命の重さ

史上最長(かな?)の大型連休明けの1週間がやっと終わりました。
途中仕事もしていたので、そんなに仕事がいやー!という感じはなかったのですが、
休日は普段とは違う道でお仕事に言っていたので(混雑がないので)、
久々にいつもの道を通ったら、ニセアカシアが満開になっていてびっくりしました。
触れたら小さな可愛らしい鈴の音が聞こえてきそうなこの花が大好きですv
お花も好きですが、実は木に咲く花もとても好きで。
梅、桜、椿、木蓮、沈丁花、花水木、藤、山法師、夏椿、百日紅・・・
実家のジャングルのような庭で育ったせいでしょうか(笑)。
本当は、アパートのベランダも木で埋めたいところなのですが、
風通しがいまいちなのと、引越しを考えるとなかなかそこまではできなくて。
でも、連休に帰省した時に、母と一緒に山査子と山法師の若木を買ってきて、父に植えてもらいましたv
やっぱり緑があるのはいいですね。
4回の部屋まで4往復して思い植木鉢を運んだかいがありました!(エレベーターなしです(笑))
いつか、わさわさ繁る森のような場所で暮らしたい気持ちもありますが、今の私にはこれが手一杯。
でも、縁あって私のところに来てくれた木を、大事に育てていきたいなあ、と思います。

さて、そうしたら連休最後の観劇の記録を。
この連休は、この演目で始まり、この演目で終わりました(笑)。



「レ・ミゼラブル」

2019.5.6 マチネ 帝国劇場 1階B列10番台

出演:福井晶一、川口竜也、濱田めぐみ、屋比久知奈、三浦宏規、小南満佑子、駒田一、朴璐美、相葉裕樹、
   坂野佑斗、尾上凛、桑原広佳、中西勝之、伊藤俊彦、宇部洋之、川島大典、木暮真一郎、中井智彦、
   持木悠、篠田裕介、横田剛基、染谷洸太、大嶺巧、佐々木淳平、土倉有貴、大津裕哉、島田彩、
   般若愛実、三上莉衣菜、湊陽奈、伊藤美咲、磯崎未伶雅、桃菜、五十嵐志保美、小林風花、小倉優佳


今回は下手前方席からの観劇。
これまでが2階上手、センター中ほどだったのですが、それぞれに見えるシーンが違っていて面白かったです。
今回は上手手前が結構よく見えたので、バルジャンに小銭を奪われた少年が、
お母さん(かな?)に言いつけているところか(それで宿屋の女将さん、最初から拒否的だったのか!)、
ファンテーヌを捕えようとして市長に止められた治安官な相葉くんと三浦くんが、
それぞれ全然違う視線で状況を見ているところとか(相葉治安官は結構ファンテーヌに同情的?)、
バリケードでのグランテールとガブローシュの仲良しっぷりとか(これはまあどこでもだけど(笑))、
このシーンであの人はこんなことをしてたんだ!といろいろ新鮮でした。
回数を見ることができれば、そういう細かいところももっと見れるのかもですが、
限られた観劇回数だと、やっぱりどうしてもこの時しか見れない人に目が行っちゃって・・・
アンサンブルさんが、それぞれのシーンでそれぞれの役の人生を生きているのを、
全部受け止められないのがいつもちょっと残念です。

