一人の自分が求めることが、神の摂理に反していることに気づいた。
そして、それが周りの人たちを傷つけることにも。

「僕と一緒にいると呪われる」

一幕でリトル・ビクターが、二幕でアッキービクターが、リトル・ジュリアに言うこの言葉。
そこに秘められた、少年の深い絶望と、それでもなお、消えることのない希求と決意―――
ジュリアと、エレンと別れ、一人になった彼が、
自分の中の“怪物”と時に闘いながら、時に折り合いながら続けていった研究。
大切な誰かを傷つけないために、ただ自分自身と向き合うようにして生きてきたビクター。
アンリを魅了した、輝くような未来への情熱と、
ジュリアやエレンと対峙した時に、ふと垣間見える不器用な切望。
エレンやルンゲとの間にある絆が確かに感じられるのとは裏腹に、
彼らを傷つけることを恐れて手を伸ばすことのできない彼の切なさ。
その歌声や表情が伝えてくる、そんないくつもの“ビクター”をつなぎ合わせるのが、彼の持つ強い芯で。
何て、強くて綺麗で孤独で哀しいビクター何だろう、って思いました。

そんなビクターと出会う小西くんのアンリは・・・めちゃくちゃ懐の深い男だ!と思いました。
なんですかあの母親のようにビクターを包み込む優しさは?!
ビクターに対して、憧れのような気持ちもあるけれど、
個人的には小さい子をほっとけないお兄ちゃんとかお母さん的なものを感じてしまいました。
特に酒場のシーン(笑)。
ある意味、エレンと凄く通じるところがあるのかな?
歌声も優しくてねー。
席の関係か、ちょっと歌詞が聞き取りにくいところがあったのだけれど、
まろやかで優しい歌声が、更にアンリの優しさを感じさせてくれました。
まあ、大切な相手以外には結構シビアな感じもありましたが(特に酒場のシーンその2(笑))。
でも、マチネの加藤アンリで、怖い、と感じた笑顔も、
その後の監獄でのビクターへの歌が、ビクターを追い詰め一線を超えさせるような意図のあるものではなく、
純粋に彼を、彼の創りだすであろう未来を守るためにしているのだと、
すんなり納得できてしまう雰囲気が、小西アンリにはあったように思います。
で、そういうアンリだったからこそ、ビクターは彼を生き返らせることで、
彼と共に歩んだはずの未来を望んだのかな、と。
そんな風に思いました。

そういえば、この監獄のシーンで、階段に座ったアンリの脇に、赤い薔薇が咲いていることに気づきました。
意識して見てみると、セットのあちこちにその小さな花は咲いていて。
闇に沈んで見えないこともあれば、暗い舞台の上の細いライトの中で光を纏っていることもあった。
そして、ふと思ったのです。
誰かが誰かを想っている時、誰かへの愛を語っている時に、この薔薇は光の中にあるのかもしれない、と。
ジュリアがビクターを想う時。
エレンがビクターを想う時。
アンリがビクターを想う時。
ビクターが、ジュリアを、エレンを、アンリを想う時―――
その薔薇は、まるで彼らの想いが形を成したかのように、静かにひっそりと、
けれど強い情熱を秘めてそこに在った。
これは私の思い込みで、単なるライトの加減なのかもしれないけれど、
でも、そんな風に思ったら、なんだか違う景色が見えてくるような気がしました。
北極の諸々の時は、いろいろ気持ちを持っていかれちゃって、薔薇までは気が回らなかったのだけど、
あのシーンでも、あの薔薇は咲いていたのかなあ・・・?

話をアンリに戻しまして・・・というか、“怪物”に移しまして。
小西くんの“怪物”は、結構最初からいろいろわかってたんじゃないかな、と思いました。
アンリとしての記憶が戻ったのはずっと後だったとしても、
アンリの頃に得ていた知識や感情は彼の中にきちんとあった。
でも、それを表現する術を、生まれたての彼は持っていなかったのかなあ、と。
助けたカトリーヌを抱き上げて現れた時も、明らかにエヴァに向けて何かを訴えかけているようだったし。
カトリーヌと心を通わせるシーンもそう!
言葉はたどたどしいのに、行動はめちゃくちゃジェントルだった気がする(笑)。
だって、カトリーヌの涙をぬぐってあげちゃったりするんだよ?
彼女を抱き上げてくるくる回るのとかも、ある意味見事にカトリーヌをエスコートしちゃってる。
この二人の間には、見事に恋が芽生えてる!と思ったよね(笑)。
加藤“怪物”とカトリーヌの関係性としては、
寄る辺ない子ども同士だけどカトリーヌがお姉さん、という感じだったけど、
小西“怪物”の場合は、カトリーヌは彼にとって守る相手であり、
カトリーヌにとっては初めて縋ることのできる相手、という感じだったんじゃないかなあ、と。
だからかな。
カトリーヌに裏切られ、エヴァたちに打ち捨てられた後の♪俺は怪物 は、
怒りや憎しみよりも先に、ただひたすらに哀しみが満ちてくるように感じました。
そしてそれが徐々に怒りに、憎しみに、復讐心に変化していく―――
歌の終わり、壊された体を無造作に直す姿に、なんだか初めて小西くんの“怪物”を怖いと感じました。

