再演祈願

先日初めて熱田神宮にお参りしてきました。
思っていたよりも広くて人も多くて、時間がなかったせいで駆け足になってしまい、
参道の熱田神宮の歴史のパネルをしっかり読みこめなかったのがちょっと残念。
これはまたおいで、ということなのかな。
そのパネルを読んで、近くに日本武尊の陵とされる白鳥古墳があることを知りました。
荻原規子さんの勾玉三部作が大好きで、しかもその中では「白鳥異聞」が一番好きな私としては、
こちらもぜひお参りしたかった!!
これはやっぱりまたおいで、ということなんだな!
次にお参りできたら、「空色勾玉」のミュージカル再演というか復活もお願いしてこよう。
そんな風に思いながら、帰り際途中下車してこちらの舞台を観てきました(笑)。


リーディングシアター
「ダークアリス」

2019.6.2 ソワレ サンシャイン劇場 1階12列一桁台

脚本:演出:毛利亘宏
出演:石川由依、萩谷慧悟、山崎銀之丞
演奏:倖山リオ、土屋吉弘
舞踏:菅原理子


というわけで、由依ちゃん目当てでチケットを取ったのがこちらの舞台。
リーディングの舞台を観るたびに、リーディングの定義がわからない・・・と呟いていますが、
今回もこれまで経験したリーディングとはまた違った雰囲気でした。
・・・うん、台本持ってればリーディング、ということで納得した!(笑)。

今回の舞台は「不思議の国のアリス」がモチーフということで、
登場人物がモチーフになったトランプが飾られていたり。
舞台中央に正義の女神の絵が飾られていたり(服装は赤の女王っぽかった?)、
そんなちょっとゴシックな雰囲気の舞台の中央に大きな三角形の台と、
奥の頂点と左右の二辺に置かれた椅子、
舞台奥左右のシンセサイザーとパーカッションブース、という感じでした。
この演奏がまた素晴らしかったのですよ!
その存在を主張するのではなく、役者さんの演技にすっと寄り添って、
伝わってくる感情を増幅させてくるような感じだったり、
いろんな効果音を不自然にならずに担っていたり。
以前観た「陰陽師」の和楽器の演奏も素晴らしかったし、
生演奏のない(というか多分音楽がなかった)「ラブ・レターズ」や、
効果音だけの「シスター」も良かったし・・・
こう考えると、リーディングって凄く自由で可能性のある形式なのかもしれないなあ。

そんな舞台空間で、物語は一人の男(山崎銀之丞)が、
少女アリス(菅原理子)に語り掛けるという形で始まりました。
ダンサーさんの菅原さんは、あのアリスの水色のエプロンドレスで軽やかに可愛らしく、
でも結構迫力のあるダンスを踊ってらっしゃいました。
首を傾げるとか、指先のニュアンスとか、ちょっとした仕草がとっても“アリス”っぽい!
でもって、山崎さんがめっちゃ渋くてかっこよかったです!
片手に持って出てきた眼鏡をかける仕草とか、思わずときめいたよね(笑)。
そして語られ始めた、大人になったアリス―――水谷亜梨紗(石川由依)の物語。

仕事帰りに久々に会った恋人(萩谷慧悟)と別れた後、
気が付くと彼女は真っ暗な部屋に監禁されていました。
目の前に現れた、深くフードをかぶった一人の男(萩谷慧悟)は、亜梨沙に告げます。
「君は、自分の犯した罪を思い出さなくてはいけない」と。
仕事も一生懸命やってきて、もしかしたら知らず誰かを傷つけたかもしれないけれど、
罪と言われるほどのことをした心当たりのない亜梨沙は戸惑うばかり。
そうこうするうちに、気づくと彼女はワンダーランドに。
出会った黒兎(山崎銀之丞)に導かれるように、彼女はワンダーランドを彷徨います。
芋虫やチェシャ猫、いかれた帽子屋にトランプの王様(いずれも萩谷慧悟)と出会い、
そして、裁判の場に引き出された亜梨沙が突きつけられたその“罪”とは―――

という感じの物語でした。
うーん・・・正直なことを言ってしまえば、物語についてはいろいろ物申したい!
たぶん、私は素直にこの物語を受け入れられる純粋な時期は過ぎちゃったからなー(え)。
大人になったアリスの物語というと、ミュージカルの「アリス・イン・ワンダーランド」が思い浮かぶし、
「不思議の国のアリス」をモチーフにしているのだから当然重なる部分もあるけど、
あちらは“アリス個人”の内面をベースにしていたのと比べて、
こちらの物語は、アリスを取り囲む人の想いがアリスに働きかけている感じ?
その辺の構造をちゃんと受け止められなかったのも、ちょっともやもやする理由かなあ(笑)。
私の理解力が残念すぎる・・・戯曲、買えば良かったかな。

