命の芯

夏至を過ぎて、本当に日が長くなりましたね。
これを書き始めたのは19時ちょっと前なのですが、まだ外が明るいです。
今週は、久々に大きな地震が続いたり(地元のは直下だったのだけど、初めてでびっくりした・・・)、
予定外の仕事がとんでもなく多くて久々にキャパ越えしそうになったり、
なんだか落ち着かない1週間でした。
午前仕事を終えて、今まで3時間夢も見ずにお昼寝してしまったよ・・・でも夜も眠れる(笑)。
そんなこんなで、時間はあったけど観劇記録を書く気持ち的余裕がなくて、1週間経ってしまいました。
記憶がそろそろ曖昧なので、観たよー!の簡単な記録を。


「シークレット・ガーデン」

2018.6.16 ソワレ シアタークリエ 19列10番台

出演:石丸幹二、花總まり、石井一孝、昆夏美、松田凌、上垣ひなた、大東リッキー、石鍋多加史、
    笠松はる、上野哲也、太田翔、鎌田誠樹、鈴木結加里、堤梨菜、三木麻衣子


子どもの頃に繰り返し読んだ物語はいくつもありますが、バーネットの「秘密の花園」もその一つ。
忘れらさられ、眠りについた隠された花園、というのはとても魅力的で、
小さな私は、自分だけのそんな場所を探して歩いた記憶があります。
で、ある時とても理想的な場所を見つけて、春の間入り浸ってたんですが、
今思うと、あの雑木林の一角は人様の土地だったんだろうなあ(^^;)
まあ、田舎だからね(笑)。
次の年には花の咲く種類や雰囲気が変わってしまってがっかりした記憶もありますが、
今でもあの木漏れ日の中、色とりどりの小さな花が咲き乱れるあの場所は、私の秘密の花園です。

このミュージカルのセットは、そんな記憶をちょっと呼び起こすものでした。
大きな扉のように左右に開閉する白いセットがあって、内と外が逆なのが面白かった。
それが閉じていると、その前が家の中になって、それが開くとその奥に庭が現れるんです。
大きな扉の向こうから、冬がれた薔薇の木が絡み合うような景色が現れた時は、
思わず内心でうわあ!と叫んでしまいました。
なんというか、とてもさみしくて、歪んでいて、でもどこか不思議な美しさのある景色だった。

物語は、子どもたちよりも大人に焦点を当てたものだったかな、と思います。
というか、死者が死をうけいれ、残された者が前を向く物語だったのかな、と思う。
正直なことを言ってしまえば、こんな設定あったっけ?と首を傾げる部分もあったし、
アーチボルトとリリーはともかく、メアリの両親の立ち位置が私にはいまいち良くわからなかったし、
コリンガ立つ時の演出には、何か違う・・・と思ってしまったりもしたのですが、
私の好みに合う合わないは別として、「秘密の花園」という物語の描かれない部分を補填する、
二次創作的なミュージカルとしては、これもありかなあ、と思いました。
楽曲もとても綺麗だったし。


リリー役の花總さん。
幽霊というよりも、あの庭の化身というか、精霊というか、守護天使というか・・・
とにかくとてもお美しい人外な存在でした。
これが明治座だったら、きっとすっぽんから現れてる(え)。
当然のことながら、さしはさまれる過去シーン以外は登場人物との関わりはなくて、
基本見守るスタンスなのだけれど、ただ佇んでいるだけ、ただ見つめているだけでも、
その心情が伝わってくるのがさすがだなあ、と思いました。
聡明でお美しくて優しくて・・・と作中で言われますが、
彼女の本質は強い意志と覚悟と深い愛情なんだろうな、と思う。
そんなリリーでした。

アーチボルト役石丸さん。
不器用なだけで、普通に優しくていい人だなあ、と思いました。
でもって自分に向けられるプラスの感情に対して、とても猜疑的で臆病。
子どもたちに対しても、どう接していいかわからない、というのが第一な気がする。
だから、リリーやメアリみたいに、まっすぐに感情を向けてくる相手に対しては、
なんとか向き合うことができるんだろうな。
最後の彼とリリーのシーンは、自分の中で上手く消化できていません。
現実として、彼はリリーの姿を見たのか、
それとも、リリーの死を受け入れた彼の心情的なものの表現の一つだったのか。
まあ、それはあまり重要ではないかな。


メアリ役は上垣ひなたちゃん。
先日のちびアメリに引き続き、素晴らしい歌声の子役ちゃんでした。
いや、子役というのはもう失礼な年齢かな。
頑なでつむじ曲がりなメアリが、マーサの闊達さやディコンの健やかさ、ベンじいの深さ、
そしてヒースの風に吹かれて、どんどん子どもらしく健やかになっていくのが、
見ていて本当に微笑ましくて、幸せな気持ちになりました。
縄跳びを練習して、どんどんうまくなっていくのとか、ほんとに親目線で見ちゃったよ(笑)。

松田凌くん演じるディコンは、原作よりも年齢設定はちょっと上かな。
メアリとの関係性は、子ども同士、というよりもお兄さんと妹、という感じでした。
ディコンがどれだけ生命力に溢れているかが、この物語の肝だと個人的におもっているんだけど、
このミュージカルで彼が歌った、♪WICK は、本当に素晴らしくて、
不覚にも大泣きしてしまいました。
この曲だけでもシングルカットして欲しいなあ、と思ってしまうくらい。
命の芯。
うん、やっぱりこの曲こそが、私的にはこの物語の芯だと思う。

昆ちゃん演じるマーサは、本当に明るくて元気で愛情深くて。
彼女が出てくると、ちょっとほっとしました。
頑ななメアリに眉をひそめながら、でも自分の全部で彼女を受け止めて、
自分の全部で彼女の成長を喜ぶマーサがいたから、
メアリはあそこまで健やかになれたんだろうなあ、と思います。
真っ直ぐに届いてくる歌声も、まさにマーサ、という感じでした。
こういう闊達な役、昆ちゃん凄く似合うと思う。

石井さんが演じるのはネヴィル医師。
原作では確かアーチボルトの従弟だったと思うのだけれど、いきなり弟になっていてびっくりしました。
というか、兄嫁に惚れてたという設定には、ちょっとどうしようかと思った(笑)。
児童文学が一気に昼ドラになったような衝撃?(え)
兄に対しても兄嫁に対しても、甥っ子に対しても、めちゃくちゃ複雑な感情を持っていて、
その複雑さに呑みこまれている感じで、彼だけが闇の中にいるようだった。
でも、ちゃんと愛情があるんだよ。
コリンに対しても、悪意ではなく本当に彼のことを思っての処置だったんだと思う。
それが、結果的に悪い結果になっていたんだとしても、その気持ちは否定できないと思う。
というか、思いたい。
だから、最後、アーチボルトが彼に掛けたあの言葉、
「しばらく僕のパリのアパートにいくかい」(だったかな)と、
その台詞の直後に客席から起こった笑いに、なんだかいたたまれない気持ちになりました。
この人一人を悪者にして、のけ者にして、春を迎えたこの庭で彼らは幸せに暮らすのか、と思ったら・・・
原作でもこういう扱いだったのかはよく覚えていないけど、
観終わった後、ネヴィル医師救済のスピンオフを是非作ってほしい、と心から思いました。


1回きりの観劇なので、ちょっといろいろ誤解はあるかもですが、
受け入れられない部分はいくつかあったものの、楽曲もセットも本当に美しい舞台だったので、
機会があったらまた観てみたいな、と思います。
というか、ほんとにCD欲しい。
とりあえず、原作、久々に読み返してみようと思います。

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