今回が今期初見だったのは福井さんのバルジャン。
とても強くて激しいバルジャン、という記憶とはちょっと違ったバルジャンだった気がします。
1幕の印象は、なんというかとても静か。
司祭様に救われるまでの時間も、怒りや恨みではなく、悲しみや諦念、自嘲による自暴自棄、という印象。
歌声がとても滑らかで、吉原さんのように声の色合いが大きく変わることがないので、
余計にそういう印象を受けたのかもしれません。
でも。
2幕のバリケードあたりから、どんどん雰囲気が変わっていったのです。
穏やかに愛に溢れるのではなく、大切な存在を守るためならば容赦しないという闘志に溢れていく感じ?
もちろん、その根底には慈愛があるのだと思うのですが、
吉原バルジャンの慈愛がひたひたと周囲を満たしていくのとは違って、
大切なもの、守ると決めたものに向かってどんどん収束していくような印象。
バリケードの後半も、もうマリウスを助けることだけを考えてた感じだったし、
下水道を出てジャベールと対峙した時は、最初の対決よりも怖いくらいの迫力がありました。
たぶん、福井さんのバルジャンは、自分の手の大きさをとても良くわかっている。
市長としてたくさんの人を救おうとしたのも真実の想いではあったと思うけど、
根本的にこの人は、守りたいものの優先順位が凄くはっきりしていて、
自分の手が、全てを救える大きさではないことを知っていて、
だからこそ、自分の手の届く場所で、自分の大切なものを守るために戦う人だった。
そんな風に感じました。
だからかな、マリウスに全てを託して二人の前から去るときも、
悲しさや寂しさよりも、やり切った!という充足感というか、誇らしさがあったように思う。
家の壁にそっと触れるその顔は、柔らかな笑みが浮かんでいるように見えました。
ラストシーンも、切なくはあったけれど、生ききった、という雰囲気のバルジャンに、
なんだかほっとしてしまったのも確かで。
うん、こういうバルジャンもいいなあv

川口さんのジャベールの印象は大きく変わらず。
バルジャンに逃がされるシーンが結構近かったのだけれど、
去っていくジャベールは、もしかしてバルジャンが後ろから撃つと思ってたのかな、とちょっと思った。
バリケードが落ちた後、横たわるガブローシュに思わず伸ばしそうになった手を、
ぎゅっと握りしめる仕草が、本当に不器用な人なんだなあ、という感じ。
でも、彼にとって、法を守るということが、自分が生きる前提だったんだろうな、とも思う。
以前マダム・テナルディエは「いうことを聞かないと優しくしない」という呪いを、
エポニーヌにかけたんだと思ったことがあったのだけれど、
監獄で生まれ落ち、そういう業を背負って生きていかなくてはならなかったジャベールにとって、
“法を守る”ということは、同じように呪いのようなものだったのかもしれないなあ、と思う。
そして、そのことに彼は気づいてしまったのかなあ。

濱田さんのファンテーヌも、前回観た時とちょっと印象が違っていました。
上手く言葉にできないんだけど、理性ではどうにもできない衝動のようなものがあった気がする。
愚かだと、どうにもならないとわかっていても、その不確かな縁に縋らなければ立っていられない。
そんな切実さがあった気がします。
何が濱田ファンテーヌの芯なのか、ちゃんと理解できていない気がするけれど・・・
いつかもっとクリアにそれを見つけることができるといいなあ。

屋比久エポは、なんというかめちゃくちゃ初々しく。
♪One Day More で悩むマリウスを呆然としたように見つめる表情に、
彼女の純情は全てマリウスに向かっているんだなあ、と思いました。
コゼットとの再会も、視線を交わしたのはほんの一瞬で、逃げるように立ち去ったのに、
胸が痛みました。
♪On My Own での、「暖かい家も あたしどこにもない」という言葉が、
比喩ではなくて、まさに文字通り彼女はマリウスのために家族と対立し、家を捨て、
けれどそんな彼女を受け止めてくれる場所もないのだと、実感できてしまう感じでした。
だから、彼女は自分の居場所を自分で決めて、バリケードへと向かったのかなあ。

三浦マリウスは、やっぱりその素直さがとても印象的でした。
でもって、エポニーヌの気持ちには全然気づいていないと確信いたしました(笑)。
でも、だからこそ、エポニーヌを看取った後の彼の意気消沈した様子は辛かったし、
それでもコゼットに自分の気持ちが向いていることへの一種絶望のような罪悪感が、
彼を苛んでいるようにも見えて、その後の彼の行動に説得力があったように思います。
そして、やっぱりめちゃくちゃ姿勢が良いなあv
プログラムの対談で、苦労したということが書いてあったけど、
でも、あの綺麗な立ち姿が、彼が厳しくしつけられた貴族なのだと感じさせる一助になっていると思います。

