その夢の咲(わら)う未来

時を越え、立場を変え、世界を違え、それぞれの胸に抱かれる夢。
その夢が咲(わら)う未来を、今はただ信じていたい。


ミュージカル『刀剣乱舞』 ~葵咲本紀~

2019.8.17 マチネ 天王洲銀河劇場 2階B列20番台

出演:仲田博喜、太田基裕、Spi、岡宮来夢、田中涼星、田村升吾、
   鷲尾昇、大野瑞生、二葉要、二葉勇、原嶋元久、大野涼太、村中一輝、
   鴻巣正季、杉山諒二、大黒智也、篠尾佳介、平山唯人、佐藤誠一、
   久留康太、齋藤大希、市川裕介、伊達康浩、白濱孝、塚田知紀、佐藤文平、
   下尾浩章。松本直也、佐伯啓、五十嵐拓斗(・・・多分)


というわけで、刀ミュの新作を観てきました。
大好きなみほとせと同じ時間軸、ということだけ確認して、
なるべくネタバレは見ずに観劇したのですが・・・いやー、相変わらず攻めますね、刀ミュ!
みほとせの続編でありつつ、つはものやむすはじとの関連性もさらっと盛り込んできていて、
情報量の多さと新たな事実と新たな疑問にめちゃくちゃ翻弄されました。
でも、面白かった!
以下、歴史的知識の乏しいなんちゃって審神者の、偏った解釈と妄想(笑)による感想になります。
思いっきりネタバレしておりますので、未見の方はお気をつけて!


物語の舞台は慶長五年七月、下野国小山。
会津征伐のためにこの地を訪れていた徳川家康(鷲尾昇)は、
京での石田三成挙兵の報を受け、井伊直正の策を受け軍を3つに分けることを決意する。
一つは、家康自らが指揮して東海道から京へ向かう軍。
一つは、中山道を通って真田を牽制しつつ京へと向かう軍。
一つは、この地に残り、上杉を抑える軍。
中山道への進軍の将として、家康は次男の結城秀康(二葉要)ではなく、
三男の徳川秀忠(原嶋元久)を選ぶ。
これは実質上の後継者の決定であった。
幼少期より父家康から距離を置かれ、天下人となる道を幾度も閉ざされ、
そして大切な兄―――松平信康(大野瑞生)を奪われたと感じている秀康は、
その手に在った一振りの太刀と感応し、時間遡行軍にその意識を囚われてしまう。
家康の臣下に成り変わり、彼に寄り添い歴史を守ってきた刀剣男士たちのうち、
服部半蔵の石切丸、酒井忠次の青江はその“生”を終え、彼らの傍からは離れており、
この時家康を守っていたのは、本田忠勝の蜻蛉切(Spi)と井伊直正の千子村正(太田基裕)のみ。
光成の挙兵に寄り鳥居元忠を担う物吉貞宗が“討ち死に”するのも間近な中、
その任を全うしていた二人の前に、秀康を擁した時間遡行軍が現れます。
ただ二振りで多数の敵を迎え撃つ彼らの下に、主から遣わされた援軍。
鶴丸国永(間宮来夢)を隊長とした、明石国行(仲田博喜)、御手杵(田中涼星)、篭手切江(田村升吾)の4振り。
戦う彼らの前に、更に彼らを排除するための検非違使が出現。
直接的に信康の命を奪った検非違使に対し激昂した村正は、
その敵を取るために検非違使に向かい深手を負ってしまいます。
二手に分断された刀剣男士たちの前に、それぞれ思いがけない人物が現れます。
追い詰められた蜻蛉切、村正、鶴丸の窮地を救ったのは、死んだはずの信康。
そして、明石、御手杵、篭手切に助けを求めたのは、秀康の隠された双子の弟、永見貞愛(二葉勇)。
その二人は、なぜか刀剣男士の存在を知っていて、その上で秀康を救うための協力を申し入れます。
それぞれに様々な疑問と葛藤を抱えたまま、今すべきことを全うしようとする彼らの行く先には―――


