瓔珞の音

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zoom RSS 幽明の境

<<   作成日時 : 2017/07/30 18:49   >>

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現世と幽界。
人と妖。

あの時代、その境はひどく曖昧で。
だからこそ闇は濃く、そして陰惨で美しかった。


朗読劇「陰陽師  藤、恋せば」陽公演

2017.7.22 ソワレ 六行会ホール B列一桁台

原作:夢枕獏
脚色・演出:岡本貴也
出演:有澤樟太郎、松本慎也、石川由依
   雨宮博樹、松久貴郎(雅楽演奏)


というわけで、朗読劇「陰陽師」を観てきました。
今回の公演、キャストが日替わりであるだけでなく、今回は陰陽2パターンの公演があったのですが、
そして、陰公演の矢崎くんがめちゃくちゃ気になっていたのですが、
どうにも日程が調整できず、陽公演のみの観劇となりました。
会場は六行会ホール。
初めてかな、と思っていたのですが、行ってみたら昔1度だけ観劇したことのあるホールでした。
駅に降り立った瞬間、一気にいろいろ思い出しました(笑)。
「柳生十兵衛」、面白かった。

これまで見た朗読劇は、本当にいろいろな形態があって、
私の中で「朗読劇」という言葉の意味はかなり混乱しているのですが(笑)、
今回は「私の頭の中の消しゴム」の岡本さん演出、ということで期待した通り、
というか、それを超える美しい衣裳、セット、音楽、そして舞台効果でした。

舞台は前方と後方に分けられているのですが、
それを隔てているのが上からぶら下がったたくさんの縄簾(多分)。
その前方には、木でできた3つの大きさの違うベンチ。
そして、後方には年古した藤の捻じれた幹と、見たことのない楽器。
そう、この舞台、なんと雅楽の生演奏が入っていたのです!
琵琶や横笛といった知識としては知っている楽器も、実際に音を聞くと驚くほど新鮮でしたし、
大きさの違う幾つもの陶器の器を棚に並べたような打楽器(めちゃくちゃ綺麗な音でした!)や、
金の器を擦り合わせるようにして音を出す楽器など名前のわからないものもあり・・・
それが物語の中で違和感なく、非常に効果的に演奏されることで、
舞台そのものの異世界感というか、幽明の曖昧さが際立っていたように思います。


物語は、「陰陽師」1巻に入っている物語を組み合わせた感じ・・・かな?
原作も漫画も昔読んだけど、今は手放してしまったので確認できないのですが、
ネットでタイトルを調べた感じでは、「玄象といふ琵琶鬼のために盗らるること」をベースに、
羅生門への道行きで蝉丸にねだられて晴明が「蟇」と「黒川主」の話を語る、という感じかな。
出演者の3人は、本役(晴明、博雅、蜜虫)に加え、交互に地の文を読んだり、他の役を読んだり、
状況によって座る場所を変え、縄簾の奥に入り・・・と、やはりかなり動きのある形の朗読劇でした。
衣裳も綺麗だったなあ。
晴明はオレンジのラインが入った白い狩衣に青い袴、
博雅は青と緑の狩衣、蜜虫は白に灰青色の薄物を重ねた水干に紅の袴という感じ。
基本的に闇を演出する照明の中で、いろいろな色や角度の照明が当たることで、
思わぬニュアンスを見せてくれる衣裳だったと思います。


晴明役は有澤くん。
私の中では某刀剣男士な役者さんだったので、この子、こういう素顔だったのか!と(笑)。
蝉丸に話をねだられたときに、「では一つ」と言ったのが、「ここで一句」に脳内変換されちゃって、
ちょっと笑ってしまったのは内緒(笑)。
で、前見た舞台の時から声のいい子だなあ、とは思っていたのですが、朗読でも響きの良さを発揮。
凛として若々しく、稚気を感じさせる爽やかな晴明でした。
人が見る以上のものを見ている底知れなさも微かに感じさせつつ、
個人的にはそれをまだ十分に受け入れきれない危うさもあったかなあ、なんて思います。
「蟇」のシーンでの晴明の正体に関する博雅との会話も、
博雅をからかいながら、どこかその答えを怖れるような、
あるいは、どんな答えが来てもいいという諦念のような、切なさがあったように思います。
なので、博雅の答えに浮かべた笑みに私までほっとしてしまったり。

