守り人気分バトン

勢いにまかせて、青海さんからいただいていたバトンに挑戦してみました。

【守り人気分バトン】の掟
・バトン受取人は差出人が指定するキャラの気分で日記or雑感を書くこと  
・日記or雑感は普段書くものと同じ内容(雑感ジャンルも)で構わない
・回されたら何度でもやること  
・キャラの気分は、イメージで自己補完し、一人称もそのキャラの口調にすること
・最後に回す人にキャラを必ず指定すること

私への指定は「サグム皇子」。
煩悩が煮詰まらない~と身悶えていたのですが、
さっきの予告で一気に煮詰まったみたいです(笑)。
でも、勢いで書いたから、かなりいろいろ齟齬があるかも・・・
設定集、出たら私も買うかなあ。


*****

 今宵は、一年でもっとも短い夜。
 星読みの塔に立った頃にはまだ紫紺の色合いを残していた空も、既に闇に塗りつぶされた。遠い村々の夏至祭を祝う松明の灯りは、まだ燃えているだろうか。
 こうして文机に向かいながらも、ちらちらと瞬くあの明かりがまぶたの裏に残っている。
 ・・・今宵、星読みの塔に、父上はいらっしゃらなかった。
 毎年夏至の夜には、父上とチャグムと三人で、民草の象徴のような、小さくも明るく力強いあの灯りを見つめたものだった。
 父上の悲しみは、未だ癒えないのだろう。
 私自身、チャグムの不在に慣れることはない。
 塔に登る階段の途中で、息を切らしながら階段を駆け上る小さな足音を聞いたような気がした。
 夏の夜風にすら冷たくなる私の手をためらいがちに握る、暖かな手のぬくもりを感じたような気がした。
 けれどもう、私に寄り添う弟の姿は、ない。

 ヨゴ刀の流通についての決議が、今日下った。
 数少ない“力”に結びつくこの技を、我が国自身の力に結び付けていく必要がある。それには、今のような何の縛りもない流通は危険なだけだ。
 ロタやカンバルだけでなく、海の向こうにも、数多の国がある。
 そして、我が新ヨゴ皇国は豊かだ。
 豊かな土地、豊かな水、豊かな緑、そして豊かな技術。
 豊かさは国の中に平和を生む。
 しかし、逆に言えば、他国からは不穏な感情を持たれる場合もあるだろう。
 他国が、我が国にどんな感情を持っているのか、それを知るには、他国へ赴き直に話をすることが最も有効だ。たとえ美麗な言葉に隠されていても、人の心はその言葉の端々に顔を覗かせる。他国の王が、長が、何を思っているのか、彼らがどんな“力”で国を守っているのか、お互いに利益を生み出すには、どうすれば良いのか・・・
 出来ることなら私自身が外交の場に立ちたい。
 しかし、私の体はそれを許さない。
 それ以前に、帝となる身の私が、穢れに触れる可能性のある他国へ赴くことはできないだろう。神に認められた聖なる帝は、常に清く在らねばならず、いかなる穢れにも触れることは禁忌なのだ。
 ―――いや、チャグムなら、その状況に甘んじることはなかっただろう。
 自らの行いの結果であるとはいえ、疵という穢れを負った鳥を、躊躇なくその手に救い上げたチャグムなら、国のために必要とあれば、他国へ赴くことも恐れはしなかったに違いない。
 そして物事の本質をまっすぐに見つめるあの聡明さで、いつか他国の王とも対等に渡り合っただろう。
 弟の、その類稀な才を、私はいつも頼もしく思っていた。
 チャグムと二人でなら、この国を正しく導くことが出来るだろうと、そう思っていた。
 私の持ち得ぬ、あらゆるものを持った弟を、私は―――

 ああ、こんな私的な記録に、何を偽る必要があるだろう。
 私は、私の持ち得ぬあらゆるものを持った弟を、心から誇りに思っていた。
 そして、同じくらい、私はチャグムを妬んでもいたのだ。
 人心を惹きつけてやまない、あの明るい笑顔も。
 光の中を走り回る、あの健やかな体も。
 自分の心を偽らず、常に正しく在ろうとする、あの強さも。
 この国の帝となるに相応しいのは、私ではなく弟であると、何度も私は叫びたくなった。
 病がちなこの身を引き裂いてしまいたいような、狂おしい想いに捕らえられたこともあった。
 けれど、そのたびに私は思った。
 チャグムが、決して得ることのできないものが一つだけある。
 皇太子の位は、次の帝となることは、決して彼の手には届かない。
 私が生きている限り―――!