というような物語でした。
みほとせと同じ時間軸、ということは知っていましたが、
冒頭からいきなり信康の切腹シーンから始まり、
村正さんの歌―――みほとせの時と同じ旋律で、たぶんちょっと歌詞が違う―――から始まった日には、
みほとせで思いっきり村正さんによろめいた私はもう泣くしかなく。
再演での初心で無垢な村正さんが胸に秘めた、信康への親愛、検非違使への憎悪、
家康への嫌悪―――いや悲哀?
そういったものが静かに伝わってくるような感じでした。
相変わらずのふざけた言動も、どこか余裕がないというか痛々しい感じもあって。

というか、石切丸さんや青江さんが既にいないというのにびっくり!
成り変わっていた人物が没した後も、陰ながら協力し合ってるのかなあ、と思っていたのですが、
村正さんたちの会話からは全く姿を見せておらず、時間遡行軍が出ても現れず、
そして本丸での鶴丸さんと審神者の会話からだと、既に彼らは本丸に戻っている・・・?
「面替えが変わった刀」って・・・いやでもそれは土方組や三条でもいいのか。
でも、話の流れ的には石切丸さんっぽいよね?
みほとせの任務って、遠征の延長だったと思うのだけれど、
遠征にしろ出陣にしろ、部隊の一部だけが本丸に帰還するのが可能なんだ?と、
ちょっとびっくりしてしまいました。
そこまで考えて、確か井伊直正より本多忠勝の方が先に亡くなったはずなので、
あんなにも家康に対して複雑な感情を抱いている、
徳川に仇なす妖刀であるはずの村正さんが、
独り最後まで家康の傍にいたのかと思うと、
でもって、その果てにあのみほとせのラストがあるのかと思うと・・・!!
・・・って、あれ?榊原康政な大倶利伽羅くんは一体どこに??

いやまあ、この辺の深読みは歴史に詳しい方にお任せして、まずは太田くんの村正さん!
みほとせで、信康を斬りに行く石切丸さんに向けられた気持ちがとても印象的だった村正さんですが、
この物語では、彼個人の信康への感情が細やかに描かれます。
幼少期の隠された交流はとりあえず置いておいて(笑)、
彼が、信康という命の成長を、どんなふうに見ていたのか―――見守っていたのか。
彼の死に関わったとされる自分自身の存在を、村正さんはどうとらえていたのか。
その上で、自分の役割(と彼が考えているもの)を、どう全うしようとしていたのか。
信康さんの命を奪った相手を許せない。
その相手―――検非違使を前にした時、危ういほどの烈しさで検非違使に立ち向かったその姿は、
確かに“あの時”の石切丸さんと重なるところもあって、でも、根本的に違っていた。
既に穢れた自分が、これ以上穢れるはずがない。
だから、徳川を守るための穢れた戦いは自分に、健やかな戦いは蜻蛉切に。
蜻蛉切には、そんな―――穢れをかぶるという覚悟を持ってほしくない。
適材適所―――傷ついた体で、そう語る村正さんは、
儚ささえ感じさせるような美しさがあり、
やるせなさに胸が痛くなるような頑なさがあり、
そして、不器用で無垢な優しさがあった。
その後の二人の歌は、本当に素敵な曲で。
確かな歌唱力を持つ彼らだからこその、
そして、確かに役を生きる彼らだからこその説得力がありました。