博雅役の松本さんは、多分初見の役者さん。
声に張りというか迫力のある方だなあ、と思いました。
やはり若々しくて、お人好しで、ちょっと無謀で、でも一本気で男前でちょっと可愛らしさのある博雅でした。
晴明に翻弄されつつも、翻弄されてることに気づいていないというか、
驚きつつも晴明はそういうもの、と受け入れているような懐の深さが感じられました。
晴明と博雅が二人並んで「そういうことになった」と声をそろえるところが、
冒険に行く少年二人、みたいな感じで微笑ましかったですv

蜜虫役の石川由依ちゃん。
実はこの公演のチケットをとった理由が由依ちゃんだったり。
今は声優としてご活躍なので、舞台で拝見するのは本当に久しぶり。
彼女の狭也(「空色勾玉」)やメアリー(「秘密の花園」)などが大好きだった私としては、
また彼女を、朗読劇とはいえ舞台で観れるのは本当に嬉しかったです。
舞台に出てきた瞬間、大人になったなあ、としみじみしてしまいました。
いや、だって最後に観たの、たぶん彼女が10代の時だし(笑)。
今回は、3人の中で唯一の声優さんだったのですが、
やはり声優さんのスキルは素晴らしいなあ、と思いました。
蜜虫や綾女、玉草、「蟇」のお母さん、綾子といった女性陣の演じ分けに加え、
蝉丸や漢多太といった男性の役も演じられていました。
あまりに沢山の役を演じられていたので、これ!という強いインパクトは薄かったのですが、
目の前の椅子に座っている時には、朗読している時の表情も役ごとに違うのが見て取れて、
やっぱり舞台での由依ちゃんも観たいなあ、なんて思ってしまったのでした。
最近は声優さんもクリエの舞台によく出演されてるし、いつか由依ちゃんの歌も聴けるといいな。

キャストに名前は連ねていませんが、もうお一方出演者がいらっしゃいまして。
雨宮さんという方らしいのですが、もうなんというかとんでもなく大活躍でした!!
黒系の端切れを何枚も重ねた、大きなミノムシ(おい)のような衣裳で、
表情も口元しか見えないし、基本舞台の後方で演じられているのですが、
百鬼夜行で博雅と会話する鬼(?)や、「蟇」のお父さん、黒川主など、
まさに異界の妖のそれぞれの在り方を、見事に演じ分けてらっしゃいました。
黒川主の時の、にぃっという笑顔とか、正面だったこともあって、ちょっとぞっとしましたよ・・・
でも、一番驚いたのは、終盤の漢多太との対決のシーンでしょうか。
舞台上手から下手にかけて、縄簾を揺らしながら、ダーッと駆け抜けていくのには、
その前に座る3人の強張った表情と相まって、思わず体が後ろに引けてしまいました。
その後、玉草が殺されるシーンでの血の演出ももの凄いインパクトだった・・・
マジシャンの方が特殊演出をされていたと後で知って、なるほどなあ、と納得してしまいました。

特殊演出といえば、蜜虫が漢多太に殺された後の、演出もとても美しかった。
大きな藤の花びらが何枚も何枚も降ってきて、
その一枚を晴明が手にし、握りしめると、細かな藤色の花吹雪がその手からぶわっと広がるのです。
下手2列目からの観劇だったので、そのトリックとかも良くわかっちゃったのですが、
それでも、この瞬間の晴明の表情と共に、とても印象的なシーンになりました。
これは、後ろの席からも観てみたかった!

そういえば、蜜虫が漢多太の琵琶で舞うシーン、雅楽奏者の松久さんの歌も入っていたと思うのですが、
そのシーンもとても綺麗でした。
実際に誰かが舞うのではないのだけれど、演者の3人の方がその舞いを見つめている表情と、
琵琶の音に重なるやはり一つの楽器のような歌声だけで、その舞いが見えるような気持ちになりました。


なんだかとっちらかった記録になりましたが、
そんなこんなで、耳だけでなく、視覚的にも体感的にもとても楽しませていただいた2時間弱でした。
これは他のキャストや、陰公演もやっぱり観てみたかったなあ。
「私の頭の中の消しゴム」は何度も再演されているので、
この演目もまた再演してくれるのを今から楽しみにしていようと思います。
シリーズ化でもOK!(笑)

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