ビクターの前に現れ、彼を“創造主”と呼び、復讐を遂げていく“怪物”。
個人的には、この時点では既に彼はアンリの記憶を取り戻してると感じました。
取り戻していて、それでもなお頑なにビクターを“創造主”と呼ぶ“怪物”。
もしかしたら彼は、復讐をしながらビクターを試していたのかな、とも思った。
大切な誰かが死んだとき、彼はまた自分のような哀しい“怪物”を創り出すのかどうか―――?
そして、ビクターはエレンを生き返らせようとした。
その事実を、“怪物”はどう思ったのだろう?
エレンを生き返らせることで、ビクターが望んだ未来を、“怪物”は感じたのだろうか。
自分が、あの冷たい鉄のベッドの上で生まれた時も、ビクターは未来を望んでいたことに、
“怪物”は気づかなかったのかな?
あの後ジュリアを殺してるから、そのことには気づいてないのかな、と思いつつ、
北極で佇む“怪物”や、迷子の少年とのやりとりを見ていると、
気づいていたのかもしれないなあ、なんて思ったりも。
お話の終わりに、少年に触れる小西くんの“怪物”の手からは殺意は感じなかったな。
むしろ慈しむような優しさが感じられた。
それは、自分を追ってきたアンリに向けても同じだった気がする。

ビクターに銃を突きつける瞬間の、
そしてビクターに自分を撃たせようとする瞬間の“怪物”の顔は見えませんでした。
でも、ビクターの戸惑うような、恐怖の中なのにどこかほっとしたような表情に、
もしかしたら“怪物”の中のアンリにビクターは気づいたのかもしれないな、と思いました。
というか、“怪物”を撃った後のビクターがね・・・(;_:)
地面を叩きながら必死で傍に行き、アンリに覆いかぶさるようにその身体を抱きしめて、
アンリの名前を呼ぶビクター。
振り絞るようなその歌声に込められた感情。
その流れを私はしっかりとはとらえきれていないのだけれど、
なんだか復讐と言うよりも無理心中みたいだなあ、なんてちょっと思ってしまいました・・・
いやそれはさすがに絶対違うだろうと思うけど(^^;)

うーん、ほんとになんて妄想のしがいのあるミュージカルなのかしら!(笑)
主役二人のことしか書いていないので、アッキービクターと他の方たちのことも少し。

二幕のアッキービクターは、ジュリアにちゃんと向き合ってたな、と思う。
“怪物”が現れて、その均衡は狂ってしまったけれど、
彼の目はちゃんとジュリアを見ていた。
というか、ほんとに子どものころからこの二人は相思相愛だったんだろうな、と、
場違いにもちょっと微笑ましくなってしまいましたv
まあ、あの流れで次はジュリアと思わずに、どうして彼女から離れちゃったの?!と、
問いつめたくもなりましたが(^^;)

ルンゲに対しても、ちゃんと信頼があったかな。
見事なツンデレだけれども(笑)。
アッキービクターは、自分に向けられたエレンの愛情も、ルンゲの慈しむ眼差しも、
ちゃんとわかってたんだろうな、と思う。
なので、ジャックとイゴールもちょっと仲良しだった気がします(笑)。

というか、アッキーのジャックも凄かった・・・
かっきーのジャックに比べると、普通の人感が強くてちょっと安心して観れました(笑)。
なんというか、行動が予測できる範囲内というか。
かっきージャックは、全然予測できなくて、なんだか昆虫みたいで怖かったんだよね(え)。
「彼、最近思春期で・・・」というシーン、毎回アドリブなのかしら?
まだ言い始めたところでエヴァに扇子でパシって叩かれて、
「まだ言ってない・・・」て口を尖らせてたのが可愛かったですv
“怪物”がチューバヤと戦うところで、“怪物”の異変にいち早く気づくところとか、ちょっと頼りがいありそう?
・・・と思ったのですが、その後のエヴァの行動に震えあがってるのがちょっと情けなく(笑)。
いやでもあのシーンはほんとにえぐいよね・・・直視できなくて、ひたすらジャックを見てました。
ジャックとエヴァの最後の台詞は、なんというか凄く意味深だなあ、と思いつつ、
二人の仲の良さに、実はラブラブなのでは?!と思いました(笑)。

さて、アッキービクターとの小西アンリの印象はこんな感じだったのですが、
かっきービクターとだと、どんなふうになるのかなあ。
小西アンリの甘やかしが、かっきービクターをさらに強くするのか、それとも更にダメにするのか・・・
かなり興味があったりします(笑)。
自分の記録が書き終ったら、他の方の感想を探しにネットの旅に出るかなー。



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