家族、という言葉が歌詞の中にありました。
この物語では、家族、という言葉が一つのキーワードだったと思う。
抗うことのできない血のつながり。
血のつながりを越え、共に過ごす時が育むつながり。
それは、多分刀派や同じ主というその身の根底に刀剣男士たちが持つつながりと、
同じ本丸で共に過ごした彼らが―――そして、人の一生という長くて短い時間を共に過ごした彼らが育んだつながりことでもあって。
そのどれもが、多分“家族”という言葉を内包していて。
大切な誰かのために流す涙は。
大切な誰かのために抱く怒りは。
大切な誰かのために望む未来は。
確かに、彼らの間にある家族という絆だったのだと思う。
この辺は、篭手切くんや明石さんにも関係する部分なのだけれど、
ちょっと上手く考えがまとまらなくて。
幸いにまた観る機会があるので、その時にもう少しクリアに受け止めることができるといいなあ。

で、再び村正さんに話を戻しまして!(笑)
窮地に陥った村正さんたちを救ったのが、今は吾平と名乗る信康さまなわけなのですが、
それを知ったときの村正さんのあの歓喜に、胸をうたれました。
あの時点で、刀剣男士としていろんな疑問とか懸念とかが当然あったはずで。
それでも、そういうものを飛び越えて、彼が生きていたこと、
健やかにその生を生きていること、変わらぬ優しさと強さを持っていたこと、
そういうことに対する村正さんの歓喜は、本当に純粋でまっすぐで。
ああ、やっぱりこの刀は、こんな風に無垢な何かを核に持つ存在なのだと、
改めてそう思って、その存在が更に愛しくなりました。

そんな太田くんの村正さん。
ふわふわと舞うような歩き方や、殺陣でのトリッキーさは相変わらず。
でも、殺陣は物語の内容的に、以前よりも直接的というか無謀な感じもあったかなあ。
遠目で良くわからなかったのだけれど、
敵の刃を歯で噛んで防いでいたシーンがあったような・・・?
ちょっとハラハラ致しました(^^;)

Spiさんの蜻蛉切さんは、相変わらずの懐の深さで、非常に安心感がありました。
村正さんに対しても、家康さまに対しても、みほとせの時はもっと余裕がないというか、
相手の出方に振り回されるような感じがあったのだけれど、
今回は、まさに受け止める、という印象でした。
村正さんの自虐に対しても、たしなめたり説得しようとはせずに、
その言葉を、想いを受け止めて、その上で傍にいる。
そんな感じ。
歌声は相変わらず素晴らしくて、みんなが揃ってのタイトル曲でも、
蜻蛉切さんお声がぐーっと前に響いてくる感じがありました。
席の関係か、この日は全体的に音響がぼわんとしていて、歌詞が聞き取りにくかったのですが、
Spiさんと太田くんの歌詞は凄い良く聞こえたなあ。
殺陣は、今回もう一振、槍がいたので、その共闘が凄いかっこよかったです!

そんな槍、三名槍が一振りの御手杵役は田中くん。
刀ミュも刀ステも毎回再現度にびっくりするのですが、御手杵さんも例にもれず。
というか、とんでもない再現度でした。
もう存在そのものが御手杵さん!
人のよさそうなところ、ちょっと自信のなさそうなところ、一生懸命なところ、素直なところ。
もちろん、ゲームのキャラクターなので、人それぞれイメージは違うと思うのですが、
私的にはイメージ通りな感じでした。
でもって、燃えてしまった、という彼の過去を示唆するシーンがあったり、
元の主の秀康を語るシーンとか、彼と対峙して躊躇しちゃうところとか、
単純なだけじゃないんだよ、というのもちゃんと見せてくれたかな。
まあ、躊躇したのを明石さんに指摘されて、素直に反省しちゃうところとか、
めっちゃ御手杵さんな感じで微笑ましかったけど(笑)。
殺陣は、蜻蛉切さんとは全く違って、まさに“突く”感じ。
あの長い穂先を振り回すのではなく直線的に動かしながら戦うのですが、
蜻蛉切さんと一緒に戦う時には、二本の柄で相手を挟みこんで動きを封じたりもして、
さすが三名槍!と思いました。
日本号さんがいると、更に異なる連携になるのかなー。
でもって、終盤ばらけて闘う時、御手杵さんは貞愛と一緒になって、
二人で秀康と向かい合うのだけれど、そのシーンが凄かった!
共に家康を亡き者にしようという誘いを断った貞愛に刃をむけるのだけど、
それを御手杵さんが受けてさばいて、その合間に貞愛が秀康に言葉を、心を投げかける。
舞いを舞っているようにも、軽業のようにも見えて、
でもちゃんと彼らの気持ちが伝わってきて、本当に見ごたえがありました!