今回も小南さんのコゼットでしたが、角度が違うと見え方もやっぱり違いますね。
基本的な印象は同じなのですが、今回、逝こうとするバルジャンの手に、
一生懸命息を吹きかけて温めようとしている姿が見えて(これまで後ろ姿でわからなかった)、
そのしぐさが、ファンテーヌの手を温めるバルジャンと重なって、
ああ、この二人は本当に親子なんだなあ、と思ってしまいました。
あの手紙に何が書いてあったのかはわからないけれど、
彼女にとってバルジャンは本当の父だし、彼と過ごした時間は、本当に明るく幸せなものだったのだと思う。
そう思わせてくれるコゼットとマリウスなのがとても嬉しい。

相葉くんのアンジョは、前回よりも歌声も凄くのびやかで、ちょっとびっくりしちゃいました。
前回、やっぱり調子悪かったのかな・・・
学生の一員としてのリーダー、という印象は変わりなく。
そして今回は、彼が感じた命の重さを強く意識してしまいました。
アンジョには、ガブローシュを抱き上げるシーンが2回あります。
カフェで、ラマルク将軍の死を告げたガブローシュをテーブルから降ろす時と、
砦のてっぺんで撃たれたガブローシュを抱き留める時。
多分、アンジョルラスの腕にかかった重みは、その2回で大きく違った。
命を失った体の方が、きっとずっと重かったはず。
命の、重さ。
それはきっと、改めて彼に“生きて死んでいく”ことを意識させたと思う。
砦で死んでいく―――それは彼にとって、自暴自棄の果てのことでも、破滅的な思考の結果でもなく、
自分が、自分たちが望む未来に向かって、生きる方法だった。
命を大切に、ギリギリまで生きることを諦めず、そして自分の生の全てを託して死んでいく。
そんな彼らの覚悟が見えたせいか、この日のバリケードでの最後の戦いは、
本当に辛くて哀しくはあったけれど、どこか明るさも感じられたように思いました。
・・・うん、まあ思い込みなんだけどね(^^;)

また、この日のガブローシュが本当に子どもらしい雰囲気で。
かっこいいと可愛いのバランスが素晴らしくv(笑)
賢くて勇気があって元気一杯で人懐っこい仔犬、という感じ。
グランテールだけではなく、学生たちみんなから可愛がられてるんだろうなあ、と思ったけど、
やっぱりグランテールとの絆がとても強くて・・・
ガブローシュをアンジョから受け取った後の川島グランテールの、
砦の喧騒の中で全てが抜け落ちたかのような静寂に、大泣きしてしまいました。
学生たちはやっぱり全員の見分けがつかないのだけれど、
ご一緒したお友達からいろいろ話を聞いて、次の上演までに原作を読もうかなあ、と思いました(笑)。

駒田さんのテナルディエは、哲学者、という言葉が違和感ないところがとても好きv
あくどいことやってても、そこはかとなく気品があるというか(え)。
下水道のシーンの歌も、なんというか凄い説得力がありますよね。
新演出の宿屋のシーンは、実は未だに直視できないんですが、
今回はひたすら駒田さんを目で追っていました(笑)。
朴さんのマダム・テナルディエとの関係性も、KENTAROさんとはまた違っていて面白く。
上手く尻に敷かれてる感じ?(笑)。

そういえば、宿屋のシーンで手拍子が起きないのって、新演出ではずっとでしたっけ?
個人的には手拍子をするとちょっとそっちに気持ちが持っていかれてしまうので(不器用・・・)、
手拍子がないのは別にいいのですが、
手拍子がないからこそ、宿屋のシーンの歪さとか怖さが増すのかなあ、とも思っちゃいました。
カーテンコールも、動き的には結構決まっていそう?
バルジャンが女の子二人を抱き留めたり、手をつないだりするのがとっても微笑ましくv
うん、カーテンコールが明るいのはやっぱりいいですね!


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