瓔珞の音

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zoom RSS 温もりの気配

<<   作成日時 : 2017/05/29 22:16   >>

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一瞬だけ腕に触れた、その指の温もり。
たぶん、それだけが彼女だけの、彼。


「レ・ミゼラブル」

2017.5.28 マチネ 帝国劇場 1階T列20番台

出演:ヤン・ジュンモ、吉原光夫、知念里奈、松原凛子、海宝直人、清水彩花、KENTARO、森公美子、
  相葉裕樹、大西統眞、井出柚花、鈴木陽菜、増原英也、田村雄一、宇部洋之、菊地まさはる、
  杉浦奎介、太田翔、杉野俊太、持木悠、磯田裕介、若松渓太、深堀景介、藤田光之、山崎一郎、
  土倉有貴、田川景一、森加織、般若愛実、和田清香、本田育代。瀧本瞳、町屋美咲、石田佳名子、
  木南清香、灰野優子、松本ほなみ


というわけで、今期初、且つ実は最後のレ・ミゼを観てきました。
ちょっと5月6月の状況がわからなくて、でも相葉アンジョだけは観ておきたくて(笑)、
なんとか1回だけチケットを確保したのでした。
1回きりなので、席は敢えて後方センター、0番正面!という位置をチョイスしたわけなのですが・・・
いやー、この席にして良かった!と心底思いました。
もちろん、役者さんの表情の細かいところまでは見えないという難点はありますが、
それでも役者さんによっては鮮やかに存在そのもので表情を伝えてくれる方もいましたし、
何より全体を俯瞰して見ることができたので、新演出の映像とセットの融合の魅力を、
やっと理解できたような気持になりました。
もともと、新演出は凄い速さで場面が流れていく感じで、ちょっとついていくのが大変な部分もあったのですが、
今回はその速さに一気に巻き込まれて、物語の中に放り込まれるような感覚にちょっと震えました。
周りの観客が消えて、一人で向き合っているような気分になった。
そして、その速さの中で、ふっと動きが止まる瞬間(実際にではなく感覚的に)があることに気づきました。
映し出される背景と役者さんたちが、まるでゴッホやミレーの描いた1枚の完成された絵のように見えて。
でも、その作られた景色の中で、確かに生きている人たちの時空を超えた息遣いが感じられて。
その虚構とリアルが創り上げる美しさと厳しさに、なんだか圧倒されてしまいました。
♪One Day More なんて、もう瞬きするのも惜しいような気持になってしまって・・・
1幕終わった瞬間、多分目が乾いてたよ、私(笑)。
なんだか、改めて、この舞台の凄さを感じたような気がしました・・・って遅いですね(^^;)

バルジャンはヤンさん。
基本的には前回の公演で観た時と印象は変わらないかな。
いい意味で、凄く普通の人。
ヒーローでも、聖職者でも、殉教者でもなくて。
自分の感情に押し流されて、間違った道を選んでしまう、弱くて愚かで、だからこそ懸命に生きる一人の男。
そんなバルジャンだからかな。
増原さんの司教様は、なんだかとても厳しい存在に見えた。
バルジャンを受け入れて赦すことで救ったのではなく、
バルジャンに試練を与えることで、彼の目を開かせたんだ、と思いました。
この試練に彼が打ち克つのか、それとも屈してしまうのか、逃げ出してしまうのか―――
きっとバルジャンは、常に神の―――司教様の視線を、感じていたのではないかと思う。
そして、バルジャンはその試練に打ち克ち、初めて司教様の手を取ることができたのかな。
ラストシーンの二人の“再会”を見つめながら、そんなことを思いました。

吉原さんのジャベールは、何とも硬質な存在だなあ、と思いました。
硬くて、強くて、けれどだからこそ撓むことができずに折れるしかなかった―――そんな存在。
なので、自殺のシーンは、凄い説得力があったように思いました。
学生たちやガブローシュに対する情があったのかどうかが確認できなかったのがちょっと残念。

知念ちゃんのファンテーヌ、やっぱり好きだなー。
怒りよりも悲しみ、絶望より希望、憎しみより愛情が勝っているファンテーヌ、という印象は変わりませんでした。
そのことがとても嬉しかったり。

海宝マリウスは、コゼットに会いに行った時のあのジャンプがめちゃくちゃ印象的で(笑)。
ちょっと落ち着こうか、と肩に手を置いて諭したくなっちゃう感じでした(^^;)
いやでも可愛かったんですけどね。
清水コゼットが凄いしっかりしているというか、気が強い感じだったので、
なんだかとってもお似合いな二人だなあ、と思ってしまいました。
♪カフェ・ソング からの流れで、コゼットに縋りつくマリウスが全く違和感なかった。
でも、このマリウスはエポニーヌの気持ちには本当に気づいてなかったんだろうなあ、と思った。