篭手切江役は田村くん。
めっちゃ可愛かった・・・!!
登場シーンでいきなりアイドルなおんすていじを見せられた時にはちょっとびっくりしたし、
演出的に「ミス・サイゴン」のエンジニアのあのシーンが浮かんじゃったんですが、
夢を語る彼は本当にキラキラしてたなあ、と思いました。
れっすんに御手杵さんを突き合わせる押しの強さも良し!(笑)
というか、あのれっすんのシーンの御手杵さんと篭手切りくんの掛け合いも楽しかったv
でもって、彼も御手杵さんとは違った意味で凄く素直で、
でも揺るがないしなやかな芯のようなものが感じられました。
秀康が持つ刀が先輩―――同じ刀派の、多分稲葉江であることに気づいた彼が、
その刀を折り、秀康を解放するせっかくの機会を逃した後。
明石さんに、あの時躊躇ったのは、あの刀が縁のある刀だったからなのか?
名のある刀だったからなのか?
では、この時間遡行軍のように名もなき刀たちは折られてもいいのか?
名もなき刀と、自分たちはどこが違うのか?
そんなふうに問いかけられて、素直に「なにも違わない。同じだ」と答える篭手切くん。
戦とは勝者が正義。
目の前の存在だけを助けても、全てを助けられないなら誰も助けられないのと同じ。
そう言われて、それでも目の前の刀―――明石国行を庇って負傷し、
何故と問いかける明石さんに、「偽善です」と答える篭手切くん。
その真意を、感情の流れをしっかりと届けてくるには、彼はまだ未熟なのかもしれないけれど、
それでも、あの行動は、あの言葉は、篭手切江のものだ、と。
そう感じさせる何かがありました。
あの後の、先輩を正気に戻す時の彼の必死さ―――真摯さも良かったなあ。
殺陣は、ちょっと短刀に近いような距離感で、勢いよくつっこんでいく感じ?
この日の編成は大き目の刀ばかりだったので、その動きがとても新鮮でした。


明石国行役は仲田さん。
初めて見る役者さんですが、この方も見事に明石さんでした。
ビジュアルはもちろんなんですが、なんというか、瞬間瞬間が明石さんなんですよ。
ちょこちょこ髪を触る仕草とか、寝っ転がり方とか(笑)。
篭手切くんと初対面の時、自分から握手に差し出す手は左手だったけど、
鶴丸さんが右手を差し出したときは右手で握手してたなあ。
真剣必殺なかったから、左利き設定はこの辺だけかな?
でもって、相手の手に対してコメントを言うのは、何か意味があるのだろうか・・・?
やる気がないって言いながら、殺陣は結構アグレッシブだった気がします。
まあ、ちょこちょこ休憩っぽい動きを挟んでたけど(笑)。
秀康と対峙して、彼が手に持つ刀が元凶だと察して、
時間遡行軍を盾にしてというか、時間遡行軍を斬らせてその刀を奪うのとか、
なんなのこの策士!とちょっとよろめきました(笑)。
いや、もともと結構明石さん好きなんですよ。左利き要素とかね(え)。
御手杵さんや篭手切くんに投げかける言葉とか、ちょっとした台詞とか、
三日月さんや鶴丸さんとはまた違う雰囲気の意味深さがあって。
彼の足場がどこなのか、凄い気になりました。
篭手切くんに庇われて、自分が投げかけた「偽善」という言葉を返されて、
「けったくそわるい」と言いながら刀を振るう姿は、どこか切実さがあって。
その後手にした秀康の刀を折ろうとして折ることができないあの葛藤は、
どこか弱さのようなものが感じられて。
うん。
この後、どこかで彼の“物語”を知ることができたらいいなあ、と思う。