 チャグムは、私のこの薄汚い感情に気づいていただろうか?
 こんな想いを持つ後ろめたさが、私をいつも“良い兄”に振舞わせた。
 だから、きっとチャグムは、私を兄として愛し、敬ってくれていただろう。
 ああ、けれど、チャグムを愛しいと思う私も、チャグムを誇りだと思う私も、チャグムの良い兄で在りたいと思う私も、決して偽りではなかったのだ!
 共にこの国を統べていきたいという願いも・・・

 ―――私は一生、この想いを隠して生きていくつもりだった。
 それが、私たち兄弟にとっても、この国にとっても、最も良い道であると信じていた。
 けれど、チャグムは、もういない。
 私を苛んだ私自身の穢れも全てつれて、彼は始祖の許へ旅立ってしまった。
 後に残された私には、清められたチャグムへの愛情と、そして、いずれ私の肩に掛かってくるであろうこの国の未来への不安があるだけだ。

 私は、良い帝となりたいと思う。
 父上のように、清く在りたいと思う。
 そして、叶うことなら、チャグムのような強さをも持ち合わせたいと、思う。

 だが、私にはあとどれだけの時が残されているだろうか。
 あの穢れた想いの代わりのように胸に凝るこの痛みは、日に日に強く私を苛む。
 私が死んだら、母上は泣くだろう。二の妃のように毅然とはできず、病に倒れてしまうかもしれない。
 父上も・・・父上は、チャグムの時と同じように私を惜しんでくれるだろうか。
 ―――考えてもせん無いことだ。
 明日も、早くから朝議がある。今は少しでも体を休めるべきだろう。
 私は、私のできることを・・・いや、私とチャグムがなすべきだったことを、私一人の手で、やり遂げなくてはならない。

 あの、村々の灯りを―――チャグムが、地の天の川のようだと言ったあの灯りを、決して絶やすことのないように。
 いつか始祖の許、チャグムと合間見えたとき、まっすぐに彼の瞳を見返すことができるように・・・

*****


こんな感じになりました。サグム皇子の日記、という形にしてみたのですが・・・
めちゃくちゃ暗くてごめんなさいー!!(涙)
でも、私の中のサグム皇子のイメージはこうなのです。
チャグムに対するマイナスの感情もしっかり飲み込んだ上での、
あの優しさ、あの笑顔、そしてあの強さ。
十分書ききることが出来なくて、凄く悔しいです・・・
そのうち思いついたらリベンジさせてください!(え)

というわけで、バトンを回したい方ですが・・・
芳野さん、ジグロでよろしくーvvv
原稿終ってからでいいですからねー。
楽しみに待っておりますv

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この記事へのコメント

青海
2007年07月08日 23:32
濃い!!!!!
サグム皇太子の私の印象は、もっと普通に「いい人」―イメージが薄い―で終わっていたんですが、恭穂さんのサグムは濃い白と濃い黒ですね。
恭穂さんの目にはこんな風に見えていたんですね。
凄いなぁ、世界の深さが違うなぁ。
堪能させていただきました。
疵って「穢れ」ですか~、納得しました!!
素敵なバトンありがとうございました。
そして芳野さんのジグロがめっちゃ楽しみです(笑)
恭穂@管理人
2007年07月09日 19:58
青海さん!

気に入っていただけたみたいで良かったです~。
ちょっとどきどきしていました(笑)。
口調も良く分からないので、なんちゃってSSになりましたが(汗)。
一緒にジグロな芳野さんを楽しみにしていましょうねv

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