松原さんのエポニーヌは、男勝りというか武闘派な感じ?
テナルディエ一味の中でも、何気にしっかり戦力だったんじゃないか、という雰囲気。
マリウスに対しても、凄く強気というか、甘えや弱さは一切みせない。
なのに、コゼットを探してくれと頼むマリウスが、ほんの一瞬触れた自分の左腕に、
そっと右手を重ねるそのしぐさが、大切な何かを包み込むような柔らかさと躊躇いを内包していて、
なんだかちょっとたまらない気持になりました。
求めて、求めて、求めて―――でも、自分に残されるのはその刹那の温もりだけなのだと彼女は知っていて、
だからこそ諦めることしかできなかった。
こんなにも投げやりで、全く泣けない♪On My Own は初めてでちょっとびっくりしつつも、
これはこれで新鮮でありかも、と思っていたのですが、
そういうエポニーヌで、そういう♪One Day More だからこそ、
その後の「これでいいの」という彼女の言葉に、もの凄い説得力があったように思う。
ああ、彼女は恋に殉じたのではなく、自分で自分の死に場所を選んだのだと、そんな風に思いました。
これは、私の個人的な解釈で、松原さんの意図とは全然違うと思うのだけれど、
でも、こんな風に感じさせてくれた松原さんのエポニーヌ、私は凄く好きでした。

そして、今回の一番の目的だった相葉アンジョ。
キラキラ度の高いアンジョになるのかなー、きっと金髪だよね(笑)、と予想していたのですが、とんでもない!
とっても逞しくて、凛々しくて、大人なアンジョでした。
私の中の相葉くんのイメージって、折れそうな細い手足を振り回しながら踊ってるか、
無茶ぶりに懸命に食らい付いてるか、という感じだったのですが、
(概ねC7のイメージですな(^^;))
今回、見事にそのイメージが一新されました。
いや、ほんと正統派のかっこいいアンジョだったよ!
しかも、前にバーンと出てくる感じのカリスマではなくて、
冷静に周りを見て(舞台奥や下手に佇んで仲間を見つめる在り方が素敵だった)、
必要な時に、必要なことを、静かに語りかけて想いをつないでいくような、そんなアンジョ。
相葉くんの声ってちょっと独特な響きがあって、
それが学生たちの中でどんなふうに響くのかな、と思っていたのだけど、
ちゃんと周囲に溶け込みながら、ふとした瞬間に良い感じで異質さを発していたように思います。
ちょっと歌声、弱いかなー、と感じる部分なきにしもあらずだったけれど、
多分、その辺はこれからどんどん良くなっていくんじゃないかな。

で、そんなアンジョだったので、2幕はどんな感じになるのかなー、と楽しみにしていたのですが・・・
なんというか、見事に破滅型のアンジョでした。
ヤンさんのバルジャンについて、弱くて愚かで、
だからこそ懸命に生きる、ヒーローではない人間、と書いたけど、
たぶんそれはこの物語に生きる人全てに当てはまるもので、アンジョも例外ではなかった。
高潔な理想を掲げ、信じあい、立ち上がり―――けれど、彼は決してヒーローではなかった。
自分たちの理想が潰えた時、けれどそこで辛酸を舐めてでも生き抜いて未来を手にするのではなく、
理想の死に、仲間の死に殉じるように散っていくことで、自分たちの存在を刻み付けようとした。
ゆっくりと仲間に語り掛け。
グランテールの問いかけを、ただ静かに受け止め。
ABCカフェの時と同じように、けれど命の潰えたガブローシュを丁寧に優しく抱き上げ。
マリウスを庇い、グランテールを強く抱きしめ。
自分は―――自分たちはここにいるのだと、ここで生きたのだと、
全身で叫ぶようにバリケードの頂上で拳を高く掲げ―――銃弾に散る。
その後ろ姿は、哀しいほど綺麗で、泣きたいほど愚かで、目が離せないほどの刹那の輝きを放っていた。
でも、その姿は、1幕の静かに佇む姿となんの矛盾もなくて―――
うん、相葉くんファンなことを差し引いても、たぶん個人的にかなり好きなアンジョだと思う。
これから更に深読みの余地があるくらい、化けて行ってくれると嬉しいなーv

ガブローシュ役の大西くんは、ちょっとお兄さんな感じなのかな?
大人っぽくて、凄く丁寧に言葉を紡いでいく感じが良い感じでした。
リトル。コゼットの井手柚花ちゃんも、すらっとしたお姉さんっぽさがあって、
それが知念ちゃんのファンテーヌに通じるものがあるように思いました。

そして、今回も学生はじめアンサンブルさんをきちんと見分けるまでには行かず(^^;)
まあ、1回きりだから、と群衆シーンではひたすらピンポイントで観てたから仕方ないですね。
機会があれば、もう1回くらいどこかで観に行きたいけど・・・どうかな?
とりあえず、読み応えのありそうな今年のプログラムを、これから熟読しようと思います!

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