鶴丸国永役は間宮くん。
プロフィールを見る限りでは、舞台経験はあまりない感じなのですが、
素晴らしい鶴丸さんでした!
個人的にこの編成で推しは誰だと言われたら鶴丸さんなのですが、
(村正さんは太田くんだからこそなので)
そんな私も大満足な鶴丸さんだったと思います。
綺麗で強くてかっこよくて、でもって平安刀の底知れなさもちゃんとある。
神威、といってもいいかもしれない。
刀ステの鶴丸さんもそういう雰囲気はあるのだけれど、
刀ステの方は染谷さんにしろ健人くんにしろ、どこか人に近い。
人の身を楽しみ、心のもたらす驚きを楽しんでいる。
でも、間宮くんの鶴丸さんは、人の身を使いこなしてはいるけれど、どこか距離がある。
人ならざる雰囲気が強い存在だな、と思いました。
それは、最初の舞にもよるかなあ。
審神者に向かって、無垢な舞いに飢えているだろうから舞いをひとさし、といって踊り始めるのだけれど、
いくつもの白い照明の円を従えて踊る姿は、緩やかなのに隙がなくて。
鶴の一声、という言葉が耳に残るその歌声は朗々としていて。
光の中に居るのに陰が―――畏れに繋がるような何かが感じられる。
そんな雰囲気でした。
殺陣は、刀ステの鶴丸さんのように鳥が飛び立つような感じ、というよりは、
もっと小さな動きで回転が目立つような感じだったかも。
もちろん軽やかに飛び立つ瞬間もあるのだけれど、静かにすっと間合いを縮めてくる感じ。
衣裳も、少しぽってりした感じというか、翻りが少ない感じだったので、
余計にそういう印象があったかもしれません。
でも、強い。
照明の効果もあるとは思うけど、抜刀しただけで敵を威圧する感じ。
あと、敵を切った後、納刀の音でみんな倒れるとか、映画の三日月さんっぽかったです。
多分、彼はあの本丸では結構古参で、カンストしてる。
審神者との会話、部隊の采配、歴史への向き合い方―――どれも他の刀とレベルが違う気がしました。
見えているものが違うというか。
検非違使と1対1で対峙して、引きつけて逃げ回ってたとはいえ、
ある程度ダメージを与えた状態でみんなのところに連れてくるとか、ちょっととんでもない。
赤く染まった姿で現れた時には何事?!と思ったけど、
崖から落ちたとか、あれ、嘘ですよね?
あの血も、返り血なんじゃないかと思っているんですが・・・
いずれにしてもとんでもない。
最後に、鶴丸さんは大きな爆弾を落とすわけですが(後述)、
この伏線についても、今後の物語で回収されるのを楽しみにしております。
その際は、ぜひ間宮くんの鶴丸続投でお願いします。
というか、歌声がほんとに好みだったので、これからの成長がとっても楽しみ。
他の舞台でも拝見できるといいなあv