そんなこんなで、物語的にはちょっときちんとした感想は書けなそうなので、
役者さんの感想を少しずつ。


亜梨沙役、石川由依ちゃん。
いやもう石川由依さん、だなあ。
前回観た時は和テイストの舞台衣装だったから、
普通の現代的な恰好をしていると、素敵な女性になったなあ、としみじみしてしまいます。
でも、初めて彼女を観た時に心惹かれた、あの透明かつ硬質な輝きのある声はそのまま。
いや、更に磨きを掛けられたように思います。
舞台の台詞なので、普通の話言葉とは違う部分もあるのだけれど、
言葉が一つ一つクリアに聞こえてきて、且つちゃんと感情を乗せてくるのは、
やっぱり声優さんのスキルなんだろうな。
彼女の“罪”というのは、彼女が自分を大事にしないことで大切な人を傷つける、というもの。
出会う人(?)たちの言動に戸惑ったり苛立ったりしながら、
彼女が抱える漠然とし不安とか、彼女がそれまでの人生で培ってきた自信とか、
そういうものもちゃんと伝わってきたように思います。
あのちょっと勝気な表情、結構好きだったなあ。
で、最後、自分の“罪”を自覚した後の彼女の、
穏やかだけれど何かが抜け落ちたような表情にはっとしました。
いやもう、あのまま彼女は光の先に行くのもありだと思ったよね。
まあ、物語的にそうはならないだろうとは思ったし、実際そうはならなかったのだけど(^^;)
結構動きのある舞台でしたが、台本を片手に危なげなく動いている姿をみて、
またぜひ舞台に立ってほしいなあ、と改めて思いました。
というか、歌が聴きたい。
というより、「空色勾玉」再演して欲しい!
今の彼女だったら、また違う狭也が観れると思うし、
矢崎くんはより素晴らしい月代王になると思うのよ!


萩谷くんは、初見の役者さん。
リーディングではあるけれど、動きの一つ一つが綺麗で、見せ方の上手な子だなあ、と思ったら、
経歴をみていろいろ納得しました(笑)。
アリスが出会うワンダーランドの住人のほとんどを演じていて、
一つ一つの役を丁寧に頑張って演じているなあ、と思いました。
亜梨沙の恋人役の時が一番自然だったけど、個人的には王様の歪んだ笑みが良い感じでしたv(笑)
裁判のシーンで、帽子屋の雰囲気が豹変するところも良かったな。
ミュージカル版でチェシャ猫とか演じたらお似合いかもしれないな、と思いました。


山崎さんは、語り手のおじさまと、黒兎がメイン。
黒兎の時は、普通の眼鏡をかけているはずなのに、
モノクルをかけてタキシードを着た兎の姿が透けて見える感じで、
そういう風にイマジネーションを刺激してくるのがさすがだなあ、と。
飄々とした、計り知れない怖さのようなものが感じられる黒兎でした。
終盤の裁判のシーンで、萩谷くんが演じた他の役の台詞を続けざまに言うシーンがあるのだけど、
それぞれ誰の台詞かちゃんとわかるところもさすが。
その後の、亜梨沙に語り掛ける時の柔らかで優しい声に、ちょっと泣きそうになりました。
というか、この亜梨沙の旅の黒幕って、黒兎なんじゃないですか?
でもって、黒兎って、実は亜梨沙の亡くなったお父さんだったりしませんか?(そんな設定はない)
小さい頃に父を亡くした亜梨沙は、お母さんを助けるためにいい子でいようとして、
自分が頑張ることで―――我慢することで、何もかもが上手くいくと思いこんでいて(そんな設定は以下略)、
そんな娘をずっと見守っていた父(黒兎)が、彼女を救うために奇跡を起こした―――(そんな以下略)
そう考えると個人的にしっくりくるんだけどなー(笑)。
とりあえず、そんな風に深読みしたくなっちゃう存在感でした。


そんなこんなで、ちょっと不消化な感じもありつつ楽しめた舞台でした。
今回は由依さん一択だったのだけど(笑)、役者さんが違うとまた分井伊も違うんだろうな。
せっかくの凝った舞台なので、ぜひ再演していただきたいです!
その時は、他の役者さんでも見れるといいな。

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