今回も歴史上の人物の描き方も素晴らしく。

秀康役の二葉要くん。
彼の夢から物語は始まるのですが、兄・信康への信頼とその喪失の大きさ、
父・家康への希求と絶望、弟・秀忠への愛憎、そして自分自身への諦念。
そういう様々な感情を、物語の流れの中でしっかりと伝えてくれました。
3歳児を演じるのはちょっと無理があるかな、とは思いましたが、
あのシーンがあったからこその信康との絆だからなあ(^^;)
彼が刀―――稲葉江の想いと感応して時間遡行軍側に堕ちるシーンは、
その演出にまず度胆を抜かれました。
ちょっと待って、“死”のダンサーがいるんですけど?!って(^^;)
彼が刀を手にした時、黒とグレーの衣裳を着た人物が現れて、
ほんとにロミオに絡む“死”みたいに秀康に絡むわけですよ。
で、秀康は堕ちていく。
時間遡行軍に囲まれて、家康に死を!と歌うのですが、そのシーン、鬼気迫るものがありました。
その後、舞台奥の階段上の暗闇に彼らは去っていくのですが、
最後に去るこの“死”みたいな役が、舞台奥からの青い光に逆光になって、
その影が階段の上から下まで伸びるのが、ぞっとするほど綺麗だった。
今回2階席からだったのですが、この照明が観れたのは本当に嬉しかったです。
で、この役。
役名がなくて、でもってWキャストのどちらか良くわからないのですが、
ダンスがほんとに素晴らしかったです。
これは、篭手切くんが「先輩にはまだまだかなわない」というはずだなあ、と(笑)。
R&Jの“死”とか、TdVの伯爵の化身とかと通じる感じだと思うのだけど、
この物語では刀ステの黒甲冑的な立場の刀の付喪神なのかなあ。
刀を手に秀康が戦う時、その動きのシンクロ具合が素晴らしくて、ちょっと見惚れました。
最後、自身を手にした篭手切くんを操ろうとして、でも逆に説得?浄化?されて、
刀に戻っていくのですが、いつか実装されたりするのかなあ。
というか、付喪神化した際の持ち主の心情で、
刀剣男士になったり時間遡行軍になったりするんでしょうか・・・?
やだそれちょっと怖い。

貞愛役の二葉勇くん。
秀康と双子の役なので双子の役者さんなわけなのですが、
秀康と同じ顔で全く異なる存在感が、ある意味残酷で、でも希望でもあるんだろうな、と思いました。
めっちゃ口の悪い神主さん。
でも、愛されて育ったこと、与えられた場で最善を尽くして未来に向かおうという気概があること、
そいう明るさがとても心地良かったです。
衣裳は神主さんでしたが、パンフレットにあるような正装(?)が舞台上で見れなかったのは残念。

秀忠役、長嶋くん。
二代将軍徳川秀忠という存在は、これまで見たドラマとか舞台とかでも、
偉大な初代と破天荒な三代目に挟まれた、ちょっと受身な印象があるのですが、
今回の舞台では本当に素直な弟くん、という感じでした。
もちろん、自分の力量や兄に対しての葛藤もちゃんとあって。
でも、吾平に問いかけられた時、迷うことなく自分の夢を―――
父の目指す太平の世を手伝いたい、という夢を語れた彼には、ちゃんと強さがあると思う。
戦乱の世が続なら秀康を後継に。
けれど自分の代で太平の世を作るという覚悟の表れとして秀忠を後継とした家康。
それは、ある意味本当に冷酷な判断なのだと思うけれど。
でも、秀忠はその真意をしっかり受け取って、自分の咲かせていくんだろうなあ。

家康役は鷲尾さん。
信康や秀忠のように戦を厭いながら、けれどだからこそ太平の世を築くために、
自分の痛みも他者の痛みも全て背負って進む覚悟を持った家康だったと思います。
仕方がないとはいえ、言葉が足りないとは思いますが(^^;)
でも、あの家康がいたからこそ、この物語は成り立つのかもしれないなあ。
終盤、鳥居元忠の討ち死にを知らされたとき、いきなり笑い出した家康。
「わしは笑えているか、元忠」という言葉に被さるような、あの子守唄の旋律。
物吉くんが、石切丸さんが、青江さんが、大倶利伽羅が、村正さんが、蜻蛉切さんが育てた家康。
偽りの家族が創り上げた、正しい歴史。
けれど、彼らが紡いだ時間は決して偽りではなくて。
そのことに、なんだかほっとして泣けてしまいました。

信康役、大野くん。
ある意味、この物語一番のトリックスターは彼だったのではないかと思います。
みほとせのラストで現れた彼の伏線(?)がこの物語で明らかになったわけですが、
信康としての死が、彼を自由にし、
一人の男として得た自由が、百姓の立場で太平の世を築くという夢を育み、
そしてそのことが彼を強くしたんだろうな、と思う。
でもって、家族の絆を彼は捨てていなくて。
弟たちを救うことで、間接的に父を救ったんだろうなあ。
というか、ほんとに信康さま、めっちゃ強くなっててびっくりしました!
村正さんたちの窮地を救う時のあの爆薬にもびっくりしましたが、
その後の殺陣で刀剣男士と一緒になって時間遡行軍や検非違使と戦う姿に、
ちょっと呆然としてしまったり。
大倶利伽羅の剣術指南の成果?とか、石切丸さんが傷を治した後鍛えなおした?とか、
彼の殺陣を見ながらいろいろ考えてたのですが、
正解はもしかして三日月さんなんでしょうか・・・?

刀剣男士の存在を知る、信康と貞愛。
貞愛は自分に刀剣男士の存在を教えた人物の名を知らなかったけれど、
信康は知っていた。

三日月宗近。

歴史から消えた人物を、刀剣男士の協力者―――物部とする。
鶴丸さんいわく、「この世界にある三日月宗近という機能」。
ちょっと待って、機能って何ですか?!と思ったよね、正直(^^;)
つはもので暗躍してた三日月さんがこんなところでも、とか、
このことを審神者は知っているのか、とか、
それとも知らなくて、髭切の時と同じように鶴丸さんに調査を依頼したのか、とか、
というか、三日月さんは単独で時間遡行ができるのか、とか、
もう頭の中は疑問符だらけです・・・
刀ステとは別の意味で、刀剣男士を越えてしまう三日月宗近。
これはたぶんゲームの原作の設定としてそういう要素があるのだと思うけれど・・・
うーん、ほんとに不穏だなあ(^^;)
明石さんや鶴丸さんがどういうかたちで今後絡んでくるのかとかも含めて、
今後が楽しみなような不安なような、そんな気持ちです。


そんなこんなで、ちょっと不穏さの残るラストになりましたが、
でも、全体的にはとても優しい物語だったな、と思います。
最後、石切丸さんの手記の題名を任されて考え込む蜻蛉切さんから筆を奪い、
村正さんが題名を書き込みます。

葵咲本紀。

葵の花が咲く、そう読んだ蜻蛉切さんに、「そう読みましたか」と微笑む村正さん。
咲のもう一つの読み方―――わらう。
この物語では、ひとひらの葵の花弁が落ちてくるときがありました。
秀康に。
家康に。
その葵の花弁を手にした信康がいう言葉―――「同じ葵の花びらでも、一つとして同じ形はない」。
それぞれが胸に抱く葵の花弁―――夢。
家康が、秀忠が、信康が抱くその夢は天下泰平で、けれどきっとその形は違う。
そして、歴史を守る刀剣男士たち一振一振が持つ夢も、きっと形が違う。
でも。
その夢が、その花弁が、いつか咲く時が、いつか咲うときが、きっと来る。
そのことを、信じていようと思います。


そんな感じで盛りだくさんで大満足な一部の後の二部、ライブパート。
こちらもめっちゃ楽しませていただきました!
始まる前の審神者さんの声での注意喚起がめっちゃ細かくて親切!
というか、審神者のみなさま、って呼びかけるから、この声はこんのすけでは?!と
ちょっと思ってしまってご一緒したお友達に話したら、
こんな渋い声のこんのすけ・・・?と言われてしまいました。
結構いけるとおもうんだけどなー(笑)。
で、始まりはフード付きの衣裳に編み笠をかぶっての登場。
編み笠で顔が見えないけど、それぞれ編み笠の意匠が違っていたので、
なんとなく誰が誰だかわかる感じでした。
村正さんは、フードの中に髪の毛がすっぽり収まってすぐわかりました。可愛いv
赤い布を持ったアンサンブルさんたちとのダンスが、本編の御手杵さんの炎の演出と重なって、
ちょっと深読みしたくなりました。
御手杵さんの歌で、「燃える」という歌詞があった気がしたし(^^;)
フード付きの上着を脱いだ後の衣裳、今回はシンプルな感じでしたがとても素敵。
元の衣裳に近い感じなのだけど、布の模様やシンメトリカルな形が綺麗でした。
御手杵さんの衣裳が個人的に凄い好きでしたv
最初のMCの時、一人一人挨拶をするのですが、奥の階段上でさぼる一振り(笑)。
さて、という感じでみんなが居住まいを正して、どうやって彼を来させるか相談するんですが、
その呼びかけを観客にさせるのが日替わりなのかな?
この日は村正さんで「明石、その眼鏡脱がしますよ!」だったと思う。
ちょっと長めだけど、見事に揃った観客、凄い!
その後の楽曲は、多分初めて聴く曲ばかりでしたが、どれもかっこよかったです。
村正さんのソロはちょっと妖艶さが控えめだったかなー。むしろワイルド。
その分の妖艶さは明石さん担当・・・?
いや、従えてた二人が純朴だったから、あんまりそういう感じはなかったかな。
鶴丸さんは、ほんとに歌声が素敵でしたv
ファンサは、なんと2階席、3階席にも!
ボックス席脇の通路に来てくれるんで、中央寄りのボックス席の方は大変だったかも(笑)。
私のいた席の近くには、明石さんと篭手切くんが来てくれました。
明石さん、壁に寄りかかって、黄色い歓声に人差し指を口にあてて「静かに」というジェスチャー。
歌が聞こえなくなるからかな、と私は思ったのですが、
一緒にいたお友達に、騒がれるとファンサしなくちゃならなくなるから(さぼりたい)、と聞いて、
なるほど!と。まだまだ読みが甘いです、私(笑)。
でも、その後の歌はノリノリな感じで、その後場所を変えて更に近くに来てくれたら、
いきなり片肌脱がれてちょっとびっくりしました。
細いけど綺麗な筋肉だなあ・・・!(え)
篭手切くんは、とにかく可愛かったです。
にっこり笑ってくれるだけでちょっと幸せになりました(*´▽`*)
反対側に来ていたのが、鶴丸さんと御手杵さん。
鶴丸さんは近くで見ると少年っぽさがあって、
御手杵さんは下手に居るのに上手にも手を振ってくれました。
家康さまたちの太鼓のシーンは相変わらずかっこよく!
というか、今回歴史上の人物たちの曲にも歌詞がありましたね。
何気に初めて?
その歌詞がまた結構泣ける感じで・・・記憶力がないので覚えていないのですが、
これは是非音源化して欲しいなあ、と思いました。
あ、今回の小道具は金色の布でした。
形がしっかりしてちょっと重そうだったから、両端に棒か何か入ってたかな?
全員でバッと投げ上げでキャッチするシーンがあったのですが、
多分、蜻蛉切さんが取り損ねた(笑)。
村正さんに渡されて、肩身が狭そうに後ろに下がるのか可愛かったです。
終盤のカーテンコール的な時には、刀の付喪神っぽい方もちょっと踊ってくださいました。
照明が暗かったので、紛れちゃったのがちょっと残念だったかな。

他にもいろいろ書きたいこととかあるのですが、とんでもない長さになったので強制終了。
確か今日は銀河劇場千秋楽ですね。
今はマチソワの間かな。
まだまだ地方公演もあって先が長いですが、
キャストのみなさんもスタッフのみなさんも、
怪我などなく、この世界を生き抜いてくださることを祈っております!

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